2011/02/12

いきものばかり~メンバーズBEST COLLECTION~/いきものがかり

2010年もっとも成功したJ-POPのバンドのひとつ(便利なので翻訳調w)、いきものがかりのBESTが友人から回ってきたので聴かせていただきました。今日はその感想文です。

「いきものがかり」についてはまだこのブログを始めていなくて、「はてなダイアリー」に音楽の話からPalmの話までなんでも書いていた頃に、批判的に書いた覚えがあります。あーこれだ→決して悪口というわけではなく(2006年5月4日)
SAKURAは彼らのメジャーデビュー曲ということで、もちろんこちらのBESTにも入っていますが、私はこの曲を当時通っていたテニス教室のBGMとして毎週聴いてて辟易してたので、かなり好き放題書きました。だって、あまりにも80年代ニューミュージックだったんだもの。どうして21世紀に新しく出てきた人から、僕らが若い頃やってたフォークソングに毛の生えたような音楽を改めて聴かされなきゃいけないんだ、という中年としての怒りというか、遺憾の意を表明したわけです。こんなんだったら俺、自分でやるわ、みたいな。

去年、「ゲゲゲの女房」の主題歌として国民的愛聴曲となった「ありがとう」まで久しくそれと意識して聴くことはありませんでしたが、このBESTはその間の彼らの活動を網羅しているようなので、iTunesに取り込んで何往復か聴いてみました。

コアとなるメンバーはボーカルの女性と、エレキギターとアコースティックギターの男性二人。二人とも曲を書くが、シングルは基本的に一人が担当しているとのこと。エレキギターと生ギターのからむフォークロック的サウンド、女性ボーカルはクセがなく、歌詞も聞き取りやすいので嫌われる要素はとても少ない。NHKが使うのもよく分かります。日本人の音楽偏差値48~52くらいのところにかっきり合わせた作風は、老若男女どこからも支持を得られるようになっています。

逆に言うと、二十代にしてこの毒気の無さは、ここから先の化ける要素を見つけづらく、本当にこれでずっとやっていくのかい?という疑問がわきます。
たしかに我が同世代から上のミュージシャンは洋楽を意識しすぎてかなり恥ずかしいこともやってきたけれど、それで進歩してきたことも多いわけです。「いきものがかり」にはそういう洋楽崇拝的な部分がほとんど感じられません。「いきものばかり」に収録された29曲はほぼすべて過去のJ-POPの資産だけで再生産されています。もう洋楽から拝借して曲を作らなくても、生まれた時から聴いてきたJ-POPからの影響だけで十分曲作りができる時代になったのかもしれません。

思えば私なんか洋楽に関しては当時も今もほとんど無知なんで、曲作るときに当時のニューミュージックの優等生たちを参考にしていました。その当時はまだ元ネタの数も限られていましたが、そこから20年経ってJ-POPにもそれだけの歴史が出来、資産も十分貯まったんだ、ということなのかも。最近はやりの言い方をすれば「ガラパゴス化」ってことでしょうか。それは悪いことでは全然ないのですが、これから出てくる若い人が全部がそうなっちゃうと困るね。

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