2010/11/23

UTADA HIKARU SINGLE COLLECTION VOL.2 [Disc2]/宇多田ヒカル

正式な発売日は明日ですが、Amazonが休日バイトを集められなかったのか(まさかね)予定より1日早く"UTADA HIKARU SINGLE COLLECTION VOL.2"が今日のお昼前に届けられました。「休養前」だけに勤労感謝の日に届くようにしたんでしょうか?

さて、このいわゆるSC2、"DEEP RIVER"までがVOL.1でしたから、今回はその後のシングルを集めたベスト盤+別ディスクで新曲5曲のミニアルバムという作りになっています。さらに初回特典で"Goodbye Happiness"のビデオが付いています。
「衝撃のデビュー」から一気に駆け抜けた時期であるVOL.1と違い、こちらは結婚・海外進出・離婚その他諸々あった時期の作品が並んでいます。とはいえ、Disc1の方はすっかりおなじみの曲ですから後でじっくり味わうとして、とにかく気になる新曲5曲を聴いてみました。

1.嵐の女神
途中で「お母さん」と言っているので、これは自分の母親、美人で挙動不審なあの人に対する歌なんでしょう。ちょっと70年代頃の洋楽シンガー・ソングライターっぽい曲調は宇多田ヒカルには珍しい気がします。普段の宇多田ヒカルを期待すると拍子抜けするほどシンプル。

2.Show Me Love(Not A Dream)
こちらは曲はともかく歌詞がまったく宇多田ヒカルらしくないので聴いてて不安になる曲。「実際」「自力」「一歩」とキツイ音読みの熟語を並べるような乱暴な言葉の選び方をする人ではなかったように思うのですが。心情吐露的歌詞は"Fight The Blue"にも似ているようですが、あの曲のようにユーモラスな箇所も無く、きっちり受け止めるには辛い作品です。

3.Goodbye Happiness
その点、この曲は安心。宇多田ヒカルらしいアイデアがたくさん入っています。2コーラス終わった後のぶわーっと広がる展開も良いし。イントロの「あああ、あああ」のテーマが曲のほぼ全体でずーっと続いているところもおしゃれです。

4.Hymne a l'amour ~愛のアンセム~
サンプリングかと思うような2倍か4倍速のバックで歌う「愛の讃歌」。なんでこの曲?という疑問は晴れませんが、「フライ・ミー・トゥ・ザ・ムーン」もありましたからね。

5.Can't Wait 'Til Christmas
「クリスマスまで待てない」ってタイトルもそうですが、この普通さはなんでしょう?どこかでなにか変なことをやってくるに違いないと期待してましたが、そのまま終わってしまいました。もちろん普通のJ-POP的には「いい曲」です。

私の要求が歪んでいるのかもしれませんが、今回の新曲5曲、特に1,2,5あたりは今まで通りの宇多田ヒカルを期待すると肩透かしを食います。従来の彼女の特長はシンガー・ソングライターとしての作品に透けて見える本人の姿(感情とか成長とか)が透けて見えつつ、実はかなりそれをソフィスティケートした形で品よく作品化しているところにあると思うのですが、今回は妙に生のままぶつけてきています。
それが「休養前」なのをいい機会に「一度シンプルな歌を作りたかった」というような創作上の欲求だったら良いのですが、いつものような才気あふれるアイデアとユーモアを込めて作品を発酵させるだけの体力が相当弱っていたのではないか?そんな、いらぬ心配をさせられました。

なにはともあれ、彼女は今の日本の大衆音楽においてダントツの才能だと思いますので、本当にボロボロになる前に休養でもなんでもして、末長く活動をして欲しいと思っています。ゆっくり休んでください、お疲れ様でした。

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