2012/07/22

Uncontrolled/安室奈美恵

「安室奈美恵が売れている」という芸能ニュースをテレビで見て、「相変わらずがんばってるなあ」と思う半面「ほんとかなあ…」という気持ちにもなって、ついダウンロードして聴いてしまいました。デビュー20周年記念アルバムなんだと。
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「小泉今日子30周年」には、驚くと同時にあまりの歳月に腰が砕ける感じがありましたが、安室奈美恵の「20周年」は「まあ、そんなものかな」という感じがします。理由はよくわかりませんが、ポンキッキかなんかで最初に見た時にはもう自分は大人だったので、あの子が結婚して、子ども産んで、離婚して…というのをいちいち見てきたので、時間の経過がなんとなく納得できるのかもしれない。

さて、「安室奈美恵が売れている」に対して「ほんとかなあ…」と思った、という理由は、このところずっと書いてきましたが、ここ10年くらいの安室奈美恵は日本で売れるにはかっこ良すぎるんじゃないか?と思い続けてきたからです。

なんていうか鼻歌で歌いたくなるような曲じゃないじゃないですか?

行ったことがないのでコンサートとかどんな雰囲気なのか知りませんが、ファンが一緒に歌えるような感じもしない。ありがたく歌とダンスを鑑賞させていただくしかないんじゃないか?そしてそれは日本で流行歌として普及するスタイルじゃないんじゃなかろうか?と思っているのです。
それがちゃんとヒット商品になるのは安室奈美恵というビッグネーム故なのか、こういうスタイルを貫いているから今もビッグネームであり続けられるのか?は微妙なところだと思います。また、日本人の耳がそこまで肥えていたら、今売れてる他の音楽はなんなんだい?という疑問もあるわけで。

ただし安室奈美恵の歌唱は、DOUBLEと歌った「Black Diamond」のくだりで書いた通り、超本格的というわけではありません。アイドル歌手時代から大きく変わらない地声を使った歌い方は驚くような声量や驚くような音域を聴かせるものではなく、サウンドとしてはジャネット・ジャクソンなどにとても近いけれどもこのままアメリカに持って行って売れる感じはしません。
逆に言えば安室奈美恵の「幼形成熟」っぽい感じは超本格派に出会うと腰が引けてしまう日本の小市民(俺だよ俺)には好ましく、それは一部のアジア諸国においても共通なのかもしれない。実際にこのアルバムも東南アジア各地でたくさん売れているそうなので、それもまたひとつの戦略ではありますね。


2012/07/08

タマシイレボリューション/Superfly

この前にSuperflyのことを書いたのはいつだったかと思って自分で検索してみたら2009年でした。いやもう、時の流れに押しつぶされそうな気持ちになりましたが、気を取り直して。

この曲も半年前くらいの感じでいたんですが、この前の南アフリカで開催されたワールドカップの中継テーマ曲だったことを思い出すと、もう2年前。あの、本田圭佑が狩りを教える母猫のようなパスを岡崎に出してやっていたのは、もう2年前なんだ!


さて、前回の記述ではSuperflyについて、

  1. 中年のおっさんでも無理なく聴ける音楽性
  2. 歌がうまい、悪いところがない
  3. 「フラワーチャイルド」のイメージはちょっと怪しい
  4. ミスチルの影響

という話を書いたんですが、今回はその「ミスチル以降の日本語の問題」について。

Mr.Childrenによる日本語をロックに乗せる解決方法、「日本語の発音から母音を抜いたりリエゾンさせたりしてノリに合わせる」は先駆者として評価はできるが、やっぱり歌詞カード見ないと分かんないじゃん!というのが私の立場だったわけです。
しかし、その後継者の一人であるSuperflyについては、ことこの「タマシイレボリューション」で相当な完成度でそれをやりぬいたことについてひとこと書いておきたいと思ったのです。

歌詞カードをお持ちでない方は、Goo音楽・歌詞情報などを参照しながら読んでいただきたいのですが、この歌詞は短い英文がかなり入る上に、カタカナで書かれる外来語もふんだんに入っています。しかも、Superflyはカタカナ語もかなり元の英語的発音で歌っています。この辺はB'zの段階でも行われていたことです。
さらに、ミスチル風の母音の省略も行われています。
「みちなー(き)みちうぉを~」とか「ざわめ~(く)」とか。

しかし、歌詞カードを見なくても言いたいことはなんとなく伝わってきます。なぜか?

放送部でアナウンスを習うときに「無声化」というのを習います。
「ネクタイ」をカタカナとして読むときに「ク」を無声化するのが標準語です。タモリがやる関西人の「ネクタイ」の発音は「ク」を無声化せず母音を強調することで行われます。
会員以外読めるのはさわりだけですが、こちらが分かりやすいです。

で、この「タマシイレボリューション」に関して言えば、日本語の母音省略が普段我々の日常会話における「無声化」からあまり逸脱しないところで行われているからではないか?と思うのです。
厳密に言うと上記リンク先で言われる「無声子音に挟まれたイ・ウ」では無いのですが、普段無声化される実績の多い音については耳がなんとか従いていくのではないでしょうか?
ということは、曲先で歌詞を書いているときに、「ここは音を省略したい」と思った箇所に「無声化される実績をもった単語」をはめ込むことにより、ミスチル式でも歌詞を伝えられる可能性が提示されたわけです。

ただし、その実現のためにはクロスワードパズルを解くような能力が必要で、乗せられる単語を意識的にストックする必要もあるでしょう。「タマシイレボリューション」の歌詞がどのように作られたかは分かりませんが、こうした成功例が出てしまった以上、そのレベルを意識して作品作りをする人が出てきてしかるべきです。と、同時にこうした細かい気配りをきちんと伝えられる発音と発声がなければ伝わるものも伝わらないわけで、やはりSuperflyは歌うまいよな~と改めて感心したところで本日は終わります。