2008/05/29

1978~2007年のマイベスト30 ~その4~

ずいぶん同じテーマで引っ張りましたが今日はベスト3の発表です。


第3位 タイムトラベル/原田真二(1978年)

早熟の天才・原田真二の絶頂期の1曲。例の3作連続リリース、ベスト20に3曲ノミネートなどの話題で最高のデビューを飾った後、いよいよアレンジも自分で手がけたという4曲目のシングルがこれ。
2番の途中、「チャールストン」のところでおんぼろピアノ風のフレーズが入るところに1発でやられました(中学生の子どもだった僕は、まじめな中にこういう遊びが入ったものに初めて気づかされたのです)。

この頃の勢いなら、原田真二は今頃すごい大御所になっているはずだったんですが、彼は大物芸能人として成功するには繊細すぎたようです。人生、頭がよいこととか、感性が鋭いことが大成功への近道ではないんですね。


第2位 暮れてゆく空は/遊佐美森(1989年)

「月刊Keyboard Magazine」で特集されていて、大田裕美が楽曲を提供する女性歌手とはどんな人なんだろうという興味で聞き始め、はまりました。アコースティックな楽器を集めたバックなのに、聴いているときの快感はハードロックを聴いているときとほぼ同じなんです。
この曲のアコースティック・ギターの細かいストロークが大好きで、当時は私も友人と一緒に作曲とかをしていましたから、結構それ風のギターを入れようとしたりしました。

遊佐未森本人のルックスは大変地味だが、とても不思議な声をしています。セクシーというのとは違うような気がするんですが、腰骨の辺りをぞくぞくさせるなにかがあって、ずっと聴いていたくなります。大変個人的なことですが、学生の時に好きだった女の子の声に似ていることを思い出しました。彼女の声の魅力はもっと普遍的なものだと思いますが…。

遊佐未森を聴いたとき、太田裕美も無理に大人ぶった歌など唄おうとせずに、こっちの方向で年齢や性別を超越してしまえば良かったのに、と思ったものですが、やはり10年という時代の違いは大きく、当時はその選択肢は見えなかったかもしれません。


第1位 テクノポリス/YMO(1979年)

じゃじゃん!第1位はテクノの首領、YMOです。いろいろと文章で書こうとしたんですけど、すごく長くなることが分かったので、なんで1位なのかを箇条書きにします。

  1. 当時、音色自体が珍しかったシンセサイザーを使い、シンセサイザーの音だけでポップミュージックを作って見せたこと。
  2. そしてその音楽が高級かつ楽しかったこと。
  3. その後の社会全般に大きな影響を与えたこと。

    • テクノポップ・ユニットの「増殖」。
    • 当時の男子中高生の髪型が長髪からテクノカットに。
    • YMOの後、シンセサイザーの普及に伴い、ローコストでカッコイイサウンドが作れるようになった→80年代アイドル歌謡の隆盛へ。
    • 従来の、一生かけて訓練を続けるような楽器が弾けなくても作曲・演奏できる方法が普及した→今のテクノ、ヒップホップへ

歴史的な1曲であり、歴史的なユニットです。そうそう、だいたい「ユニット」っていう言い方もYMO関連商品以降に広まった言い方ですよね。少なくとも日本では。

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