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2009/02/01

Hey! Hey! Alright/スチャダラパー+木村カエラ

そう、和幸の新作に心を持って行かれてこれを忘れていました。今週の週刊文春の近田春夫のコラムを読まなかったらそのまま通り過ぎるところでした。
スチャダラパーと木村カエラのコラボレーションによるシングル"Hey! Hey! Alright"がもう発売になり、iTSでもダウンロード可能になっているじゃありませんか。
スチャダラパー+木村カエラ - Hey! Hey! Alright - EP

慌ててさっきタイトル曲とC/Wの2トラックをダウンロードしてきました。2曲で400円。

木村カエラはサディスティック・ミカ・バンドという実績もあり、中年とのコラボレーションはお手の物ですし、スチャダラパーも他流試合は昔から得意にしていますから、どうせ上手くやってるに決まっています。

聴いてみると、バックトラックはめずらしくイントロからエレキギターがなりっぱなしのロック色の強いもの。そのまま木村カエラのソロから始まるので、彼女が単独で唄っている曲との違和感があまりありません。
使われている音は我々の世代には懐かしいギター、シンセの音で、そういう意味ではスチャダラパーも無理に若作りせずに、「オジサンの家にようこそ」という余裕を見せていますが、そこはそれ、若い女性を迎えて気合いが入ったのか、ラップ部分はいつもの間延びした感じが少し抑えられていて、気持ち二枚目な感じになって、普通にカッコイイ音楽になっています。

2007/09/24

Shangri-La/電気グルーヴ

電気グルーヴもヒップホップなのかと思っていたら、普通はテクノに分類されるんですね。
確かにこの曲およびこの曲が収録されているアルバム"A"にはラップはほとんど使われていません。
私がこの「日本のラップ」シリーズで電気グルーヴの話をしようと思ったのは、例えば初期のアルバム"662 BPM BY DG"などでの非常に攻撃的なラップのイメージがあるからです。
"DENKI BIRI BIRI"とか、聴いているととても痛快ですが、絶対に電波媒体では放送できないことを云っています。

日本のヒップホップの主流にいる強面系ラッパーに漂うのは体力に裏打ちされた不良の匂いであり、犯罪を犯すなら好奇心からの薬物、あるいは短絡的な欲求による恐喝、婦女暴行、喧嘩の果ての殺人あたりだと思われます。しかし、電気グルーヴからは、引きこもりの末の幼児誘拐殺人だとか親殺しといった救いようのない、根の暗い犯罪が想像されます。
あるいは強面系は躁鬱的であり、電気グルーヴは神経症的とでも云いますか。
どっちにシンパシーを感じるかというと、私は電気グルーヴの方なんですけども。

2005年に電気グルーヴはスチャダラパーと合作でアルバムを発表します。
大学のサークルで喩えると、文芸連と学研連の合同研究発表ですね。両者とも体育会とは話が合わなそうです。

さて、このシリーズも1997年まで戻って来たわけですが、ここから現在までの10年を語るためのテキストは何を選べばいいのでしょう?"Dragon Ash"?

2007/09/22

DA.YO.NE/EAST END×YURI

話の流れとして、この曲の話を書かないわけにいきません。ブックオフで250円で売っていたアルバムも買って来ました。でも、やっぱりうまく書けそうにありません。

うまく書けませんが、日本でマイナーだったラップを、商業的に成功させた功労者です。ブレイクしたのは1995年。歌っている内容は頭悪そうな日常会話ですが、ところどころに日本語とリズムに関して実験しているところもあり、ぼーっとして聴いていると気がつかないところで追究するものの存在を感じさせられます。
実際、"denim-ed soul 2"の中で彼らは「俺たちに続け」というメッセージを発信しています。

MC Hammerの"U Can't Touch This"から約5年、日本のラップ/ヒップホップはこの辺にいたんですね。

2007/09/20

今夜はブギー・バック/スチャダラパー

日本のヒップホップの夜明けは1994年のようです。
この年、「タモリのボキャブラ天国」のテーマソングとしてこの曲が採用され、また「DA.YO.NE」が発売されています。「DA.YO.NE」が実際に大ヒットし、EAST END×YURIが紅白歌合戦に出たのは1995年。この2年が重要な年ということになります。

スチャダラパーは最近のヒップホップの人たちとはかなり違う雰囲気で、強面なところがほとんど感じられません。MCボーズの声が落語的であり、アニの声はおぎやはぎ的でいずれも脱力系。早口でまくしたてるよりもリズムに乗ってゆったりと言葉が流れる感じ。本格的ヒップホップというよりも、変化球です。
ヒップホップは日本人をバッターに迎えて、初球をカーブから入ったということになります。

私が持っているのはこの曲が入っている5曲入りミニアルバム「スチャダラ外伝」です。歌詞カードを見るまでもなく、最初から最後まで何を言っているか非常に明確。特にボーズの滑舌は上手い落語家のようであり、外見が水道橋博士と紛らわしいこともあって、知らない人には芸人に見えます。

2007/09/14

VISITORS/佐野元春

はい、ラップの話の続きです。
世に言う日本で最初のラップ作品を含むアルバム(Wikipediaにもそのような書き方がされています)、佐野元春"VISITORS"です。念のため、吉幾三の「俺ら東京さ行ぐだ」とどっちが早いのか調べてみたら、佐野元春が半年くらい早かったです。

さて、改めて聴いてみました。
特に1曲目の"COMPLICATION SHAKEDOWN"に驚いた。街で流れている今のヒップホップと云われても全然分からないと思います。すごいじゃん!
あえて今の作品と何処が違うかというと、カラオケを多分、ちゃんとミュージシャンを呼んで録音していると思われること。いきおいその演奏はロックまたはファンクの延長でそれが今の流行かというと、ちょっと違うのかもしれない、というくらいのものです。今のヒップホップはサンプリングでベーストラックを作るんでしょ?作曲・演奏力ではなくて、編集センスが勝負なんでしょうね。

もともと佐野元春は歌詞の文字数が多く、メロディが付いている曲でも同じ音程を連続して歌詞を乗っける歌い方をしていましたから、ここで聴けるラップもちょっとメロディが感じられ、Dragon Ashや今流行っているケツメイシ、リップスライムなどのラップに近い耳触りになっています。

「半年後」の吉幾三(セールス的にはこっちが上じゃないか?)は民謡調演歌のトラックで、あまり音程を感じさせないラップをやりました。これは秋田音頭にも似ていますが、本人はラップ(のパロディ)のつもりのはずです。
一方、日本には八木節や河内音頭のように節があって、最初に歌い手が自己紹介して(「ちょいと出ました三角野郎」、とか「お見かけ通りの若輩で」、とか)、そこからいろんな話を始める、というラップに近いスタイルがありました。無理な解釈ですが、佐野元春や現在のリップスライムやケツメイシに近いと言い張れるかもしれませんね。

とにかく、日本における現代ラップの夜明けは、佐野元春と吉幾三だった、と決めつけたところで次へ。

2007/09/11

トレイン/ケツメイシ

最近、iPodを買い替えまして、初代"shuffle"から第2世代の"nano"に買い替えました(そしたらすぐにnano新型が発表されましたね。あとiPhoneそっくりなのとか。私は音楽が聴ければいいので、別に旧型でいいんですけどね)。これで、ピンポイントで曲を選んで聴くことが出来ます(考えてみれば不思議なプレイヤーですね、"iPod shuffle"は)。


さて、そんな私は今、"nano"を使って日本のヒップホップを研究しています。お盆に日本語ロックの話を集中して書いた時に、次は日本のラップ/ヒップホップ、「秋田音頭からケツメイシまで」などと書いていましたが、なにせ「電気グルーヴ」より新しいのを聴いてないもんですから。で、一番取っ付きやすそうなのがケツメイシだったので「ケツノポリス5」を聴いてみました。

えー、聴きやすかったです。歌詞の内容も伝統的な、別れた彼女の歯ブラシがどうの、と財津和夫か槇原敬之のような描写があったり、エビちゃんがたくさん出てくるCMの曲はちょっと"Help!"に似てたりして。

その中でも「トレイン」はメロディが中年にも分かりやすいですね。前に聴いた"ORANGE RANGE"に比べて仕上げが奇麗ですし、そこそこ年齢もいってるようなので、云ってることも相応の含羞と扇動的な部分の割合が適度(このジャンルとしてはややおとなしすぎるキライがありますが)だと思います。
MCが3人くらいいるんでしょうか?
歌の部分でリードをとる人と、佐野元春に似た声の人と、坂崎幸之助に似た声の人がいますね。

そして、昔のラップはバックの音に合わせるというより音程を感じさせない台詞で語っていましたが、ケツメイシに限らず最近流行っているラップはバックの音程に合わせて歌うようにしていますね。というようなことが分かったところで、ある程度歴史を遡りつつこのシリーズをぼちぼち続けることにします。


2007/08/15

チャンピオーネ/ORANGE RANGE

夏休み自由研究も最終回となりました。明日から会社なんで…。

とりあえず「日本語とロック」の問題を現代J-POPまで行ってしまおうということで、またレコード屋に行って"ORANGE RANGE"と"サンボマスター"を買って来ました。おかげで今月はCDがいっぱい買えましたorz

1980年の佐野元春から2007年までの間、何をテキストにしたら良いんだろうと、インターネットの年代別ヒット曲データベースをいろいろ見ていました。今回触れなかったビッグネームとしては、尾崎豊、X JAPAN、小室哲哉あたりかなあと思うんですが、「日本語」のアプローチとしてはMr.Childrenほどの特異性は無いと思ったので、今回は通り過ぎることにします。また、雨後の筍のように存在する「作詞する女性ボーカル」についても、同様に通過させてもらいます。aiko、BONNIE PINKなんかはちょっと研究した方が良いかもしれません。宇多田ヒカルはもうすぐ新曲が出るので、その時に…。

買って来たのは、"ORANGE RANGE"というアルバム。サンボマスターはシングルの「全ての夜と全ての朝にタンバリンを鳴らすのだ」を買って来ました。

先にサンボマスターについて一段落だけ。
このシングルだけで判断すると、評判の割にたいしたことありませんでした。今の世の中、一つくらいこういうバンドがいても良いし、言葉を大事にしていることは評価できますが…。ロックである以上、ミックスでボーカルのボリュームをやたら上げるわけにはいかないのであれば、もうちょっと滑舌よく&通る声を鍛えないと、歌詞が聞こえません。曲についてもこういうことを思いつく人って云うのはそんなに珍しくないし、私らの上の世代にこういう感じの人はいっぱいいました(よくしりませんが、三上寛ってこんな感じだったのでは?)。また、RCサクセションまたはブルーハーツ(ザ・ハイロウズ、クロマニヨンズ)に比べて特に優れたところがあると思えませんでした(あ、この二つも通り過ぎてしまいました)。C/Wの「あの鐘を鳴らすのはあなた」も「あなあたー」の譜割りがもっちゃりしててダサいです。私は和田アキ子が嫌いですが、ここは本家に習って「あなーたー」と歌わなければ(「な」で音程を上げきっておかないと)だめです。できなきゃキーを下げなさい。以上。

で、本題の"ORANGE RANGE"。仕事で会う、得意先のえらい方もカラオケのレパートリーに入れている、J-POPの代表選手です。表題の曲は散々だった去年のワールドカップ中継のテーマソングでした。

聞いてみました。サンボマスターよりはだいぶ楽しかったです。
アルバム全体が笑ってますね。ポジティブシンキングの積み重ねが結晶になってる感じです。ミスチルの時のように重箱の隅をつつく気になりません。聴く方も難しいことを考えずに気楽に消費した方が良い音楽です。叩くとほこりが出そう。
キャベツ炒めて、もやし炒めて、ウインナーも入れとく?みたいな料理で、食べたら「あ、これはこれで旨いじゃん」みたいな音楽でした。
歌詞なんか、わざと聴こえないようなミックスにしてあるところもあって、これは「一応歌詞カードには書いておくけど、要は後ろで何か喋ってるってことが大事なの」っていうことでしょう。そういう捨て駒みたいなところが多いんですよ。本人たちも「サビだけにもりあがろう」と云っていますから、今の音楽の消費のされ方に合っているんでしょう(多分、サビだからこそ一層もりあがろう、の意味で書いてるんだと思いますけどねw)。
メロディがついてるところはそんなに難しいことをやっていませんでした。主旋律の人とオクターブ下の人と上でオープンでハモる3人で歌ってて、日本語の載せ方も佐野元春までの手法に収まっていました。というか、意外なほど松本隆でした。

最近のJ-POPの言葉がなぜ聞き取れないのか、この3日間でだいぶ分かって来ました。
1.サウンド重視の中でボーカルの音が相対的に小さくなっている(洋楽的ミックス)
2.相対的に小さくなる音量の中で言葉を届かせるだけの声の出し方ができてない
3.同時に日本語の発音として滑舌が悪い
4.従来の日本語、新規なカタカナ語、英語がランダムに混ざるので聴き手の耳がアジャストできない
5.前後の関係から言葉を類推できるような起承転結のある歌詞が少ない
あたりが考えられます。
私は中年ですが現代に生きる人間ですから、表現において何がいけないなどという野暮は云うつもりはありません。だから、1、4、5については容認します。問題は2、3かな…。ただ、前提として云っておきますが、私たちが若い頃喜んで聴いていたものより、歌唱・演奏・楽曲の平均レベルは最近出て来た人たちの方が高いです(その意味では"ORANGE RANGE"は例としては良くなかったかもしれません)。でも結果として耳に入った時の説得力がなぜ無いのか?という話です。

さて、クドかったこのシリーズは一度お休みして、明日更新するとしたら通常ペースに戻ります。

次にこのシリーズをやるときは、ラップ&ヒップホップ特集をやります。副題は「秋田音頭からケツメイシまで」かな。

最後に超余談ですが、「チャンピオーネ」のBメロ(なのかな?)「かんがえたって〜ハッハ」のところ、「走れコータロー」に良く似てますね。

Mine or Yours/宇多田ヒカル

ベストアルバム"SCIENCE FICTION"を買った後しばらくぼーっとしていましたが、5月になった途端にYouTubeでライブ配信的なものを見かけました。配信は途中から見たのですが、過去のMVが次々流れていて、いつから新作発表になるのかわからず、見るのやめ...