2017/12/24

Finally/安室奈美恵

クリスマスになってしまいましたが、ようやく2017年2回めの更新です。
これだけは触れずにいられない、安室奈美恵のオールタイムベストアルバムです。ちょっと感動したのは、ひょっとして本人にとって黒歴史になってるんじゃないかと思っていたスーパーモンキーズ時代の曲もちゃんと入れているところです。「あいしてますかっと♪」とか。

で、本日年末の買い出しで使っていたレンタカーに、iPhoneをBluetooth接続してずーっと聴いていました。

私は安室奈美恵が売上的にもっとも成功していた頃(=小室プロデュース時代)というのは、安室奈美恵の実力をもってしても歌いづらい、変な曲を与えられていた時期なのではないか?と思い続けていて、それこそスーパーモンキーズ時代の方が好きだったくらいでした。
しかし、本日をもって悔い改めました。小室哲哉はやっぱり凄かったと。

どういうことかと申しますと、今回のアルバムでは初期の曲を「今の」安室奈美恵が歌い直したものが収録されています。そのこと自体、賛否両論のようなのですが、20年以上の時を経て歌い直された「安室奈美恵のために作られた小室作品」のクォリティがとても高いことがよくわかりました(華原朋美の曲についても似たようなことを過去に書きましたけどね)。
スーパーモンキーズ時代の曲は、キャッチーでキュートで悪くなかった(実際私は30代のころにそのころのベスト盤を所有して愛聴していました)んですが、平成29年12月の今、連続して聴いていると飽きてくる。ちょうどその、飽きてきたあたりで"Body Feels EXIT"が出てくると、なんかすごく救われた気がしました。
その次は"Don't wanna cry"なんですが、「この曲こんなに良い曲だったっけ?」と思わず声に出そうなほど良いです。
考えてみれば当時の安室奈美恵は、10代のアイドルにしては歌の上手い子でしたが、とはいえそこは歌手としてのキャリアは浅く、曲の解釈については今ほどのものはなかったのだと思います。キャリアを積んで、声の出し方が上手になったこともあるんだと思いますが、当時の小室哲哉が思い描いていたメロディや編曲に込めた意味が、今の安室奈美恵によってようやく完成したということなんでしょう。そこを確認できただけでもこのアルバムを買ってよかったと思いました。
このアルバム自体は3枚組で、そのうち小室哲哉プロデュースの時代は1枚めの途中までです。じつは意外なほど短い間だったんですね。

その後は、以前このブログで書いたように、私にはちょっとかっこよすぎて着いていけない「今の」安室奈美恵の曲が並びます。英語で歌っているのかと思っていたら実は日本語の歌詞だったんだ、とか、あそこは「そう、だから」と歌っていたのかー、などと今更な発見をしつつ、最後まで聴きました。

25年にわたって一線で活躍し続けた安室奈美恵は、J-POPの世界では十分実力派なんですが、一方で地声の延長で歌う、アイドル風歌唱法を最後まで貫いた人でもあります。ガチガチのプロフェッショナルな歌い方とはちょっと違う。でも、だからこそファン層の広がりがあったんじゃないかな。

2017/05/05

ワン オン ワン 2017ジャパン・ツアー/ポール・マッカートニー

あけましておめでとうございます。
ゴールデンウイークの前半に日本武道館で1日、東京ドームで3日間行われたポール・マッカートニーのライブに行ってきました。
たまたまお友達から「ポール・マッカートニーの券あまってるのがあるんだけど」と2週間くらい前に連絡をもらっていて、「いや私なんぞより熱心な人がいると思うから、他に声かけてまだ残ってたら教えてくださいな」的な話をしていたら、結局より熱心な人が表れなかったようで行ってきました(実費精算)。

球場的には三塁側内野席後方、舞台に対して約20度というかなり角度の浅い席ではありましたが、そこは最近のライブなので大型モニターも設置され、細かいところはそちらで見られるようになっています。まあでもオペラグラスは今後のためにひとつ買っておいても良いかもしれません。

さて、18:30開始予定が20分ほど遅れて出てきたポールとバンドメンバー、ポールはおなじみのバイオリン型のベースをサウスポーにかまえてビートルズナンバーから始めていきます。

普段から「洋楽は無知」と言い切ってこのブログを書いていますが、「いっしょに歌えないけど、聴けばわかるだろう」というヌルいオーディエンスである私も全然大丈夫な有名曲がズラリ。
ポール・マッカートニーはローマ字のカンペを読むようなたどたどしい日本語MCを交えつつ、複雑なことは同時通訳を巨大モニターで出しながら(歌舞伎解説システムみたいな感じで)進めてきます。ちょっと大御所なのにサービスしすぎ、もっと淡々と曲やり続けてくれていいくらいに思いました。

各楽曲はコメントできるほど詳しくないので、ちょっと興味をもったことをいくつか並べて書きます。


  1. ポールの使用する楽器、立ってはベース、アコースティックギター、エレキギター、ウクレレ。座ってグランドピアノ、なんだけど後半に入ってサイケなディスプレイが施されたキーボードに座っていましたが、最後まで機種がわからず。前が平らなのでローズ・ピアノかなとは思ったんですが。
  2. とにかく、ここ数十年のポップ、ロックの元ネタを次々に開発してきたアイデアの数々に感心するとともに、「いい時代だったんだなあ」という羨ましい気持ちにもなりました。楽器にピックアップが付いて、元の音の大小に関係なくいろんな表現が拡大していったときに、最初に思いついたことがオリジナルになってきた時代であり、他ジャンルとの融合についても今よりも壁が高かったとは思うけれどもそこを破ったときの効果の大きさ。今の音楽は閉塞してるよな、と。
  3. 最近のはやりの音楽ではほとんど使わないテンポの変化。途中で倍に刻む、みたいなことはたまに聴きますが、"Live And Let Die"とかだいたい60bpmと150bpmとかを行き来するわけで、こういうの聞かないです。こういうの息があったバンドじゃないとできないですけどね。踊りづらいからかな。

まあとにかく、私が若い頃から聴き続けてきた日本の音楽ってほとんどこの人の子どもか孫みたいなものなんで、名前だけ知っていた先祖に会えた感じです。いつまでも元気でライブやってくださいませ。

http://oneonone-japantour.jp/

SOFTLY/山下達郎(初回限定版)(特典なし)

 先週末くらいからメディアでがんがん露出していて、嫌でも目についた山下達郎の新作アルバム、Amazonでぽちっておいたら無事に今日、郵便ポストにメール便で入っていました。 前作「Ray Of Hope」の感想文を書いたのもそんなに前のことではない、と思っていたのですが、あれからも...