2021/03/14

One Last Kiss/宇多田ヒカル

 あーもう宇多田ヒカルの新作でもないと更新できなくなってしまいました。困ったもんだ。本当はこの間のコロナ対策のぐたぐだ加減から見る日本のガラパゴスっぷりとJ-POPについて語るなどの構想もしていたんだだけど、面倒くさくてやってなかったわけです。

そんなわけでこの3月に宇多田ヒカルの新作が出てきてくれたのはありがたいし、しかも今作は他でもない「シン・エヴァンゲリオン劇場版」の主題歌という大ネタですから聴かないわけにいかない。ただ物理的にディスクを増やすのはもう堪忍ということで、最初はAppleMusicのサブスクで聴いてたんですが、アルバムの一部がサブスク非対応なことがわかって2000円+αのダウンロードで購入しました。だったらCD買ったほうがよかったかとクヨクヨしています。表題曲と2曲めは新録音なのかな?以降は過去の作品のリマスター版が収録されているようです。

さて、"Beautiful World"`が入っているアルバムが2007年発売なので宇多田ヒカルとエヴァンゲリオンのつきあいも14年ということになりますね。エヴァンゲリオンの主人公たちも14歳だったと思うので、14という数字がやたらと強調される感じ。私は新劇場版をアマゾンプライムで一通り見た程度の知識しかありませんが、破→Qも14年経ってることになってましたしね。そして奇しくも宇多田ヒカルが"Automatic"と"First Love"で業界トップに立ったのも14歳でした、という話にしようと思ったら16歳だったか(ちなみに私は自称・永遠の14歳です)!それにしてもQの主題歌「桜流し」が宇多田ヒカル休養期間中に発表された唯一の楽曲であることを考えるとこのつながりは特別なものがあるのでしょう。

私がもうちょっとエヴァンゲリオンに詳しければ作品とのリンクについても語るんですが、なんせアニメの方は担当外なので今ひとつちゃんとした話がかけないのが残念。おそらく庵野秀明と宇多田ヒカルには共通の感覚があると思うし、なんなら十代の真ん中あたりで両親から受け継いだ音楽制作という仕組(エヴァですね)でものすごい活躍をした宇多田ヒカルは、叶うなら大人にならなくても生きていけたんだと思うのだけど、わざわざ(というか生き物なんで)おとなになって結婚したり子ども生んだり離婚したりして生きているわけです。生きるってなんだろうね?

さて、One Last Kissを聴いてみます。HEART STATIONな風味の短めのイントロから生々しい感じの声で歌がはじまり、Aメロ、Bメロときて「ホッホッホッ♪」のところがサビなのか間奏なのかは微妙なところです。ちょっと"Traveling"の感じもしますね。2コーラス繰り返してあれ、これで終わるのか?と思うとエンディングで違うメロディが出てきてふんふんと聴いていると、すぐに2曲めの"Beautiful  World"につながるようになっています。"Beautiful  World"も最初音数の少ないところからだんだんと楽器の音が増えて行き、最後までそう派手な音にはなりませんが、ここまで2曲聴いて1セット、という感じで終わっていきます。一般的なJ-POPとは目的が違う作り方、構成になっていますね。ひとことでいうとカラオケで歌いたくなるようには作っていない。米津玄師はカラオケで歌いたくなるような曲になっていますが、最近の宇多田ヒカルの曲はカラオケで歌ってはまるような曲はめったにありません。

そういえば、ひょっとしたらJ-POPをガラパゴスに閉じ込めているのはカラオケなのかもしれないな。いつかまとまったら書きますね。


SCIENCE FICTION/宇多田ヒカル

前回の更新から2年近く経ってしまいました。その間に会社を定年退職したり引っ越ししたりで自分のことで精一杯でしたが、まあ晴れてほぼ自由の身(経済的にはどんどん不自由になるわけですが)ということで、これからは身バレしようが炎上しようが誰にも迷惑がかからないことになっています。 さて、...