2009/03/15

Come Back To Me/Utada(2)

ちょっと前に「どうも発売されるらしいよ」という話だけ書いた"Utada"名義の海外向けアルバム"This Is The One"が国内で先行発売(アメリカでは5月に発売されるらしい)され、私はアマゾンで買いました。

アルバム全体ではまだあまり聴き込んでいませんが、日本での活動を知っている私たちにとっては前作の"EXODUS"よりも親しみやすいように思いました。

前作"EXODUS"では日本で親しまれた宇多田ヒカル色をほとんど捨て、「米国風」あるいは「アメリカ人が考える日本人」を演じすぎ、ビジュアルにしろ(YMO風の?)電子音を多用したサウンドにしろ、なんか無理をしている感じがしました。「まあ、アメリカに合わせるというのはこういうことなのかねえ…」と田舎で孫の心配をするお爺さんのような気持ちになりました。

今作では、国内仕様の宇多田ファンにそんな居心地の悪さを感じさせる部分が小さく(無くはない。特に本人のキャラクターと合っているのか分からない大人ぶった歌詞等に違和感があるけど、英語で書いた歌詞の方が素の自分である可能性もあるしね)て、聴きやすい。サイトのトップやジャケットに使用されている写真も、黒髪+ナチュラルメイクの我々に見慣れた顔を使ってくれているのが良いです(あっちの人には中学生に見られそうだけど)。

マーティ・フリードマンの評論でも、「海外でももっと自分の良さを出せば…」と書かれていましたし、先日ネット上で公開されていたラジオ局でのプロモーションの動画でも「(単純計算では)日本人の二人に一人がCDを持っているビッグ・アーティスト」という紹介をさせていましたから、アメリカ人に通じるかどうかは別にして、日本ではそういう存在で、こういう音楽性なんだよ、というのを素直に展開するようにしたのかもしれません。

さて、このアルバムを象徴するナンバーである"Come Back To Me"を聴きましょう。
最初に"MySpace"のストリーミングで聴いた時は、タイトルにしろ大げさなピアノのイントロにしろ「ちょっとベタ過ぎるのでは…」と心配になりましたが、CDからきちんと聴いたら印象が変わりました。とても良い曲です。
どこが良いかというと、最近の国内作品で成功した部分("Flavor Of Life"あたり)のエッセンスをうまく取り入れて、我々日本のリスナーにとって違和感の無い曲だというところです。日本で好まれている彼女の声質や楽曲のもつ「切なさ」みたいな部分がかなり生かされているし、過去の彼女の(国内向け)作品の断片を思い出させるメロディが入っています。"First Love"が時を経て熟成したような曲と云えるかもしれない。ま、アメリカ人が喜んでくれるかどうかは(私はアメリカ人になったことがないので)知りませんけど。

それと、契約の関係で実現できるのか知りませんが、是非本人の訳詞による「Come Back To Me(日本語版)」を発売して欲しいです。日本語も載せやすそうなメロディだし。


<追記>
記事をアップしてから気がつきました。"This Is The One"のジャケット写真は、"Flavor Of Life"の正面版ですね。おにぎりの海苔部分が拡散してあのガラになっているんでしょう。やはり「宇多田ヒカル」を売るつもりなんだ、今回は。

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