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2012/05/27

西遊記/GODIEGO

いつの頃からなのか分かりませんが、ゴダイゴの「西遊記」がiTunesでダウンロードできるようになっていました。

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いや、これは懐かしい。
ちょっと前に書いた原田真二の「Feel Happy」と同じ年の発売で、当時私は中学生だったんだと思いますが、聴いた時は高校生だったかもしれない。「ガンダーラ」がヒットしたかなり後で名古屋市内のレコード屋でミュージックテープを買った記憶があります。

テレビでは英語交じりの日本語で歌っていましたが、「西遊記」は全編英語のアルバムで、「ガンダーラ」もすべて英語で唄われています。言ってることはいたって簡単で「ガンダーラはみんなが辿り着きたいと願っていた理想郷でした」といった、高校入試問題みたいな歌詞なんですが。(この辺の話は以前やりましたので、こちらを参照してください→ 哀愁りふれいん: ガンダーラ/ゴダイゴ )

まあ、それにしても演奏といい、音の質感といい、30年以上前(恐ろしいことに計算するとそうなる)だったことを思うと、その洋楽っぽさとテクニシャンぶりに改めて驚きます。シンセサイザーがようやく普及し始め、ミッキー吉野は確かローランドかOberheimのキーボードを使っていたと思いますが、それ以前に名うてのオルガン奏者で、このアルバムでも(もちろん私は手弾きだと信じてますが)かっこいい演奏が聴けます。キーボードが目立ち過ぎで、ギターソロはめったに聴けません。今になって聴いてみると、ある曲はビートルズだったりあるいはアース・ウインド&ファイアーだったり、ひょっとしてクイーンっぽかったりもして、外国人に聴かせたらどういう反応があるのか分かりません。しかし、そうしたオリジナリティの問題はさておき、当時この音が出せていたことを素直にリスペクトしたいとおもいます。

当時、手慣れた洋楽的サウンドでCMやドラマのサントラなどを手がけていたバンドとしては「トランザム」や「SHOGUN」(もっと前には「井上堯之バンド」)もいました。ゴダイゴも「ガンダーラ」以前は、CMソングをたくさん演奏している実力派バンド、という存在でした。その中でゴダイゴが一頭地を抜いて超メジャーになれたのはなぜかと考えると、ゴダイゴには音楽的なリーダーであるミッキー吉野に加えて、タケカワユキヒデという大衆に分かりやすいメロディが書けるメンバーがいたことが大きいのでしょうね。

ゴダイゴはテレビにも嫌がらずに出演し、立ち居振る舞いも優等生的だったので、NHKやベストテン番組にも溶け込みやすかった。はては日中国交回復後に中国公演を果たした日本の大衆音楽家の、最初の何組かのひとつになり、まさに「国民的ロックバンド」でした。

2007/08/13

ガンダーラ/ゴダイゴ

「日本語の問題」はまだ続きます。

サザンオールスターズが早口でまくしたてている頃、もう一つの流儀が主流となってきます。それは、「歌詞の一部を大幅に英語にしてしまう」という方法です。

この話に入る前段階で、本来は「キャロル」などに触れなくてはいけないのですが、私はリアルタイムの記憶として彼らの音楽を聴いていません。こちらのリンクで「ファンキー・モンキー・ベイビー」の歌詞を参照していただければ良いと思うのですが、何が云いたいかというと、日本語の歌詞の中になんの断りも無く突然に英単語が入ってくるということです。キャロルはWikipediaによると1975年には活動をしています。この頃にはもう、こういう歌を歌っていた人(矢沢永吉)がいた、ということです。「風街ろまん」の項で紹介した萩原健太著「はっぴいえんど伝説」でもはっぴいえんど後の日本語ロックの展開例として、キャロルに触れています。日本語がはまらないところは英語で歌ってしまう、というのは大きなブレイクスルーだったと思います。

で、ゴダイゴが何をやったかというと、Aメロでは日本語で話の筋を提示しておいて、サビはほぼ全部英語にしてしまう、というやり方です。
もともとゴダイゴはメンバーが外国人や、留学経験者や外語大生であり、英語に対する抵抗が無かったのでしょう。また、外国でも一定評価されていたらしい(私は真偽および詳細は知りません)という評判もありました。リードボーカルのタケカワユキヒデも「英語で歌う方が得意」という意味の発言をテレビでしていました。

「ガンダーラ」は、有名なテレビドラマ「西遊記」のサウンドトラックから大ヒットになりましたが、それまでこんなに英語の含有量(?)が多いヒット曲は稀でした(外国曲は別ですが)。特にこの曲は「テレビで孫悟空の話を見る子ども」をターゲットにしていたわけですから画期的です。言ってることは「ガンダーラはインドにあったと言われています」ぐらいの内容ですが、とりあえず中学2年程度の英語力が必要です。キャロルは"baby"や"I love you"などほとんど単語か慣用句のレベルだったと思いますが、「ガンダーラ」の英語は歴とした英作文です。

「ガンダーラ」を日本中の子どもたちが歌ったことで、洋楽風メロディに無理に日本語を載せなくても、一番カッコいいところは英語で歌ってしまえば、子どもだってついてくることが証明されました。さらに邦楽でありながら全編英語である"モンキー・マジック"までが大ヒットしてしまうという現象が生まれました。

この後、キャロル以上ゴダイゴ未満の英語含有量で歌を作る、という手法は1980年頃までに、ポピュラーミュージックの常套手段となり、当時の多くのヒット曲がこのパターンで作られています。
「エーゲ海から風が吹いてくるわ(ロックじゃないけどね)」「セクシーな紫の君は俺をいい感じにしてくれるぜ(訳はこれで良いのか?)」「私を覚えてる?(加藤和彦作品)」など。あげくの果てに85年には1番で歌った日本語の歌詞を、2番で直訳の英語で歌うという、シーゲル梶原のネタのようだが大真面目な大ヒット「恋におちて」が生まれます。

こうなると日本語ロック論争は、ほぼ沈静化してしまい、この後この問題が深刻に論争されることがなかったように思います。

Mine or Yours/宇多田ヒカル

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