2024/04/21

SCIENCE FICTION/宇多田ヒカル

前回の更新から2年近く経ってしまいました。その間に会社を定年退職したり引っ越ししたりで自分のことで精一杯でしたが、まあ晴れてほぼ自由の身(経済的にはどんどん不自由になるわけですが)ということで、これからは身バレしようが炎上しようが誰にも迷惑がかからないことになっています。

さて、今回は宇多田ヒカルの25周年記念・初ベストアルバム"SCIENCE FICTION"です。昔出してたシングルコレクションは年代で区切られているから、公式オールタイムベスト盤はこれが初めてってことなんですね。

新曲が1曲なので、それ以外はすでにライブラリーに読み込み済みのはずなんですが、そういえば最近物理ディスクは購入していなかったのと、たぶん無理だけど今年のツアーの優先購入枠に申し込めるということなので、初回限定版をアマゾンで注文しました。昔のLP盤ほどではないけどやたらでかい包装で届いてちょっとびっくり。とりあえず飾ってみましたが、ほこりが付きそうなのでどうしようかな?

宇多田ヒカルについては毎回タイトルを深読みしてしまいますが、今回の"SCIENCE FICTION"というのもいろいろ考えさせられますね。つまり”SF”でしょ?

一説にはすでに死んだジャンルとも、死んだのではなく普遍化したとも言われる「空想科学小説」をなぜタイトルに?

もともと帰国子女どうのこうの関係なく、同世代の一般人(というか我々おっさん世代も含め)と比べても桁違いの読書家だった宇多田ヒカルが、SFについて一家言持っていないはずがなく、ただ新曲が"Electricity"というちょっと「ぽい」タイトルだから、みたいなオチでは絶対ないはずです。何が言いたいのかなあ?

さて、中身の話です。もちろん買って損するようなものを発売するはずがない(かつてコピーガード付きCDという醜悪なメディアがありましたが、彼女は一貫してコピーガイドCDは販売しなかったので信用している)。全26曲のうち、再録音が3曲、リミックスが10曲、新曲が1曲なんで半分は持ってないトラックが入っていて通常盤4400円だから元はとれる(?)ようになっています。もはや純粋なCD再生装置を持ってないので早速iMacに取り込むとApple Musicのドルビーアトモス、ハイレゾロスレスで聴けるようになりました。

リミックスというと20世紀の終わり10年くらいからやたら流行って、当時は昔のカラオケをダンスミュージックっぽくしてみました、みたいのが多かったような印象です。録音し直ししたものでもジュディ・オングの「魅せられて」みたいに昔のオーケストラの方がカッコよかったのに腰砕けなテクノ歌謡になっちゃった例があるので心配でしたが、そのような蛮行はなくてよかった。

リミックスや再録音の対象になっているのはデビューから長期休養前に発表されていた作品です。聴いてる素人からすると古くなっているとも思っていないけれどなんだかんだ最大25年の時を経ているわけだからサウンド的に統一感がなくなりそうな部分をアルバムトータルで調整したのかな?と思っています。再録音されたものも歌い方がすごく変わっているわけではなく、その意味ではデビュー当時からめちゃくちゃ完成されていたことがわかって、逆に怖いくらいです。ただ、再生装置やApple Musicの処理またはミックスの違いかはわからないけれど、多重録音されたコーラスひとつひとつがよりはっきり聞こえてきて、味わいが増した気がします。

そんなわけで選曲にしろ曲順にしろ、このアルバムをどう聴かせるか、ということがちゃんと考えられたアルバムになっていると思うので、今まで追っかけていた人もここでひとつアルバムで購入するのはアリだと思いました。

Amazonのリンク


SCIENCE FICTION/宇多田ヒカル

前回の更新から2年近く経ってしまいました。その間に会社を定年退職したり引っ越ししたりで自分のことで精一杯でしたが、まあ晴れてほぼ自由の身(経済的にはどんどん不自由になるわけですが)ということで、これからは身バレしようが炎上しようが誰にも迷惑がかからないことになっています。 さて、...