2018/09/02

Gracia/浜田麻里

久しぶりにブログを更新しながら紹介用の商品リンクを貼ろうと、Amazonのミュージックストアをうろうろしていたら、意外なものを発見しました。

浜田麻里のアルバム。しかも発売は今年の8月。ホヤホヤの新作じゃないですか!

浜田麻里は好きな歌手でしたが、こっちが勝手に懐メロの箱に仕分けしてしまって、すっかり目を離していました。ところが、Amazonのストアを見ていると、この間もずっと数年おきにアルバムを発表していたのですね。申し訳ないことです。

さて"Gracia"はもちろんCDで買うこともできますし、iTunesでも買うことができますが、私はiCloudのアカウントに年間なんぼかお金を払っているので、AppleMusicのコンテンツとしてダウンロードできるようになっています。この利用料はちゃんと彼女のところに分配されるのか仕組みがわかりませんが、とにかく契約者の権利を行使させていただいて、アルバムまるごと入手させていただきました。

さて、聴いてみますと1曲めからすごいスピード感のヘビメタです。ちょっとここまでのサウンドは最近のJ-POP界隈では耳にしないのではないかな?ツーバスドコドコ、ギターは16分音符を休みなく刻み、間奏ではライトハンド奏法も。まあとにかく音符が多いこと!
そして、聴いて驚け、浜田麻里の声が昔のまんま。

30年前、4オクターブとか言われていたころと変わらぬ声域。現代の録音技術もあってか、さらによく聞こえるようになった多重録音のコーラスは人間と思えないほどで恐れ入ります。確か彼女は私と同年輩だったと思いますが、どんな生活をしていればこんなに声が保てるのでしょうか?相変わらず、言葉が鋭く切れ込む、いかにも喉を使いそうな発声なんですが、この人と稲葉浩志の声の出し方はちょっとどういうテクニックを使っているのか想像ができません。小田和正の「とにかく頑張って出す」高音とはまた違うノウハウがあるんだと思うのですが。

無粋なことを言えば、30年前にはすでにハーモナイザーとかありましたから、昔も今も、CDの中だけでなら音声をいじってどんな声も表現することが可能です。でも、彼女に限ってはきっと全パート本当に歌っているに違いない。あえてチャチャを入れるなら、清水ミチコふうに「やっぱりサイボーグだったのか!」とつぶやくくらいで。

若い人にもぜひ聴いていただきたい。きっと刺激を受けます。

2018/08/27

Working Girl/Little Boots

Perfumeと一緒に買ってきたもうひとつ、新作ではありませんが買いそびれていた、"Little Boots"の"Working Girl"。2015年発売ということですから3年前の作品です。でもたぶんこれが最新作。
相変わらず日本語版ウィキペディアには項目がなく、体系的な知識がなかなか増やせませんが、検索してみると"ele-king"というサイトに5年前のインタビューが掲載されています。→http://www.ele-king.net/interviews/003071/index-2.php 
このインタビューはこの一作前の"Nocturnes"発売に合わせて行われたもののようで、私が最初にYAMAHAの「テノリオン」のことを検索していたときにみつけた"Hands"の頃について、「アイドルっぽく売り出されて不本意だった」という話をしています。
私も「テノリオン」の記事をあさっている途中で"Hands"の情報を拾い、そのジャケットが可愛かったので、つい衝動買いしたのでした。そしたら、やってる音楽が80年代のテクノポップからつながるものだったのでハマってしまったのです。

さて、タワーレコードで買ってきた"Working Girl"です。
さすがのタワーレコード渋谷店でも"Little Boots"のコーナーは品薄で、いちおう仕切板(というのかな?ずらっと並んだ棚にアーティスト名を書いて飛び出させてある見出しの板です)はあるんですが、スペースがガラガラでそこにたった1枚、このアルバムが置いてありました。私が買ったあとは商品補充されているでしょうか?心配です。

さて、"Working Girl"の 装丁(?)は厚紙を使ったシンプルなもので、ジャケットにはキャリアウーマン風ジャケット姿のLittle Bootsの姿が写っています。顔がかわいいので、やっぱりジャケ写は顔出したほうが良いと思う。新しいのが出るたびにだんだん芸術性(?)が上がっていっているのが良いような悪いような。いや、ドライブのときに流しっぱなしにしていれば良いBGMになることは間違いないです。でも、英語がわからないなりにワクワク聞けるのは"Hands"のほうかな。

2018/08/24

Future Pop/Perfume とおまけ(買わない理由)

今年のお盆はなんだかんだしっかり休めました。7月中旬から土日を含めて常になにか仕事が入っていて、這々の体でたどり着いた感じの盆休みだったので、昼からビール飲んでごろ寝していたら、かえって不健康になってしまいました。

さて、8月になってからもちょっと買い足したCDがあったので紹介します。
思うところがあって渋谷のタワーレコードにも久しぶりに行ってみましたが、やはり鉱脈として期待されているのか、中年~初老狙いの新製品が目白押し!

ざっと紹介しましょう。

まずはサザンのベスト。TSUNAMIから現在までという感じでしょうか。
ここには書かなかったけど、実は「葡萄」を持っているのでパス。持ってて損はないし、ドライブのお供には良さそうなんだけど、売り場で10秒迷ってパス。

今井美樹。大好きだったんだけど、今の今井美樹を聴きたいか、と思うと食指が動かなかったです。なんていうかやっぱりアイドル的に好きだったのかな?数年前に出た"Premium Ibory"も「ポールポジション」が入ってないという理由だけでパスしてしまいました。

「ラブとポップ」おお、広末涼子のどアップ!って広末涼子の曲は入ってないんですね。15年位前のラインナップでしょうか?僕より十歳若い人向けなのかな?って感じでパス。

浜崎あゆみ。は、もともと担当外。

そんなわけで、買ってきたのはPerfumeの新しいアルバム、"Future Pop"ともうひとつ。もうひとつの話はもったいないから次回に回して、今日のところはPerfumeの話です。

前作の"Cosmic Explorer"も例の「ちはやふる」絡みの曲を中心になかなか楽しいアルバムでしたが、同時に彼女たちももうすぐ30歳になるわけで、これからどうしていくのだろう?という余計なお世話的心配がふと去来したものでした。

で、今回はブルーレイディスク付きのを買ってきて、そっちから先にみたんだけど(最後のトラックの「ラジオ」部分は、「CD本編を聴く前に見ちゃだめ!」とご本人たちに言われたのでまだ見てないんですが。素直だな~俺)、テレビで再生している限りでは「地味」て感じがしました。それでも気を取り直して、パソコンにつないだもう少し良いスピーカーで再生を始めると、おお、おお、ちゃんと楽しい音になっていました。良かった良かった。
あと、12曲で40分前後とボリュームが丁度よい。1曲平均で3分台ということで、そういうところも聴きやすいです。みんな忙しいんで。

それにしても、もういちど書きますが、30歳のPerfumeはこれからどうするのか?

まるでCGのようだった3人が、今は体重も体温も匂いもある存在として歌い踊るようになった今、この声の処理で続けていけるのか?いっそのこと過去のヒット曲を生声&アンプラグドでやり直したりするべきではないのか?
限界点は近いと思われる一方、ひょっとかして、この壁を乗り越えれば唯一無二の存在になれそうな気もします。


なんパターンあるのよさ?

2018/08/13

SAFARI/土岐麻子

めげずに今日も書く。
宇多田ヒカルを買うついでになにかあるかなー、と池袋のタワーレコードで見つけたのがお久しぶり、土岐麻子のアルバムです。

私が土岐麻子を聴くようになったのは、アルバム「乱反射ガール」ですが、その後もEPOとのコラボレーションである「Gift~あなたはマドンナ~」といったわかりやすいものについては喜んで一票を投じてきました(相変わらずCymbalsについては知らないまま)。

ジャズの香りのする実力派という佇まいですが、あまり本格的になると耳がついていかないので、毎回どきどきですが、今回は当たり(個人的にね)でした。
「乱反射ガール」ほど80年代ではなく、今風ですが中にはシンセサイザーきらきらの派手なナンバーも混じっていて、飽きない1枚になっています。
きっとライブに行ったらもっといいだろうなと思わせる人で、今試しに検索してみたら現在ツアーをやっているそうです。今から間に合う東京の会場は9月8日のヒューリックホール。残念、仕事です。→http://www.tokiasako.com/
歌のうまい島倉千代子みたいな土岐麻子の声が好きなオジサンはたくさんいそうです。
きっとそんなオジサンが観に来るんだろうなー。

2018/08/12

初恋/宇多田ヒカル と、ちょっとおまけの雑談

昨日、久しぶりに記事を書いてみましたが、いやもう文章はくどいわ、点は打ち過ぎだわ、論旨はテキトーだわで本当に困ったもんだ。

こりずに今日も書く。宇多田ヒカルの新しいアルバム「初恋」です。ええ、もちろん発売週に買ってますとも!

昔のようにしゃぶりつくすように書く体力はありませんので、いたってあっさりとまとめさせていただくつもりです。ていうか、NHKの「プロフェッショナル仕事の流儀」で素人の深読みの余地がないくらい正解が提示されています。興味があったらそっちを見れば良いわけで→と思ってNHKオンデマンドのリンクを貼ろうと思ったら、すでに配信終了になっていました。いつか再放送すると思いますが。

録画してなかったので、NHKオンデマンドで1回見ただけなんですが、制作現場や本人の姿勢なんかはわりと思っていた通りでした。マックブックを相手に一人でプリプロをやって、仮歌まで作ってからミュージシャンを呼んでオケを完成させて、最後に歌詞を仕上げて歌を入れる、という手順。おそらく作曲を自分でやるアーティストは、今はみんなこんな感じなんでしょうね(なんのソフト使ってるのかは知りたいです)。
「プロフェッショナル」では、制作現場の映像はもちろんですが、結構インタビュー部分が多く収録されていて、彼女のちょっと普通じゃない生い立ちなども淡々と語られていました。デビュー当時から公開されている情報に触れているだけでも「まあ、そんな感じなんだろうな」と思っていたことが改めて検証されたところが多かったです。挙動不審な父親とエキセントリックな母に挟まれた一人っ子、という環境がちょっと自分に似ているので、勝手にシンパシーを感じていました。それにしても「小学校三年生くらいで怒りとか悲しいという感情がなくなっていた」というのはさすがに驚いた。

さて、作品としては前作から2年も経たないうちに発売された復帰第二弾ということで、宇多田ヒカルにしては量産体制と言って良いペースで出てきたこのアルバム。前回よりも一段と落ち着いた印象です。前回はなんだかんだ男声ラップとか椎名林檎とか、結構バラエティに富んでいたのですが、今回はがっぷり四つの力勝負という感じです。電子楽器系の音はほとんど鳴らず、シンプルなバンドサウンドとストリングス、たまに分厚いコーラスという感じ。聞き手に緊張を強いるようなことはありませんが、すごい完成度です。そして歌詞がどんどん深くなっていて、二十も年上の私が聴いてても苦しくなります。

なんども書きますが、今、J-POPを聴いていて歌詞でなにかを考えさせられることはほとんどありません。怒るでも泣くでもなく、周りと衝突しないで気の持ち方だけでなんとか日々をやり過ごそう、としている歌ばかり。たまに硬派なことをいっているのかと思ってもよく聞くと「そういうパターンのやつ」をコピーしているだけだし。

世間にはこんなに不条理や不公平が溢れているのにねえ。

ここからはおまけですが、数ヶ月前にテレビ朝日「ミュージックステーション」に女の子のバンドが出てきて、その態度が悪い(タモリにタメ口!)と炎上しかけて、「お、なかなかロックな佇まいじゃん!」と期待してるんですけど、その後どうなったかな?一応、アルバム1枚聴いてみました。評価保留。

それにしても昔は態度悪いフォーク、ロック系のアーティストがいっぱいいて、そこからちゃんと大物になった人もいたんですけどね。芳村真理の前でチューインガム噛みながら歌った人とか、ギターぶん投げて壊しちゃた人とか。今でも泉谷しげるがたまに再現してくれますが、あれはもう「お約束」だもんなー。


2018/08/11

Reborn~生まれたてのさだまさし~/さだまさし

あけましておめでとうございますorz

もう誰も見に来てくれないでしょうが、もはや備忘録です。

さて、先日借りたレンタカーがBluetooth接続ができない貧乏ナビ仕様だったので、しかたなくFM東京を聴きながら運転をしていました。すると、以前このブログでも書いたことがある坂本美雨ちゃんが出てくる番組が始まり、ゲストになんとさだまさしが登場。

なにせ運転しながらなので細かい話は忘れてしまいましたが、なんでもレコード会社が変わった(?)とかで新しいアルバムを出した、と。ナオト・インティライミなどの(さだよりも)若いアーティストにも参加してもらって新しいことにも挑戦したぞ、と。ファミリーマートの入店時に鳴るメロディに日本語をはめるコンテストの優勝作が「生まれたてのさだまさし♪」だったぞ、と。
そして「ではアルバムの中から一曲お届けしましょう」と放送されたのがこのアルバムの2曲めである「パスワード シンドローム」。
その曲がえらいエレクトロニクスな音でBPM120くらいの、ちょっとさだまさしが歌うと思えない曲(ただし10年かもっと前に流行ったような、崎谷健次郎が斉藤由貴でやってような感じのえー、ジャンルはなんだろ?とにかくテクノ・ハウス・電気・エレキ的なやつさ!)だったので、えーなんだこれ?と思って気になって山野楽器に寄って買ってきました。

じつはこれが私の人生で初めて買ったさだまさしの音源です。やったね、さすが`"Reborn"、新規顧客獲得です。

私にとってのさだまさしは、基本的にテレビに出てきたら聴く人、でした。あるときは年末の音楽祭に出てきたグレープだったかもしれないし、「ザ・ベストテン」にも何回かは付き合いで出ていたのかもしれないし、紅白歌合戦で関白宣言を歌っていたかもしれない。あと、1980年代あたりの一時期、NHKがさだまさしを重用している時期があって、奈良の大仏の前で歌うさだまさしライブをほぼ全編NHKが中継する、なんていう番組もありました。
だからグレープの母ものの何曲か、「雨やどり」から「親父の一番長い日」あたりの、「小説を歌にした」と言われていた時期のヒット曲、さらにライブでお馴染みの有名曲である「まほろば」なんかは知っていましたが、ちゃんとアルバムを買って(あるいは借りて)聴き込んだことはありません。

さて、で、"Reborn"を聞いてみました。M1はタイトルの由来の種明かし、M2は私がFMラジオで聞いた「パスワード シンドローム」です。まあこの曲は、なんというか、出落ちみたいなものです。さだまさしからうんと遠いところにある、パターン化したカラオケでさだまさしがちょっと歌ってました、というものです。歌っていることも、(まあラブソング的要素は付け加えているにせよ)いろんなWebサイトに登録するのにパスワードいっぱい考えて使いわけなきゃいけないから、忘れちゃって大変だよ、という愚痴(それは確かにそうだ!)です。完成度もユーモアのセンスも、ちょうどダンス☆マンと同じくらいな感じです。

3曲めからはたぶん通常営業という感じで、昔からのさだまさしのイメージに逆らわない曲がならんでいます。曲のタイトルも「茅蜩」とか、学校で習わないような熟語を教えてくれたり、春日山と飛火野がどうした、とか歌っています。さだまさしファンなら、「キターーーーッ」って感じなのかな?ちょっとこなれすぎていて、新鮮さはあまり感じられませんでした。おそらく、グレープ時代からソロ活動をはじめたころのさだまさしは、当時まわりにたくさんいた、反体制かつ暴力的な作風のちょっと先輩のフォークシンガーに対して、なんか違うな、と思っていたでしょう。子供の頃からバイオリンを習ってクラシックの素養があるし、教育熱心な家庭で育ったと思われるさだまさしは、同じ土俵には立たないぞ、と思っていたと思います。自分はどんな曲をどんな歌詞で歌うのか、すごく戦っていたと思います。そうだ、タモリとも戦わないといけなかったし。でももう、その緊張感はなくなったかな、と。

通して聴いていると、さすがに声がかすれている箇所がいくつかあります。そこももう隠さない、録り直さないということにしているみたいです。


SCIENCE FICTION/宇多田ヒカル

前回の更新から2年近く経ってしまいました。その間に会社を定年退職したり引っ越ししたりで自分のことで精一杯でしたが、まあ晴れてほぼ自由の身(経済的にはどんどん不自由になるわけですが)ということで、これからは身バレしようが炎上しようが誰にも迷惑がかからないことになっています。 さて、...