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2019/06/17

Apple Musicで聞く太田裕美の第3期(ニューウェイブ期)

 当ブログ開設以来、基本的には購入した音楽ソフトの感想文を書いてきたのですが、いまやストリーミング配信での音楽消費がかなり定着してきました。
 ストリーミングが始まったころはオジさんが聴くような音楽が配信対象にならず、あえて深掘りしてきませんでしたが、ここにきてユーミンをはじめ私が若い頃に聴いてきた音楽がかなり配信されるようになっているようです。何回か前から「Apple Musicで聴く」シリーズを何本か上げてみましたが、飽きるまでもうしばらく続けてみようかと思います。
 私は少年時代から今まで、ちゃんとしたオーディオセットとは無縁の生活をしていたので、若い頃はミュージックテープ(LPレコードと同じものをカセットテープのフォーマットで販売するもの。基本は円盤と同価格)を購入していました。今聴くとカセットテープの音なんて本当にショボいんですが、当時はそれより良い音に触れることがなかったので、それはそれで満足していました。しかし、音楽の媒体がCD、MDと変化し、ついにはネット経由のデータで配信されるようになった今、当時買いそろえたカセットテープ資産は、何度かの引越しを経てすべて失ってしまいました。CDで買いなおした音源もかなりありますが、全部をフォローしきれませんので、忘れるともなく忘れているアーティストや作品があるものです。
 ところが、Apple Musicで思いついた名前をダメ元で検索してみると意外なほどヒットするんですねえ。ちょっと前は有料ダウンロードだった作品も改めて検索してみると配信されるようになっていて、iPhoneにダウンロードすることもできる!いい時代になったものです。月極めの家賃は取られますが、ただより怖いものはないですからね。

さて、今日は、発表当時は(一部で)賛否両論だった太田裕美のニューウェイブ路線作品3作をまとめてみます。

 太田裕美自身は音楽学校出身でそれなりの素養はあったのでしょうが、スクールメイツでキャンディーズといっしょにアイドル修行?をしていたし、渡辺プロにも入っていますから、普通のアイドル路線でのデビューもあり得たはずですが、ピアノの弾き語りスタイルで登場しました。おそらくちょっと前に小坂明子がピアノの弾き語りで大ヒットを飛ばした(今思えばヤマハ世界歌謡祭のグランプリ曲であることを前面に押し出して売り出された最初が小坂明子だったと思う)後だったからではないかと思われます。小坂明子より可愛い子がピアノ弾いて歌ったらもっと売れるんじゃないか?大手の商品開発ってのはえてしてそういうものです。

 さて、太田裕美の音楽は4つか5つの時代に分けられると思います。デビューしてから数年間のアイドル的消費をされ、シングルヒットを続けていた時代(アルバムでいうと「ELEGANCE」、シングルだと「ドール」くらいまで)。アルバムでは自作曲を披露したりしていましたが、シングルに関しては判で押したように作詞・松本隆/作曲・筒美京平(/編曲・ 萩田光雄)でした。これが第1期になるのではないかと思います。
 その後、二十代半ばを迎えて少しアダルトな感じにモデルチェンジしようとしてやや迷走気味になりました。この頃の目立ったヒット曲となると、清涼飲料水のCMソングだった「南風」くらいでしょうか。「木綿のハンカチーフ」以来連続出演していた紅白歌合戦にも選出されなくなり、本人も思うところがあったのか、休養&渡米を発表するところまでが第2期。
 半年くらいと言って出て行ったアメリカ留学ですが、休養期間は1年を越え、ようやく活動を再開したのが今回紹介する第3期で、その後、結婚を機に活動は縮小します。
 しばらくして母親の立場から童謡を歌ったアルバム「どんじゃらほい」を発表した一方、自作曲や、久しぶりに松本隆/筒美京平コンビの作品を発表しました。また、近年は同時期に活動していたガロのメンバーや伊勢正三とのコンサート活動を継続しているようです。

 で、やっと本題。
 太田裕美(勝手な区分けで)第3期・ニューウェイブ編の3枚のアルバムもApple Musicで聴くことができます。
時代順に聴くのが良いと思いますが、タイトルは「Far East」(1983年)、「I do,You do」(1983年)「TAMATEBAKO」(1984年)となります。
 「Far East」はニューヨーク帰りでちょっと大人になった太田裕美をフィーチャーしたアルバムで、当時はLPレコードの時代でしたからA面とB面でコンセプトが違い、A面が「ニューヨーク・サイド」、B面は「トーキョー・サイド」と言っていました。A面は当時主流になりつつあったシティ・ポップの音で、なぜか日野皓正のラッパまで入っている豪華版です。B面もまったく違うわけではないのですが、「窓から春の風」のようなシンセの音が前面に出たテクノポップ風味のサウンドが強くなります。私は太田裕美はコンサバティブな人だと思っていたので、A面の路線で行くのだろうなと思っていたら豈図らんや、次作の「I do,You do」はデビュー当時もやっていなかったミルキーボイス全開のテクノポップでした。第2期の迷走は、つまりはどうやったら大人の歌手になれるかと足掻いた上でのことだと思うのですが、声質と舌足らずな滑舌のために本格派になりきれなかったのを完全に開き直った感じがして、「よくやった!」と思う出来でした。私はこのアルバムの「こ・こ・に・い・る・よ」という曲で初めて「5拍子」を理解したものでした。
 しかし、デビュー当時の「可愛い女子大生風弾き語り」のイメージでついてきていた人はこの辺りでいわゆる「オタ切り」されてしまったようです。私の学生時代の友達も一緒に行ったコンサートの後で「こんなの太田裕美じゃない!」と怒って帰って行きましたから、そういうファンは多かったんだと思います。
 そんなデジタル穏健派の私でもちょっと行き過ぎでは?と思ったのが3枚目の「TAMATEBAKO」。
 「ランドリー」とか「チラチラ傘しょって」とか奇天烈なタイトルが並び、前作よりもさらにぶっとんだ曲が並びます。

 でも、今聴くと「TAMATEBAKO」がいちばん完成度が高いですね。太田裕美の時代は、ちょうど音楽向けの機材が現代化していった過渡期なので、「ELEGANCE 」あたりまでは(曲はすごく好きなのが多いですが)音が古いです。次の「海が泣いている」は海外録音で音は良くなったんですが、曲が小難しくなって愛聴するにはいたりませんでした。大瀧詠一復活の時期にシングルで出した「恋のハーフムーン」はさすがのナイアガラ・サウンドですがこれはちょっと例外とすると、やはり「Far East」以降のサウンドは今の商品と比べても音の面で遜色がなく、改めてちょっとおススメしたいと思います。 

2018/08/24

Future Pop/Perfume とおまけ(買わない理由)

今年のお盆はなんだかんだしっかり休めました。7月中旬から土日を含めて常になにか仕事が入っていて、這々の体でたどり着いた感じの盆休みだったので、昼からビール飲んでごろ寝していたら、かえって不健康になってしまいました。

さて、8月になってからもちょっと買い足したCDがあったので紹介します。
思うところがあって渋谷のタワーレコードにも久しぶりに行ってみましたが、やはり鉱脈として期待されているのか、中年~初老狙いの新製品が目白押し!

ざっと紹介しましょう。

まずはサザンのベスト。TSUNAMIから現在までという感じでしょうか。
ここには書かなかったけど、実は「葡萄」を持っているのでパス。持ってて損はないし、ドライブのお供には良さそうなんだけど、売り場で10秒迷ってパス。

今井美樹。大好きだったんだけど、今の今井美樹を聴きたいか、と思うと食指が動かなかったです。なんていうかやっぱりアイドル的に好きだったのかな?数年前に出た"Premium Ibory"も「ポールポジション」が入ってないという理由だけでパスしてしまいました。

「ラブとポップ」おお、広末涼子のどアップ!って広末涼子の曲は入ってないんですね。15年位前のラインナップでしょうか?僕より十歳若い人向けなのかな?って感じでパス。

浜崎あゆみ。は、もともと担当外。

そんなわけで、買ってきたのはPerfumeの新しいアルバム、"Future Pop"ともうひとつ。もうひとつの話はもったいないから次回に回して、今日のところはPerfumeの話です。

前作の"Cosmic Explorer"も例の「ちはやふる」絡みの曲を中心になかなか楽しいアルバムでしたが、同時に彼女たちももうすぐ30歳になるわけで、これからどうしていくのだろう?という余計なお世話的心配がふと去来したものでした。

で、今回はブルーレイディスク付きのを買ってきて、そっちから先にみたんだけど(最後のトラックの「ラジオ」部分は、「CD本編を聴く前に見ちゃだめ!」とご本人たちに言われたのでまだ見てないんですが。素直だな~俺)、テレビで再生している限りでは「地味」て感じがしました。それでも気を取り直して、パソコンにつないだもう少し良いスピーカーで再生を始めると、おお、おお、ちゃんと楽しい音になっていました。良かった良かった。
あと、12曲で40分前後とボリュームが丁度よい。1曲平均で3分台ということで、そういうところも聴きやすいです。みんな忙しいんで。

それにしても、もういちど書きますが、30歳のPerfumeはこれからどうするのか?

まるでCGのようだった3人が、今は体重も体温も匂いもある存在として歌い踊るようになった今、この声の処理で続けていけるのか?いっそのこと過去のヒット曲を生声&アンプラグドでやり直したりするべきではないのか?
限界点は近いと思われる一方、ひょっとかして、この壁を乗り越えれば唯一無二の存在になれそうな気もします。

√
なんパターンあるのよさ?

2016/04/10

COSMIC EXPLORER/Perfume

久しぶりにPerfumeのアルバムが出ました。
今年は、宇多田ヒカルも帰ってくるし、去年よりは新しい音楽を聴けそうです。

さて、出ると買っちゃうPerfumeです。
前前作の「JPN」が勢いのある曲をノンストップで繋いでいく理屈抜きで楽しい1枚だったのが、次の「LEVEL3」は悪くはないがちょっとおとなしくなってしまった感じでした。メンバーの年齢も上がっていることもあるし、このままなんていうかメロウな感じになって閉店していくのかな、という印象を持ったような気がします。

しかし、今回のアルバムまでしばらく時間があったこともあって、「LEVEL3」のことはすっかり忘れて新作を買っていました。

「COSMIC EXPLORER」は、そういう意味では少し揺り戻した感じで、「JPN」ほどではないが無邪気に楽しく聴ける部分が増強されているような気がします。

Perfumeといえば、オートチューンを多用した人工的な歌声が代名詞になっていますが、ポリリズムの頃(古い話ですね)と比べると時代が下るほど加工度が下がってきています。本作ではバックコーラス部分を生声に近い処理で重ねることもしています。特に表題曲「 COSMIC EXPLORER」の途中ではほとんど生声(音程調整はしているっぽく聴こえますが)が使われている部分もあって、あー本当はこういう声だったのか、と確認ができます。
曲としては、歌番組でも披露している「Pick Me Up」を代表とする、和風音階のフレーズが高音域で飛び回るキラキラしたサウンドがメインで、微妙に力点をずらしたシングルナンバーがアクセントになるような作りになっています。YMO好きだった中年(初老か)が懐かしくなるようなシンセベースやテクノデリック的メカニカルなノイズも加わり、我々世代にとってのわかりやすさは相変わらずです。

ところで、特典についていた動画を見ていて改めて驚いたのですが(というか、当然だけど)、Perfumeの3人も28歳とかになっているんですね。音楽性はともかく、いわゆるアイドル的に出てきた彼女たちはこの後どうなっていくんだろう?このまま末永く年齢不詳のアジア少女としてプリンセス・テンコー的に世界で活躍するのか?結婚などを契機にして生身の女性としてそれぞれの道を歩むのか?そろそろ決断の時が近づいています。

それにしても、一時代を築いてその後はマニアのものになっていたジャンルを、若い女の子に唄わせてアイドル的に売ると世界に出られるというのはなかなかの発見です。この漁場にはまだ魚がいるみたいで、BABYMETALはPerfumeがテクノでやったことをヘビメタでやったらイケたわけですよね。私はまだちゃんと聴いてませんが。

2013/06/30

なんだこれくしょん/きゃりーぱみゅぱみゅ

CDショップで買おうと思うと、どんな顔でレジに持っていけばよいのか悩んでしまいそうなシロモノですが、iTunesなら平気です。
買ってしまいました。
↓
icon

昨年来、iconマスメディアでの露出も大変多いですし、海外公演でもウケているそうで(レディー・ガガのような圧倒的物量のレベルではないのでしょうが、一昔前の演歌歌手による「ラスベガス公演大成功」などよりは信用できる、気がする)なによりです。

また、「アーティストだから恋愛禁止じゃない」などの発言もあるそうなので、遠くから見るとアイドルとどこが違うのかわかりづらいですが、「アーティスト」としての自負を持って活動をしているらしいことは確かです。

ダウンロードしてアルバムの曲目を見渡すと、「なんだこれくしょん」「にんじゃりばんばん」「ふりそでーしょん」とひらがなで書かれた幼児語のようなタイトルが並び、挙句の果てに「み」なんて曲目まであります。中年オヤジのプレイリストにこんな曲目が並んでいいのか、じっと手を見てしまいます。かと言って「さよならクロール」なら良いわけでもないんでしょうが。かたやAKB48という、初老の男性の手による少女や少年の言葉をうたうアイドルがいて、こなた「にんじゃりばんばん」を歌うアーティストがいるのがクール・ジャパンです。
そして、きゃりーぱみゅぱみゅは本人もわかって神輿に乗せられていると思うのですが、彼女は「クール・ジャパン」の威信をかけた象徴的輸出品目でもあります。平成の李香蘭(ちがうか!)。とにかく、日本のカワイイ文化を音楽にのせて表現するのが彼女のアーティストとしての活動テーマです。


さて、実際に聞いてみます。
中田ヤスタカの手によるエレクトロポップとしては、Perfumeという存在もあり、その棲み分けというかどういうテイストの違いをつけているのかという興味もあります。
さて、何が違うか?

ざっと聴いた印象では、声の処理などはPerfumeの方が加工度が高く、人工的に聴こえるのに対して、きゃりーぱみゅぱみゅの声は一応本人がどのような声色をしているのかが分かります。反面、歌詞やメロディについてはPerfumeの方が王道アイドル的。つまりあの3人が生身で、ニオイも体重もある女性がパフォーマンスするものとして作られている(だが、声は匿名的にされている)のに対し、きゃりーぱみゅぱみゅの歌詞や曲はより現実離れというかかなりめちゃくちゃです。
ピンクレディーも宇宙人やモンスターと戯れる歌詞を歌いましたが、一応は恋愛のメタファーとして歌っていました。しかし、きゃりーぱみゅぱみゅの歌う歌詞は、そんな比喩は無い、ほぼ字義通りの意味です。「インベーダーインベーダー」は「あなたの心を侵略する私は恋のインベーダーよっ」なんて話ではなく、「私はおしゃれで世界征服を目論む侵略者であるぞよ」という話です。

そして、ここが「世界戦略」だと思うのですが、歌詞の語彙が異常に少ないです。タイトルを延々とくり返し、あとは日本語としても意味が無い「ぴーぽぴーぽ」とか「きゅーきゅきゅきゅ」とかのオノマトペで歌詞が埋められています(そして歌詞カードではそれらの多くがひらがなで記されているようです)。歌詞→http://utaten.com/lyric/jb71304092
英語で歌うばかりがグローバルじゃない、1曲あたりの重要な単語を3つくらいにしておけば、ガイジンさんたちも一緒に歌うだろう、という戦略。だって、我々英語の出来ない民族はそんな感じで洋楽を理解しているのですから。

曲調でいうと、Perfumeが全体に初期YMOっぽいのに対して、きゃりーぱみゅぱみゅはもうちょっと後の、CM音楽などに多用されて一般化した後の「テクノポップ」に近い気がします。「み」という曲はおそらく「元禄花見踊り」を下敷きにしていると思いますが、途中でテーマになるメロディを応援団のブラスバンド風に聴かせる箇所があります。日本的なメロディを使うときに、YMOだとわざと中国風にしたり、小難しい和音をつけたり、あるいは明らかにテンションが変な男の声を入れるなどして、ちょっと気持ち悪くするのですが、きゃりーぱみゅぱみゅの和テイストは、そういう批判やテレのニオイを感じません。あっけらかんと「和」。そうでないと輸出品目になりませんものね。




2012/01/14

サカモト教授の8bitジュークボックス/サカモト教授

2012年最初の投稿も、不本意ながら(笑)エレクトロニクスです。
今週発売の週刊アスキーで紹介されていたのを買ってきました。「サカモト教授の8bitジュークボックス」です。

昔のゲームミュージックのような8bitピコピコ音によるJ-POP名曲のカバーという触れ込みで、そういうの面白いかもと思ってまずはiTunesで探してみました。が、「サカモト教授」で出てきたのはひとつ前のアルバムでした。




そこで、いつものように銀座山野楽器本店(ポイントカードも持ってるぜ)に行ってみましたが、さすがの山野楽器にも並んでいませんでした。しかたなくオジサンには敷居が高い渋谷のタワーレコードまで足を伸ばして、ようやく発見しました。そしたら装丁がDVD並に巨大。こういう収納し辛いパッケージは止めてほしいなあ…というか、iTunesで配信して欲しいです。

曲目リストを見ると、「浪漫飛行」「どんなときも」「ロビンソン」「大迷惑」等、J-POPの定番ソングがずらり並んでいます。それにしては1890円は安いなあと思いながらMacBook Proに挿入すると「全13曲 演奏時間19分」え?
フルサイズではなく、全曲がほぼ1分~1分30秒のワンコーラスで一気メドレーとして収録されているのでした。

聴いてみると8bitと名乗っていても録音機材は最新なのでしょう、別にチープな感じはしません。週刊アスキーの記事をナナメ読みした範囲では、一昔前に韓国でイ・パクサがやってた「ポンチャック」みたいな感じなのかなと思ったんですが(本当はそっちを期待してた)、音はうんと真面目です。1曲あたり1分強、1コーラスという割り切りもらしいスピード感があって楽しいです。

だいたい、このテの電子音楽をやりつつ堂々と「サカモト教授」と名乗るのも(いや、本名由来なのかもしれませんが、それにしても)いい度胸をしてるので、確信犯的にチープな感じでパロディ音楽がやりたい人なのかと思いましたが、実はしっかり音楽家している人のようです。



2011/12/04

JPN/Perfume

この次はDVD付きを買うぞ、と意気込んでいたPerfumeの久々のアルバムが出ました。
ただし買うには苦労しました。AmazonでDVD付き初回限定版が予約できないのです(一応商品は出てきて、クリックもできるんだけど予定数終了かなんかで予約が成立しない)。しかたないので発売日に銀座山野楽器へ行ってみると、普通に平積みされていました。これだけ買うの恥ずかしかったので、久保田利伸のベストと合わせて買ってきました(久保田利伸の話はまた今度)。 

いざ聴いてみると、たとえ音と名前は一致しなくても、半分以上はCMなどのタイアップでテレビから流れた覚えのある曲たち。
「レーザービーム」や「ねぇ」のような攻める感じの曲と「ナチュラルに恋して」や「微かなカオリ」などほんわかしたアイドル風とを行き来しながら進んで行き、ぼけーっとしてるうちに終わりまで聴いてしまいます。
「JPN」というタイトルもスケールが大きく、かつ「AKBやSKEやHKTなどの秋元康戦略の最終型(JPN48?)を見通して先を越してやった」かのようなネーミングでなかなか痛快(邪推です)。


さて、渡辺祐氏の週刊朝日での連載によると、「イマドキのオトナ世代にはアナログ右派的なサウンド志向の方と、YMO育ちでテクノポップ上等のデジタル穏健派が混在している」そうです。
二つに分けられてしまったら明らかに「デジタル穏健派」に入らざるを得ない私です(いやその中でも右派左派古典派があってさ…とか言い出すとキリがないんですが)。 


YMOの持っていた「かわいい」部分を取り出して女の子にパフォーマンスさせるやり方は、本家YMOのお三人さん自身の手によるものも含め、80年代にやり尽くされた感じがありました(「イエローマジック歌謡曲」の項でしつこく書きました)。そんな当時の商品を含めても、Perfumeのウェルメイド感は一頭地を抜いていると思います。 
それは歌ってる本人たちの現代的なリズム感にもあると思います。
これだけ声が加工されている中で「リズム感」と言っても証拠はないですが、テレビでのパフォーマンスを見ると、本人たちもやはりただもんじゃないと思います。
Perfumeは芸能人として突出したルックスではない(顔もそうだけど、DVDで見てると結構昭和な体型に見える、人もいる)ですが、歌声やパフォーマンスの中でちゃんと上品な色っぽさを醸し出しているのはプロとして偉いと思います。
また、「ポリリズム」の頃に比べると、声の加工もマイルドというか地声が類推できるような気がするレベル(といってもどれが誰かは分かりませんが)に少しずつ変わっていっているように聴こえます。ブレイクした頃の、アニメのキャラクターのような存在だったのを、二十代の女性に相応しい質感を徐々に付け加えていく戦略なのかもしれません。

ところで、Perfumeの黒幕である中田ヤスタカっていう人はWikipediaの記述が本当なら、まだ30歳そこそこ。なんでこんなに我々に懐かしさを感じさせつつ、古臭くない音が作れるのか?あまり使いたくない言葉ですが、「天才」としか思えません。
それこそ「YMO世代」の、テクノの来し方行く末をじーっと目を離さずに見つめ続け、その上特別才能がある人物が作ってるのなら納得ですが、30歳前後の若い人がほとんど一人で(しかも達者な歌詞まで)作ってるんでしょう?
すごすぎる!



2011/07/03

YMO/YELLOW MAGIC ORCHESTRA

YMOについてはマイペースで書きたくなったら次に「増殖」の話を書けばいいか、とか軽く考えていたら、新しいベスト盤が出ているじゃないですか、YMO(^_^;) 「YMO」がアルバムタイトルでアーティスト名が「YELLOW MAGIC ORCHESTRA」なんですね。ここ数年、新作を小出しにしたりフェスに顔を出したりもしてるらしい。ちょっと目を離すとこれだから…

さて、今までさんざん出たベスト盤のうちの何種類かを持っている身としては、聴き所は渡辺香津美のギターが入ったライブ版「東風」であり、「DAY TRIPPER」なんでしょうが、私はこういう血と汗の臭いがするYMOにはあまり興味がなくて、オンタイムのシーケンスでただただクールに「テクノポリス」とか流れてたほうが好きなんですけど。ただ、気のせいかもしれませんが、全体の音圧も上がってるみたいで、今の環境で聴くには単純に音として良くなってるんでしょう。そういうHiFi的興味も含めてやっぱり買っといたほうが後悔しないかな?

曲のラインナップはiTunesやAmazonのリンクからでも見ていただければ良いのですが、1st.「イエロー・マジック・オーケストラ」から3曲、1979年のライブ音源から2曲、「ソリッド・ステート・サヴァイヴァー」から2曲、「増殖」から1曲、「BGM」から4曲、「テクノデリック」から2曲、「テクノドン」から1曲。そしてHASYMOのシングルから1曲で、基本年代別に並んでいます。15曲目の「key」は1983年の散開ライブの実況で、私にとっては当時NHKテレビの特集番組で見て以来の音源になります(「アフター・サーヴィス」を買ってないので)。
「BGM」からのナンバーが多いのは、やっぱりあのアルバムは名盤ってことか(゚д゚)(。_。)(゚д゚)(。_。) ウンウン。

YMO - Yellow Magic Orchestra

2011/06/19

レーザービーム/Perfume

今、月に1~2回くらい見るテレビの歌番組で、出てくるのが楽しみなのは彼女たち。

表現において「なんだこれは!?」と思わせるものこそが最良であるという岡本太郎理論でいくと、Perfumeの「ポリリズム」は「なんだこれは」でした。
「なんだこれは」だったけど、同時にキッチュ(死語)だったので、「あ~、ボコーダーで声いじってテクノポップを唄わせてるのね」と、80年代にやたらたくさんあったYMOおよびその周辺によるテクノ風アイドルポップス(「イエローマジック歌謡曲」の項参照)の生き残りであるという仕分けをしてしまいました。
それでもなにかとても気になってアルバム「⊿」も買ってたんですが、どうも私は彼女たちを過小評価していたように思います。

しばらく静かにしていたようだったのが、今春からコマーシャルで「レーザービーム」が流れ始めて、「あー一段とYMOになってきたなあ、でもちょっとメロディが小さくまとまりすぎなんじゃない?」とまだ思っておりました。

ところが、CD発売日前後に出てきたテレビでのパフォーマンスを見ると、いいんですなあこれが。

レコード会社がYouTubeにPVのサンプルを上げていますが、PVよりもテレビでのダンスの方が良いです。


サウンドと「レーザービーム」という単語に騙されて、なにかサイバーな世界の話なのかと思わされるけれど、歌詞をよく聞くとテーマはどうも野球のことらしい、「れいざあびいむ」って思い切り日本語だし。

そんなユルさも含めて、PerfumeにはCDで聴くよりもDVDやテレビで見て初めて見えてくる何かがあります。マルチメディア(これも死後だなあ)時代の商品としてとても優れていると思います。

次のアルバムが楽しみ、今度はDVD付きを買おう。

2011/05/22

HATSUKOI/坂本美雨

今日は休日出勤の上に、明日の仕事のために東京から大阪に移動しなくてはならず、なんか悔しいからエクスプレスカードの特典でグリーン車に乗りました。
N700系はソフトバンクの無線LANが使えるので、iPadで遊んでいたんですが、そういえばMac以外で音楽買ったことがなかったな、と思ってiTunesを立ち上げて、アルバムを物色してました。
主にナタリーなどの広報を読んでなんとなく気になっていた、坂本美雨の5月18日発売のアルバム、"HATSUKOI"をダウンロードしてみました。新幹線の無線LANは意外とトラフィックが細いのか、全曲落とすまでにわりと時間がかかりました(同乗の皆様、さぞかしご迷惑だったことでしょう。申し訳ないです)が、さっそくiPadにヘッドホンを挿し込んで聞いてみました。

坂本美雨のことは、矢野顕子と坂本龍一という超大物の娘ということはどこかで見て知ってましたが、マスメディアで見かけることも少ないので、意識して聞いたことはありませんでした。
ほとんど情報を持たないままに再生してみると、iTunesに表示されたジャンルは「エレクトロニクス」。あ、エレクトロニクスなんだ、と思って聴きはじめると、なるほどオケは打ち込みです。そして乗っかる本人の歌声は、こういってはなんですが、妙に基礎のしっかりした本格的発声。お母さんの弾(はじ)けるピアノと奔放な節回し、とは違います。また、幸いお父さんの歌唱力は全く遺伝しなかったらしく、きれいで上品な発声です。打ち込みのバックで歌う遊佐未森のような、元気な中谷美紀のような…。

作品の印象は、初心者向けクラシック(バッハとかモーツァルトの有名曲や、タンホイザー序曲とか?)を再構成した上にポップなボーカルが載っている感じです。最近のJ-POPにはあまりいない路線で、聞いたことないほど斬新、ていうのではないけれど飽きることなく聞けました。また、このアルバムには初心に戻って可愛いメロディを書くようになった小室哲哉作品が混じっています。さすが小室作品は飛び抜けてキャッチーな出来上がりです。

一方、ご両親の、良くも悪くも強烈なキャラクターからの遺伝を変に期待しちゃうとちょっと地味かもなー、という印象もあります。「藤圭子の娘がR&Bを歌うんだって!(その話はもういいって>俺)」みたいなインパクトはないです。

なんていうか、今はまだ「楷書」で書いてある音楽って感じです。だから、これからこの人が年齢を重ねてどんな風に崩れていくのか、ちょっと長い時間で見ていたいですね。
男女問題とかで身を持ち崩したりして色気とか毒気なんかが加わると、ちょっとすごい才能かもしれません。

↓顔はお父さん似。

HATSUKOI - 坂本美雨

2011/02/26

Solid State Survivor/Yellow Magic Orchestra

やっぱりYMOといえばこれでしょう!「ソリッド・ステイト・サヴァイヴァー」です。
テクノポリスもライディーンも"BEHIND THE MASK"も1枚で聞けちゃう。
YMOってとりあえず何聴けばいいの?と思ったら、まずこれ。BGMとかテクノデリックとかはとりあえず置いといてこれ。

1曲目のテクノポリスが素晴らしい。前作のアジア趣味を通り越して無国籍というか未来的でフィクショナルな仮想都市トキオのテーマ曲。

そして2曲目の"ABSOLUTE EGO DANCE"でふらっと沖縄に戻り、3曲目がライディーンです。文句なしに楽しい。シンセサイザーの音が気持ちいい。

今の若いアーティストでこれに似た音を聴きたいと思ったら、やっぱりPerfumeってことになるなあ。

このアルバムには、まだ手弾きのベースやエレキギターの音が入っていて、ロック(または「クロスオーバー」的)な雰囲気が残っているのも逆に好ましく思えます。このアルバムの中ではビートルズのカバー("DAY TRIPPER")をやっていて、歌詞カードによるとギターはシーナ&ザ・ロケッツの鮎川誠です。

さて、タイトルの「ソリッド・ステイト・サヴァイヴァー」は、素直に読めば「半導体(製の)生存者(?)」でしょうし、「高密度電脳国家(?)の生存者」という誤読も可能。ときあたかも「サイバーパンク」が確立する前夜であり、コンピュータ化する世界に触発された表現者集団の中にYMOもいた、ということなんだと思います。

2011/02/20

イエロー・マジック・オーケストラ/Yellow Magic Orchestra

iTunesに結成から1983年の「散会」までのアルバムが揃い、YMOが気軽に聞けるようになりました。
活動期間が5年ほどなので、オリジナルアルバムに限れば、アイテムも少ないからコンプリートも比較的容易です。

1.イエロー・マジック・オーケストラ
2.ソリッド・ステイト・サヴァイヴァー
3.増殖
4.BGM
5.テクノデリック
6.浮気なぼくら
7.サーヴィス
の7枚。

僕はCDで2、4、5、6(あとテクノドン)を持っているから、新しく買うのは1、3、7の3枚。

ま、ひと月で全部揃えると経済的負担も大きいので、とりあえずファーストアルバムである「イエロー・マジック・オーケストラ」をDLしてみました。
 iTunes Store(Japan)
YMOはいろんな編集のCDが既にたくさん出ているので、私のMacのHDDの、どこにも入ってない曲は少ないのですが、それでもアルバムの収録曲を収録された順に聴いてこそと思いますので、気にせずアルバム一括購入。あーオトナって素敵!

「イエロー・マジック・オーケストラ」は細野晴臣が発想したコンセプトを基に、高橋幸宏と坂本龍一が参加してできた最初のアルバムです。「テクノポリス」も「ライディーン」も入っていません。ベスト盤やオムニバスなどでよく聴ける曲としては「東風」「中国女」「ファイアークラッカー」あたりでしょうか。ああ、それにしても「東風」の出だしは本当にかっこいい…。

さて、「イエロー・マジック・オーケストラ」が発表された1978年というと細野晴臣がソロで「はらいそ」発表した年でもあります。度重なる引越しでどこかにしまいこんでしまい、今すぐに聴き返せないのですが、「イエロー・マジック・オーケストラ」は細野晴臣ソロ名義で発表した「泰安洋行」「はらいそ」の延長線上にあるといっても間違いでは無いでしょう。
萩原健太の著作などによると、細野晴臣は都会っ子である自分にはルーツとなる日本というものが無いから、沖縄や東南アジア経由で日本に戻るしかない、と考えていたらしいのですが、その意識が初期YMOにも見えます。

YMOが流行り始めた頃、無邪気な高校生だった私は初期のYMOの中国風味な音階はあまり好きではありませんでした。
とはいえ当時は冨田勲作品以外では聴けなかったシンセサイザー音楽を、それも軽快なポピュラーミュージックとしてやってくれたのですから、細かい趣味の問題を超越した抗しがたい魅力がありました。

当時の機材のことを考えると、まだシンセサイザーはアナログで、音色メモリーもあったかどうか…。演奏中に音を変えようと思ったら、パッチのコードを差し替え、各種つまみを手動で調節していたわけです。シーケンサーもアナログで、つまみの数の音数までしか連続演奏できなかった。しかもそれぞれの機材が大きいから、初期YMOのライブ映像はタンスに囲まれたようなビジュアルでした。しかし、それが機械好きな男の子にはかっこ良く見えたものです。(しばらくYMOの話が続きます)

2011/01/30

Hands/Little Boots

こちらも久しぶりの更新です。2011年最初はめずらしく洋楽の話を書きます。

Little Bootsというイギリスの若い女性によるテクノポップ(でいいののかな?)。
売れてるのか売れてないのか?日本にどのくらいファンがいるのかも分かりません。とりあえず、本日現在で日本語版Wikipediaには項目がないことは確かです。英語版Wikipediaによると1984年5月生まれだそうなので、26歳かぁ。若いなあ…

こと洋楽に関してはすこぶるアンテナの低い私が、なぜ彼女のことをしったかというと、今、YAMAHAが売っている"TENORI-ON"という楽器のホームページに彼女がその使い手としてインタビューを受けていたからです。→YAMAHAのページ
TENORI-ONというのは、内蔵されている音を適当にいじりながら演奏する電子楽器で、見た目がユニークでそれなりにステージ映えもするよ、と先日も銀座の店舗でデモンストレーションをやっていました。
iPhoneのアプリにも似た様な画面デザインの安価なアプリがありますが、おそらくもっと自由度があって、ハードウェア的にもしっかりつくってあるのでしょう。7万円を超える価格がついています。

Little Bootsちゃんは、それを使って、このビデオのようなパフォーマンスをやっているのです。


こういう若くてかわいい女の子がこんなオタク臭い楽器を嬉々としていじっているところを見るとすっかりうれしくなってしまい、無条件で応援したくなりました。(おじちゃんはね、おじちゃんはね、みたいな感じもw)

さて、作品の方です。
表題の"Hands"はアルバムタイトルで、iTunesではなぜか曲数違いで同じタイトルのアルバムが2種類買えるようになっています。私は根気の無いタイプなので、曲数の少ない12曲入りの方をダウンロードしました。

アメリカ風の隙のないブロデュースとは違う、良い意味で粗い感じの仕上がりは、なんとなく製作過程が透けて見えるようです。
私はこういうのの方が好き。バリバリのダンスミュージックというよりももうちょっと泥臭く、80年代のガゼボとかをちょっと思い起こさせます。平沢進とか好きな人も全然オッケーだと思います。あ、あと懐かしの"dip in the pool"に似てるかも。
歌はむちゃくちゃ上手い感じでもなくて、レベル的にはJ-POP並みですが、私にはかえって聴きやすく、また新しいのが出たら買っちゃおうかな~と思っちゃいました。

2010/02/21

Sim City/平沢進

そして話は時代をさかのぼって"Sim City"に移ります。

私が平沢進作品が好きな理由は電子音楽でありながら、素朴に「歌もの」として楽しいことで、その典型が"Sim City"です。
発売は1995年、私が友人たちと今のところ最後の作品を作っていた頃です。PC98に入れた"Tool de Music Lite"でカラオケを作り、ギターをかぶせたりかぶせなかったり、コーラスを入れたり入れなかったりしながら、カセット4chのMTRにオリジナル曲を作っていた頃ですよお立会い!
私一人じゃ心もとなかったんで、高校時代にベースをやってたもう一人の作曲ができる相棒と、ボーカル用に友人を2人巻き込んで。オフコース好きだったので、アルバムにはいろんな人の声が入ってた方が良いと思っていたからです(ユニコーンは今でもそうですね)。

もはやうろ覚えですが、このアルバムは"Sound & Recording Magazine"で特集が組まれ、インタビューの中で平沢進はトラック作りに使用するコンピュータはAmigaであると言っていたと思います(もちろん、当時でも主流はMacです)。
そして聴いてみたら、これが電子音楽であるにもかかわらず、手作り感あふれるものでした。ボーカルにかかるエコーにしろ、シンセの音色にしろ「とにかくつまみをめいっぱい回してみました」みたいな侠気溢れるきっぷの良い音作りにノックアウトされました。

タイトルの"Sim City"は当時すでに同名のゲームもありましたが、人工的なタイの街並みの印象に由来しているのだそう。アルバムにはそのタイのニューハーフが(つまり人工的な性として)コーラスで参加しています。

そして「歌もの」としての楽しさ。平沢進の声は民謡寸前のドメスティックな歌唱で、歌詞中の英単語の発音もめちゃめちゃカタカナっぽいんですが、とんがったコンピュータ・サウンドのオケとも相性抜群で、オリジナリティ豊かなものになっています。カーステレオかけながら一緒に歌うと楽しいことこの上なし。覚えやすいメロディなので、今からでもぜひやってみましょう。
アマゾン・平沢進ストアへ

2010/02/13

点呼する惑星/平沢進

去年出たアルバムですが、つい先日、銀座の山野楽器で見つけて買ってきました。平沢進の「点呼する惑星」。もう、タイトルだけで笑みが浮かんでしまいますね。
現代美術の作品名みたいです。

「ばーっばばーばっばっばばー」
「俺たち太陽塾。よーしみんなそろってるか点呼するぞ」
「俺が先頭!水!」「金!」「地!」「火!」「木!」「どっ」「てん」「ころりん」
「ばかやろー、なんだころりんて。お前も冥王星みたいに太陽系から外すぞ」
「俺が先頭!金!」
「地!ってこの場所暑いよ、生物住めねえよ!もう、俺が先頭!地……って、だから暑いってば!」
というコントが頭に浮かびますが、平沢進は相変わらず良い!

もともとはるか昔に「月刊Keyboard Magazine」で「SIM CITY」の特集を読んで以来のリスナーで、まあ最近の作品は結構取りこぼしていますが、気がつけば聴くようにしています。
平沢進の何が良いかというと、iTunesでは"New Age"とジャンル分けされてるバリバリの電子音楽でありつつ、完璧な「歌モノ」であること。入浴中の鼻歌としても愛唱できる曲であるというのが良いです。いつかしつこくやった「歌心」っていうのがあるんですね。

布袋寅泰も(自身の声は良くないけど)ジャンルに関係なく歌好きなメロディを書きますが、平沢進は声もイイ!
ちょっと東北のオジサンみたいな発声が良い意味で日本的で、それと電子音楽のピコピコがすごくマッチして、真似したくなる。




解説はご本人が自身のホームページでやってらっしゃるので、そちらを参照されたし。
そのうち「SIM CITY」の話も書きなおそうっと。

2009/11/17

イエローマジック歌謡曲 DISC-3/様々なアーティスト

予定より1日遅れましたが、「イエローマジック歌謡曲」の第3夜です。3枚組なので今日が最終回。このシリーズは曲名書いてれば良いから楽といえば楽なんですが、ときどきすごく耳に残る曲があって、困っています。



M1.わがままな片想い/松田聖子
作詞・松本隆、作曲編曲・細野晴臣。「天国のキッス」のB面であるよ、とライナーノーツに書いてあります。松田聖子の倍音たっぷりな声にはちょっとバックがしょぼくない?B面的な制約がちょっと感じられてしまいます。この曲は「細野晴臣トリビュート・アルバム」でコシミハルがカバーしていますが、そっちの方が断然良いです。


M2.まりン/飯島真理
おお、飯島真理が出てきました。彼女が作詞作曲した作品を坂本龍一がアレンジしています。「愛・おぼえていますか」よりも早い時期の作品で、そのためか歌いかたも声優さんが歌うアニメ主題歌的です。

M3.鏡の中の十月/小池玉緒
作曲編曲YMOとなっています。DISC-2の三国志のテーマを歌っている人ですが、どういう人か分かりません。

M4.ダンスホールで待ちわびて/タンゴ・ヨーロッパ
作曲が細野晴臣。これもまったく分かりませんが、タンゴとも8ビートとも取れるリズムの曲なのに間奏では突然3拍子が入ってきたりして作品としては凝っていて面白い。背景に関係なく面白い曲です。

M5.ピンクの鞄/高橋美枝
作詞・松本隆、作曲・細野晴臣。誰だこれ?ライナーノーツには後に作詞家、コーラスとして活躍したようなことが書いてあるがちょっと信じられない歌声です。デモテープみたい。DISC-3はかなり玉石混淆です。

M6.玉姫様/戸川純
あ、やっと知ってるのが出てきました。戸川純が時代の最先端だった頃の作品。しんぴーしんぴー♪って流行ったなあ。「BSマンガ夜話」の「すすめ!!パイレーツ」の回にゲストで出てきた戸川純が、80年代をしみじみ懐かしんでいるのを見た時はちょっと寂しかったです。

M7.風の谷のナウシカ/安田成美
これも松本隆/細野晴臣コンビです。安田成美の歌唱は褒められたものではないけれど、その声があって完成している作品でもあります。

M8.ピンクのモーツァルト/松田聖子
私が松田聖子の全盛期と思うのがこの曲です。声の完成、抑制された中に高級感のあるカラオケ。作曲・細野晴臣ですが編曲は松任谷正隆との併記になっています。おそらくストリングス部分を松任谷正隆が担当したんでしょうね。


M9.ファンキーマージャン/竹中直人
作詞・高橋幸宏、作曲・加藤和彦、編曲・高橋幸宏。こんな作品があったんですね。というか、サディスティック・ミカ・バンドの曲のカバーらしいです。まだ役者としてブレイクする前で、モノマネ芸人なのか俳優なのか分からなかった頃の竹中直人が持ちネタのいくつかを使って録音しています。資料価値は高いと思います。

M10.リセエンヌ/原田知世
作曲編曲が坂本龍一。髪を切って男の子みたい、なんて歌っているからまた松本隆かと思ったら、作詞は原田知世と康珍花と書いてありました。

M11.クララ気分/原田知世
こちらは作曲が南佳孝、編曲が坂本龍一。原田知世ってもう25年もこういう、ちょっと文化の香りを纏いながらの歌手活動を続けているんですね。なんだか分からないけれど偉大だ!

M12.タキシード・ムーンで夕食を/キララとウララ
作曲が細野晴臣、編曲は細野晴臣と船山基紀。片っ方が小室哲哉の元奥さんだったということで有名な女性デュエットですが、どんな唄を歌っていたのかは知らなかった。全編ユニゾンだが、結構声質の相性が良く、聴いてる分には問題ないですね。ま、問題ないだけじゃ売れないか。

M13.銀河鉄道の夜/中原香織
誰?ちょっとDISC-3はマニアック過ぎて着いて行けません。作曲が細野晴臣、編曲は細野晴臣の他2名。

M14.生意気娘/中原理恵
同じ中原でも今度は中原理恵。作詞・RIEとあるのは多分中原本人でしょう。作曲編曲が高橋幸宏。歌メロの一部やベースラインが、まんま、じゃないんだけど、でもやっぱり"Like A Virgin"なんだろうなー、1年後だし。DISC-1、2でスーザンという人の歌でもやってたけど、この頃の高橋幸宏はVCFで変調かけたようなビブラートで声を処理するのが好きだったんですね。

M15.NEO-PLANT/如月小春
作曲編曲が坂本龍一。2000年に若くして亡くなった如月小春がこういう曲を出していたのは知りませんでした。この人も糸井重里や坂本龍一といっしょにいろんな媒体に出てました。私の中では名前の字面とか出てくるチャンネルのせいで松本小雪とちょっとごちゃごちゃになってます。

M16.SIAM PARADICE/少女隊
作曲編曲が細野晴臣。ただし書き下ろしではなく、過去の作品の「リサイクル」とライナーノーツに書かれています。それにしても80年代でこのとんがり方はちょっと意外なほど良くできています。こんなこともやっていたんだ、カッコいいぞ少女隊!

M17.天使のゆびさき/西村知美
「天使の○○/西村〜」と書いていると「まゆ子」を思い出してしまいますが、あ、同調者少ないですね。まあ良いです。これも松本隆/細野晴臣コンビ。すごいプレミアムなイメージの組み合わせなんですが、結構むちゃくちゃ量産してるんですね。

M18.時代よ変われ/つみきみほ
最後の1曲も松本隆/細野晴臣です。

はい、「イエローマジック歌謡曲」3枚聴き終わりました。とっても疲れた。戸川純とか如月小春とかつみきみほとかもう、懐かしさでオジサンはお腹いっぱいです。このCDずっと聴いてたら、仕事中も柏原よしえの「しあわせ音頭」の「そーれそれそれ」が耳元で鳴ってて、困りました。ちょっとなんか毒消しの音楽を探さないといけませんね。
また、これではまだ足りない、というキャパシティの大きな方には、関連商品として「テクノマジック歌謡曲」というのもあるようです。「芳賀ゆい」とか入ってるらしいですよ。

2009/11/15

イエローマジック歌謡曲 DISC-2/様々なアーティスト

バンドに演奏をさせようと思うと、楽器の数だけ他人の目に晒されるわけですから、意識するにしろしないにしろ作り手側にも体面みたいなことが気になるんだと思うのですが、シンセサイザーは曲を評価することもしないし、いやがることもありません。電気代以外のギャラもいりませんから、前衛的な実験もできるし、どんなレベルの低い冗談も実現できます。
80年代にいわゆるテクノサウンドの歌謡曲がこんなに増殖したのは、音色の流行以上に予算やスタジオ・ミュージシャンをマネージメントする手間を大幅に省けることが最大の理由だと思います。

なんてことを考えながら、「イエローマジック歌謡曲」のDISC-2を聴きます。


M1.赤道小町ドキッ/山下久美子
作詞・松本隆、作曲が細野晴臣です。独特の存在感はありながらも大ヒットが無かった山下久美子の代表作になりましたが、本来のスタイルと違ったのがその後の悩みになったか?

M2.サマルカンド大通り/スーザン
作曲・編曲が高橋幸宏。DISC-1にも出てきた人です。声といい、メロディといい、今から始まるアニメの主題歌などにするととても良いと思います。ていうか、最近こんな曲無かったですかね?

M3.哀愁のデスマッチ・ラブ<予告編>/アゴ&キンゾー
これも作曲・編曲が高橋幸宏。なんだっけこれ?

M4.夏の雫/三田寛子
若い人には想像もつかないでしょうが、三田寛子がアイドル歌手で、ひょっとするとポスト山口百恵かもと思われていた時期があったんです。この曲はたしかデビュー曲「駆けてきた処女」の次の曲だったと思います。阿木燿子と井上陽水が作った曲を坂本龍一が編曲しています。

M5.ハートブレイク太陽族/スターボー
ある意味DISC-2の最大の聴きどころがこの曲でしょう。
松本隆と細野晴臣が組んだにも関わらず大コケにこけたプロジェクト。そのコケ方があまりに見事だったので却って歴史的存在になっています。

今聴くと「シブがき隊」を女の子にやらせてみた、以外の意図が見えませんが、「太陽系10番目の惑星からやってきた」と頭がガンガンするような設定など、相当に作り込まれた商品です。おそらく狙いは「じつは女の子なのに男のアイドルよりも女の子に騒がれる」みたいな完成図を夢見ていたのではないかと思うのですが、結局は男の子にも女の子にも受け入れられずに早々に撤退することになりました。普通にカワイイ女の子を一人混ぜておけばPerfumeになったのかもしれない。

M6.しあわせ音頭/柏原よしえ
作曲が細野晴臣です。聴けば分かりますね。はっぴいえんどとYMOの間で細野晴臣が作っていた「チャンキー・ミュージック」が形を変えてアイドル歌手の、しかもノベルティ的作品として再現されたのがこの曲。イントロは「大ちゃん数え唄」ですが、そこからは沖縄民謡風です。柏原よしえ(芳恵)と酒井法子って声とか存在感が良く似てますね。

M7.コズミック・サーフィン/コズミック・インベンション
初期YMOの作品に近田春夫が歌詞を付けて歌われています。歌ってる人がどういう人なのか、ライナーノーツを見てもよく分かりませんが、それにしてもこの、3分で書いたような歌詞はすごすぎる。

M8.ねらわれた少女/真鍋ちえみ
M9.ロマンチスト/真鍋ちえみ
この2曲は作詞・阿久悠、作曲・細野晴臣です。真鍋ちえみはパンジーというアイドル3人組の一人で、あとのメンバーは北原佐和子とえーと、忘れました。真鍋ちえみも顔を覚えていません。北原佐和子は顔がきれいだったので良く覚えているんですが…。M8の眉村卓なタイトルもなんか絡んでたのかとか全て記憶にありません。

M10.雪列車/前川清
糸井重里と坂本龍一という「若者たちの神々」が合作した曲を「大人の音楽」の本丸であるムード歌謡のエース・前川清に歌わせる、という意欲作。前川清にとってもキャリアの中でこれほどの冒険は、ずっと後の福山雅治作品を歌った「ひまわり」くらいではないかと思います。コーラス最後の「どおぞー」の「お」以外は白鍵だけで弾けるのが意外。坂本龍一はおそらく自分で歌うのは好きな人ではないけれど、理論の抽き出しが一杯あるので、「歌曲の定石」みたいな理詰めなメロディ作りをやるのでしょうね。素人が指摘できるような破綻はしない。


M11.三国志ラヴ・テーマ/小池玉緒
NHK人形劇のテーマソングだそうだが、私は全く見ていなかったので分かりません。細野晴臣が作詞作曲編曲という珍しい曲です。

M12.I Like Best/山田邦子
作詞が山田邦子、作曲が矢野顕子、編曲が坂本龍一。収録されているアルバムのタイトルが「贅沢者」。音楽番組などには出演を渋りつつ、こういう「お笑い」関連に気軽な感じで取り組んで意外性を見せるところがYMO流。

M13.哲学しよう/山田邦子
山田邦子が上昇カーブを描いていた頃ですね。ひょうきん族に出始めた頃は今で言うと青木さやかと柳原可奈子を足して2で割らないくらいの面白さがあったんですけどね。

M14.だってホルモンラブ/伊武雅刀
作曲が細野晴臣。「おちゃっぴー」って!死語だということに誰も気づかないくらいの死語ですね。

M15.ティーン・エイジ・イーグルス/イモ欽トリオ
あー、もう分からないわ。作詞・松本隆、作曲・細野晴臣の布陣は変わってないんですが。

M16.きたかチョーサン まってたドン/川上さんと長島さん
今でもときどきテレビで見かけるプリティ長嶋と、多分今は北海道でラジオを聴けば会えるドン川上(DON)が初期の「笑っていいとも!」で人気が出たことから発売された企画もの。作曲と編曲が細野晴臣です。

M17.君の名はサイコ/郷ひろみ
作詞・糸井重里、作曲編曲・坂本龍一。
M18.毎日僕を愛して/郷ひろみ
詞と曲が矢野顕子、編曲が坂本龍一。

M18.From Tokyo-Endingメロディーはリピートで/ユミ
「もしも世界にタヌキがいたら」のB面なのだそうです。懐かしいなー「なるほど!ザ・ワールド」。
歌ってる「ユミ」は名物リポーターの「ひょうきん由美」ではなく遠藤由美子です。結構可愛かったのにすぐにいなくなっちゃったんだよなー(遠い目)。「メロディー」って今は(最後の音引きを)書かないこと無いですか?時代です。
ていうかなぜA面の方を入れてないんだろう、このCD?

DISC-3では松田聖子が登場しますよ。

2009/11/14

イエローマジック歌謡曲 DISC-1/様々なアーティスト

シンセサイザー奏者出身の作曲家・音楽プロデューサーである小室哲哉の話を2回に渡って書きましたが、もちろんそういう音楽を彼一人が作り上げたわけではなく、その前のほぼ10年間、80年代全体に渡ってテクノポップとその派生商品というものがたくさんありました。歌わないキーボード奏者といえば坂本龍一なんていう大物もすでにいたわけです。

たまたまTM NETWORKのベスト盤を探しに行った山野楽器でこんなのみつけました。
「イエローマジック歌謡曲」CD3枚組で4200円。YMOの3人が何かの形で関わった「歌謡曲」のオムニバスアルバムです。こんなのあるんだなあ…。


今ではテクノのことなんかおくびにも出さないアコースティックなイメージの人が、80年代には時代に乗っかってピコピコサウンドに乗っかって歌っていたこともバレてしまいます。
3日間連続で休みをもらったので、三夜連続でご紹介しましょう。今日はDISC-1です。

M1.YELLOW MAGIC CARNIVAL/マナ
あーいたいた。マンガで描いた中村紘子みたいな容貌の、国籍不明の女の子でした。今聴くとイントロが無茶苦茶レトロなんですね。作詞作曲が細野晴臣、編曲は鈴木茂です。

M2.エレクトリック・ラブ・ストーリー/近田春夫
この柴田恭平のような水谷豊のような南佳孝のような声で、芝居っ気たっぷりに歌っているのが、「音楽界の小林秀雄」こと近田春夫御大です。ちょっとキンモクセイに似ています。編曲が細野晴臣。そして作詞がなぜかあの漫画家・楳図かずおです。おそらく近田春夫との髪型や全体の相似性にちなんだ洒落でしょう。80年代はそれが通用した良い時代でした。

M3.ユー・メイ・ドリーム/シーナ&ザ・ロケット
作曲が鮎川誠と細野晴臣の共作になっています。シンプルなロックンローラーのイメージがある鮎川誠ですが、実は細野人脈から出てきた人なんですね。

M4.チャイナ ローズ/金井夕子
作曲が細野晴臣、編曲が細野+坂本龍一。伊東ゆかりっぽいこの人はスタ誕出身で、歌唱も外見も中庸な人でしたが、ヒット曲には恵まれませんでしたね。

M5.憧れのラジオ・ガール/南佳孝
リズム&ストリングスアレンジに坂本龍一の名が。この人は今「テクノってなに?」って感じでやってますけどね。ボコーダーって和音の演奏できたんだっけ?多重録音?

M6.夜の翼/南佳孝
M5と同じ布陣です。作詞は2曲とも松本隆。この曲は聴いたこと無かったな。

M7.IDOL ERA/サンディー
作曲・編曲が細野晴臣。この人も知らない。"ERA"ってなんだろ?と思ってGOO辞書で調べたら"〔Equal Rights Amendment〕男女平等の観点からアメリカ合衆国憲法の修正を求める修正条項のこと。"なんだそうです。難しいな。このメロディは違う曲名でYMOがやってるような気がするが、ちょっとすぐに分かりません。細野さんって同じ基本コンポーネンツでたくさん曲作りますからね。

M8.CARNAVAL/大貫妙子
大貫妙子が作詞・作曲。編曲が坂本龍一です。電子楽器で構成されていますが演奏形態はロック的。大貫妙子の声がシンセベースの上に乗っかってるのも今聴くと貴重な気がします。

M9.AH! SOKA/スーザン
作曲が細野晴臣、作詞と編曲が高橋幸宏。高橋幸宏で編曲するんだ、と今更ながら。高橋幸宏が鼻歌歌うのを坂本龍一が「しょーがねーなー」って形にするのがYMOだと思っていたので。それにしても耳に残る曲ですね。今をときめくおバカタレントがカバーすると良いと思う。

M10.浮かびのビーチガール/シーナ&ザ・ロケット
作曲・編曲がYMOとなっています。

M11.ラジオと二人/ラジ
作詞・糸井重里、作曲・杉真理。編曲が高橋幸宏。普通の歌謡曲を電子音楽でやってるだけのような気がしてしまう。ラジという人は声が良くて、いろんなアーティストの作品で印象的なコーラスをやってる人。大瀧詠一の「ロング・バケーション」で「ふ」う「け」い「が」とやってる人もこの人。「さんぽしない?」は別の大物歌手。

M12.アパルトマン/ラジ
こちらは作詞作曲が大貫妙子。編曲が高橋幸宏。こっちの方が大人っぽくて好き。

M13.春咲小紅/矢野顕子
作詞・糸井重里、作曲・矢野顕子。編曲がymoymoとなっていますが、もちろんYMO。売上枚数的には多分、矢野顕子史上最大のヒットでしょう。化粧品のCMソングでした。「みーにみにー」のバックのコードが教授っぽいですね。

M14.ハイスクール ララバイ/イモ欽トリオ
作曲・編曲が細野晴臣、作詞が松本隆。DISC-1最大のヒット曲がこれかな?世間の人が思うYMOの音をかなり甘口に再現したサウンド。山口良一らがバックでやってたコードの差し替えみたいな振り付けは松武秀樹の作業を表していたのでしょう。

M15.コンピューターおばあちゃん/酒井司優子
NHK「みんなのうた」の名作として知られる曲。編曲が坂本龍一。

M16.恋はルンルン/伊藤つかさ
作曲・編曲が坂本龍一です。21世紀に聴くと脳みそが痒くなりますが、この後まだ菊池桃子とかもいましたからね。すごかったな80年代。転調あり、音域はA#3〜E5くらいで意外と幅を使ってます。かなり苦しいけどね。

M17.ティアドロップ探偵団/イモ欽トリオ
M14と同じく作曲・編曲が細野晴臣、作詞が松本隆。前作が思いのほか成功したので、もう少し趣味的にしてみた感じでしょうか?シンセサイザーは使っているのでしょうが、テクノポップというよりも思い切りサーフィンミュージックになっていますが、当時は気がつきませんでした。残像効果ってやつですね。松本隆のレトロな歌詞の世界を細野晴臣が疑似60年代サウンドで受けとめた、コンビ芸なのでしょう。

M18.プリティ・ボーイ…大丈夫?/中原理恵
作詞作曲編曲が高橋幸宏。解説を見て思い出したんですが、ここで中原理恵が出てくるのはイモ欽トリオと同様に欽ちゃんファミリーとしての括りなんですね。この人、デビューした時はシンガー・ソングライターという触れ込みだったのですが、とうとうオリジナル曲を聴く機会は寡聞にしてありませんでした。歌はうまいんですけどね。

というわけで、さらに有名なネタが多いDISC-2に続きます。

2009/08/02

NIGHT FLIGHT/Perfume

物理学者でもないのにいつまでも「相対性理論」の話ばかりしていられないから、山野楽器で一緒に買ってきたPerfumeの△(トライアングル)を聴きましょう。


全曲の感想を書く体力が無いので、私の耳が一番反応したM6"NIGHT FLIGHT"を中心にします。
まず驚くのが全体の音作りをやっている中田ヤスタカという人が30歳くらいの年齢だということです。全体にPerfumeの音というのは、私たちが高校生の時に聴いたテクノポップととても良く似ています。

特に表題にした"NIGHT FLIGHT"のカラオケは、我々の世代から云わせてもらえば("TECHNOPOLICE"+"RYDEEN")÷2です。
ポリ・シンセの音がピアノ風にコード弾きするバッキング、「んぺんぺ」というチョッパーベースをシミュレートしたようなオクターブで進むベース等々。
メロディとコード進行は最近のJ-POP風に聞こえますが(初期のYMOは基本インストだったしね!)、全体の音は80年代前半のCMやラジオのジングルで散々聴いたようなサウンドで(例えばM4"edge"のようなCMソングは当時絶対にあったと思う)、それが我々40過ぎのいい歳したオッサンがPerfumeに注目させられるフックになっています。それらは作り手の中田氏にとって生まれたか生まれてないかの時代のものであるはずなのに、彼はなにを思ってこのサウンドを作りはじめたのか、とても不思議です。
例えば大瀧詠一がフィル・スペクター・サウンドとかに影響されるよりも年代的には離れていると思うし、だいたい我々はそれを最先端だと思ってきたわけで、まさかレトロ趣味のネタとしてテクノポップが使われるようになるなんて、思ってもいませんでした。儂も年を取るわけじゃわい!

そんなわけで、今、TVで"Perfume"というユニットによって提供されるパフォーマンスを見るとき、声が全面的に加工されて(ぶっちゃけ口パクだし)誰が何処を歌っているか分からないとか、若い女の子が3人いるのに1人にしか興味が持てない、などのネガティヴな要素を打ち消してあまりある音の楽しさ。
メロディがこう転がってくれるといいな、と思うとその通りになり、ちょっと飽きてきたなと思った頃にそこからぐねぐねと変化する、そのさじ加減とか、本当にうまいなあと思います。

2008/10/19

GOLDEN☆BEST[Disc 2]/太田裕美

いよいよ息が続かなくなったので、太田裕美の後半を通って現代に戻りましょう。
"Hiromi Ohta GOLDEN☆BEST Complete Singles Collection"のDisc2を聴いていきます。

ここ何回分かやってきたように、楽器を持って太田裕美の声域を拾ってみると、デビュー後しばらくはG#3〜B4あたりを地声で出し、C5〜E5あたりをファルセットで出す、というのが一定の範囲になっているようです。その後、低音方面にレンジが拡大してE3くらいまでが使われるようになります。印象よりもキーが低いんですね。
さて、こちらDisc2は、アメリカ留学(?)による休業宣言時に発売された、1981年の「君と歩いた青春」から始まって、帰国後の(どっちかというとファンの方が)ぶっ飛んだニューウェイヴ路線の曲、さらに結婚後の開店休業時代を通り抜けて(2002年)現在に繋がっています。ちなみに太田裕美は今も、伊勢正三や大野真澄(ガロの人)と組んで精力的にコンサートをし、ぽつりぽつりと新作を発表し続けています。

太田裕美は、ヒット曲を連発しているときでもミュージックシーンの真ん中にいる感じではなかったので、彼女の流れを追ってもこの25年間の日本のポップスを振り返れるわけではありませんが、これもまた歴史の側面であるということで、ひとつおつきあい願います。


M1.君と歩いた青春
渡米前の、ファンへのけじめのような形で発売された曲。実は1976年発売のアルバム「12ページの詩集」の中に入っている、ファンにはお馴染みの曲です(たぶん録音はしなおしている)。タイトルがあまりにそのままだったのが、熱心なファンの涙を誘いました。
作詞・作曲は元・かぐや姫で元・風の伊勢正三。この人は「地方出身の大学生が卒業間際に恋人と別れる場面」というネタで詩を書かせると日本一で、他にも「なごり雪」「海岸通り」などがほぼ同じテーマです。「君と歩いた青春」の二人は同郷の幼なじみで、子どもの頃は近所の仲間と男も女も無く自然の中を駆け回っていたが、二人だけが(進学か就職で)上京したようです。同郷の二人が都会で暮らす内に異性としての関係に発展したものの、上手くいかなくなって女の子は故郷に帰る、という話です。
これは、個々のシチュエーションの違いはあれ、二十歳前後の若者にとっては恋愛の黄金パターンです。
「グループ交際」内での(精神的なものも含め)ぬけがけ、三角関係、乗り換え、などを経験するうちに、お互いに深く傷ついたり、「最初に声をかけたのは僕だったよねー」とヤクタイの無い自問自答を繰り返す。そうして若者は大人になったり、なりきらなかったりして生きていくわけです。
同名のアルバムジャケットの、内巻きカールで微妙な表情をしたポートレートには、これまでは皆様の夢(幻想)におつき合いしましたが、この先は分かりませんよ、というメッセージが込められていたように思います。


M2.ロンリー・ピーポーⅡ
太田裕美は半年の予定を延長し、結局渡米による空白期は1年を越えました。アルバム「君と歩いた青春」からおよそ1年半経って、アルバム"Far East"で復帰を果たします。
このアルバムは(買ったので良く覚えていますが)、A面はアメリカ人作家による「ニューヨーク・サイド」、B面はその後展開するニューウェイヴ風「トーキョー・サイド」という成り立ち。A面ではAORな風味満載で、なぜか日野皓正のラッパまで入っています。これもなかなか良いものでしたが、彼女はそちらの路線にはいかずにB面のニューウェイヴ路線を過激に発展させていきます。その勢いは、なにかの反動か、とも思えるものでした。
太田裕美は(私の記憶が確かならば)たった一度「ザ・ベストテン」に出演したときにこの曲を歌いましたが、それはランクインしたのではなく、ニューヨーク生活を小説風に書いた「八番街51丁目より」が一部で注目されたことによる「スポットライト」コーナーでの出演でした。


M3.満月の夜 君んちへ行ったよ
いよいよニューウェイヴ路線が本格化し、作詞には山元みき子(=銀色夏生)の起用が増え、アレンジャーには大村雅朗や板倉文(小川美潮とチャクラをやってた人)、バナナ(=川島裕二?)といった名前が出てくるようになります。
この曲は、まるで「新・怪物くん」のテーマみたいですが、子どもっぽいフォーマットの中に辛辣な男女関係も読み取れる、不思議な世界が展開されます。ここまで過去のイメージを捨てて、やっと太田裕美は年齢を超越するとともに、舌足らずの発音のまま成人としてやることやってる男女の歌を唄うようになれた、とも言えます。
私は、同じく太田裕美好きの友人とこの頃の太田裕美のコンサートに行きましたが、「木綿のハンカチーフ」までもぐじゃぐじゃのニューウェイヴ調で唄う太田裕美をみて、「こんなの太田裕美じゃない」と怒って帰っていきました。"Far East"で予習が済んでいた私には想定内のことでしたが、そういう反応はこのころ全国いたるところで見られたんだと思います。

M4.青い実の瞳
太田裕美流ニューウェイヴ路線の頂点がこの辺り。この頃はジャケット写真もつんつんの刈り上げです(アルバム「君と歩いた青春」とのギャップを見よ)。すでに戸川純がメジャーになりつつある80年代の気分を積極的に吸い込んでいった結果がこれ。



M5.雨の音が聞こえる
1984年に結婚による休業が発表され、ニューウェイヴ路線での活動は2年弱で中断することになります。この曲は太田裕美にとっての「微笑がえし」であり「さよならの向う側」です。作詞は当時のお気に入り山元みき子、作曲は筒美京平。編曲は板倉文とバナナの連名になっていて、当時の路線のサウンドに筒美京平メロディが乗っかっているという作り。確か唯一の12インチシングルとして発売されたと思いますが、私は買ってません。なぜ松本隆が絡んでこなかったのかは良く分かりませんでした。

M6.はじめてのラブレター
1992年に童謡を唄ったアルバム「どんじゃらほい」を発売し、1993年になってオリジナルを発表するようになります。もっとも88年の遊佐未森のアルバムには曲を提供しているので、空白期間中も「内職」はやっていたようですが。「ママドル」を目指していたのかは(その時代にそういう言い方があったのかも)分かりません。

M8.ファーストレディーになろう
これは確か、化粧品販売会社のCMに使われていたと思います(○○レディになろう、ということで)。作曲と演奏にゴンチチが加わっています。太田裕美っていう人は、この辺のカルチャーっぽい人を呼び寄せる力が強い人ですね。
聴いていると、ゴンチチの演奏はカッコいいですし、喉を酷使していないせいか、音域も広がっているようです。
とはいえ、実生活に(たぶん)即した主婦・母親ものは、本人にとってはいちばん素直な表現なのだと思いますが、私ら昔の男の子たちはどこで絡んでいいか良く分からないです。

M9.魂のピリオド
その点、松本隆はツボを心得ていて、久しぶりの松本隆/筒美京平コンビの作品は、ちゃんと恋愛ものになっています。淡い不倫ものと思われる歌詞の内容ですが、おそらく松本隆と太田裕美の、この25年にわたる関係の隠喩であろうと思われます。女性の方が飛行機の切符を隠し持っているからね。

M10.僕は君の涙
太田裕美はソングライターとしてはそれほど鋭さを持った作家ではない、と私は思っています。彼女が書いた曲で印象に残っているのは3曲くらいしかないんですが、これはその1つ。女性がこぼした涙が循環してワインになって彼女の元にもどってきましたよ、という童話っぽい話。たしか「みんなのうた」かなんかで放送されていたと思います。「きーみーの、ひーとみから」の跳躍は筒美京平から払い下げてもらったようなメロディですが、強いて言えばこれが太田裕美節なんでしょう。

M16.風信子(ルビは「ヒヤシンス」)
M13、M14と原田真二、はっぴいえんどのカバーが続きます(そういうミニアルバムを1999年頃出していた)。この曲は私は知らなかったけれど、鈴木茂のカバーだと思います。明るい曲ではないけれど、単純なマイナーコードの曲ではなく、かなり凝った作り。初出がなんなのか分からず、オフィシャルサイトで探したら、2000年に出たベスト盤の特典として入っていたようです。

M17.First Quarter〜上弦の月〜
こちらは1999年に出た11,000円する「25周年メモリアルBOX」に収録された曲。25年間皆勤賞でつき合ってくれたファン向けとして、分かりやすい曲です。アコースティックな中にポップさがあって、たしかにファンは気に入るだろうな、という良くまとまった曲になっています。きちんと照合した上での感想では無いけれど、たぶんポリスの「みつめていたい」を参考にしていると思われます。「みつめていたい」を下敷きにした曲は、いったい日本に何曲あるのだろう?

2008/05/03

J-POP/電気グルーヴ

先日、アマゾンで買ったのは"Perfume"だけではなくて、電気グルーヴもいっしょに買いました。やっぱほら、四十男の矜恃ってもんがあるじゃないですか?本屋でエロ本買うときだってそれだけレジに持って行かないし、TSUTAYAでビデオ借りるときだってAVだけ持って行かないでしょ?一応、テクノ好きという括りで取っていただきたい、と。

過去の電気グルーヴで一番イージーリスニングなアルバムは"A(あの、"Shangri-la"が入っているヤツ)"だと思いますが、今回は「墓場鬼太郎」絡みのタイアップもあって、より営業的にも頑張った成り立ちかと思われます。
雑誌記事等によると、オリジナルアルバムは6年ぶりだか8年ぶりだそうで…。するとスチャダラパーとの合作を発表していた頃も含め、アルバムはずっと出していなかったんだ、とちょっと驚きました。
いつものようにiBookにつないだ"JBL on Tour"で聴いていると、昔に戻ったかのようなゴツゴツした印象だったんですが、iPodにヘッドホンをつないで聴くと、実はうんと音色が優しい。意外にソフィスティケートされているのです。

"Shangri-la"みたいなぱっと分かりやすい曲は入っていないんで、地味に感じたんですが、リピートで聴いているとクセになりそうな音です。でも、"Perfume"との対決では勢いで紅組の勝ち、かな?

Mine or Yours/宇多田ヒカル

ベストアルバム"SCIENCE FICTION"を買った後しばらくぼーっとしていましたが、5月になった途端にYouTubeでライブ配信的なものを見かけました。配信は途中から見たのですが、過去のMVが次々流れていて、いつから新作発表になるのかわからず、見るのやめ...