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2020/03/29

CEREMONY/King GnuとTraveller/Official髭男dism

また長い間ほったらかしにしてしまいました。
まあ、リタイアしてこんなことばっかりして生活できることを夢見て(ホントか?)あと何年かこんなペースでやっていくことになるでしょう。

接触型アイドルが古いフォーマットであるCDをコンスタントに100万枚とか販売し続けている中、他のアーティストはどんどん配信、サブスクリプションによる音楽販売を主戦場にしているようです。レコード会社の経営についてはあまり興味が無いですが、アーティストの生活は気になります。分け前はどちらが良いんですかね?
そしてこのコロナ騒ぎでコンサートは軒並み中止。今のところは要請を受けての自粛、ということなので公的補助が受けられるかは未定とのこと。気の毒なことです。
要請はしたが強制はしていない、だから政府には責任は持てない、というのはこの数年ずっと見させられてきた「忖度」の再生産をしているわけで、本当に我が国はひとつひとつの過ちを総括できない国であることよ。

さて、新しいのが出るとやっぱり気になるKing Gnuの新作が知らないうちにAppleMusicのサブスクリプションでダウンロードできるようになっていました。前作の"Sympa"でも感想文を書きましたが、歌謡曲臭を一切感じさせないロックな佇まいと神経症的に転調を繰り返す芸風は継続しており、とても良いです。
前作後半はちょっとおとなし目の曲が多くて眠くなったんですが、今回はそういう不満もなく最後まで完走できました。1曲毎の演奏時間が短くて、アルバム1枚を40分弱で走り切るのもロックの名盤のフォーマットに近くて聞きやすいです。ああ、俺も90年代の半ばに"Overflow"って歌詞書いたなあ!
転調の多用とツインボーカルのオクターブ違いの重ねはそろそろ飽きてる人もいるかもしれないけど、私は好きなんでずっとやってほしい。

一方、ちらちら見てはいたものの、ちゃんと聞いたのはじつはDr.キャピタルのYou TubeだったというOfficial髭男dismも、お勉強のためにアルバム1枚聞いてみました。テレビでよく歌っている「Pretender」とか、1曲め「イエスタデイ」を聴いていいる範囲では令和のレミオロメンか、オフコースの孫か、という感じでしたが、サウンドの作りがすごく豪華で、バンドというよりボーカルの存在感が突出している感じに聴こえる。アルバムの曲全体では意外なほどR&B的というかブラコン的な感じな曲が多かった。90年頃の崎谷健次郎の感じがしてなつかしかったですが、楽器それぞれのエッジが効きすぎてちょっと疲れちゃうのと出来が良すぎてオジサンが応援する余地がないのが残念か。

とりあえずAmazonのリンクを貼りますが、これも意味ないよなあ。




2019/06/27

Apple Musicでは聴けないポリドール時代の原田真二

 2019年もあと数日で半分が終わります。
今年の投稿は前回までで18本。1ヶ月あたり3本か。
まあ近年の開店休業状態から思うとまあまあですね。これもApple Musicで聴きたい(というか昔違うメディアで聴いていた)曲が聴けるようになった事が大きいかな。
最近もちょっと良いネタを見つけたのでそのうち書きますけど、今日はちゃんとディスクで買ったものの紹介です。

買ったのは原田真二&クライシスの3枚組です。
原田真二もある程度はApple Musicで聴くことができます。当時テレビで見て好きだった、という人が覚えているヒット曲はだいたい網羅されています。
ところが、私の場合、高校時代の友人のせいで(普通はおかげで、と言う)その後のメッセージ色の強いロックをやっていた原田真二のことも覚えていて、「あー、たまにはSTRAWBERRY NIGHT とか聴きたいなあ」と思い出すことが年に1回くらいあるわけです。
ところが、その頃の曲(つまり「原田真二&クライシス」というバンド
名義で活動していた頃の曲)はApple Musicでは一部しか聴くことが出来ません。「スウィート・ベイビー」の次はすぐ「Modern Vision」みたいな繋がりになっていて、まさに「STRAWBERRY NIGHT」のあたりが抜けています。
Amazonのストリーミングサービスでも似たような状況なんですが、そのままAmazonで検索していたら「原田真二&クライシス ポリドール・イヤーズ完全盤」という物理ディスク(CD3枚組)が販売されていました。以前、タワーレコードで見て、ちょっと高くて買い損ねていたものですが、4500円くらいするはずが3000円そこそこで売っていました。てっきり中古の掘り出し物だと思い、慌ててポチって、届いてみたらちゃんとした新品でした。ラッキー!

さて、ほとんど仕様を確認もせずに買ったので、届いてから「どんなもんじゃい?」と開けてみると、ディスク1がアルバム「HUMAN CRISIS」、ディスク2がアルバム「ENTRANCE」、ディスク3が「シングル&ミニアルバム」となっていて、今まで買ったベスト盤とはほとんど曲が重複していません。よかった、探してみるものです。

実際に聴いてみると高校生の頃には気がつかなかった良さが改めてわかった感じです。
ヒット曲連発時代の原田真二は「ロックの御三家」とか言われながら、オーケストラをバックにしたポップス的サウンドでしたが、原田真二&クライシスはロックバンドの音です。ギターもドラムも生々しく録音されていて洋楽のロックのレコードに近い音がします。演奏の角を変に丸めずにそのままざらっとした手触りのまま聴きてに届けてくる感じ。それでも原田真二の絶妙にかすれた声はチャーミングで、とても聴きやすい。曲も1曲の中で展開する幅が大きく「才気煥発」という言葉を思い起こさせる自由さがあります。やっぱり天才だと思う。
このころの原田真二といえば、「&クライシス」になる直前、「MARCH」というバスドラ4つ打ちにピアノのオクターブ弾きのイントロから始まる曲をシングルで発売し、それを1年後くらいに「&クライシス」の「STRAWBERRY NIGHT」でやり直し、さらにディスク3に入ってる「街で散歩」という曲でもう一度使って、という三兄弟みたいな曲があります。当時こだわっていたテーマなんだと思うんですが、それが何を表していたのかは残念ですが今もわかりません(わからないままで好きですが)。ああ、「STRAWBERRY NIGHT」といえば、これからこの曲を初めて聴く人は、エンディングで低い声で英語のセリフが入ってくるところで「マイケル・ジャクソンのスリラーじゃん!」と思うかもしれません。残念!発売はこっちが先です。少なくとも「スリラー」の真似ではありませんので。

原田真二&クライシスのポリドール時代は1980年〜1981年。オフコースが「さよなら」とかをヒットさせていた時代です。
私は高校時代に原田真二という才能に接していながら、大学時代は堅苦しいオフコースをずっと聴いていました。それはなんでかというと、今思うと「オフコースの方が真似しやすそう」だったからだと思います。オフコースの音楽と似た曲を作るには才能は要らない。必要な知識を順番に増やしながら指差し確認で音符を増やしていけば、いつか「小田和正が作りそうな曲」をパロディ的に作ることが可能です。でも原田真二の自由な跳躍に追いつくには、瞬発力のある音楽的才能が必要な気がします。

2019/06/13

A FILM ABOUT THE BLUES/TRICERATOPS

聞き逃し大物アーティストシリーズ、本日はTRICERATOPSです。Apple Musicよありがとう!

 和田誠の「倫敦巴里」は中学生の頃の愛読書で、私があまり喜んで読んでいるものだから、父が「その本、貸してくれ」ということになってこころよく貸してあげたところ「通勤電車で読むと笑ってしまって読めない」と変なクレームをもらった名作パロディ集。数年前に復刻?しているようなのでリンク貼っておきます。


 さて、和田誠の息子がミュージシャンになったらしいと言う話をどこからか聞きつけてはいましたが、実際にはテレビで何回か見ただけで、そのときなんという曲をやっていたのかも覚えていない。その後かなり経ってから、毎年クリスマスになると小田和正と歌っているよなー、て感じで見ていた和田唱(とTRICERATOPS)です。
 昔々、ニューミュージックの売れっ子たちがテレビに出ない理由として「3曲くらいはやらせてもらわないと音楽性が伝わらない」とか言う例があり、「いやいや、本当に見るべきものがあれば1曲でも伝わるんじゃないの?」と思っていた方だったんですが、確かにTRICERATOPSみたいな音楽は、1曲だと分からないかもしれないですね。
スリーピースのシンプルな音はテレビで見てるとちょっとさみしいし、小難しそうに見えるということもあるような気がします。
 それよりも、以前ここに書いた土岐麻子のアルバム「乱反射ガール」の中でデュエットしていた「HUMAN NATURE」のハモり具合いとか、それこそ「クリスマスの約束」で小田和正の「相方」としての達者な歌とギターを見ていると、なんだこの子すごく上手いんじゃないか!と急に分かるようになります。

 さて、TRICERATOPSの音楽はギターとベースとドラムの音で出来ていて、私が普段好きで聴いているピアノとシンセサイザーがいる5人以上のバンドの音とは全然違うわけです。しかし、上手なスリーピースのバンドというのは本来そういうものなのかもしれませんが、ベースとギターのアンサンブルが巧みですし、キーボードはいないけれど、ハーモニーについてはコーラスできっちり表現されています。とてもよく練られている曲ということは、素人にもよく分かる。
 蛙の子は蛙、だと悪口になっちゃうか。なんていうんだか、親から授かる才能ってあるもんだなあと思いました。




2019/05/28

Apple Musicで聴く森高千里

週末に出張で特急電車に乗っていて、暇だったのでApple Musicを開いてみたら、今度は森高千里がトップ画面に出ていました。あー懐かしいねえ。「非実力派宣言」のジャケットが見えたのでそのまま聴いてみました。CD買ったわ、あの頃。

南沙織の「17才」をカバーしたことをきっかけに一気に知名度を増した森高千里がその勢いを加速させたアルバムです。この頃は「アルバムで聴く」というのが一般の人にも根付いていました。多分、カーステレオで流しっぱなしにしてたからなんでしょうけど。あの頃はみんな自動車に乗ってましたから。

「非実力派宣言」は森高千里をブレイクさせた記念碑的作品ですが、そうなってくると「俺はその前から知ってた」症候群の人がたくさん出てきたわけですが、そういう人たちが聴いていたのはアルバム「ミーハー」です。森高千里が自分で作詞するようになった最初の作品ですが、今聴くとやはり眠たい。杉山清貴と同じカラオケにちょっとおぼつかない感じで森高千里の声が乗っているミスマッチな感じ。森高千里は歌は下手じゃないけど声が小学生みたいなので、面白いっちゃ面白いんだけど、ちょっとどっちに行けばいいかわからない感じがします。

それが「非実力派宣言」になるとかなりガラッと音が変わります。
印象的なのは 「ぎゅっぎゅっぎゅっ♪」と入ってくるうるさいシンセのフレーズ。その一方で妙にネイキッド?なギターの音の多用。この2つの要素がいかにも「森高千里」の音、という感じがしますし、ここで森高千里はロックになったと思う。ちなみにZARDが出てくるのはこの後なんですね。当時はこの2組の音が似ていることに気がつきませんでしたが。

森高千里は当初はアイドル的に売り出すつもりだったが、そこそこ年齢がいってからのデビューだったので、作詞をさせることでアーティストっぽく売ることにしたようなのですが、その作る歌詞が挑戦的で面白かったので見事にハマったんですね。下に紹介する3枚を遡って聴くと、中途半端なシティ・ポップ風から森高千里自身の詩の力で風穴を開け、それがサウンドプロデュース側に影響を与えてだんだん個性が固まってきたんだということがよくわかります。

彼女が成功したおかげで、若いうちにブレイクし損ねたままトウが立っちゃったアイドルに作詞をさせれば、ちょっとルックスの良いアーティストとしてリサイクルできることがわかり、そこから巨万の富を稼ぎ出すビジネスモデルが確立したようです。







2018/09/02

Gracia/浜田麻里

久しぶりにブログを更新しながら紹介用の商品リンクを貼ろうと、Amazonのミュージックストアをうろうろしていたら、意外なものを発見しました。

浜田麻里のアルバム。しかも発売は今年の8月。ホヤホヤの新作じゃないですか!

浜田麻里は好きな歌手でしたが、こっちが勝手に懐メロの箱に仕分けしてしまって、すっかり目を離していました。ところが、Amazonのストアを見ていると、この間もずっと数年おきにアルバムを発表していたのですね。申し訳ないことです。

さて"Gracia"はもちろんCDで買うこともできますし、iTunesでも買うことができますが、私はiCloudのアカウントに年間なんぼかお金を払っているので、AppleMusicのコンテンツとしてダウンロードできるようになっています。この利用料はちゃんと彼女のところに分配されるのか仕組みがわかりませんが、とにかく契約者の権利を行使させていただいて、アルバムまるごと入手させていただきました。

さて、聴いてみますと1曲めからすごいスピード感のヘビメタです。ちょっとここまでのサウンドは最近のJ-POP界隈では耳にしないのではないかな?ツーバスドコドコ、ギターは16分音符を休みなく刻み、間奏ではライトハンド奏法も。まあとにかく音符が多いこと!
そして、聴いて驚け、浜田麻里の声が昔のまんま。

30年前、4オクターブとか言われていたころと変わらぬ声域。現代の録音技術もあってか、さらによく聞こえるようになった多重録音のコーラスは人間と思えないほどで恐れ入ります。確か彼女は私と同年輩だったと思いますが、どんな生活をしていればこんなに声が保てるのでしょうか?相変わらず、言葉が鋭く切れ込む、いかにも喉を使いそうな発声なんですが、この人と稲葉浩志の声の出し方はちょっとどういうテクニックを使っているのか想像ができません。小田和正の「とにかく頑張って出す」高音とはまた違うノウハウがあるんだと思うのですが。

無粋なことを言えば、30年前にはすでにハーモナイザーとかありましたから、昔も今も、CDの中だけでなら音声をいじってどんな声も表現することが可能です。でも、彼女に限ってはきっと全パート本当に歌っているに違いない。あえてチャチャを入れるなら、清水ミチコふうに「やっぱりサイボーグだったのか!」とつぶやくくらいで。

若い人にもぜひ聴いていただきたい。きっと刺激を受けます。

2013/06/09

安全地帯XIV ~The Saltmoderato Show~/安全地帯

山野楽器をウロウロと歩いていたら、極彩色のジャケットを発見。なんじゃこれと思ったら安全地帯の新作ではないですか。
思わずジャケ買いしようと思いましたが、思い直して帰宅後iTunesでダウンロードしました。「安全地帯XIV ~The Saltmoderato Show~」です。

↓CDは3000円、ダウンロードは2000円です。
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曲名をみてみると、1曲目に"根尻七五三アワー「The Saltmoderate Showのテーマ」"などと書いてあります。
タイトルの"The Saltmoderate Show"というのもよくわかりません。そういう英単語はないようですし、「いわゆるひとつのサージェント・ペパーズ的ななにかですかぁ?」と思いながらググってみるとオリジナルレーベルが立ち上がっているんですね。
最近アーティストごとにレーベル作るの流行っているみたいなので、今となってはそうスペシャルな感じもありません。
知っている範囲で似ているものを探すと、小田和正の"Far East Cafe"あたりが一番似てるのかもしれませんね。

いずれにせよ、なにかコンセプトアルバム的なことになっているんだな、という想像はつきました。しかも、トニー谷のような顔で「根尻七五三アワー」と書いてあるわけで、絶対おちゃらけたオープニングになるんだよなぁと再生開始すると、果たしてその通りでした。
キッチュな(若い子にはわかりませんね)テーマ曲に乗せて、おそらく玉置浩二がしゃべっているのでしょうが、正体不明の声色で昭和な歌謡ステージ風MCをやっています。どこが笑いどころかわからないゆるゆるの1曲めが終わると、最近なにかのテレビで演奏していた「愛を鳴らせ」が始まり、そこからは現代の安全地帯の音楽が進行する、ということになっています。

本編に入ると、そこはいつもの安全地帯です。
「愛を鳴らせ」はなつかしの「I LOVE YOUからはじめよう」を思わせますし、井上陽水から引き継いだ夜の気配に満ちたちょっとダンサブル(?)なナンバーもあって、そこはいつもと一緒。ロック調の曲はいつになくボーカルのリバーブが深くかけてあって、ちょっと人工的な声に加工されていますが、スローナンバーはほとんど生声のような録音にしてあります。時折、本人の声を重ねたところがあって、そういう時はわざとズレを補正しないで「ここ、重ねてますよ」と分かるようにしてある。そんなベテランならではのラフさもまた良いです。年齢を重ねても、声の調子は悪くなってないようで、素晴らしい!
安全地帯に対して、今さら新しいことをやって欲しいとか、超絶テクとか聴く方も期待していないわけで(安全地帯ってバンド演奏としての評価って見聞きしたこと無いのですが、なんでも無難にやりますよね。これって上手いんじゃないんですか?)、玉置浩二が元気で歌っているだけでまあいいじゃないか、と納得させられてしまいます(まあ、それだけ圧倒的に声が良いわけです)。
そして終盤、再び根尻七五三(ねじりしめぞう、というキャラクターなんだそうで)が登場、今度は話し方のクセで明らかに玉置浩二と分かります。そしてアンコールナンバー的に「これぞ玉置浩二」の切ない系スローバラード「忘れじの君の面影」をもって終了します。

まあ、それにしても今の玉置浩二は躁状態なんでしょうね。短い尺の曲をポンポン書いてる。私生活の諸々の情報を思うと、彼の今の明るさの裏にいったいどんな闇が隠れているのか?その辺の危うさ込みで鑑賞する、大人の楽しみですね。


2013/05/05

Sakanaction/サカナクション

あけましておめでとうございます。
ちょっとUFOに乗って旅をしていたので更新ができませんでした。
ブログは止めていません。

さて、2013年最初の更新はサカナクションの新作、「Sakanaction」を聴いてみました。
最近はなにが流行っているのかもさっぱりわからず、かと言って旧作の掘り起こしもメンドクサ…と世捨て人化しつつありましたが、サカナクションはオジサンにもわかりやすいからいいか、と思ってダウンロード版で購入してみました。

iTunesのリンク↓
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前作の「DocumentaLy」とほぼ陸続きな感じで聞けました。
こういうシンセサイザーのたくさん入ったロックが好きな人には相変わらずお薦め。我々中年(初老?)に聴きやすいのは引き出しに入っているものがたぶん似ているから。メンバーの中に邦楽ロックに詳しい人がいるんでしょう。
M5に「なんてったって春」という曲がありますが、サビがこんな感じ。
 なんなんせから
 なぐかぜ
 なぜか
 ながれる
 なみだ
 なんてったってはるだ
これ、はっぴいえんどですよね。

そういえばキンモクセイはどうしているのだろう?



2012/09/15

DocumentaLy/サカナクション

2010年に発売とほぼ同時にiPhone4を買って、2年縛りの年季奉公も明けて新型を待つばかりでしたが、いよいよiPhone5が発売になります。iPhoneに関してはメジャーアップデートが来たら買うことにしていますので、はやくもSoftBankのサイトで予約を入れてしまいました。


私としては画面が広くなってストレージが64GBになってくれるだけでも十分なんですが、4Sを見送ったんで、いよいよ私も噂のSiri姐さんとご対面することになります。
さて、Siriの付いたiPhoneを買ったらやっぱり「サカナクション、流して!」と言ってみたいので、前もってサカナクションのアルバムをiTunesでダウンロードしてみました(ていうか、最近テレビで見て気になったというのが真相ですが)。
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変なバンド名なんで印象には残ってたんですが、意識して聴いたことはありませんでした。テレビで見る限りでは「文系ロック」な感じがして私とは相性がいいだろうと予測していました。聴いてみるとやっぱりよかったです。

ジャンル分けでいうと「オルタナティブ・ロック」ということらしいですが、ギターと打ち込み音の配合も好きなバランスですし、多用されるオクターブ違いの女性コーラスは70年代な感じ、サイケデリックな風味もあって、これは結構オジサンが好きなんじゃないでしょうか?若い人からは「別に似てねえよ」と言われるかもしれないが、ちょっとはっぴえんど的ニオイもします。


先日、70代後半に差し掛かった母を車に乗せて走ったのですが、その時にカーオーディオで聴いていたら「なんだいこのお経みたいな歌は?」と訊かれました。
たしかに昔のロックってお経みたいなの多かったよなあ、とこれも納得。同じ高さの音符がずーっと続く曲が多いからね。その辺は今風(でもないか?)のミニマルな感じがカッコイイというセンスだと思うし、サビ部分はちゃんと展開があってキャッチーな部分もあるから、それほど小難しい感じはしないです。


結構何度も聴いてしまったので、脈絡なく仕事中に「ばっはーのせんりーつぉ」って頭の中でリフレインしてしまって困っています。




2012/05/27

西遊記/GODIEGO

いつの頃からなのか分かりませんが、ゴダイゴの「西遊記」がiTunesでダウンロードできるようになっていました。

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いや、これは懐かしい。
ちょっと前に書いた原田真二の「Feel Happy」と同じ年の発売で、当時私は中学生だったんだと思いますが、聴いた時は高校生だったかもしれない。「ガンダーラ」がヒットしたかなり後で名古屋市内のレコード屋でミュージックテープを買った記憶があります。

テレビでは英語交じりの日本語で歌っていましたが、「西遊記」は全編英語のアルバムで、「ガンダーラ」もすべて英語で唄われています。言ってることはいたって簡単で「ガンダーラはみんなが辿り着きたいと願っていた理想郷でした」といった、高校入試問題みたいな歌詞なんですが。(この辺の話は以前やりましたので、こちらを参照してください→ 哀愁りふれいん: ガンダーラ/ゴダイゴ )

まあ、それにしても演奏といい、音の質感といい、30年以上前(恐ろしいことに計算するとそうなる)だったことを思うと、その洋楽っぽさとテクニシャンぶりに改めて驚きます。シンセサイザーがようやく普及し始め、ミッキー吉野は確かローランドかOberheimのキーボードを使っていたと思いますが、それ以前に名うてのオルガン奏者で、このアルバムでも(もちろん私は手弾きだと信じてますが)かっこいい演奏が聴けます。キーボードが目立ち過ぎで、ギターソロはめったに聴けません。今になって聴いてみると、ある曲はビートルズだったりあるいはアース・ウインド&ファイアーだったり、ひょっとしてクイーンっぽかったりもして、外国人に聴かせたらどういう反応があるのか分かりません。しかし、そうしたオリジナリティの問題はさておき、当時この音が出せていたことを素直にリスペクトしたいとおもいます。

当時、手慣れた洋楽的サウンドでCMやドラマのサントラなどを手がけていたバンドとしては「トランザム」や「SHOGUN」(もっと前には「井上堯之バンド」)もいました。ゴダイゴも「ガンダーラ」以前は、CMソングをたくさん演奏している実力派バンド、という存在でした。その中でゴダイゴが一頭地を抜いて超メジャーになれたのはなぜかと考えると、ゴダイゴには音楽的なリーダーであるミッキー吉野に加えて、タケカワユキヒデという大衆に分かりやすいメロディが書けるメンバーがいたことが大きいのでしょうね。

ゴダイゴはテレビにも嫌がらずに出演し、立ち居振る舞いも優等生的だったので、NHKやベストテン番組にも溶け込みやすかった。はては日中国交回復後に中国公演を果たした日本の大衆音楽家の、最初の何組かのひとつになり、まさに「国民的ロックバンド」でした。

2011/07/17

Z/UNICORN

このところテクノポップ周辺をさまよっていましたが、主観的にはロック好き(そういう風にみてもらえないけどw)なのでこういうのも聴きます。
ユニコーンの最新アルバム「Z」です。私は電気グルーヴの「A」も持っていますので、これで私のiTunesには文字通り「A to Z」が揃ったわけです。トキオッ!

バンドブーム時代のユニコーンについては私はまったく無知で、「大迷惑」も「服部」もリアルタイムではほとんど聴いていませんでした。ただ、解散寸前に発売されたアルバム「スプリングマン」をなぜか買って(たぶんテレビで「すばらしい日々」の演奏を見て、とつぜん奥田民生に興味を持ったからだったと思う)、しつこく愛聴しました。
ユニコーンは、かつての「はっぴいえんど」や「オフコース」が、そしてビートルズがそうだったように、メンバー各人が作曲し、「作ったんならおまえ歌えよ」って感じでリードボーカルも各人が担当する、良い意味でのアマチュアっぽさが残っていて、「スプリングマン」はそういう風にできていました。そして、2011年に発売された「Z」もやっぱりそういう風にできています。

ユニコーンが出てきた頃、僕は仕事のできない新入社員であり、しかも就職浪人状態だった友人との自作音楽にもはまっていいました。だからバンドブームは横目でみながら通りすぎてほとんど聴いちゃいなかったんですが、それでも仲間内の音楽談義のときはろくに知りもせずに「この中で残るとしたらユニコーン」としたり顔で語っていました。それは結果として当たったんですが、その根拠はなんていうこともない、楽曲や人となりがなんかいちばん愛嬌があったから。そして、メンバーがアラフィフとなった今もその愛嬌が失われずにいるのがうれしい。ロックの名曲からのフレーズ拝借もいまや円熟の境地です(本気で褒めてます)。

2011/04/24

A LONG VACATION 30th Edition/大滝詠一

1981年、私が大学入試に向けて「受験勉強」などしている頃に発売され、当時のFMラジオと大学生のカーステレオを占拠していたお化けのようなアルバムが"A LONG VACATION"でした。
私はこれをミュージックテープ(カセット)で買って、確か「サンヨーおしゃれなテレコ」で聴いていたのではなかったか?(我が家は私が生まれて以来ずっとアパート住まいだったので、ついぞ大型ステレオセットやオーディオコンポには縁がないまま、現在に至る)

その後長じて自らマイカーを持つようになり、カーステレオにCDが装着されればCD版を買い足したり、度重なる引越しでそのディスクのありかが分からなくなったりもしながら、付き合ってきました。そんな先日、3月の終わりに銀座山野楽器に行ったら、店頭に"30th Edition"と書いた新盤が陳列されているのを見て、通算何枚目か分かりませんが買ってきてしまいました。なんたって、今回はボーカル無しトラックがかっきり全曲分別ディスクで付いているので、コレクターズアイテムとしても貴重です。

大滝詠一作品についてはものすごく詳しい人がさんざん解説を書いていますし、ご本人があちこちで解説しまくる(今ならとりあえず「レコード・コレクターズ 2011/04を買うべきでしょう)ので、今さら素人がなにかコメントすることも無いです。
それでもラジカセの10cmスピーカーで聴いていた時代から、だんだん聞こえる音が多くなって、いよいよiPhoneにつないだヘッドホンやBOSEのPC用モニター(これもスピーカーはちっちゃいけど)を使って改めて聴いてみると、このアルバムの情報量の多いこと!
この30年、ミニにタコじゃない、耳にたこが出来るほど(結局、表現がなんか違うがw)聴いているはずが、実は全然聴こえてなかった音があることや、逆に自分の頭の中で勝手に付け足していた音があったことにまた気が付きました。30年経ってまだ味が出てくるか!
ボーカル無しディスクの方は喉の調子がよければ車で聞きながらひとりカラオケで遊ぶのにも絶好。どうせ歌詞は全部頭に入ってますからw ただ今は、3月の喉風邪以来、得意のファルセットが全く出ないので、大滝風歌唱が出来ないのが残念。早く治そう。

さて、大滝詠一はこの作品の後、1984年に"Each Time"を出して以来、ほとんど新しい作品を発表しておらず(一度、木村拓哉のドラマ主題歌をやったくらいで)、精神衛生上はもう新作を待つのは諦めた方が良いです。しかし実はこのような過去の作品の音源発掘や再構成されたCDをコンスタントに出し続けていて、これらすべてを収集しようとすると実はもう、恐ろしいほどのアイテムがあります。「彼は常に新作を出し続けていて、追いかけるのが大変なんだ!」と言えてこそ「真の大滝詠一ファン」を名乗れるのかもしれません。あたしにゃ無理だけど。

2010/07/18

Hits/安全地帯

ここ数年、プライベートな話題に事欠かない玉置浩二ですが、何年ぶりかで何度目かの活動再開ということで、安全地帯の新作アルバムが出ています。


"Hits"と、シンプルなタイトルが付いたこのアルバムは、安全地帯の代表作を「当時のトラックをベースに全曲新録音」しなおした(CDの帯による)もの、だそうです。年代的には「ワインレッドの心(1983年)」から「月に濡れた二人(1988年)」。その後はバンド活動休止と再開を数度繰り返していますが、安全地帯としてのヒット曲は記憶に無く(玉置浩二のソロでサバカレーのドラマの歌がありましたが)、これ1枚あれば特に思い入れのない消費者には十分なラインナップとなっています(失礼?)。

一通り聴いてみました。
カラオケは「え?」と思うほど昔のままです。「当時のトラックをベースに全曲新録音」というのはひょっとして玉置浩二がボーカル差し替えただけ?と思うほどです。確か先週の土曜日(7月9日)に放映されたミュージックフェアでは5人そろって演奏してましたから「できるだけオリジナルに忠実に」再現したのかもしれませんが、録音自体古いんじゃないかなあ、という音です。ミックスが変えてあるのは間違いないのですが、それ以上はどこが差し替わっているのか私の耳では分かりませんでした(昔の音源も持ってないし)。また、テレビでやってたアンプラグド風「ワインレッドの心」も良かったんですが、このアルバムには通常版が収録されています。

一方、健康面が心配された玉置浩二の声は健在で、オリジナルよりも生声っぽく処理されているにもかかわらず、その色気と迫力はさすが。よくできたホーンスピーカーのように朗々と歌う部分と囁くようなせつない歌い方のメリハリが見事で、しかもどちらもよく通る、素晴らしい声です。ところどころ自己陶酔っぽいフェイクが入りますが、全体的には「やっぱりうまい」と思わせます。私は以前、玉置浩二はボーカリストとしての才能がソングライターとしての才能に勝ちすぎてるんじゃないか、というような事を偉そうに書きましたが、撤回します。「恋の予感」とか、やっぱりうまくないと歌えません。

振り返ると、それぞれの時代には歌の神様に見込まれたかのように見える歌手がときどき出現します。80年代の代表はおそらく玉置浩二でしょう。90年代は吉田美和で00年代は平井堅、という見立てになるんですが。
しかし、歌の神様は見込まれたご本人たちの個人の幸福までは面倒を見てくれないようです。このジャケット写真といい、ここ1〜2年の乱行ぶりといい、最近の玉置浩二のハジけかたは異常です。前述のミュージックフェアでの本人の発言や、ワイドショーでの言動を総合すると、彼は「自分の感情のままに生きる」ということに決めているようです。その時思ったことに正直に行動するので、過去の発言との辻褄とか、世間の揶揄とかは斟酌しないのでしょう。
それはとても素敵な生き方ですが、ここは日本ですし、せっかくの才能ですから、あまり破滅的にならずに末永く活躍していただきたいと思います(あーでも50歳過ぎたら僕もそうなるかもしれないなあ。兆候あるもん)。

私はうっかりCDを買ってしまいましたが、iTunesでもダウンロード可能です。

2010/05/09

限界Lovers/SHOW-YA

先日テレビで熱唱していた寺田恵子姐さん率いるSHOW-YAのヒット曲です。

久しぶりに姿を拝見しましたが相変わらずシャープなルックスで、同世代としては頼もしい限りです。しかし、よく考えると遠巻きにして「ええぞ、ええぞ」と冷やかして見ていただけだったので、ちゃんとiTSで「限界Lovers」をダウンロードして聴いてみました。
ちなみにOVA版パトレイバーの主題歌は「未来派Lovers」です。お間違え無く!

日本の女性ロックバンドとしては同時期にプリンセス・プリンセスがいました。あちらは奥居香の丸っこいルックスもあって大学の同級生がやってるように見えましたが、SHOW-YAはもうちょっと玄人っぽい、妖しい感じがありました(実際には奥居香も一筋縄ではいかない人だったようですが、ま、イメージですw)。

寺田恵子は見た目が派手なわりにエンターテインメント的サービスをあまりしない人のようで、意外とテレビなどでは活躍せず、「NAONのYAON」などのライブ活動などを熱心にやっていました。なんども書きますが、個人的には浜田麻里とジョイントして商業ロックの頂点を極めて欲しかったのですが…

さて、「限界Lovers」はテイストとしてはアン・ルイスの歌謡ロックと非常に近く、演奏も歌詞もたいそう派手です。意味もなくカッコいい!
「"Back to the fire"って意味わかんねえ」と当時から言われてましたが、そういうもんじゃない、気合でカッコいいわけです。「激しさ」「No.1」「ビロード」「火花」「刺激的」「天使」「悪魔」と絶対値の大きい言葉がわんさか並びます。言ってることは「自分に素直に愛しあいましょう」みたいなことなんですが。
それは同時期に大ヒットしたマンガ「北斗の拳」の一番面白いところが、ひとことでいっちゃうと「女が原因の兄弟喧嘩」の話だったのとよく似ています(?)。どっちも好きなんだけど、他人に説明しようとすると悪口になっちゃう。

2010/04/11

シンクロニシティーン/相対性理論

「シフォン主義」、「ハイファイ新書」ときて、次はどんなダジャレタイトルになるのかと楽しみにしていたところ、途中で近田春夫とか渋谷慶一郎が絡んできて、今度はこのまま解体するのかしらと思ってたらちゃんと3作目のアルバムが出てきました。

「シンクロニシティーン」はダジャレなのかどうかも分からないくらい微妙なタイトルですが、「シフォン主義」以来のリスナーを切り捨てない、相対性理論らしいアルバムになっています。

ただし、「シフォン主義」→「ハイファイ新書」で見られた音のノーマライズというかソフィスティケートというか、普通の商品的な音に近づこうとするベクトルはそのままで、今回は「ハイファイ新書」のバックの音に音圧が増したやくしまるえつこの声が載っている、という出来上がりになっています。以前はカヒミ・カリィ並みに消え入りそうだった声のゲインが上がって、もともとやくしまるえつこは下手そうで下手でない、字義通りの「へたうま」でありましたが、曲によってはYUKIに似ているくらい声が前に出てきています。こうなってくると私なんかは、昔の(熱心なファンほどショックを受けて、今ではなかった事になっている)太田裕美・ニューウェイブ路線をちょっと思い出します。

それと同時にたぶん過去2作では聴かれなかった、「リードボーカリストの多重録音によるコーラス」が採用されました。先行配信された「ミス・パラレルワールド」で「ぱられるぱられる…」とハモっているところなどですね。
↓iTunesへのリンク


相対性理論というバンドがどのくらい長くやる気があるのか全く見えてなかったんですが、こうして音楽教室のクラスをだんだん上がっていくように新しい要素を付け加えていけば10年くらいはできるような気がしてきました。ピアノ1本、ギター1本のオフコースが最後はTOTOかジェネシスそっくりになったように…。
逆に言えば相対性理論はバンドやりたいアマチュアにとって、絶好のテキストになるとも言えます。今ならまだ素人でも耳で拾える。ドラムは難しそうだけど、それ以外は頑張ればなんとかなりそうじゃないですか。

2010/04/03

5years<通常版>/木村カエラ

木村カエラのデビュー以来の音楽活動をまとめたベスト盤です。私はiTSで落としてきました。
木村カエラ - 5years<通常盤>
木村カエラは可愛い。デビュー当時はこういう姪がいたらおじちゃん会う度に5000円とか1万円とかお小遣いあげちゃうなーと思ってました。オシャレで、ガリガリ勉強するように見えないけれど学校の成績は良くて、ちゃっかり有名大学に推薦で進学しちゃうようなタイプに見えました。その後のちょっとカルチャーっぽい消費のされ方は80年代の小泉今日子に似てるような気もしますけど、小泉今日子はルックスや歌唱力へのコンプレックスの裏返しからはじけているように見えましたが、木村カエラにはそういうコンプレックスの香りがしません。

さて、中身を聴いてみます。「リルラリルハ」とサディスティック・ミカ・バンドしかちゃんと聴いたことがなかったんですが、CMタイアップ曲が多いため、聴けば「ああ、これか」と思いあたるラインナップです。
曲順は新しいものから過去に遡るように並べられていますが、スパンが5年ですし基本はロックバンドの音なので特別時代を感じさせるものはありません。気持ち「リルラリルハ」以前のナンバーが音圧が低いかなと思うくらい。演奏がユニコーン的ロックだし、木村カエラの歌は上手すぎず下手でない(最近お気に入りのフレーズ)。いわゆる3コードのロックンロールでは無く、メンバーにクラシック崩れがいる構成・展開重視の曲作りをするバンドのサウンドです。「M2.バタフライ」なんかもろにピアノの練習曲的ですし、「M4.どこ」は発声練習的。無理矢理に印象が似てるものを探すとPUFFYということになりますか。ときどきパロディ的に外国の有名曲のフレーズを一捻りして入れてありますし、実際に奥田民生のナンバー(M14.BEAT)も入っています。

また、おそらく木村カエラ自身がその生育史の中で受けてきた最近のJ-POPからの影響も随所に見られて面白い。たとえば、以前このブログの中でも書いた「hitomi風日本語母音の省略」が意識されてる「M8.Yellow」。この曲ではサビで「いつだってYellow そんなあなたにエールを送るよ」と歌いますが、「そんなーなたにえーろーくーりょー」と聞こえるように歌っています。しかも「エールを=yellを」が前の行の「Yellow」とかけてある。これ頭いいでしょ?
また「M1.You bet!!」の「すすまな"きゃって"そう"ちかった"」の日本語の選び方、歌い方には宇多田ヒカルの(良い)影響が見えます。

こういう細かいところをiPhoneで聴きながら追っかけられるのは、彼女がちゃんと歌詞が伝わるように歌っているからです。今、単純なアイドル歌手はすごく少なくなっていて、そのかわりに歌詞を書いてるからアーティストである、というアイドル歌手が多くなっています(その意味では森高千里の罪は深いのかなあ。彼女はアーティストでしたが)。しかしせっかく書いた歌詞をちゃんと伝わるように歌っている人はあまり多くない。木村カエラはそういう意味でちゃんと作詞をしてるし、伝えています。

2009/09/06

大瀧詠一ファースト/大瀧詠一

7月に散歩で武蔵小山に行ったとき、立ち寄った本屋で大瀧詠一のムックを買ってきました。

情報量がとても多いので、一気に読むことができずに興味のあるところだけ拾い読みしているのですが、その中のところどころに後輩ミュージシャンが選ぶ「私的大瀧詠一ベスト5」というコラムがあります。

その中に高い頻度で入っているのが「指切り」という曲。
青山陽一(誰?)が5位、伊藤俊吾(キンモクセイ)が2位、サンボマスターが1位、田中拡邦(誰?)、山本精一(誰?)が3位に挙げています。
私は寡聞にして知らなかったので、「素直に『君は天然色』とか書け、カッコつけやがって!」と思っていましたが、知らないままなのも癪なので銀座の山野楽器で持っていなかった「大瀧詠一ファースト」を買ってきました。

はっぴいえんどの「風街ろまん(1971年)」と「HAPPY END(1972年)」の間隙である1972年に発売されています。各曲のクレジット(手書きで読み辛い)を読むとはっぴいえんどのメンバーの名前も見られますが、はっぴいえんどという制約の多いバンドではできないことをやったということで、とてもまともな成り立ちのソロアルバムと言えるでしょう。吉田美奈子、松任谷正隆といった後のビッグネームも名を連ねています。

問題の「指切り」は3曲目、「それはぼくぢゃないよ」と「びんぼう」に挟まれた位置に入っていました。
なるほど、「風街ろまん」にも、「A LONG VACATION」にも、あの展覧会のような「ナイアガラ・カレンダー」にも似た曲が思いつかないダンスミュージック風。キンモクセイの人が「好き」というのはちょっと納得。

その他、「五月雨」のオリジナル(僕は先に「ナイアガラ・カレンダー」に入ってる谷村新司みたいな方から聴いちゃった)が聴けたのも収穫。

それと、はっぴいえんど用のものより少し分かりやすくしてある松本隆の歌詞に、その後の職業作詞家になってからの作品で使うようになる言葉の断片が予告編的に見え隠れしているのも興味深いですね。「髪を切りすぎたね。まるで男の子だよ」とか「約束なんて何もないけど」なんて言い回しとか。

大瀧詠一って人は大河ドラマみたいな作家だから、やはり年代順にひとつずつ聴いた方が良い、というのが今日の結論かな。
そう考えるとまだまだ買わなきゃいけないものがいっぱいあるなあ。

2009/05/04

PLEASE/RCサクセション

忌野清志郎が亡くなったことについては、はてなダイアリーの方で書きましたので、こちらではRCサクセションの作品について考察しましょう。
私が高校の時にミュージックテープで買ったアルバム、"PLEASE"です。「トランジスタ・ラジオ」が入ってるヤツ。私、この曲大好きなんですよ。
RCサクセション - Please

本来は、一昨年の夏休みの自由研究でやった「日本語の問題」で触れるべきだったのかもしれませんが、忌野清志郎の歌詞の乗せかたがあまりに自然であったので、どちらかというとテクニカルな考察になってしまったあのシリーズでは通り抜けてしまいました。

年代で云うとRCサクセションは1970年前後から活動しているので、「日本語ロック」としてはサザンよりも前、はっぴいえんどの次くらいに位置します。ただしメジャーになったのは80年前後なので、私は「ニューミュージック」の一つとして認識していました。
かたやサザンオールスターズや佐野元春が日本語の実験をしている一方、RCサクセションは自然に聴き取りやすい歌詞をロックサウンドに乗せて唄っていました。この"PLEASE"を通して聴いても歌詞カードが無いと分からないという部分はありません。普通のボリュームで聴いていれば、唄っている内容が100%伝わります。

その理由を考えると、彼らの音楽にはR&Bの要素がかなり入っていて、R&Bは日本語との相性が良いからということが考えられます。余談ですが90年代前半に「和製ブラコン」が流行ったのは、既に演歌がパロディもしくは伝統芸のお手本として以外の商品価値を失っていて、その頃成人になった私たちが聴いたりカラオケで遊んだりするためのジャンルが無かったからだと思いますが、R&Bはその意味で演歌の代替として非常に優れたものでした。
そうした技術論は別にしても、唄っている忌野清志郎の意識として、歌にはメッセージがあるべきで、それを発信するためには聴く側が分かるように唄わなければ意味が無い、と思っていたということが何より大きいんだと思います。

さて、その聴かせたいメッセージはどんなものだったか?
実は80年当時、RCサクセションのような具体的すぎる歌詞は、ださい四畳半フォークを典型として「ニューミュージック」で否定されていたものです。

たとえば同じ頃オフコースで小田和正が書いていた歌詞は5W1Hが全然揃ってません(オフコースは大好きなんですけどね)。
「君が」「そのまま(でいる)」「そのとき」「そこで」「わけもなく」「そんなふうに」
まあ、だいたいこんな感じ。そして、(乱暴に言えば)オフコース以降のほとんどのメジャーなアーティストの歌詞がこんな感じです。良く云えば作り手の限定的なイメージを聴き手にぶつけるのでなく、聴き手が自分なりに物語を付け加える余地を残しているとも云えますが、悪く云えば無責任な歌詞です。

それがRCサクセションだと
「君が」「ズボンを縫っている」「年末に」「アパートの部屋で」「僕の正月用のズボンを仕上げるために」「徹夜で部屋中がゆれるようにミシンをふんで」多分、彼女もいろいろと忙しくてクリスマスには間に合わなかったんでしょうね、などと背景まで見えてきます。

忌野清志郎はその具体的な歌詞から生まれるリスクを自身のこととして引き受けながら表現をしていました。「あきれて物も言えない」では明らかに忌野清志郎自身が誰かに発した言葉として唄っています(Wikipediaによると「どっかの山師」=泉谷しげる ということらしい)。最近でもラッパーの世界では歌詞に気に入らないヤツのことを唄ったりする例があるそうですが、あまりにも歌の世界が閉じていて一般人が共有できないのが残念。あ、桑田佳祐が「孤独の太陽」に当時のメジャーな歌手では珍しく具体的な歌を収録していましたが、すぐ謝っちゃったしねえ…。

閑話休題。
また、RCサクセションの歌詞はいわゆる「ブルーカラー」の若者の歌です。
"PLEASE"の歌詞の世界では、主人公の若者は「金が欲しくて(結構キツい職場で)働いて」いて、夜や週末にカノジョとドライブしたり部屋で過ごしたりすることを生き甲斐にしています。恋人との間では楽しくいちゃいちゃすることもあれば、「妊娠したかも」と新たな苦労が発生したりします。勤めている零細企業にはすぐに「クビだ」というしょぼい社長がいて、給料は上がりません。

今、派遣切りだなんだと若者をめぐる状況は80年代よりも不幸なものになっています(ま、我々オジサンたちも親の代よりも厳しい気がしますが)。何年に生まれて何年に学校を卒業するという確率的要素だけで、就職するにも著しい条件の違いがあるのは不条理だと思うのですが、そのことに対する怒りを忌野清志郎的センスで昇華した歌があっていいと思います。しかし、少なくとも売れてる音楽の中にはそういうものが見当たりません。非常に抽象的で、すべての苦難を自分の精神世界だけで解決(「夢を持って」とか「あきらめないで」とか「自分らしく」とかね)してしまい、自分をその状況に陥れた個人とか組織とか社会に対して具体的な怒りをぶつける歌が不思議なほど出てきません。
別に自分の不幸をすべて他人のせいにしろ、とそそのかしているわけではありませんが、明らかに政治や経済における不備や人災的なものに対してはきちんとその原因を見極め、攻撃すべきは攻撃するのが主体的に生きることだと思うんですけどね。
それに、そういう歌を唄うことでガス抜きすることも大事だと思うんです。今、ガス抜きが出来なくてひとりで内側から爆発しちゃう人が多いじゃないですか?「そうか、そうやって考えて良いんだ」「それを表現して良いんだ」というところから若い人に教えてあげるべきじゃないかと…。

だからキヨシローの追悼も良いんですけど、彼とは違う表現で今の時代に生まれたメッセージを発する、若い才能に光を当てることが大事だし、彼の遺志を継ぐことなんじゃないでしょうか?

2009/04/29

ハナウタ〜遠い昔からの物語〜/エレファントカシマシ

レコード業界の物流がどうなっているのか知りませんが、休日にも関わらず今週の新譜は今日29日に発売になっています。
エレファントカシマシのニューアルバム「昇れる太陽」も本日発売なんだそうです。



私はアルバム買うほどのファンではありませんので、iTSで美味しいとこだけダウンロードしようと思って、一番人気があったこの曲を落としてみました。
エレファントカシマシ - 昇れる太陽

以前に触れた時にも書いたのですが、エレファントカシマシの音楽は「良い意味で」アマチュアっぽく、ちょうど私くらいのレベルの音楽ファンにとって耳で拾いやすく、マネをしてみたくなるような音楽です。
この曲もイントロ8小節→Aメロ8小節→Bメロ8小節(+ブリッジ)→サビ前半8小節→サビ後半8小節と構造がはっきりしていて、ノートにばっばっと線を引いて分解しやすいことこの上無し。ピアノとギターとオルガンが聴きやすいので、コードも拾えそうです。

同じような編成のバンドでもミスチルやスピッツだと途中でそんな作業はしたくなくなりますが、エレカシだと最後まで挑戦しようかな、と思わせる。敷居が低いです。ついでに歌詞の聞き取りも容易で、これは最近のJ-POPでは希有と思わせるスタイル。喉大丈夫かなと思うほどストレートな発音と発声です。
昔、私が今よりもうちょっと熱心に曲作りをしていた頃、やろうとしていた方向に近いです。
ただ私はコーラスとシンセ音は入れたかった人なので、これほどロックではありませんでしたが、エレカシも有名な曲は意外と普通のポップスと共通する展開をしているので、遠い感じはしません。
この「ハナウタ」でも前半のコード進行はロックっぽい動きをしているようですが、サビの後半では「クリシェ」と云われるベース音の半音下降がやけにはっきり使われていて、作り手の発想の順番がトレースできるような気がします。

ただJ-POPとはいえ、エレカシのメンバーも既に40代。この音楽が今どのように受けとめられているのかが良く分かりません。ファンは30代女性?あるいは30代男性?
私が今から曲を作ったら間違いなく同じような背景を感じさせるスタイルになると思っていて、それが恥ずかしくて自作から遠ざかっているのですが、今でもこういうの本当にありですか?オジサンもやっていいすか?と誰かに訊いてみたい気分。

2009/03/08

ギタリズムV/布袋寅泰

こちらはiTSでもダウンロード可能なアルバム、布袋寅泰の「ギタリズムV」です。
布袋寅泰 - GUITARHYTHM V
何度もスペルを目にしているはずなのに、最初に勘違いしていて、私はずっとこのタイトルを"Guitar+ism"、つまり「ギター(至上)主義」という意味だと思って納得していましたが、実際は"Guitar+Rhythm"なんですね。"Rythm Guitar"でもない。

私はBoφwyは聴いていませんでした。だから布袋寅泰に気がついたのはCOMPLEX以降です。ギターのうまい、体のでかいロック・ギタリストという認識。ただ志向する音楽が意外なほど王道路線で、これまでの作品も聴けばかならず良かったという信頼感があります。

さて、今回もさすがほぼ同年輩ということもあってか、私たちが少年時代から現在にかけて好んできたサウンドが上手く発展させた上で盛り込まれていて、iPhoneに取り込んで繰り返し聴いても飽きないし、ちょっとニヤリとさせられる引用もあったりして、ある年代にとっての山下達郎のような効果があります。
ちょっとプログレっぽい(というか"Queen"のような)音色が出てきたり、三三七拍子や「かごめかごめ」が聴こえてきたりして、その辺の元ネタの持ってきかた、選択のセンスがちょうど私のツボにハマります。

また、現代のテクノロジーで磨き上げられたギターサウンドは美しく、どうということもないスケール練習のようなフレーズやコードカッティングでも素人には及びもつかないような音で出てくるのが羨ましいです。しかもその至高のギターサウンドを(もったいなくも?)サンプリングして遊んでいたりもします(M.15 APPLESとか)。

一方、ボーカリストとしてはこんなに飾り気の無い声で歌を入れる人をあまり知りません。最近のJ-POPの、よく練った「歌用の発声」をする歌手の多い中で、無防備と云って良いような声です。杉山清貴のようにそのままで美しい声ならともかく、近所のアンちゃんみたいな声(音程等には問題ない)がそのまんま聴こえてきます。

珠玉のギターとこの無防備な声がほぼ対等なものとして扱われ、その二つが合わさって布袋寅泰の作品であり、「ギタリズム」と名付けながらインストのアルバムではなく、歌ものの体裁をとって発表されているところになにかがあるんでしょうね。

と、ここまで書いてから気がつけば、最初の"GUITARYTHM"が出てから、もう20年以上経っているし、"IV"から数えても15年も間があったんですね(その間に違うタイトルのアルバムは発表されていますが)。全然、そんな気がしなかった!
玉手箱を開けてしまった浦島太郎の気分です。

2009/03/01

CHAMBRE/UNICORN

この春は我々中年音楽ファンのサイフを狙いうちするような商品が次々と出てきます。
この2月18日には前回書いた和幸、はっぴいえんどの復刻版以外にもユニコーンの新作、布袋寅泰の"GUITARITHM V"、はてはムッシュかまやつの古希記念アルバムなんていうのまで発売されています。
3月11日にはUTADAのセカンドアルバム(これは中年関係ないか。でも彼女のファンは年齢層高いだろう)、さらに25日には桑田佳祐のひとり紅白歌合戦のDVDなど、買っておきたいアイテムが目白押しで、ただでさえ年末以来懐が淋しいのに、困ったものです。

やっぱりCDを買う年齢層自体が高くなっていて、30代後半〜団塊世代あたりが一番魚影が濃いと思われているのでしょうか、業界的に。

そしてまんまとユニコーンを買ってきてしまった私。

"SPRINGMAN"を買って以来のユニコーンのアルバム。

私の世代はユニコーンなんて聴かないと思っている若い連中がいるのですが、世代的には奥田民生とは2歳しか違わないし、ドラムスの人なんてもう50歳じゃないですか?まったく問題ないと思います。
実際、「イカ天」ブームの頃に雨後の筍のように出てきたバンド群の中で、一番理解しやすかったのがユニコーンでしたから。

さて、15年だか16年だかぶりの新作"CHAMBRE"は玉置浩二の恋愛のように時を超え、「SPRINGMANの次のアルバム」として違和感の無いアルバムになっています。ギター、ドラム、ベース、オルガンを柱にしたオーソドックスなロックサウンドでガンガン押してきます。オーソドックス故に古びることもありません。

また、「はっぴいえんど」がそうだったように、複数のメンバーが作詞・作曲し、作った曲は自分で唄うという、ある意味アマチュア的なバンドの有り様が楽しい。ファインアートであるクラシックにはそんな余地は無いかもしれないけれど、ポピュラー音楽には「お前も曲作れよ、詩かけよ。作ったんならお前唄えよ」という適当さがあった方が絶対楽しい。

最近のユニットってやつは、「僕作る人。私唄う人。俺らその他応勢の楽器隊」というのが固定化していてそれが閉塞感を生んでいると思います。多分その方が生産管理がしやすいんだと思いますが、もう一度この辺のテキトーさから生まれるクリエイティヴィティを見直して欲しいなあ。

Mine or Yours/宇多田ヒカル

ベストアルバム"SCIENCE FICTION"を買った後しばらくぼーっとしていましたが、5月になった途端にYouTubeでライブ配信的なものを見かけました。配信は途中から見たのですが、過去のMVが次々流れていて、いつから新作発表になるのかわからず、見るのやめ...