2007/12/30

自己ベスト2/小田和正

自己ベスト2を友人が買ったのを借りました。
そこそこ売れているようで、一昨日埼京線に乗っていたら、向かいに座っていた30代後半と思しき女性が歌詞カードを見ていました。

基本的にオリジナルアルバムと"LOOKING BACK"シリーズを買っておけば、あってもなくても良いはずなんですが、さすがの私もコンプリートはしていないので、こういうの1枚あれば便利ではあります。
今回の聴きどころは、オフコース中期の佳作「愛の中へ」、同後期の傑作である「たそがれ」「君住む街へ」あたりに興味があったので楽しみに聴きました。が、この辺りになるとテクノロジー的なギャップもそれほどではないだけに、オリジナルの方が好きかな、という感じもあります。最近の曲は、いかな私でも「どれがどれやら」という感じもしています。曲のバリエーション以上に声とサウンドの関係があまりに完成しすぎて、結果としてどれも同じに聴こえてしまいます。

あと、さすがに肉体的な問題があるのか、ブレスが細かく入りすぎて、「味」ではすまない何かを感じさせるところもらしくない感じです。還暦を迎えてこの声、このキーを保つのはたいしたもんだと思いつつ、昔を知ってるだけにちょっと複雑な感じですね。

2007/12/12

Alpen Best-Kohmi Hirose/広瀬香美

今日は、首都圏エリアではありましたが、それなりに遠距離&長時間の移動があったので、改めて昨日の広瀬香美をエンドレスで聴いていました。広瀬香美が一番流行っている頃はリアルタイムであまりちゃんと聴いてなかったんですが、今になってじっくり聴くと良いですね、彼女。

まあとにかく、歌手として作家として、抽き出しの多いこと!
ビブラートひとつにしても自由自在なんですね。初期はほとんどノンビブラートで棒みたいに歌い、ときおり、8分音符にやたらシンクロした、のおおおおお、みたいな感じ(その辺が八神純子的だと思わされるんですが)だったのが、時代が下るにしたがって、具体的には"I Wish"あたりからはナチュラルなビブラートも使い始め、さらには渡辺真知子ばりの泣き節(一瞬裏声が交じる、やつですね)も使い始めます。それは声が出なくなってごまかしてるんじゃなくて、ポイントのところでは初期とおんなじ高音ノンビブラートも使っているんです。これだけ自由自在に歌を唄えればさぞかしレコーディングが楽しいでしょうね。

一方、曲作りの方はめちゃくちゃ論理的、なんだと思います。正確に評価できる知識は無いんですが、1曲当たり大きく4つくらいの部品を作っておいて、それをいかに上手に繋ぐか、ということをすごく計算した、プロフェッショナルな作り方をしていることが分かります。ときにはそのためにブリッジ部分をかなり強引に作ったりもしています。例としては「ゲレンデがとけるほど恋したい」の最後のサビの手前の「ま、さ、に、ぜっこ、おちょおー」の辺りなど。そしてそれは、作り込みが甘いんじゃなくて、「そういうゴツゴツしたところがあった方が曲として魅力的である」と分かってやっているのが聴いていて分かるんです。わあ恐ろしい…。
しかも、メロディの固まりを4つ作ったら、ひとつかふたつはちょっと過去の有名曲を下敷きにしたキャッチーで、あまり音楽に興味が無い人でも食いつけるようなところが必ず作ってあります。これも計算ずく。で、これだけ曲を作り込んでおいて、いざ歌を吹き込む段になると、タイミングをあまりきっちりにせずにところどころ音符を少し長めに歌って(モタるんじゃなくてタメてる)、結構下世話な感じの歌詞がちゃんと伝わるようにしています。

何処まで行ってもプロフェッショナルな上に、最終的なできあがりは現代的歌謡曲の王道。彼女が出てきたころはあまりFMのベストテン番組も聴いてなかったので、実際にはどうだったか知りませんが、故・宮川泰氏などは絶賛してたんじゃないでしょうか?そういう、宮川泰→ザ・ピーナッツの路線の現代版、という感じがものすごくします。

最後に、「月の下で逢いましょう」は割と最近の作品ですが、これハロプロ関連によく合いそう。GAMの次の曲はこれにしたら良いんじゃないでしょうか?特に藤本美貴の声に良く合うと思う。

広瀬香美 - Alpen Best - Kohmi Hirose - 月の下で逢いましょう - 07' Remastering

2007/12/11

ロマンスの神様/広瀬香美

世の中、いろんな企画があるものだなあと感心します。
広瀬香美のアルペンCM曲を集めたアルバム、という商品がこの12月5日に発売になっていました。曲目は90年代に毎冬手を替え品を替え流れていたCMソングです。
アルバムは正価2500円のようですが、実はiTMSでも販売がされていて、

広瀬香美 - Alpen Best - Kohmi Hirose

こちらは全曲一括ダウンロードで1600円。ジャケットいらないでしょ、広瀬香美の場合。私はこっちで買いました。

広瀬香美というと、だいぶ前に八神純子の話を書いた時に引き合いに出しましたが、その立ち位置が良く似ています。
オーソドックスな曲作り、高くしっかりした声。
しかもそれが洋楽的なテクニックというよりも歌謡曲的であるところが良く似ていると思います。八神純子は時代の限界だったのかもしれませんが、比較的ルーツが分かりやすい(元ネタがバレやすい)曲を作っていましたが、およそ20年の時を隔てて現れた広瀬香美は、はるかに高度で尻尾を掴みにくい存在になっています。新しい曲も聴きたいですね。

歌うの大変そうな曲ですが、なんか巨乳アイドルの人がカバーしてるのをアマゾンで発見しました!

2007/12/02

和幸:ゴールデン・ヒッツ/和幸

加藤和彦という人は、もう私の年代だと本当のことは良く分からない人なんですね。
「帰って来たヨッパライ」も「あの素晴らしい愛をもう一度」も、「サディスティック・ミカ・バンド」も幼児〜児童期のことで、その頃の僕は西郷輝彦とか小柳ルミ子とか野口五郎とかを無邪気に見ていた子どもでしたから。

そんなわけで、加藤和彦については大人になってからある程度「お勉強」の一環として触れただけです。最近もなんかのコマーシャルに出演したり、木村カエラを引き込んでの「サディスティック・ミカ・バンド」再結成などの活動をしていますが、はっきり言ってテレビで見る限り「飄々とした、歌の下手なオジサン」としか見えません。
しかし、残して来た作品を見ると、「タイムマシンにお願い」、「ドゥー・ユー・リメンバー・ミー(岡崎友紀)」、「不思議なピーチパイ」をはじめとする初期の竹内まりやのシングル、飯島真理「愛・おぼえていますか」など、その時代、時代でハイカラな曲を作っており、自身のソロでも「だいじょうぶマイ・フレンド」など、印象的な作品があります(この辺はWikipediaを参考にしています)。

その一方で、以前にも書きましたが、ラジオに出て来て「今の日本にはロックはない。ロックとは形式でなく生き方だから」という発言をするなど、硬派な部分も持っています(と、同時に本人は自分がロックンローラーであると思っていると思われる)。

さて、そんな加藤和彦の直近の仕事が「和幸」のプロジェクトです。iTMSでもダウンロード可能。

和幸 - 和幸:ゴールデン・ヒッツ

THE ALFEEの坂崎幸之助と組んで、架空のグループ「和幸」のオールタイムベスト盤「和幸:ゴールデン・ヒッツ」である、という見立てで作られたアルバムです。グループ「和幸」のキャリアは加藤和彦の活動期と同じ、ということなんでしょう。相方の坂崎幸之助はアコースティックギターの名手であり、その年齢以上に日本のフォーク史に詳しい人なので、加藤和彦の苦手な部分をサポートするに最適な人選であったと思われます。

そんなわけで、このアルバムは60年〜70年代の音楽に造詣が深いほど面白いはずで、私も雰囲気は分かるんですが、笑うところまでなかなかいかない。タモリの「戦後歌謡史」に匹敵するパロディなのだと思うんですが、自分の若さが憎い!(と、手のこんだ自慢をして終わります)