新年おめでとうございます。
今年もいたってマイペースに書き進めて参りますが、よろしくお願いします。
年末は毎度のことですが、結構熱心に紅白歌合戦を見て、今の日本の音楽の裾野の広がりとその真ん中はどこにあるのかと観察しておりました。演歌勢の相変わらずの現場での強さと、若手J-POP勢の保守化が目立ちました。景気が悪くて冒険ができないのか、抽き出しがないのか、もう私には読み取れないのですが、「そんなに『イイ歌だ』と言われることが大事なんですか?」と作り手に訊いてみたい気分になりました。聴き手を信用してないんでしょうなあ、というか今の若い購入層たちは、相当バカにされていると思いますよ。
一方、昨日は母のマンションで、自宅では見られないBSで「大集合!青春フォークソング」というのを見ていました。はっきり言って現代で鑑賞に堪える音楽性があるのは一握りで、山崎ハコなんてこんなもんだったのかなあと変な感慨に耽る一方で、岡林信康の神様ぶりに圧倒されたりして、全体ではとても面白かったです。バブル前夜の80年代に青春を送った私にはほとんどリアリティが感じられなかった「チューリップのアップリケ」なんて歌が、今の時代のひどさに再びマッチし始めた恐ろしさ。
かつて日本語の問題シリーズをやったときは、言葉ののせ方とかのテクニックの問題に終始しましたけど、聴き取れたところですっかり角が取れてつるつるになった抽象的な歌詞から何かを読み取ることは、どのみち難しいということに気がついてしまいました。
これだけ若者が虐げられている世の中で、それを具体的な場面を描写しながら怒りや悲しみを唄う若者が出てこないのは不思議な気がしますが、それもこれも社会的メッセージを「カッコワルい」で否定した「ニューミュージック」の後遺症なのかもしれないなあ。
そんなわけで「決定盤!!「ニュー・ミュージックの時代」ベスト」からの4曲目は
M6.パープルタウン/八神純子
です。
私はこの頃、今までの人生で一番熱心に歌番組を見ていましたが、この曲は出てくる度に「作詞・作曲」のクレジットが変わるという、コドモ心にも不思議な現象が起きていたことを覚えています。今となってはWikipediaにも記述があるほど有名な話ですが、この曲は最終的に邦題「ロンリー・ガイ」とされるRay Kennedyの曲に八神純子のオリジナルなメロディを付け足したものである、ということになっています。
以前、広瀬香美の話の途中や「ポーラー・スター」のお題でこの人について書きました。好き嫌いで言うと私はこの人の声が好きだし、作品もフォーク・ロックの世界に歌謡曲的「歌心」を持ち込んで「ニューミュージック」という分野を拡大した人であると思っています。宮川泰のザ・ピーナッツ用の曲を思い出させる、洒落た中にも歌謡曲的に唄って楽しい要素が入っているのが良い。
ただ曲作りにおいてちょっと元ネタがはっきり分かりすぎるという欠点があったかな、と。彼女の最初の大ヒットである「水色の雨」にもそっくりの外国曲があるという指摘は当時からされておりました(私は後から自分で気がつきましたがデビュー曲の「思い出は美しすぎて」もユーミンの「あの日に帰りたい」そのまんま)。
「パープルタウン」では、A-B-Cと展開する曲のうち、歌メロは違うのだけれどもA-Bとさらにイントロまでもがあまりにも「そのまんま」だったので、言い訳ができなかった、ということでしょう。歌メロは大幅に書き換えられており、アレンジャーに罪をかぶせることはできなかったのかな?と思いましたが、"I love you more and more"のメロディがまんまなので、やっぱり確信犯ですね。
今なら「サンプリング」しました、と言ってはじめから「ご挨拶」しておけば、問題なかったのだと思うのですが、まあしょうがないか!
さて、実際にこの曲を聴いてみると、突然健康的になる後付けのサビも含めて、上手に唄っています。
歌詞を読むと、事情は良く分かりませんが、彼氏と喧嘩かなんかがあって、「一人でニューヨークに来てみたらすっかり機嫌が直ったので、仲直りのエアメールを日本に送りました。ニューヨークに来ると元気になっていいですよ」みたいな感じ。当時のJALのキャンペーンソングだったとのこと(Wikipediaによる)。さもありなん。
なんぼ軽薄な80年代とはいえ、こんな生活をリアルに受けとめられる人は少なかったと思いますが、この背伸び感が後のバブルに繋がったんでしょう、多分。
2009/01/03
2007/12/11
ロマンスの神様/広瀬香美
世の中、いろんな企画があるものだなあと感心します。
広瀬香美のアルペンCM曲を集めたアルバム、という商品がこの12月5日に発売になっていました。曲目は90年代に毎冬手を替え品を替え流れていたCMソングです。
アルバムは正価2500円のようですが、実はiTMSでも販売がされていて、

こちらは全曲一括ダウンロードで1600円。ジャケットいらないでしょ、広瀬香美の場合。私はこっちで買いました。
広瀬香美というと、だいぶ前に八神純子の話を書いた時に引き合いに出しましたが、その立ち位置が良く似ています。
オーソドックスな曲作り、高くしっかりした声。
しかもそれが洋楽的なテクニックというよりも歌謡曲的であるところが良く似ていると思います。八神純子は時代の限界だったのかもしれませんが、比較的ルーツが分かりやすい(元ネタがバレやすい)曲を作っていましたが、およそ20年の時を隔てて現れた広瀬香美は、はるかに高度で尻尾を掴みにくい存在になっています。新しい曲も聴きたいですね。
歌うの大変そうな曲ですが、なんか巨乳アイドルの人がカバーしてるのをアマゾンで発見しました!
広瀬香美のアルペンCM曲を集めたアルバム、という商品がこの12月5日に発売になっていました。曲目は90年代に毎冬手を替え品を替え流れていたCMソングです。
アルバムは正価2500円のようですが、実はiTMSでも販売がされていて、
こちらは全曲一括ダウンロードで1600円。ジャケットいらないでしょ、広瀬香美の場合。私はこっちで買いました。
広瀬香美というと、だいぶ前に八神純子の話を書いた時に引き合いに出しましたが、その立ち位置が良く似ています。
オーソドックスな曲作り、高くしっかりした声。
しかもそれが洋楽的なテクニックというよりも歌謡曲的であるところが良く似ていると思います。八神純子は時代の限界だったのかもしれませんが、比較的ルーツが分かりやすい(元ネタがバレやすい)曲を作っていましたが、およそ20年の時を隔てて現れた広瀬香美は、はるかに高度で尻尾を掴みにくい存在になっています。新しい曲も聴きたいですね。
歌うの大変そうな曲ですが、なんか巨乳アイドルの人がカバーしてるのをアマゾンで発見しました!
2007/07/08
ポーラースター/八神純子
ニューミュージックがテレビに進出した最初の場面は、「夜のヒットスタジオ」でアリスが「冬の稲妻」を歌った時だった、と私は思っているのですが、しばらくして最初からテレビに出ることを想定して出て来たアーティストが先日書いた原田真二たちだと思います。
原田真二にCharと世良公則を加えて「ロックの御三家」という言い方がありました。サザンオールスターズは何ヶ月か遅かったんですね。で、男の「ロック御三家」に対応する女性版が渡辺真知子、庄野真代、八神純子でした。
八神純子はその中でもオーソドックスな曲作りと重量感のある歌声で上の世代への訴求力があり、故宮川泰氏に好意的な評をもらっていました。ていうか、ザ・ピーナッツ的なんですよね、曲が。このポーラースターは中でもザ・ピーナッツ度の最も高い曲で、作曲が宮川泰だと言われても違和感がありません。

彼女の声も近年似た例の少ない、強くてきれいな声です。広瀬香美が出て来たとき、「あ、八神純子みたい」と思った同年輩の人は多かったと思いますが、曲作りでは広瀬香美の方が高度かも。八神純子は例の「途中で作曲者名追加」など結構問題が多かったですからね。「思い出は美しすぎて」のカラオケでユーミンの「あの日に帰りたい」がそのまま歌えますし、この曲も「おしえてわたーしのー」のところで、"is such a lonely word"とかぶせて遊ぶことができます。
実は、高校の同級生の姉上の同級生という、もうちょっとな感じの縁があるのですが、今では青い目になっちゃってるかもしれません。
原田真二にCharと世良公則を加えて「ロックの御三家」という言い方がありました。サザンオールスターズは何ヶ月か遅かったんですね。で、男の「ロック御三家」に対応する女性版が渡辺真知子、庄野真代、八神純子でした。
八神純子はその中でもオーソドックスな曲作りと重量感のある歌声で上の世代への訴求力があり、故宮川泰氏に好意的な評をもらっていました。ていうか、ザ・ピーナッツ的なんですよね、曲が。このポーラースターは中でもザ・ピーナッツ度の最も高い曲で、作曲が宮川泰だと言われても違和感がありません。
彼女の声も近年似た例の少ない、強くてきれいな声です。広瀬香美が出て来たとき、「あ、八神純子みたい」と思った同年輩の人は多かったと思いますが、曲作りでは広瀬香美の方が高度かも。八神純子は例の「途中で作曲者名追加」など結構問題が多かったですからね。「思い出は美しすぎて」のカラオケでユーミンの「あの日に帰りたい」がそのまま歌えますし、この曲も「おしえてわたーしのー」のところで、"is such a lonely word"とかぶせて遊ぶことができます。
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