2008/06/15

氷雨/ジェロ

発売は今月の25日だそうですが、iTMSでは既にダウンロード可能になっているジェロの「カバーズ」です。7曲で1400円。ジェロもジャケットいらないでしょ?
ジェロ - カバーズ

ジェロは音楽の知識がなくても「うまい」と言いやすいタイプの歌手です。声がきれいで音程を外さない。日本語の発音も聴きやすく(鼻濁音も使える!)、耳障りなところがまったくありません。
オリジナルの佳山明生が当時の演歌では例外的にあっさりとリズムに乗って歌っていたのを、日野美歌が思いっきり臭く歌ってから大ヒットになった曲です。当然ジェロは佳山系のうたい方をもっと洗練させてくると予想していましたが、ちょうど足して2で割ったようなうたい方をしています。

アルバム全体が外国籍のジェロに敬意を表してか洋楽的アレンジが加えられていますが、それぞれの元ネタが笑えるほどベタで、もっとマニアックな方向にした方がステイタスが上がるような気がするんですが、どうでしょうか?

2008/06/03

BLACK DIAMOND/DOUBLE & 安室奈美恵

先日、自分のブログ(こちらではない方)への検索元リンク等を辿ってネットをうろうろしていたら、結構若い人(ブログのプロフィールが本当な ら)が、「大塚愛の歌は下手だ」と書いている文章が多くて意外でした。私は大塚愛の歌はまあ巧いと思っているので。ま、私もそうでしたが、若い人っていう のは意外と固い考え方をするので、結果として保守的になりがちですからね…。

というわけで、ポピュラー音楽における歌の上手・下手ということについて考えてみようという企画を始めます。
クラシックの声楽と違って、ポピュラー音楽っていうのは聴く人の解釈によって上手い・下手はかなりどうとでもいえるので、あくまでも私が思う上手い・下手についてですけど。

そんな話題に格好のテキストになるかと思って、DOUBLE & 安室奈美恵の"BLACK DIAMOND"を聴いてみました。「決して悪口というわけではなく」で買うぞと予告してたんですが、その感想を書くのはこちらなんです。

二人とも、我が国の誇る実力派と言われる歌手です。楽曲云々よりも、まずこの組み合わせが夢の競演です。でも、この二人はその音楽的ルーツも発声方法もかなり違います。

安室奈美恵は善くも悪くもキャリアの最初はアイドル歌謡曲です。基本的に喋る声の延長で歌を歌います。この唄い方の良いところは聴き手に歌詞がよく届くことです。迫力という点では少し不利ですが。
一方、DOUBLEはR&Bをルーツにし、ちょっと孤高の本格派というイメージを持っていたのですが、Wikipediaなどでその来し方を辿ると、意外とコマーシャリズムとも無縁でないキャリアを持っています。この"BLACK DIAMOND"が収録されているアルバム"THE BEST COLLABORATIONS"も、もっと難しい曲が並んでいるかと思いきや、意外とキャッチーで歌謡曲っぽいのも混ざっていたので聴きやすかったです。しかし、その発声は本格派で、パンチのある(死語ですね)歌声はアムロちゃんを凌駕しています。

それでは横に並んで歌った時に安室奈美恵はDOUBULEよりも下手なのかというと、それぞれ「流儀」というか「目的」が違うので優劣はつけられないのです。R&BとしてはDOUBLEの方がより本来の文法(?)に沿っていると思いますが、J-POPとしては安室奈美恵のキュートさ、身近なリアルさ(ていうか、エッチさ、か)も捨て難い。

かようにポピュラー音楽における歌の上手い、下手というのは一筋縄ではいかないんですよ、ということでシリーズの前フリをしつつ、今宵はここまでにしとうございます。