7月に散歩で武蔵小山に行ったとき、立ち寄った本屋で大瀧詠一のムックを買ってきました。
情報量がとても多いので、一気に読むことができずに興味のあるところだけ拾い読みしているのですが、その中のところどころに後輩ミュージシャンが選ぶ「私的大瀧詠一ベスト5」というコラムがあります。
その中に高い頻度で入っているのが「指切り」という曲。
青山陽一(誰?)が5位、伊藤俊吾(キンモクセイ)が2位、サンボマスターが1位、田中拡邦(誰?)、山本精一(誰?)が3位に挙げています。
私は寡聞にして知らなかったので、「素直に『君は天然色』とか書け、カッコつけやがって!」と思っていましたが、知らないままなのも癪なので銀座の山野楽器で持っていなかった「大瀧詠一ファースト」を買ってきました。
はっぴいえんどの「風街ろまん(1971年)」と「HAPPY END(1972年)」の間隙である1972年に発売されています。各曲のクレジット(手書きで読み辛い)を読むとはっぴいえんどのメンバーの名前も見られますが、はっぴいえんどという制約の多いバンドではできないことをやったということで、とてもまともな成り立ちのソロアルバムと言えるでしょう。吉田美奈子、松任谷正隆といった後のビッグネームも名を連ねています。
問題の「指切り」は3曲目、「それはぼくぢゃないよ」と「びんぼう」に挟まれた位置に入っていました。
なるほど、「風街ろまん」にも、「A LONG VACATION」にも、あの展覧会のような「ナイアガラ・カレンダー」にも似た曲が思いつかないダンスミュージック風。キンモクセイの人が「好き」というのはちょっと納得。
その他、「五月雨」のオリジナル(僕は先に「ナイアガラ・カレンダー」に入ってる谷村新司みたいな方から聴いちゃった)が聴けたのも収穫。
それと、はっぴいえんど用のものより少し分かりやすくしてある松本隆の歌詞に、その後の職業作詞家になってからの作品で使うようになる言葉の断片が予告編的に見え隠れしているのも興味深いですね。「髪を切りすぎたね。まるで男の子だよ」とか「約束なんて何もないけど」なんて言い回しとか。
大瀧詠一って人は大河ドラマみたいな作家だから、やはり年代順にひとつずつ聴いた方が良い、というのが今日の結論かな。
そう考えるとまだまだ買わなきゃいけないものがいっぱいあるなあ。
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