今週水曜日にアマゾンから到着しました。タイトルだけで必ず聴かなければならない、と思わされた和幸のセカンドアルバム「ひっぴいえんど」です。
さて、早速その感想を、と思っていたら同じ日に鈴木茂が大麻所持で逮捕されてしまい、偶然にもほどがあると思ってちょっと途方に暮れました。鈴木茂はこのアルバムでもゲストで1曲ギターを弾いています(M4「あたし元気になれ」)。しかも同日に復刻発売された「はっぴいえんど」「風街ろまん」が販売中止になったとのこと。
メンバーの一人が逮捕されたとはいえ、40年前の音源(それも歴史的な、ね)を販売中止にするなんてロックの精神から考えればナンセンスだと思うが、野田聖子に絡まれるとやっかいだからか、ものすごく神経質になっていますね。はっぴいえんどのバックには松田聖子が付いてるからケンカになっても勝てると思うが。和幸にも被害が拡大しないといいですが…。
そんな思わぬ雑音で違った意味が付いてしまった「ひっぴいえんど」を聴いてみます。
まずアルバムタイトルおよび曲名は明らかに「はっぴいえんど」のパロディです。
M1.ひっぴいえんど(はっぴいえんど)
M2.タイからパクチ(はいからはくち)
M3.ナスなんです(夏なんです)
M4.あたし元気になれ(あしたてんきになれ)
M5.池にゃ鯉(春よ来い←これは遠すぎて気がつかなかったぜ)
M9.花街ロマン(風街ろまん←これは曲名じゃないけど)
あとは加藤和彦の昔の作品やかまやつひろし、遠藤賢司のカバーです。私が買ったのは(初回生産限定盤)(DVD付)で全12曲ですが、(通常版)はこれにボーナストラックが2曲付いて全14曲だそうです。
DVD付の方は、中のインタビューで本人たちが解説してくれるので、このアルバムがどういうものなのか、当時の音楽事情や加藤和彦のキャリアについてよく知らない人にもヒントを与えてくれます。
さて、そのDVDによると、この「ひっぴいえんど」は70年代前半のロックサウンド、特にCSN&Yの音に日本語を載せる、というのが第一義で、「だったら年代的にも…」というのではっぴいえんどが出てきたのだそうです。ジャケットもCSN&Yの代表的アルバム「デジャ・ヴ」のパロディにしてあります。
私も一聴して「はっぴいえんどはこんなに明るくねえよ」と思いました。
今となっては微妙な違いですが、はっぴいえんどは"Buffalo Springfield"の音に日本語を載せるのが目標だった(本人たちがそう云っている)ので、サウンドがその分ずれています。
それじゃ、CSN&YとBuffalo Springfieldがどれだけ違うの?というとメンバーは半分くらい同じで、日本で云うとチューリップとオールウェイズくらいしか違わないん(これはあまり良い喩えではありませんね)ですが、年代が3〜4年違う。ぱっと聴いて違うのはCSN&Yはアマチュアがちょっと困るくらいの音の取り辛いコーラスが入っています。私はよく知りませんが、CSN&Yというのは日本人にM7(メジャーセブンス)というコードの存在を教えてくれたバンドだそうです。
日本のバンドで云うと、Buffalo Springfieldがはっぴいえんど的であるのに対してCSN&YはTHE ALFEEに似ています(もちろん逆ですよ)。
そんなわけで、「ひっぴいえんど」は実際にははっぴいえんどより4〜5年後、CSN&Yを聴いた日本人がその影響を受けて始めたロック(それってやっぱりアルフィーじゃん?)のシミュレーションになっています。
ただ、一応「はっぴいえんど」に対するパロディ(リスペクト?)を感じられる箇所もあります。
M2.タイからパクチ
全体に「かくれんぼ」の雰囲気。「夕餉」などという古い言葉の使用。ただ松本隆は「ストーブ」を「ストウヴ」とは書かないと思うけど。
M3.ナスなんです
細野晴臣作品をごった煮にした感じ。風街ろまん以降のカントリー風曲調とか全編裏声を使うのは「あしたてんきになれ」か?「あしたてんきになれ」はM4の曲名のネタにもなっていて、この辺はややこしいです。
M4.あたし元気になれ
鈴木茂のギターが本物っぽさを加えているのと、声の加工のしかたが「花いちもんめ」風ってことだと思います。メロディは細野作品寄りか。
M5.池にゃ鯉
「春よ来い」的な重たいリズム、無理に気合いを入れて長尺にしているところ、ちょっとヨーデルっぽい発声も大滝詠一風でパロディとしては一番力が入ってるのかな。でもアコースティック・ギターの音とCSN風コーラスが入るので、「春よ来い」の音とは違っています。
M9.花街ロマン
これは「春らんまん」あたりでしょうか?「じゃぶじゃぶ」「ぶつぶつ」「ういんどう」「お白粉」あたりの歌詞もそれ風ですね。
3月1日の追記
ところで、これら「ひっぴいえんど」「風街ろまん」「Buffalo Springfield Again」「デジャ・ヴ」の4枚のアルバムをiTunesで一つのプレイリストに入れてシャッフルすると、どれがどれだか分からなくなって、とても良かったです。
2009/02/22
2009/01/27
ひっぴいえんど/和幸
まだ発売されていないアルバムの話です。
来月、2月18日発売予定の和幸2作目、「ひっぴいえんど」です。
タイトルを見れば内容がほぼ分かり、私はこのアルバムが発売されることを知って以来、これだけは買わなくてはいけない気がしているのです。
加藤和彦流に「日本語のロック」のおとしまえがつけられるのか、それとも「あれ」のパロディなのか?
私の予想では60〜70年代ロックのサウンド(サイケデリック・ロックとかも)に変な日本語が載っているという方向ではないかと思いますが…。
そういえば、こないだこんな本も買ってきました。
坂崎幸之助のラジオ番組をテキストに起こしたものです。それこそ岡林信康や遠藤賢司やなぎら健壱、大滝詠一に小田和正と60年代から活躍しているフォーク、ニューミュージックのスタアたちが坂崎幸之助のジジイ転がしに乗っかっていろいろ喋っている、という本です。
少ない情報、貧しい暮らしの中で必死に何かになろうともがいてきた彼らの発言は、時に滑稽だったり妙な迫力があったりですが、新しいものが始まる最初に立ち会えた幸福感に満ちています。冒頭に3人揃った最後のNSPの語りがあり、中盤では天野滋追悼の放送も収録されています。
2/7追記
和幸「ひっぴいえんど」のオフィシャルサイトができていますね。
http://columbia.jp/kazukoh/
試聴もちょっとできますが、ちょっと予想と違うなあ。
来月、2月18日発売予定の和幸2作目、「ひっぴいえんど」です。
タイトルを見れば内容がほぼ分かり、私はこのアルバムが発売されることを知って以来、これだけは買わなくてはいけない気がしているのです。
加藤和彦流に「日本語のロック」のおとしまえがつけられるのか、それとも「あれ」のパロディなのか?
私の予想では60〜70年代ロックのサウンド(サイケデリック・ロックとかも)に変な日本語が載っているという方向ではないかと思いますが…。
そういえば、こないだこんな本も買ってきました。
坂崎幸之助のラジオ番組をテキストに起こしたものです。それこそ岡林信康や遠藤賢司やなぎら健壱、大滝詠一に小田和正と60年代から活躍しているフォーク、ニューミュージックのスタアたちが坂崎幸之助のジジイ転がしに乗っかっていろいろ喋っている、という本です。
少ない情報、貧しい暮らしの中で必死に何かになろうともがいてきた彼らの発言は、時に滑稽だったり妙な迫力があったりですが、新しいものが始まる最初に立ち会えた幸福感に満ちています。冒頭に3人揃った最後のNSPの語りがあり、中盤では天野滋追悼の放送も収録されています。
2/7追記
和幸「ひっぴいえんど」のオフィシャルサイトができていますね。
http://columbia.jp/kazukoh/
試聴もちょっとできますが、ちょっと予想と違うなあ。
2007/12/02
和幸:ゴールデン・ヒッツ/和幸
加藤和彦という人は、もう私の年代だと本当のことは良く分からない人なんですね。
「帰って来たヨッパライ」も「あの素晴らしい愛をもう一度」も、「サディスティック・ミカ・バンド」も幼児〜児童期のことで、その頃の僕は西郷輝彦とか小柳ルミ子とか野口五郎とかを無邪気に見ていた子どもでしたから。
そんなわけで、加藤和彦については大人になってからある程度「お勉強」の一環として触れただけです。最近もなんかのコマーシャルに出演したり、木村カエラを引き込んでの「サディスティック・ミカ・バンド」再結成などの活動をしていますが、はっきり言ってテレビで見る限り「飄々とした、歌の下手なオジサン」としか見えません。
しかし、残して来た作品を見ると、「タイムマシンにお願い」、「ドゥー・ユー・リメンバー・ミー(岡崎友紀)」、「不思議なピーチパイ」をはじめとする初期の竹内まりやのシングル、飯島真理「愛・おぼえていますか」など、その時代、時代でハイカラな曲を作っており、自身のソロでも「だいじょうぶマイ・フレンド」など、印象的な作品があります(この辺はWikipediaを参考にしています)。
その一方で、以前にも書きましたが、ラジオに出て来て「今の日本にはロックはない。ロックとは形式でなく生き方だから」という発言をするなど、硬派な部分も持っています(と、同時に本人は自分がロックンローラーであると思っていると思われる)。
さて、そんな加藤和彦の直近の仕事が「和幸」のプロジェクトです。iTMSでもダウンロード可能。

THE ALFEEの坂崎幸之助と組んで、架空のグループ「和幸」のオールタイムベスト盤「和幸:ゴールデン・ヒッツ」である、という見立てで作られたアルバムです。グループ「和幸」のキャリアは加藤和彦の活動期と同じ、ということなんでしょう。相方の坂崎幸之助はアコースティックギターの名手であり、その年齢以上に日本のフォーク史に詳しい人なので、加藤和彦の苦手な部分をサポートするに最適な人選であったと思われます。
そんなわけで、このアルバムは60年〜70年代の音楽に造詣が深いほど面白いはずで、私も雰囲気は分かるんですが、笑うところまでなかなかいかない。タモリの「戦後歌謡史」に匹敵するパロディなのだと思うんですが、自分の若さが憎い!(と、手のこんだ自慢をして終わります)
「帰って来たヨッパライ」も「あの素晴らしい愛をもう一度」も、「サディスティック・ミカ・バンド」も幼児〜児童期のことで、その頃の僕は西郷輝彦とか小柳ルミ子とか野口五郎とかを無邪気に見ていた子どもでしたから。
そんなわけで、加藤和彦については大人になってからある程度「お勉強」の一環として触れただけです。最近もなんかのコマーシャルに出演したり、木村カエラを引き込んでの「サディスティック・ミカ・バンド」再結成などの活動をしていますが、はっきり言ってテレビで見る限り「飄々とした、歌の下手なオジサン」としか見えません。
しかし、残して来た作品を見ると、「タイムマシンにお願い」、「ドゥー・ユー・リメンバー・ミー(岡崎友紀)」、「不思議なピーチパイ」をはじめとする初期の竹内まりやのシングル、飯島真理「愛・おぼえていますか」など、その時代、時代でハイカラな曲を作っており、自身のソロでも「だいじょうぶマイ・フレンド」など、印象的な作品があります(この辺はWikipediaを参考にしています)。
その一方で、以前にも書きましたが、ラジオに出て来て「今の日本にはロックはない。ロックとは形式でなく生き方だから」という発言をするなど、硬派な部分も持っています(と、同時に本人は自分がロックンローラーであると思っていると思われる)。
さて、そんな加藤和彦の直近の仕事が「和幸」のプロジェクトです。iTMSでもダウンロード可能。
THE ALFEEの坂崎幸之助と組んで、架空のグループ「和幸」のオールタイムベスト盤「和幸:ゴールデン・ヒッツ」である、という見立てで作られたアルバムです。グループ「和幸」のキャリアは加藤和彦の活動期と同じ、ということなんでしょう。相方の坂崎幸之助はアコースティックギターの名手であり、その年齢以上に日本のフォーク史に詳しい人なので、加藤和彦の苦手な部分をサポートするに最適な人選であったと思われます。
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