2012/07/08

タマシイレボリューション/Superfly

この前にSuperflyのことを書いたのはいつだったかと思って自分で検索してみたら2009年でした。いやもう、時の流れに押しつぶされそうな気持ちになりましたが、気を取り直して。

この曲も半年前くらいの感じでいたんですが、この前の南アフリカで開催されたワールドカップの中継テーマ曲だったことを思い出すと、もう2年前。あの、本田圭佑が狩りを教える母猫のようなパスを岡崎に出してやっていたのは、もう2年前なんだ!


さて、前回の記述ではSuperflyについて、

  1. 中年のおっさんでも無理なく聴ける音楽性
  2. 歌がうまい、悪いところがない
  3. 「フラワーチャイルド」のイメージはちょっと怪しい
  4. ミスチルの影響

という話を書いたんですが、今回はその「ミスチル以降の日本語の問題」について。

Mr.Childrenによる日本語をロックに乗せる解決方法、「日本語の発音から母音を抜いたりリエゾンさせたりしてノリに合わせる」は先駆者として評価はできるが、やっぱり歌詞カード見ないと分かんないじゃん!というのが私の立場だったわけです。
しかし、その後継者の一人であるSuperflyについては、ことこの「タマシイレボリューション」で相当な完成度でそれをやりぬいたことについてひとこと書いておきたいと思ったのです。

歌詞カードをお持ちでない方は、Goo音楽・歌詞情報などを参照しながら読んでいただきたいのですが、この歌詞は短い英文がかなり入る上に、カタカナで書かれる外来語もふんだんに入っています。しかも、Superflyはカタカナ語もかなり元の英語的発音で歌っています。この辺はB'zの段階でも行われていたことです。
さらに、ミスチル風の母音の省略も行われています。
「みちなー(き)みちうぉを~」とか「ざわめ~(く)」とか。

しかし、歌詞カードを見なくても言いたいことはなんとなく伝わってきます。なぜか?

放送部でアナウンスを習うときに「無声化」というのを習います。
「ネクタイ」をカタカナとして読むときに「ク」を無声化するのが標準語です。タモリがやる関西人の「ネクタイ」の発音は「ク」を無声化せず母音を強調することで行われます。
会員以外読めるのはさわりだけですが、こちらが分かりやすいです。

で、この「タマシイレボリューション」に関して言えば、日本語の母音省略が普段我々の日常会話における「無声化」からあまり逸脱しないところで行われているからではないか?と思うのです。
厳密に言うと上記リンク先で言われる「無声子音に挟まれたイ・ウ」では無いのですが、普段無声化される実績の多い音については耳がなんとか従いていくのではないでしょうか?
ということは、曲先で歌詞を書いているときに、「ここは音を省略したい」と思った箇所に「無声化される実績をもった単語」をはめ込むことにより、ミスチル式でも歌詞を伝えられる可能性が提示されたわけです。

ただし、その実現のためにはクロスワードパズルを解くような能力が必要で、乗せられる単語を意識的にストックする必要もあるでしょう。「タマシイレボリューション」の歌詞がどのように作られたかは分かりませんが、こうした成功例が出てしまった以上、そのレベルを意識して作品作りをする人が出てきてしかるべきです。と、同時にこうした細かい気配りをきちんと伝えられる発音と発声がなければ伝わるものも伝わらないわけで、やはりSuperflyは歌うまいよな~と改めて感心したところで本日は終わります。

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