2007/08/15

チャンピオーネ/ORANGE RANGE

夏休み自由研究も最終回となりました。明日から会社なんで…。

とりあえず「日本語とロック」の問題を現代J-POPまで行ってしまおうということで、またレコード屋に行って"ORANGE RANGE"と"サンボマスター"を買って来ました。おかげで今月はCDがいっぱい買えましたorz

1980年の佐野元春から2007年までの間、何をテキストにしたら良いんだろうと、インターネットの年代別ヒット曲データベースをいろいろ見ていました。今回触れなかったビッグネームとしては、尾崎豊、X JAPAN、小室哲哉あたりかなあと思うんですが、「日本語」のアプローチとしてはMr.Childrenほどの特異性は無いと思ったので、今回は通り過ぎることにします。また、雨後の筍のように存在する「作詞する女性ボーカル」についても、同様に通過させてもらいます。aiko、BONNIE PINKなんかはちょっと研究した方が良いかもしれません。宇多田ヒカルはもうすぐ新曲が出るので、その時に…。

買って来たのは、"ORANGE RANGE"というアルバム。サンボマスターはシングルの「全ての夜と全ての朝にタンバリンを鳴らすのだ」を買って来ました。

先にサンボマスターについて一段落だけ。
このシングルだけで判断すると、評判の割にたいしたことありませんでした。今の世の中、一つくらいこういうバンドがいても良いし、言葉を大事にしていることは評価できますが…。ロックである以上、ミックスでボーカルのボリュームをやたら上げるわけにはいかないのであれば、もうちょっと滑舌よく&通る声を鍛えないと、歌詞が聞こえません。曲についてもこういうことを思いつく人って云うのはそんなに珍しくないし、私らの上の世代にこういう感じの人はいっぱいいました(よくしりませんが、三上寛ってこんな感じだったのでは?)。また、RCサクセションまたはブルーハーツ(ザ・ハイロウズ、クロマニヨンズ)に比べて特に優れたところがあると思えませんでした(あ、この二つも通り過ぎてしまいました)。C/Wの「あの鐘を鳴らすのはあなた」も「あなあたー」の譜割りがもっちゃりしててダサいです。私は和田アキ子が嫌いですが、ここは本家に習って「あなーたー」と歌わなければ(「な」で音程を上げきっておかないと)だめです。できなきゃキーを下げなさい。以上。

で、本題の"ORANGE RANGE"。仕事で会う、得意先のえらい方もカラオケのレパートリーに入れている、J-POPの代表選手です。表題の曲は散々だった去年のワールドカップ中継のテーマソングでした。

聞いてみました。サンボマスターよりはだいぶ楽しかったです。
アルバム全体が笑ってますね。ポジティブシンキングの積み重ねが結晶になってる感じです。ミスチルの時のように重箱の隅をつつく気になりません。聴く方も難しいことを考えずに気楽に消費した方が良い音楽です。叩くとほこりが出そう。
キャベツ炒めて、もやし炒めて、ウインナーも入れとく?みたいな料理で、食べたら「あ、これはこれで旨いじゃん」みたいな音楽でした。
歌詞なんか、わざと聴こえないようなミックスにしてあるところもあって、これは「一応歌詞カードには書いておくけど、要は後ろで何か喋ってるってことが大事なの」っていうことでしょう。そういう捨て駒みたいなところが多いんですよ。本人たちも「サビだけにもりあがろう」と云っていますから、今の音楽の消費のされ方に合っているんでしょう(多分、サビだからこそ一層もりあがろう、の意味で書いてるんだと思いますけどねw)。
メロディがついてるところはそんなに難しいことをやっていませんでした。主旋律の人とオクターブ下の人と上でオープンでハモる3人で歌ってて、日本語の載せ方も佐野元春までの手法に収まっていました。というか、意外なほど松本隆でした。

最近のJ-POPの言葉がなぜ聞き取れないのか、この3日間でだいぶ分かって来ました。
1.サウンド重視の中でボーカルの音が相対的に小さくなっている(洋楽的ミックス)
2.相対的に小さくなる音量の中で言葉を届かせるだけの声の出し方ができてない
3.同時に日本語の発音として滑舌が悪い
4.従来の日本語、新規なカタカナ語、英語がランダムに混ざるので聴き手の耳がアジャストできない
5.前後の関係から言葉を類推できるような起承転結のある歌詞が少ない
あたりが考えられます。
私は中年ですが現代に生きる人間ですから、表現において何がいけないなどという野暮は云うつもりはありません。だから、1、4、5については容認します。問題は2、3かな…。ただ、前提として云っておきますが、私たちが若い頃喜んで聴いていたものより、歌唱・演奏・楽曲の平均レベルは最近出て来た人たちの方が高いです(その意味では"ORANGE RANGE"は例としては良くなかったかもしれません)。でも結果として耳に入った時の説得力がなぜ無いのか?という話です。

さて、クドかったこのシリーズは一度お休みして、明日更新するとしたら通常ペースに戻ります。

次にこのシリーズをやるときは、ラップ&ヒップホップ特集をやります。副題は「秋田音頭からケツメイシまで」かな。

最後に超余談ですが、「チャンピオーネ」のBメロ(なのかな?)「かんがえたって〜ハッハ」のところ、「走れコータロー」に良く似てますね。

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