2007/08/12

甘い香り/Cocco

名前だけが大きくて、本当のことは良く分からない人っているじゃないですか?例えば、えーと、聖徳太子…違うか。えーと、稲盛和夫(!)…。どうもうまくないですね。芸能人で言うと、「季節の中で」を出す前の松山千春とか、鳥肌実とか…うまくないorz

とにかく(^_^;) 、私にとってCoccoってそういう人でした。「なんか詩がすごいらしい」「裸足で歌う女の子の元祖」「絶頂期に突然活動休止した」「沖縄で環境運動をしているらしい」等々。断片的な知識はあるんですが、顔も知らないし曲も知らない。

そしたら、ここ何週間かぼんやりテレビを視ていたら、Coccoが2回ほど出て来ました。フジの「僕らの音楽」とテレビ朝日「ミュージックステーション」です。おお、こういう人だったか!確かに裸足で歌っていました。余談ですが、Coccoと一青窈と中島美嘉が同じステージで歌う時に、一人水虫になってたらえらいことだなあ、と愚考したことがあります。余談終わり!

テレビで歌っていた「甘い香り」は、分かりやすい、そのまま聞き流せる感じでそれほど引っかかりを感じませんでしたし、歌詞が聞き取れず評価保留。どちらかというと「僕らの音楽」でのトークの方に引っかかりを感じました。云ってる内容よりも喋り方が。「なんだこいつ?」と。悪気はなさそうですが、小学生でももうちょっと人に気を遣って喋るだろう、と。実際に会ったら腹立つだろうな…と思っていたのですが、どうも彼女の出身地だとこういう喋り方が普通で、彼女だけの問題ではないんだろうと仮説を立てました。
さらに偶然なんですが、この放送を見た翌週に、沖縄出身の女性と話をする機会がありました。そしてその人の喋り方が、やっぱりこの時のCoccoと同じでした(仕事上なのでもうちょっと丁寧でしたが)。とにかくマイペースなんですね。相手に合わせて話し方を変えるとか、そういう感覚がないのです。そういうことか、と私は膝を打ちました。

そこまで分かったところで"iTMS"で「甘い香り」をダウンロードしてみました。

Cocco - きらきら - 甘い香り

でも、サビのところの歌詞が聞き取れない。「は〜い、」の後が。英語?仕方が無いので「うたまっぷ」で歌詞を検索して読みました。ほほう、なるほど。良く分かりませんが、自分と外界の境目を、正確に捉えようとしていることはなんとなく分かりました。ただ、そこそこセンスの良い人というのはこの程度の資質はあるだろう。そこで"iTMS"で一番ダウンロードの多い「強く儚い者たち」も落としてみました。おお、この曲は聴いたことあるわ。これも「うたまっぷ」で歌詞を読んでみました。おお、なんか凄いことになっています。なるほど。今の世の中ではかなり珍しい路線かも知れません。確かにこういう詩を書く人はあんな喋り方になるかもしれないなあと納得しました。これはちょっとじっくり聴いてみた方が良いかもしれません。

Coccoのセンスは1970年頃の若者に共通した匂いがします。自分を捜して捜し損ねて薬飲んで壊れて行ったり、突然エコに目覚めて放浪したりしそう。1969年の夏に新宿で庄司薫クンが出会った若者の中には、Coccoのような女の子がいたでしょう。本州で生まれ育ったら、1963年生まれの私でさえ追いつけなかったこの文化に、15年後に沖縄で生まれた女の子が一人で追いつこうとしている。地に足がついていることについては、私は彼女に負けています。

ただ、一つだけ注文が。
これだけの歌詞が書けるのに、今の歌い方では伝わらないんです。特に語尾はCDでも聞こえない。興味がある人は歌詞カードを読むだろう、では「歌」は独り立ちした表現になりません。サウンドとの親和性など他に考えなければいけないこともあるんでしょうが、サウンド重視だから歌詞は聞き取れなくても良い、と割り切ってしまえば進歩がありません。J-POPは今、そこを考えないことにしちゃってます。そこをなんとかすれば、Coccoはもっと凄いことになると思います。

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