2011/12/18

THE BADDEST~Hit Parade~/久保田利伸

なんだ~、出るなら言ってくれよ~という感じで久保田利伸のオールタイムベストが新しく発売されています。
前回のPerfumeを1枚だけレジに持っていくのが初老(;´д`)男性としては恥ずかしかったので、辺りを見回したら運良く見つけ、重ねて上にしたのがこちら。 

以前にも書きましたが「THE BADDEST(今となってはBaddest"Ⅰ"と書いた方がいいのかもしれない)」は90年代前半の若者の必携CDだったので、私も持っていました。 
その後も「THE BADDEST」というベスト盤は「Ⅱ」、「Ⅲ」と発売されていますが、それぞれ第2期、第3期のベストという位置づけで、曲の重なりはなかったよう(すみません、買ってません)ですが、今回は副題に"Hit Parade"と付いているように、初のオールタイムベスト盤ということになると思います。 
ちょっと前に「Gold Skool」の時にも書いたように、和製ブラコンのパイオニアだった久保田利伸はロック畑のニューミュージック組にはなかったかっちょいい感性をJ-POPに持ち込んでくれました。たとえばこの「BADDEST」という文法的に正しくないスラングをあえて使うところなども当時は新しかったのです(一方、聖飢魔II は自らに課した設定に忠実に「Worst」というベストアルバムを出しましていますが、こういう「14歳」な感覚も嫌いじゃないです)。 久保田利伸の衝撃はおそらく玄人筋の方が大きかったようで、そのフォロワーの多さは、今現在を含めても枚挙に暇がないほどです。ドリカムだって最初の何作かはよく似たことをやってました。初期のアルバムを聴いてると「永遠の翼」によく似た曲とかありますね。 


久保田利伸が流行って良かったのはそれまでのロック畑出身ニューミュージック勢の、棒を飲んだようなメロディライン(その方がストイックに見えた)が矯正されて、歌って楽しく耳に心地よいメロディが復活したことだと思います。ただし、歌って楽しい、耳に心地よいにあまり重心がかかると、歌謡曲の悪い部分と共通したものが顔を出して、大甘、ワンパターンに陥りますので、作り手の自己管理が重要になってくるわけですが、その後のJ-POPはどうなってますでしょうか。


という話はさておいて、実際に聴いてみましょう。 
私なんかは「BADDEST(Ⅰ)」しかちゃんと聴いてないニワカファン(かどうかも怪しい)ですが、とにかく楽しい。 
特にDisc1の前から2/3くらいまでの、まさしく初期の「ヒットパレード」部分は、気をつけないと電車の中で一緒に歌ってしまいそうになるゴキゲンさ。
日本の歌手は(照れるのか?)曲中にスキャットとかあまり入れませんが、久保田利伸はそれを多用して、前後が日本語なのにちゃんとサマになってるのも良いです(オリジナル曲で久保田利伸以外にやるのは、原田真二と吉田美和と宇多田ヒカルくらいしか知らない。憂歌団とかブルース系の人はやるか!)。
そりゃまあ、シンセサイザーのきらんきらんした装飾的フレーズや、びょんびびょびびょびょん、というシンセベースには時代を感じないでもないですが、それでももちろん今聴いてかっこいいです。 


その後、「LA・LA・LA LOVE SONG」が出てくるまではちょっと地味な時間帯があります(Disc1の後半)。今聴くとちょっと自分の業界内の地位が定まりすぎてか、窮屈になりかけているところが見えます。「LA・LA・LA Love song」や「SUNShine,MOONLight」は売上的にも成功したと思いますが、音としてはそれまでの延長という感じです。それが「Cymbals」のあたりで一区切り付いて、「Sound of Carnival」から音が一気に今風になり、それ以降は、たとえば「平井堅の最近の曲だよ」と言われてもなんの違和感もない音になっていきます。 「LOVE RAIN~恋の雨~」は初期のパターンを持ちだしたファンサービス的作品か。


「THE Baddest~Hit Parade~」は、以前からがんばって買い揃えていた人が泣かないように、一部バージョン違いも収められています。 
すぐわかるのは名曲「Missing」がBaddest(1)ではフェイクバリバリの別録音だったのを、今回はオリジナル版(と思う)で収められています。ちなみに私は「BADDEST」版で覚えてしまったので、カラオケでやると(昔ね、昔)すごく陶酔して歌っているとよく勘違いされたんですが、参照したテキストが違ったんですよ、アンダスタン?



2011/12/04

JPN/Perfume

この次はDVD付きを買うぞ、と意気込んでいたPerfumeの久々のアルバムが出ました。
ただし買うには苦労しました。AmazonでDVD付き初回限定版が予約できないのです(一応商品は出てきて、クリックもできるんだけど予定数終了かなんかで予約が成立しない)。しかたないので発売日に銀座山野楽器へ行ってみると、普通に平積みされていました。これだけ買うの恥ずかしかったので、久保田利伸のベストと合わせて買ってきました(久保田利伸の話はまた今度)。 

いざ聴いてみると、たとえ音と名前は一致しなくても、半分以上はCMなどのタイアップでテレビから流れた覚えのある曲たち。
「レーザービーム」や「ねぇ」のような攻める感じの曲と「ナチュラルに恋して」や「微かなカオリ」などほんわかしたアイドル風とを行き来しながら進んで行き、ぼけーっとしてるうちに終わりまで聴いてしまいます。
「JPN」というタイトルもスケールが大きく、かつ「AKBやSKEやHKTなどの秋元康戦略の最終型(JPN48?)を見通して先を越してやった」かのようなネーミングでなかなか痛快(邪推です)。


さて、渡辺祐氏の週刊朝日での連載によると、「イマドキのオトナ世代にはアナログ右派的なサウンド志向の方と、YMO育ちでテクノポップ上等のデジタル穏健派が混在している」そうです。
二つに分けられてしまったら明らかに「デジタル穏健派」に入らざるを得ない私です(いやその中でも右派左派古典派があってさ…とか言い出すとキリがないんですが)。 


YMOの持っていた「かわいい」部分を取り出して女の子にパフォーマンスさせるやり方は、本家YMOのお三人さん自身の手によるものも含め、80年代にやり尽くされた感じがありました(「イエローマジック歌謡曲」の項でしつこく書きました)。そんな当時の商品を含めても、Perfumeのウェルメイド感は一頭地を抜いていると思います。 
それは歌ってる本人たちの現代的なリズム感にもあると思います。
これだけ声が加工されている中で「リズム感」と言っても証拠はないですが、テレビでのパフォーマンスを見ると、本人たちもやはりただもんじゃないと思います。
Perfumeは芸能人として突出したルックスではない(顔もそうだけど、DVDで見てると結構昭和な体型に見える、人もいる)ですが、歌声やパフォーマンスの中でちゃんと上品な色っぽさを醸し出しているのはプロとして偉いと思います。
また、「ポリリズム」の頃に比べると、声の加工もマイルドというか地声が類推できるような気がするレベル(といってもどれが誰かは分かりませんが)に少しずつ変わっていっているように聴こえます。ブレイクした頃の、アニメのキャラクターのような存在だったのを、二十代の女性に相応しい質感を徐々に付け加えていく戦略なのかもしれません。

ところで、Perfumeの黒幕である中田ヤスタカっていう人はWikipediaの記述が本当なら、まだ30歳そこそこ。なんでこんなに我々に懐かしさを感じさせつつ、古臭くない音が作れるのか?あまり使いたくない言葉ですが、「天才」としか思えません。
それこそ「YMO世代」の、テクノの来し方行く末をじーっと目を離さずに見つめ続け、その上特別才能がある人物が作ってるのなら納得ですが、30歳前後の若い人がほとんど一人で(しかも達者な歌詞まで)作ってるんでしょう?
すごすぎる!



2011/11/27

gift~あなたはマドンナ~(sings with EPO)/土岐麻子


化粧品キャンペーンソングだった土岐麻子のシングルについては、以前も項目を立てましたのでご用とお急ぎの無い方は参照してください。その時に「これはEPOバージョンも聴きたい」というようなことを書いたんですが、そんな私の希望・予測の「斜め上を行く」形でプロジェクトは進んでいたんですね。 

11月下旬になんの気なしにiTunesのトップ画面を眺めていたら、土岐麻子の新作として"sings the stories of 6 girls -EP"が表示されました。詳細を見てみると2曲目に「gift~あなたはマドンナ~(sings with EPO)」の文字が。 
sings the stories of 6 girls - EP - 土岐麻子

似ているところが多い二人があえて競演しているわけで、これは聴かないといけないでしょう?iTSの分類はEPとなっていますが、6曲入りのミニアルバムといって良い構成。6曲まとめてダウンロードして1200円。発売は2011年11月23日となっています。位置づけとしてはおそらくクリスマス・年末向け商品。 

通して聴いてもなかなかのものですが、とりあえず問題の「gift~あなたはマドンナ~」を聴いてみようではありませんか。 

オリジナルより少しテンポが遅く、楽器の構成もシンプルになっています。オリジナルが「CMトラックス」の頃のEPOで、今回はその後という感じ。 

最初は土岐麻子が通常通り歌い始めますが、コーラスの声などにじわじわとEPOの気配が漂い始め、Bメロでユニゾン、Cメロでハモリとなります。2コーラス目の前半はたぶんEPOで攻守が交代。CHEMISTRYのような役割分担ですね。 

元々歌い方が似ているので、どこからどこまでというのが分かりづらく、だまされているところもあると思いますが、EPOの方が母音の「e」や「o」の力が強く感じられるので、それを頼りに聞き分けます。 
それでも聞き取りは難しいのですが、似ているようで二人の違いってのはやっぱりあって、EPOが相変わらず学校の先生みたいなかっちりした透明感、空気感(ていうの?)を保っているのに対し、土岐麻子は若干軟派で下世話な雰囲気を持っています。この曲ではあまり感じませんが、土岐麻子のビブラートはどうかすると島倉千代子に聞こえることがあります。 

そんな微妙な芸風の違いのためなのか、Bメロのユニゾンはかっちり合ってなくて、前に聴いた「やもり」の二人のようなズレが発生しています。「やろうと思えばもっとキッチリ合わせられるんだけど、今回はこのくらいにしといたった」というポップスらしい姿勢であるかと思います。


2011/10/30

age/斉藤由貴

本来のタイトルにはフランス語風にaの上に"^"がついて、読みは「アージュ」です。 先日、何かの拍子に突然聴きたくなって、CDラックその他を捜索したんですが、引越しの時に捨ててしまったのか、どこかに二束三文で売っぱらってしまったのか、見つからずに(持っていたのは間違いないんだけど)iTunesでダウンロードしてきました。
   
ところが、なぜかこの「age」は「アルバムの一部」としか表示されず、同じアルバム名を持つ別々の曲群として販売されていました(アルバムとして一括購入できない)。 
なんで?とじーっとタイトル部分を見たら、なぜか7曲目がありません。そのため、このアルバム1枚分を落とそうと思うと、収録曲全部を1個ずつクリックせねばならず、しかも7曲目は無いままという、とても不満足な形での購入になります。

欠落している7曲目はアルバム中唯一、斉藤由貴自身が作詞した「あなたの存在」という曲。

本人が封印したとか、別の大人の事情があるのか知りませんが。
しかし、今でも大きいCDショップに行けば買える、紙ジャケ・HQCD版にはちゃんと収録されています。ということは、おそらくiTunes Storeとレコード会社側の情報伝達の齟齬かなんかだと思いますが、iTunesは結構こういうこと多いですね。っていうか、ダウンロード販売だからって手を抜かないで、サプライ側もショップもちゃんとやれよなー!

 斉藤由貴は、今でもほとんど印象が変わりませんが、田舎の学級委員長がまちがって芸能人になっちゃったような、若い時からおばさん臭い人でしたが、実はミスマガジン出身のグラビア系だし、スケバン刑事とか朝ドラとか芸能界のど真ん中をきょとんとした顔のままこなしてきた不思議な人。

歌手デビューしても、第一印象としては「あ、声出ない、下手」って感じだったんですが、実はこれが食わせ者で、同時期に歌い始めた菊池桃子が「下手そうで本当に下手」だったのと違って、変な表現力があるんですね。音程もずーっとフラット気味に聞こえるんですけど、作品が壊れるような外れ方はしない。似てる人をさがすと大竹しのぶとかすごい名前が出てきます。最近だと相対性理論のやくしまるえつこなんかもそうかな。 

さて、「age」は1989年と言いますから、バブルまっさかり&80年代アイドル歌謡の爛熟期で、それぞれが差別化のために凝った仕掛け作りに頑張りまくっていたころです。

宮沢りえが小室哲哉プロデュースで歌を出したり、工藤静香があの「あーらしをっおーこーして」とか歌ってたのがこの年(だったんだ。Wikipediaによる)です。

斉藤由貴はちょっとサブカル的方向に向かっていて、武部聡志や崎谷健次郎をスタッフに起用していました。斉藤由貴本人もたいした詩人なんですが、作詞は谷山浩子の印象が強いです。CMで流れた「土曜日のタマネギ」の評判がすこぶる良かったですね。
 
「age」はそれまで棒立ちで歌っているイメージだった斉藤由貴が意外なほど派手な振り付きで歌った「夢の中へ」と同時期に発売されました。「夢の中へ」は崎谷健次郎がプロデュースと編曲を担当していますが、「age」も全編・崎谷健次郎プロデュースで、エレクトロ・ポップなサウンドがほぼノンストップで最後まで続く意欲作です。今聴くとちょっと直球すぎるかもしれませんが、でもちゃんと楽しい。個人的にはM8.「雨色時計店」の、歌詞+曲+声のもつ雰囲気と、エレクトロニクスなバックとのミスマッチな感じがすごく好き。

 このアルバムに「夢の中へ」が収録されていないのは、同シングルとこのアルバムが同日発売だったので「棲み分け」のためらしいです。とはいえ、もう、発売から20年も経っていることですし、サウンド的にもつながっているのだから、iTunesStoreではぜひ今後、7曲目をきちんと入れて、10曲目を「LUCKY DRAGON(ServiceVersion)」から「夢の中へ」に差し替えた、「age(コンプリート版)」としてきちんとアルバムとして購入できるようにしてもらいたいと思います。
 

2011/10/09

Gold Skool/久保田利伸

久保田利伸の新作が出ていたので、半分懐かしい気持ちで買って来ました。

今やJ-POPの半分はイエロー・ブラックミュージックと言いたいような状況ですが、その最初のところに久保田利伸がいます。もっと前にRATS & STAR(シャネルズ)がいたよ、という人もいるかもしれませんが、あれはもっとオールディーズな感じで大滝詠一などの息もずいぶんかかっていたので、またちょっと別の話になると思うのです。

久保田利伸は80年代に「いわゆるブラック・コンテンポラリー」を日本でやり始めた人です。

当時はニューミュージックからの流れを汲むフォーク・ロックをベースにした大御所たちやバンドブームから生まれたロックバンドが幅をきかせており、ブラコンはそれほどメジャーな存在ではありませんでした。 久保田利伸が一般に注目されたのも田原俊彦の"It's BAD"という日本語ラップを大胆に取り入れた新曲の作曲者としてです。

「夜のヒットスタジオ」のマンスリーゲストとして"It's BAD"やオリジナルを披露したのが何時の事なのか覚えていませんが、あの一ヶ月で、おそらく彼の認知はものすごく広がったんだと思います。1989年に発売されたベストアルバム"the BADDEST"は我々当時の若者の必携CDとなり、ようやく普及し始め、やたら音飛びしてた車のCDプレーヤーで再生しながら眉毛を太く描いたおねいさまたちを送り迎えしたものです。

今さら演歌やベタベタの歌謡曲には行けず、かと言って根っからロックンローラーにもなりづらかった日本の若者を、昔から歌謡曲とも親和性が高かったブラックミュージックが受け皿になって、しかもその鉱脈はすごく太かった、ということです。

彼がメジャーになった後には、1990年にはドリームズ・カム・トゥルーがブレークしていますし、1993年にCHAGE and ASKAが「ブラコン作った」と"You are free"を出した頃には、J-POPにおけるブラックミュージックの影響は明白になりました。そして、1998年にMISIAがブレイクして以降の「R&Bの歌姫」乱立は今も続いています。

そういう意味で久保田利伸は日本のR&Bの元祖または本家であり、このジャンルの大御所として君臨してもいいはず。しかし、90年代の後半以降、アメリカに活動拠点を移してしまったためか、その功績や音楽性のわりに扱いが小さいように見えてしまうのは同年輩として不満なところです。

 さて、8月に出た最新アルバムである"Gold Skool"は"the BADDEST"や"LA・LA・LA LOVE SONG"以来目を離してしまったヌルいファンも優しく迎えてくれる 親しみやすいアルバムになっています。声はまったく衰えていませんし、あいかわらず歌詞が聞き取りやすい。あの頃好きだった久保田利伸が今もそこにいてくれますから、オジサンも安心して聴きましょう。

2011/08/21

どーも/小田和正

いつ聴いてもおんなじシリーズ第二弾(?)で小田さんも聴きました。
最新アルバム「どーも」です。

小田和正と山下達郎のどこが違うかっていうと、「根っからのミュージシャン度合い」でしょう。
小田さんはミュージシャン(芸人)としての自覚があまりない人です。

山下達郎は「Ray Of Hope」発売にあたって集中的にメディアのインタビューを受けています。その中では「現代のインターネットの影響下での音楽消費を考えると、ミュージシャンが楽曲販売によって収入を得るモデルは難しく、今後のミュージシャンは演奏会(ライブ)入場料を収入とする、原始的な方向に戻るのだろう(大意・確か上杉隆の番組でした)」と言っていました。
つまり現場でウケる力がある、ミュージシャンらしいミュージシャンの時代になるということでしょう。「ゆず」なんかは多分大丈夫。

さて、小田和正は山下達郎に比べると明らかに楽曲販売系アーティストであり、歌声以外のパフォーマンスについては若い頃から不問にされていました。
本来、小田さんは高学歴で運動神経も良く、なんでもできる人です。
音楽家として成功していなくても、例えばビフォーアフターで「空間構成の完璧主義者と呼ばれる匠」として登場していたかもしれないし、7時のニュースの中で自民党政調会長として民主党幹部と会談する映像が流れても全然違和感がない。
バブリーな言い回しをすれば「血中ミュージシャン濃度」がとても低いようにみえるのに成功している人(それだけ器がでかいんでしょうね)です。
もし小田和正が根っからの芸人で、そのプロ意識からくるサービス精神があれば、ハンドマイクを手にダンスしながら歌うぐらいしても良いと思いますが、彼はやりません。

ちょっと変わってきたのは、オフコース時代の完璧主義者、自分にも他人にも厳しくちょっと無愛想というキャラクター。歳を重ねてテレビにも少しは出るようになって「歌詞間違っちゃった」みたいな場面もみられるようになりました。
アルバムタイトルの「どーも」なんていうのも、最近のちょっとカジュアルな小田さん、のイメージからつけられているのでしょう。

聴いてみました。

うーん、ちょっと退屈。
少しずつフォークへ回帰しているのはここ何作か感じていましたが、ちょっと地味です。
音はシンプルになっていくのに演奏される楽器が匿名的になっているのは、オフコース時代の、顔なじみのメンバーで楽器を持ち替えながら作られていた音を知っている古いリスナーとしては、ちょっと寂しいですね。
一応、私みたいにいつまでもオフコースのイメージを追っかけてる連中向けに、「誰もどんなことも」なんていう「いかにも」な曲も混ぜてくれてはいるんですけど。
全体的に完成度はどんどん上がっていて、悪いところはなんにもないんですが、聴いていて興奮しないんです。

小田さんの万年青年な声と、おしゃれなメロディがあれば納得してくれるファンばっかりなのかなあ…。
(本当はもっと色々考えたんですが、めちゃくちゃ長文になったので、今日はここまで!)

2011/08/15

Ray OF Hope/山下達郎

山下達郎の6年ぶりの新作が発売になるよ、震災を受けてタイトルや曲目も変更したらしいよ、というニュースを聴いて、発売日に銀座山野楽器で買って来ました。山下達郎の「Ray Of Hope」。
オリジナルアルバムに限ると、私個人にとっては(前作の「SONORITE」をパスしてしまったので)、実に「Cozy」以来13年ぶり(!)の再会です。
もっとも日曜日のラジオはちらちら聴いているので、全く目をそらしていた訳ではないんですが。

さて、久しぶりな山下達郎は基本的にはやはりいつもと同じでした。
そして、いつもと同じなんだけど、今回は特に凄くいい!
理由のひとつは実質12曲(M1とM14はM3のリフレイン)ってことで長さと曲数が最適だってことです。

大滝詠一が「ナイアガラ・カレンダー」をして自ら「ポップスの定石集」と言っていましたが、それを真に受けてる私はポップスのアルバムは12曲くらいが最良と思ってます。山下達郎だって「人間が集中して聴けるのは昔のアナログ盤アルバム裏表くらい(大意)」、と言っていました。
とはいえそこはやっぱり今の世知辛い世の中、CDアルバムともなればパッケージに目一杯入るだけ曲を詰めて17曲入り70分!しかもその内の過半数はシングル曲、さらに8割はドラマとCMのタイアップ!とかにしておかないと商品にならないっていう話で。
でもそういうアルバムはスピーカーの前で正座して(しないけど)聴くにはツーマッチです。
私が前作「SONORITE」をパスしてしまったのも、前々作の「Cozy」が余りに盛り沢山で聴くのが大変だったのを思い出し、二の足を踏んだというのが大きな理由でした。

それが今作は、やっぱりタイアップはいっぱいのようですが、このご時世に敢えて出すことへの調整もあったのか、内容が凝縮され、一回聴いた後、また頭からリピートしたくなる腹八分目の快さが保たれています。
久しぶりに頭から尻尾までじっくりしゃぶりたくなるアルバム。
すでに何周目かなんですが、もう一度聴きましょう!

M1.希望という名の光(Prelude)
M3のコーラス部分のアカペラ版。終わった途端に「ふとふれーたゆびさーきにー」とか歌い出しちゃだめよ。
M2.NEVER GROW OLD
打ち込みベースにピアノの白玉コード弾きが重なって段々壮大になって行く、本編オープニングに相応しい曲。こういうのすぐ真似したくなります。「炎のランナー」とかをちょっと思い出す。
M3.希望という名の光
震災直後にラジオで流れ評判になったとされる曲。アルバムタイトルもここから。「蒼氓」方面の真面目なメッセージをテーマにした歌です。
M4.街物語(NEW REMIX)
マイナーな曲調だがギターがはねたリズムを刻む、いかにも山下達郎らしい曲。
M5.プロポーズ
メジャーとマイナーが入れ替わりながら淡々と進行するAOR的にオシャレな曲。
M6.僕らの夏の夢
力強い三拍子とサビからの盛り上がりが印象的。余計な想像だが、前の曲とこの曲は追っかけのコーラスとか入れて小田和正がやっても似合いそう。
M7.俺の空
「FOR YOU」なら「HEY REPORTER!」、「ARTISAN」なら「"Queen OF Hype" Blues」など、アルバムに定期的に加わるファンキー・ナンバーの系統か。今回はロック色が強くて、はっぴいえんどの「颱風」をすごい完成度にした感じ。こういう直截な怒りって、日本でももっといろんな人が歌っていいと思う。
M8.ずっと一緒さ
ビフォーアフター解決編なイントロから定番のベースラインでじっくり聴かせます。「ゲット・バック・イン・ラブ」とかの感じですが、内容はハッピーなことを歌ってます。
M9.HAPPY GETHERING DAY
M4と違って今度は明るい進行のシャッフル。楽しい、可愛い。途中で「キャンディ」や「恋の予感」を思い出しちゃうニューミュージックな自分が嫌。
M10.いのちの最後のひとしずく
タイトルと歌詞を見るとすごい歌謡曲、な感じですが、もちろんそんなことにはなりません。「Endless Game」よりずっとドライ。
M11.MY MORNING PRAYER
来たあー!夏だ、海だ、タツローだ!いや、歌詞はうんと真面目で海の歌でもないですが、こういう曲調のが入ってるとうれしいですね。
M12.愛してるって言えなくたって(REMIX VERSION)
ラストに向かう王道バラードです。前の曲で踊ってた人も座ってじっくり聴きましょう。
M13.バラ色の人生~ラヴィアンローズ
アンコール的位置づけのアカペラによる超有名曲のカバー。いいなあ、うまいなあ!
M14.希望という名の光(Postlude)
そしてまた荘厳なアカペラ。フェイドアウトするとまた1曲目から聴き直したくなる。

今回はあえて過去の曲をたくさん引き合いに出しました。
山下達郎はいつ聴いても同じであって同じでない。
まず前提として引き出しがものすごくたくさんあって、その中でいわゆる達郎サウンドとしてお馴染みなパターンがいくつかがあるんですが、じゃあそのパターンがいくつって言えるかというと、それが難しい。しかも完成度がどんどん上がってくるからケチがつけられません。
特に今回は、音としてはとてもシンプルなんだけど、そのアンサンブルがかっこよくて、真似ができそうで目指すと道果てしないという意地悪なことになっています。音楽の道は険しい、私はもう15年も休憩しています。

2011/07/24

Born This Way/Lady GaGa

歳をとると頑固になる反面、自分の実力もわかってくるので、このブログを始めた頃に比べてあまり暴走した文章が書けなくなってしまいました。それじゃつまんないんですけどね。

さて、東日本大震災のチャリティーなどであのLady GaGaが来日してました。何度も書きますが私は洋楽は滅多に聞かないので、名前しか知らなかった。
最初に名前を聞いたときになんか日本人が"Radio GaGa"をもじったような名前だな、と思ったら、なんと本当に元ネタがQueenの曲名だと聴いてちょっと可笑しかったです。やっぱり欧米人でもLとRの混同とかあるんでしょうか?

さて、去る7月11日月曜日、代休を取っていた私はそのLady Gagaさんを「徹子の部屋」と「SMAPxSMAP」で見ました。とても面白かったです。 特にレディ・ガガと黒柳徹子はとても相性が良いように思いました。突飛なようでその内面はまっとうなお嬢様であるという共通点がありますし、黒柳徹子は譜面が読めて英語が堪能なので、徹子さんがあと20年若かったらもっと丁々発止のやりとりができたのに!と少し悔しい感じもしました。しかし衰えたとはいえ、腐っても鯛な黒柳徹子のインテリジェンスは、名前を呼ぶにも他の日本人のように「あさおみわ」のようなイントネーションにはせずに、「れいでぃ・があ↑があ↑」と英語風にしていました。一方、Lady Gagaも「ありがとうございます」などの日本語がちゃんと日本人の発音を耳コピーしたと思われるカタコトでしゃべっていて、つまりこの二人の能力は、優劣はわかりませんがよく似ていることが分かりました。

そんなことが分かったところで、「それじゃアルバム1枚くらい聴いてみるべえ」とiTunesで落としてきたのが最新アルバムの"Born This Way"です。

iTunesによるとジャンルは「ポップ」。
聴いてみると、サウンドは派手なエレクトロニクス系ですが、メロディと歌いっぷりは私らの年代には聞きなれた白人ロックの感じです。考えてみると、ここ20年くらいというもの、アメリカから輸入されて流行する音楽はブラックミュージック系が多く、それこそマドンナ以来かもと思われる久々の白人系のアーティストなのかも。

さて、Lady Gagaは、声の出し方はとても上手ですが、鬼面人を驚かすようなハイトーンとかいう分かりやすい特徴はなくて、中庸な音程をしっかり出す方向のうまさ。私は英語も本当よく分からないんですが、平易な語彙によるストレートな歌詞はアジア人にもわかりやすく、世界的に成功しているのもよくわかります。
ただし、Lady Gagaの歌声は男性向けお色気ムンムンな感じはなく、なんというかキーの高い男性ロックボーカリストが歌っているように聞こえます。また、パフォーマンス時の衣装などはずいぶんと露出度が高いのですが、セックスシンボル的ではなくてもっとアート系ですね。イタリア系米人ということもあってどうしてもマドンナを思い出して比較してしまいますが、そのへんが違うんだな、と。

大変聞きやすかったので、今後はぼちぼちとデビューアルバムから聴いてみようかと考えています。

2011/07/17

Z/UNICORN

このところテクノポップ周辺をさまよっていましたが、主観的にはロック好き(そういう風にみてもらえないけどw)なのでこういうのも聴きます。
ユニコーンの最新アルバム「Z」です。私は電気グルーヴの「A」も持っていますので、これで私のiTunesには文字通り「A to Z」が揃ったわけです。トキオッ!

バンドブーム時代のユニコーンについては私はまったく無知で、「大迷惑」も「服部」もリアルタイムではほとんど聴いていませんでした。ただ、解散寸前に発売されたアルバム「スプリングマン」をなぜか買って(たぶんテレビで「すばらしい日々」の演奏を見て、とつぜん奥田民生に興味を持ったからだったと思う)、しつこく愛聴しました。
ユニコーンは、かつての「はっぴいえんど」や「オフコース」が、そしてビートルズがそうだったように、メンバー各人が作曲し、「作ったんならおまえ歌えよ」って感じでリードボーカルも各人が担当する、良い意味でのアマチュアっぽさが残っていて、「スプリングマン」はそういう風にできていました。そして、2011年に発売された「Z」もやっぱりそういう風にできています。

ユニコーンが出てきた頃、僕は仕事のできない新入社員であり、しかも就職浪人状態だった友人との自作音楽にもはまっていいました。だからバンドブームは横目でみながら通りすぎてほとんど聴いちゃいなかったんですが、それでも仲間内の音楽談義のときはろくに知りもせずに「この中で残るとしたらユニコーン」としたり顔で語っていました。それは結果として当たったんですが、その根拠はなんていうこともない、楽曲や人となりがなんかいちばん愛嬌があったから。そして、メンバーがアラフィフとなった今もその愛嬌が失われずにいるのがうれしい。ロックの名曲からのフレーズ拝借もいまや円熟の境地です(本気で褒めてます)。

2011/07/03

YMO/YELLOW MAGIC ORCHESTRA

YMOについてはマイペースで書きたくなったら次に「増殖」の話を書けばいいか、とか軽く考えていたら、新しいベスト盤が出ているじゃないですか、YMO(^_^;) 「YMO」がアルバムタイトルでアーティスト名が「YELLOW MAGIC ORCHESTRA」なんですね。ここ数年、新作を小出しにしたりフェスに顔を出したりもしてるらしい。ちょっと目を離すとこれだから…

さて、今までさんざん出たベスト盤のうちの何種類かを持っている身としては、聴き所は渡辺香津美のギターが入ったライブ版「東風」であり、「DAY TRIPPER」なんでしょうが、私はこういう血と汗の臭いがするYMOにはあまり興味がなくて、オンタイムのシーケンスでただただクールに「テクノポリス」とか流れてたほうが好きなんですけど。ただ、気のせいかもしれませんが、全体の音圧も上がってるみたいで、今の環境で聴くには単純に音として良くなってるんでしょう。そういうHiFi的興味も含めてやっぱり買っといたほうが後悔しないかな?

曲のラインナップはiTunesやAmazonのリンクからでも見ていただければ良いのですが、1st.「イエロー・マジック・オーケストラ」から3曲、1979年のライブ音源から2曲、「ソリッド・ステート・サヴァイヴァー」から2曲、「増殖」から1曲、「BGM」から4曲、「テクノデリック」から2曲、「テクノドン」から1曲。そしてHASYMOのシングルから1曲で、基本年代別に並んでいます。15曲目の「key」は1983年の散開ライブの実況で、私にとっては当時NHKテレビの特集番組で見て以来の音源になります(「アフター・サーヴィス」を買ってないので)。
「BGM」からのナンバーが多いのは、やっぱりあのアルバムは名盤ってことか(゚д゚)(。_。)(゚д゚)(。_。) ウンウン。

YMO - Yellow Magic Orchestra

2011/06/19

レーザービーム/Perfume

今、月に1~2回くらい見るテレビの歌番組で、出てくるのが楽しみなのは彼女たち。

表現において「なんだこれは!?」と思わせるものこそが最良であるという岡本太郎理論でいくと、Perfumeの「ポリリズム」は「なんだこれは」でした。
「なんだこれは」だったけど、同時にキッチュ(死語)だったので、「あ~、ボコーダーで声いじってテクノポップを唄わせてるのね」と、80年代にやたらたくさんあったYMOおよびその周辺によるテクノ風アイドルポップス(「イエローマジック歌謡曲」の項参照)の生き残りであるという仕分けをしてしまいました。
それでもなにかとても気になってアルバム「⊿」も買ってたんですが、どうも私は彼女たちを過小評価していたように思います。

しばらく静かにしていたようだったのが、今春からコマーシャルで「レーザービーム」が流れ始めて、「あー一段とYMOになってきたなあ、でもちょっとメロディが小さくまとまりすぎなんじゃない?」とまだ思っておりました。

ところが、CD発売日前後に出てきたテレビでのパフォーマンスを見ると、いいんですなあこれが。

レコード会社がYouTubeにPVのサンプルを上げていますが、PVよりもテレビでのダンスの方が良いです。


サウンドと「レーザービーム」という単語に騙されて、なにかサイバーな世界の話なのかと思わされるけれど、歌詞をよく聞くとテーマはどうも野球のことらしい、「れいざあびいむ」って思い切り日本語だし。

そんなユルさも含めて、PerfumeにはCDで聴くよりもDVDやテレビで見て初めて見えてくる何かがあります。マルチメディア(これも死後だなあ)時代の商品としてとても優れていると思います。

次のアルバムが楽しみ、今度はDVD付きを買おう。

2011/06/12

Checkmate!/安室奈美恵

安室奈美恵の「ベストコラボレーション・アルバム」として発売された「Checkmate!」を聴いてみました。
以前このブログでも書いた、DOUBLEとのデュエット「Black Diamond」も入った、他のアーティストとのコラボ作品だけをまとめたアルバムです。土屋アンナ、山下智久、AI、DOUBLE、m-floなど一見バラバラな相手とのコラボレーションが1枚にまとまっているわけですが、驚くほどまとまっています。一番まとまってないのはiTunesに取り込んだデータで、どうしても1枚のアルバムとして認識させられず、連続再生するには専用のプレイリストを作らなくてはなりませんでした(もっと良いやり方を知ってる人は教えてください)。

さて、安室奈美恵は相変わらずある世代のファッションリーダーでありつつ、日本では本格的なダンスミュージックを追求するアーティストとして確固とした位置づけを手に入れていますが、その出自はアイドルであり、その発声は今でも本人の話し声のニュアンスを残したアイドル式発声です。
最近は日本でももっとプロフェッショナルな発声をするボーカリストが増えていますが、やっぱり我々日本人が一番「萌える」のはかわいい女の子が普段話してる声にメロディが乗っかってるような歌声でしょ?このコラボで組んでいるDOUBLEやAIがどんなに上手くても、安室ちゃんの声はやっぱり惹きが強いし、歌詞もすんなり入ってきます。

考えてみると、日本のマンガやアニメーションもみんなその構造です。背景は写真と見紛うような細密さで描きながら、そこで活躍する登場人物たちは3Dにしようもないような平面的な線画で描かれています。それは本来ならとってもオカシイことのハズなんですが、なんたって水木しげるの時代から日本の大衆向け映像表現とはそういうもの。精密なミニチュアとコンピューターグラフィックスで再現されたリアルな情景の中、生物学的には絶対に膝の位置がおかしなキグルミ怪獣によるプロレス技の応酬を鑑賞するのが日本の特撮映画です。

そんな文化で育った我々の世代がギリギリついていける最先端が安室奈美恵の音楽です。それでも最近はちょっとカッコ良すぎてついていくのが大変ですがw
→ YouTubeへのリンク

2011/05/22

HATSUKOI/坂本美雨

今日は休日出勤の上に、明日の仕事のために東京から大阪に移動しなくてはならず、なんか悔しいからエクスプレスカードの特典でグリーン車に乗りました。
N700系はソフトバンクの無線LANが使えるので、iPadで遊んでいたんですが、そういえばMac以外で音楽買ったことがなかったな、と思ってiTunesを立ち上げて、アルバムを物色してました。
主にナタリーなどの広報を読んでなんとなく気になっていた、坂本美雨の5月18日発売のアルバム、"HATSUKOI"をダウンロードしてみました。新幹線の無線LANは意外とトラフィックが細いのか、全曲落とすまでにわりと時間がかかりました(同乗の皆様、さぞかしご迷惑だったことでしょう。申し訳ないです)が、さっそくiPadにヘッドホンを挿し込んで聞いてみました。

坂本美雨のことは、矢野顕子と坂本龍一という超大物の娘ということはどこかで見て知ってましたが、マスメディアで見かけることも少ないので、意識して聞いたことはありませんでした。
ほとんど情報を持たないままに再生してみると、iTunesに表示されたジャンルは「エレクトロニクス」。あ、エレクトロニクスなんだ、と思って聴きはじめると、なるほどオケは打ち込みです。そして乗っかる本人の歌声は、こういってはなんですが、妙に基礎のしっかりした本格的発声。お母さんの弾(はじ)けるピアノと奔放な節回し、とは違います。また、幸いお父さんの歌唱力は全く遺伝しなかったらしく、きれいで上品な発声です。打ち込みのバックで歌う遊佐未森のような、元気な中谷美紀のような…。

作品の印象は、初心者向けクラシック(バッハとかモーツァルトの有名曲や、タンホイザー序曲とか?)を再構成した上にポップなボーカルが載っている感じです。最近のJ-POPにはあまりいない路線で、聞いたことないほど斬新、ていうのではないけれど飽きることなく聞けました。また、このアルバムには初心に戻って可愛いメロディを書くようになった小室哲哉作品が混じっています。さすが小室作品は飛び抜けてキャッチーな出来上がりです。

一方、ご両親の、良くも悪くも強烈なキャラクターからの遺伝を変に期待しちゃうとちょっと地味かもなー、という印象もあります。「藤圭子の娘がR&Bを歌うんだって!(その話はもういいって>俺)」みたいなインパクトはないです。

なんていうか、今はまだ「楷書」で書いてある音楽って感じです。だから、これからこの人が年齢を重ねてどんな風に崩れていくのか、ちょっと長い時間で見ていたいですね。
男女問題とかで身を持ち崩したりして色気とか毒気なんかが加わると、ちょっとすごい才能かもしれません。

↓顔はお父さん似。

HATSUKOI - 坂本美雨

2011/04/24

A LONG VACATION 30th Edition/大滝詠一

1981年、私が大学入試に向けて「受験勉強」などしている頃に発売され、当時のFMラジオと大学生のカーステレオを占拠していたお化けのようなアルバムが"A LONG VACATION"でした。
私はこれをミュージックテープ(カセット)で買って、確か「サンヨーおしゃれなテレコ」で聴いていたのではなかったか?(我が家は私が生まれて以来ずっとアパート住まいだったので、ついぞ大型ステレオセットやオーディオコンポには縁がないまま、現在に至る)

その後長じて自らマイカーを持つようになり、カーステレオにCDが装着されればCD版を買い足したり、度重なる引越しでそのディスクのありかが分からなくなったりもしながら、付き合ってきました。そんな先日、3月の終わりに銀座山野楽器に行ったら、店頭に"30th Edition"と書いた新盤が陳列されているのを見て、通算何枚目か分かりませんが買ってきてしまいました。なんたって、今回はボーカル無しトラックがかっきり全曲分別ディスクで付いているので、コレクターズアイテムとしても貴重です。

大滝詠一作品についてはものすごく詳しい人がさんざん解説を書いていますし、ご本人があちこちで解説しまくる(今ならとりあえず「レコード・コレクターズ 2011/04を買うべきでしょう)ので、今さら素人がなにかコメントすることも無いです。
それでもラジカセの10cmスピーカーで聴いていた時代から、だんだん聞こえる音が多くなって、いよいよiPhoneにつないだヘッドホンやBOSEのPC用モニター(これもスピーカーはちっちゃいけど)を使って改めて聴いてみると、このアルバムの情報量の多いこと!
この30年、ミニにタコじゃない、耳にたこが出来るほど(結局、表現がなんか違うがw)聴いているはずが、実は全然聴こえてなかった音があることや、逆に自分の頭の中で勝手に付け足していた音があったことにまた気が付きました。30年経ってまだ味が出てくるか!
ボーカル無しディスクの方は喉の調子がよければ車で聞きながらひとりカラオケで遊ぶのにも絶好。どうせ歌詞は全部頭に入ってますからw ただ今は、3月の喉風邪以来、得意のファルセットが全く出ないので、大滝風歌唱が出来ないのが残念。早く治そう。

さて、大滝詠一はこの作品の後、1984年に"Each Time"を出して以来、ほとんど新しい作品を発表しておらず(一度、木村拓哉のドラマ主題歌をやったくらいで)、精神衛生上はもう新作を待つのは諦めた方が良いです。しかし実はこのような過去の作品の音源発掘や再構成されたCDをコンスタントに出し続けていて、これらすべてを収集しようとすると実はもう、恐ろしいほどのアイテムがあります。「彼は常に新作を出し続けていて、追いかけるのが大変なんだ!」と言えてこそ「真の大滝詠一ファン」を名乗れるのかもしれません。あたしにゃ無理だけど。

2011/04/18

Hey和/ゆず

ゆずはイイ。
「夏色」の時から、ギター2本(いや、ギター1本とタンバリンだったのかもしれない)だけど貧乏臭くない、センスの良いコンビだと思っていたし、デビューから歳月が経ってもいい意味でのアマチュアっぽさが無くならないところが見ていて好ましいからです。

「Hey和」はタイトルからしてなんかめちゃくちゃ狙ってるぽく、バックにゴスペル風コーラスが入るR&Bなトラックが採用された野心作でありつつも、バックと切り離したらいつでもギター2本で歌える曲に戻れる感じが残っています。

今、J-POPの一流どころの多くは、何をやるにも完成度を求めてパッケージとしてきれいに仕上げることに注力してるので、こういうゆるさを楽しむ部分は排除されようとしてるような気がします。その結果、アーティストが誰であっても均質化されてしまって、却って選びようがないように思えます。私はこのくらいが「ゆず」らしくてすごく良いと思います。
例えばよく似た編成のコンビでコブクロっていうグループがあります。私はあまり興味がないのですが、もし彼らがこういう曲に手を出したら、もっとこう…ケミストリーと見分けがつかないように仕上げてくるのではないかと(笑)。

さて、この曲は偶然にも震災後の世情に妙に似あってしまって、彼らが意図せぬ付加価値がついてしまったようにも見えます。しかし、作者の意図と違った消費をされてなお成長するのも流行歌ですから、それもまたありでしょう。

2011/03/31

NATURAL BEAUTY/ビビアン・スー

昨年から少しずつ日本での活動を再開しているビビアン・スー。2月中旬頃、エステサロンのCMで「タイミング」のアコースティックバージョンが流れていたので、「あ、新作出るのか?」とオフィシャルサイトを見に行ったら、なんとアルバム発売だというのでAmazonに予約を入れました。

日本では超久しぶりのオリジナル・アルバムです。どのくらい久しぶりかというと、1996年の「天使・想」以来、じゃないか?(ブラビの活動を除くと)

前作「天使・想」はNEW EDIT版を今でもiTSでダウンロードすることができます。まだ二十歳そこそこの、抜群の素材でありながらどういう路線で売れば良いか掴みきれなかった当時のスタッフの迷いがよくわかります。山口百恵~中森明菜風「少女の青い性」路線を狙ってみたがなんか違うー→どうしよう?みたいな。
結局、その後バラエティに進出して、「日本語の不自由な天然キャラ→ブラックビスケッツの活動」で一応の成功を収めて台湾に戻って行きましたが、本国及びアジアでのスターぶりと比較して日本市場では今ひとつ扱いが軽いのがかわいそう。

日本で活動していなかった間、彼女は中国語圏を中心に多くの映画に出演し、歌手としてCDもたくさん出しています。以前、私は輸入レコードショップの通販で購入した話をこのブログにも書いていますが、その音楽性は日本のアイドル歌手にとても近く、デニム地の衣装でオーソドックスなフォークロック調の曲をやっていたかと思うと、薄物の露出度の高いドレスで舞い踊ったり、ケバいメイクでファンキーな曲をやってみせたりと毎回頑張っています。そのどれもがマニアックに本格派を目指すのではなく、角をまるめた歌謡曲的アプローチなので、結果として私みたいな軟弱な音楽ファンには極めて聴きやすいのです。

さて、そこで今回の"NATURAL BEAUTY"は震災直後の3月16日発売で、2月のうちからAmazonで予約していたにも関わらず、出荷延期の憂き目をみて5日ほど遅れて到着しました。初回盤特典は1名様ご招待のデート権(!)。
実は予約を入れた段階で、収録曲を見てたので中身にはあまり期待できないかと思っていました。というのも、このアルバムの中には日本の有名曲のカバーが含まれているのですが、そのラインナップが「恋におちて-Fall in Love-」「長い間」「フレンズ」「時の流れに身をまかせ」ですよ。いくらなんでもベタだし支離滅裂です。たしかに今、カバー・アルバムが流行ってますけど、これじゃあ昔、父親がカセットで聴いてた「李成愛・日本を歌う(いや、タイトルは今適当に作りましたが)」みたいじゃないですか?

聴いてみました。
結論としては意外なほど良かったです。

1曲目が例のCMで流れている「タイミング」のアコースティックな新録音版ですが、オリジナルの攻撃的なところが全く無い普通に良い曲になっていました。そこから続くカバー3曲が、「タイミング」のアンプラグドなサウンドに少しずつ打ち込みのサウンドが重ねられていくように作られていました。そのグラデーションの頂点に昨年シングルで出したイケイケ系の"NICE AND NAUGHTY"が置いてある上手い流れになっていて、曲目リストから感じられた総花的で節操のない感じがしないようになっています。あー、これよく出来てるわ。昨年、シングルで聴いたときは、「ナチュラル派路線もいいが地味すぎだろう」と感じた"Beautiful Day"もアルバムの中ではきちんと光っています。

ビビアン・スーの歌唱はいつものことですが、音程は問題なし、声量は本格派歌手としてやっていくには弱いと思いますが、とにかくなんでもさらっと歌ってしまいます。ちょっと変わったかなと思うのは日本語の発音。ラ行の巻き方とか、つぁつぃつぇ~とか、うぉもうふうーとか、今、J-POPの歌手が多用する発音が導入されてます。ボイストレーナーがそういう指導をするんでしょうかねえ。一方英語部分はRを巻きすぎない、イギリス風のあっさりした発音をするようです。細かく聴いてると面白いです。

そして最後は「時の流れに身をまかせ」。これは解釈が難しい。
日本の芸能人は立候補でもしないかぎり、めったに政治的立場を明らかにすることがありませんが、台湾出身の彼女は好むと好まざるとに関わらず、常に国際政治の影響にさらされていると思われ、テレサ・テンの人生などを思うと、この曲を入れることにどんな深い意味が込められているか想像がつきません。
今回の震災でも彼女は台湾のチャリティー番組に出演して、彼女自身の募金も含め多額の義援金集めに大きな役割を担ってくれているようですね。

2011/02/26

Solid State Survivor/Yellow Magic Orchestra

やっぱりYMOといえばこれでしょう!「ソリッド・ステイト・サヴァイヴァー」です。
テクノポリスもライディーンも"BEHIND THE MASK"も1枚で聞けちゃう。
YMOってとりあえず何聴けばいいの?と思ったら、まずこれ。BGMとかテクノデリックとかはとりあえず置いといてこれ。

1曲目のテクノポリスが素晴らしい。前作のアジア趣味を通り越して無国籍というか未来的でフィクショナルな仮想都市トキオのテーマ曲。

そして2曲目の"ABSOLUTE EGO DANCE"でふらっと沖縄に戻り、3曲目がライディーンです。文句なしに楽しい。シンセサイザーの音が気持ちいい。

今の若いアーティストでこれに似た音を聴きたいと思ったら、やっぱりPerfumeってことになるなあ。

このアルバムには、まだ手弾きのベースやエレキギターの音が入っていて、ロック(または「クロスオーバー」的)な雰囲気が残っているのも逆に好ましく思えます。このアルバムの中ではビートルズのカバー("DAY TRIPPER")をやっていて、歌詞カードによるとギターはシーナ&ザ・ロケッツの鮎川誠です。

さて、タイトルの「ソリッド・ステイト・サヴァイヴァー」は、素直に読めば「半導体(製の)生存者(?)」でしょうし、「高密度電脳国家(?)の生存者」という誤読も可能。ときあたかも「サイバーパンク」が確立する前夜であり、コンピュータ化する世界に触発された表現者集団の中にYMOもいた、ということなんだと思います。

2011/02/20

イエロー・マジック・オーケストラ/Yellow Magic Orchestra

iTunesに結成から1983年の「散会」までのアルバムが揃い、YMOが気軽に聞けるようになりました。
活動期間が5年ほどなので、オリジナルアルバムに限れば、アイテムも少ないからコンプリートも比較的容易です。

1.イエロー・マジック・オーケストラ
2.ソリッド・ステイト・サヴァイヴァー
3.増殖
4.BGM
5.テクノデリック
6.浮気なぼくら
7.サーヴィス
の7枚。

僕はCDで2、4、5、6(あとテクノドン)を持っているから、新しく買うのは1、3、7の3枚。

ま、ひと月で全部揃えると経済的負担も大きいので、とりあえずファーストアルバムである「イエロー・マジック・オーケストラ」をDLしてみました。
 iTunes Store(Japan)
YMOはいろんな編集のCDが既にたくさん出ているので、私のMacのHDDの、どこにも入ってない曲は少ないのですが、それでもアルバムの収録曲を収録された順に聴いてこそと思いますので、気にせずアルバム一括購入。あーオトナって素敵!

「イエロー・マジック・オーケストラ」は細野晴臣が発想したコンセプトを基に、高橋幸宏と坂本龍一が参加してできた最初のアルバムです。「テクノポリス」も「ライディーン」も入っていません。ベスト盤やオムニバスなどでよく聴ける曲としては「東風」「中国女」「ファイアークラッカー」あたりでしょうか。ああ、それにしても「東風」の出だしは本当にかっこいい…。

さて、「イエロー・マジック・オーケストラ」が発表された1978年というと細野晴臣がソロで「はらいそ」発表した年でもあります。度重なる引越しでどこかにしまいこんでしまい、今すぐに聴き返せないのですが、「イエロー・マジック・オーケストラ」は細野晴臣ソロ名義で発表した「泰安洋行」「はらいそ」の延長線上にあるといっても間違いでは無いでしょう。
萩原健太の著作などによると、細野晴臣は都会っ子である自分にはルーツとなる日本というものが無いから、沖縄や東南アジア経由で日本に戻るしかない、と考えていたらしいのですが、その意識が初期YMOにも見えます。

YMOが流行り始めた頃、無邪気な高校生だった私は初期のYMOの中国風味な音階はあまり好きではありませんでした。
とはいえ当時は冨田勲作品以外では聴けなかったシンセサイザー音楽を、それも軽快なポピュラーミュージックとしてやってくれたのですから、細かい趣味の問題を超越した抗しがたい魅力がありました。

当時の機材のことを考えると、まだシンセサイザーはアナログで、音色メモリーもあったかどうか…。演奏中に音を変えようと思ったら、パッチのコードを差し替え、各種つまみを手動で調節していたわけです。シーケンサーもアナログで、つまみの数の音数までしか連続演奏できなかった。しかもそれぞれの機材が大きいから、初期YMOのライブ映像はタンスに囲まれたようなビジュアルでした。しかし、それが機械好きな男の子にはかっこ良く見えたものです。(しばらくYMOの話が続きます)

2011/02/12

いきものばかり~メンバーズBEST COLLECTION~/いきものがかり

2010年もっとも成功したJ-POPのバンドのひとつ(便利なので翻訳調w)、いきものがかりのBESTが友人から回ってきたので聴かせていただきました。今日はその感想文です。

「いきものがかり」についてはまだこのブログを始めていなくて、「はてなダイアリー」に音楽の話からPalmの話までなんでも書いていた頃に、批判的に書いた覚えがあります。あーこれだ→決して悪口というわけではなく(2006年5月4日)
SAKURAは彼らのメジャーデビュー曲ということで、もちろんこちらのBESTにも入っていますが、私はこの曲を当時通っていたテニス教室のBGMとして毎週聴いてて辟易してたので、かなり好き放題書きました。だって、あまりにも80年代ニューミュージックだったんだもの。どうして21世紀に新しく出てきた人から、僕らが若い頃やってたフォークソングに毛の生えたような音楽を改めて聴かされなきゃいけないんだ、という中年としての怒りというか、遺憾の意を表明したわけです。こんなんだったら俺、自分でやるわ、みたいな。

去年、「ゲゲゲの女房」の主題歌として国民的愛聴曲となった「ありがとう」まで久しくそれと意識して聴くことはありませんでしたが、このBESTはその間の彼らの活動を網羅しているようなので、iTunesに取り込んで何往復か聴いてみました。

コアとなるメンバーはボーカルの女性と、エレキギターとアコースティックギターの男性二人。二人とも曲を書くが、シングルは基本的に一人が担当しているとのこと。エレキギターと生ギターのからむフォークロック的サウンド、女性ボーカルはクセがなく、歌詞も聞き取りやすいので嫌われる要素はとても少ない。NHKが使うのもよく分かります。日本人の音楽偏差値48~52くらいのところにかっきり合わせた作風は、老若男女どこからも支持を得られるようになっています。

逆に言うと、二十代にしてこの毒気の無さは、ここから先の化ける要素を見つけづらく、本当にこれでずっとやっていくのかい?という疑問がわきます。
たしかに我が同世代から上のミュージシャンは洋楽を意識しすぎてかなり恥ずかしいこともやってきたけれど、それで進歩してきたことも多いわけです。「いきものがかり」にはそういう洋楽崇拝的な部分がほとんど感じられません。「いきものばかり」に収録された29曲はほぼすべて過去のJ-POPの資産だけで再生産されています。もう洋楽から拝借して曲を作らなくても、生まれた時から聴いてきたJ-POPからの影響だけで十分曲作りができる時代になったのかもしれません。

思えば私なんか洋楽に関しては当時も今もほとんど無知なんで、曲作るときに当時のニューミュージックの優等生たちを参考にしていました。その当時はまだ元ネタの数も限られていましたが、そこから20年経ってJ-POPにもそれだけの歴史が出来、資産も十分貯まったんだ、ということなのかも。最近はやりの言い方をすれば「ガラパゴス化」ってことでしょうか。それは悪いことでは全然ないのですが、これから出てくる若い人が全部がそうなっちゃうと困るね。

2011/02/05

Gift~あなたはマドンナ~/土岐麻子

2010年、私の心のベストアルバムだった「乱反射ガール」の土岐麻子の新曲です。

昨年、「乱反射ガール」を聴いてすぐの当ブログで「一番売れてた頃のEPOみたい」とか書きましたが、なんのことはない、この曲はそのEPOの書き下ろしとのこと。EPOがこういうコマーシャルな曲を作るのも久しぶりな気がします。ここ十何年か、オルタナティブな感じになってましたからね。
そして、この曲はもう完全に80年代のEPOのイメージそのものです。ほんとに書き下ろし?JOEPOとかに入ってなかった?てなもんで。
「シュペリエル」と辞書を引かなきゃいけないカタカナ語(フランス語で「上」のことだそうだ。用例:「おばちゃん、俺、天丼のシュペリエルね!」)がキーワード(この曲が使われてるCMの商品名にかかってる)になってるところとか、2コーラス終わったところでちょろっと違うメロディが入るところなんか、なつかしくて涙が出そう(出ないけど)。

一方、歌い手の土岐麻子は「乱反射ガール」でも同じなんですが、「シュペリエルな」が「しゅぺりえるんな」に聞こえるちょっとしたクセがあって、それがただキレイキレイのおしゃれなポップスからちょっとだけはみださせるフックになっています。EPOが自分で歌うバージョンがあれば、また違った味わいがあるでしょうね。そっちもぜひ発表して欲しいものです。

2011/01/30

Hands/Little Boots

こちらも久しぶりの更新です。2011年最初はめずらしく洋楽の話を書きます。

Little Bootsというイギリスの若い女性によるテクノポップ(でいいののかな?)。
売れてるのか売れてないのか?日本にどのくらいファンがいるのかも分かりません。とりあえず、本日現在で日本語版Wikipediaには項目がないことは確かです。英語版Wikipediaによると1984年5月生まれだそうなので、26歳かぁ。若いなあ…

こと洋楽に関してはすこぶるアンテナの低い私が、なぜ彼女のことをしったかというと、今、YAMAHAが売っている"TENORI-ON"という楽器のホームページに彼女がその使い手としてインタビューを受けていたからです。→YAMAHAのページ
TENORI-ONというのは、内蔵されている音を適当にいじりながら演奏する電子楽器で、見た目がユニークでそれなりにステージ映えもするよ、と先日も銀座の店舗でデモンストレーションをやっていました。
iPhoneのアプリにも似た様な画面デザインの安価なアプリがありますが、おそらくもっと自由度があって、ハードウェア的にもしっかりつくってあるのでしょう。7万円を超える価格がついています。

Little Bootsちゃんは、それを使って、このビデオのようなパフォーマンスをやっているのです。


こういう若くてかわいい女の子がこんなオタク臭い楽器を嬉々としていじっているところを見るとすっかりうれしくなってしまい、無条件で応援したくなりました。(おじちゃんはね、おじちゃんはね、みたいな感じもw)

さて、作品の方です。
表題の"Hands"はアルバムタイトルで、iTunesではなぜか曲数違いで同じタイトルのアルバムが2種類買えるようになっています。私は根気の無いタイプなので、曲数の少ない12曲入りの方をダウンロードしました。

アメリカ風の隙のないブロデュースとは違う、良い意味で粗い感じの仕上がりは、なんとなく製作過程が透けて見えるようです。
私はこういうのの方が好き。バリバリのダンスミュージックというよりももうちょっと泥臭く、80年代のガゼボとかをちょっと思い起こさせます。平沢進とか好きな人も全然オッケーだと思います。あ、あと懐かしの"dip in the pool"に似てるかも。
歌はむちゃくちゃ上手い感じでもなくて、レベル的にはJ-POP並みですが、私にはかえって聴きやすく、また新しいのが出たら買っちゃおうかな~と思っちゃいました。