2011/12/18

THE BADDEST~Hit Parade~/久保田利伸

なんだ~、出るなら言ってくれよ~という感じで久保田利伸のオールタイムベストが新しく発売されています。
前回のPerfumeを1枚だけレジに持っていくのが初老(;´д`)男性としては恥ずかしかったので、辺りを見回したら運良く見つけ、重ねて上にしたのがこちら。 

以前にも書きましたが「THE BADDEST(今となってはBaddest"Ⅰ"と書いた方がいいのかもしれない)」は90年代前半の若者の必携CDだったので、私も持っていました。 
その後も「THE BADDEST」というベスト盤は「Ⅱ」、「Ⅲ」と発売されていますが、それぞれ第2期、第3期のベストという位置づけで、曲の重なりはなかったよう(すみません、買ってません)ですが、今回は副題に"Hit Parade"と付いているように、初のオールタイムベスト盤ということになると思います。 
ちょっと前に「Gold Skool」の時にも書いたように、和製ブラコンのパイオニアだった久保田利伸はロック畑のニューミュージック組にはなかったかっちょいい感性をJ-POPに持ち込んでくれました。たとえばこの「BADDEST」という文法的に正しくないスラングをあえて使うところなども当時は新しかったのです(一方、聖飢魔II は自らに課した設定に忠実に「Worst」というベストアルバムを出しましていますが、こういう「14歳」な感覚も嫌いじゃないです)。 久保田利伸の衝撃はおそらく玄人筋の方が大きかったようで、そのフォロワーの多さは、今現在を含めても枚挙に暇がないほどです。ドリカムだって最初の何作かはよく似たことをやってました。初期のアルバムを聴いてると「永遠の翼」によく似た曲とかありますね。 


久保田利伸が流行って良かったのはそれまでのロック畑出身ニューミュージック勢の、棒を飲んだようなメロディライン(その方がストイックに見えた)が矯正されて、歌って楽しく耳に心地よいメロディが復活したことだと思います。ただし、歌って楽しい、耳に心地よいにあまり重心がかかると、歌謡曲の悪い部分と共通したものが顔を出して、大甘、ワンパターンに陥りますので、作り手の自己管理が重要になってくるわけですが、その後のJ-POPはどうなってますでしょうか。


という話はさておいて、実際に聴いてみましょう。 
私なんかは「BADDEST(Ⅰ)」しかちゃんと聴いてないニワカファン(かどうかも怪しい)ですが、とにかく楽しい。 
特にDisc1の前から2/3くらいまでの、まさしく初期の「ヒットパレード」部分は、気をつけないと電車の中で一緒に歌ってしまいそうになるゴキゲンさ。
日本の歌手は(照れるのか?)曲中にスキャットとかあまり入れませんが、久保田利伸はそれを多用して、前後が日本語なのにちゃんとサマになってるのも良いです(オリジナル曲で久保田利伸以外にやるのは、原田真二と吉田美和と宇多田ヒカルくらいしか知らない。憂歌団とかブルース系の人はやるか!)。
そりゃまあ、シンセサイザーのきらんきらんした装飾的フレーズや、びょんびびょびびょびょん、というシンセベースには時代を感じないでもないですが、それでももちろん今聴いてかっこいいです。 


その後、「LA・LA・LA LOVE SONG」が出てくるまではちょっと地味な時間帯があります(Disc1の後半)。今聴くとちょっと自分の業界内の地位が定まりすぎてか、窮屈になりかけているところが見えます。「LA・LA・LA Love song」や「SUNShine,MOONLight」は売上的にも成功したと思いますが、音としてはそれまでの延長という感じです。それが「Cymbals」のあたりで一区切り付いて、「Sound of Carnival」から音が一気に今風になり、それ以降は、たとえば「平井堅の最近の曲だよ」と言われてもなんの違和感もない音になっていきます。 「LOVE RAIN~恋の雨~」は初期のパターンを持ちだしたファンサービス的作品か。


「THE Baddest~Hit Parade~」は、以前からがんばって買い揃えていた人が泣かないように、一部バージョン違いも収められています。 
すぐわかるのは名曲「Missing」がBaddest(1)ではフェイクバリバリの別録音だったのを、今回はオリジナル版(と思う)で収められています。ちなみに私は「BADDEST」版で覚えてしまったので、カラオケでやると(昔ね、昔)すごく陶酔して歌っているとよく勘違いされたんですが、参照したテキストが違ったんですよ、アンダスタン?



2011/12/04

JPN/Perfume

この次はDVD付きを買うぞ、と意気込んでいたPerfumeの久々のアルバムが出ました。
ただし買うには苦労しました。AmazonでDVD付き初回限定版が予約できないのです(一応商品は出てきて、クリックもできるんだけど予定数終了かなんかで予約が成立しない)。しかたないので発売日に銀座山野楽器へ行ってみると、普通に平積みされていました。これだけ買うの恥ずかしかったので、久保田利伸のベストと合わせて買ってきました(久保田利伸の話はまた今度)。 

いざ聴いてみると、たとえ音と名前は一致しなくても、半分以上はCMなどのタイアップでテレビから流れた覚えのある曲たち。
「レーザービーム」や「ねぇ」のような攻める感じの曲と「ナチュラルに恋して」や「微かなカオリ」などほんわかしたアイドル風とを行き来しながら進んで行き、ぼけーっとしてるうちに終わりまで聴いてしまいます。
「JPN」というタイトルもスケールが大きく、かつ「AKBやSKEやHKTなどの秋元康戦略の最終型(JPN48?)を見通して先を越してやった」かのようなネーミングでなかなか痛快(邪推です)。


さて、渡辺祐氏の週刊朝日での連載によると、「イマドキのオトナ世代にはアナログ右派的なサウンド志向の方と、YMO育ちでテクノポップ上等のデジタル穏健派が混在している」そうです。
二つに分けられてしまったら明らかに「デジタル穏健派」に入らざるを得ない私です(いやその中でも右派左派古典派があってさ…とか言い出すとキリがないんですが)。 


YMOの持っていた「かわいい」部分を取り出して女の子にパフォーマンスさせるやり方は、本家YMOのお三人さん自身の手によるものも含め、80年代にやり尽くされた感じがありました(「イエローマジック歌謡曲」の項でしつこく書きました)。そんな当時の商品を含めても、Perfumeのウェルメイド感は一頭地を抜いていると思います。 
それは歌ってる本人たちの現代的なリズム感にもあると思います。
これだけ声が加工されている中で「リズム感」と言っても証拠はないですが、テレビでのパフォーマンスを見ると、本人たちもやはりただもんじゃないと思います。
Perfumeは芸能人として突出したルックスではない(顔もそうだけど、DVDで見てると結構昭和な体型に見える、人もいる)ですが、歌声やパフォーマンスの中でちゃんと上品な色っぽさを醸し出しているのはプロとして偉いと思います。
また、「ポリリズム」の頃に比べると、声の加工もマイルドというか地声が類推できるような気がするレベル(といってもどれが誰かは分かりませんが)に少しずつ変わっていっているように聴こえます。ブレイクした頃の、アニメのキャラクターのような存在だったのを、二十代の女性に相応しい質感を徐々に付け加えていく戦略なのかもしれません。

ところで、Perfumeの黒幕である中田ヤスタカっていう人はWikipediaの記述が本当なら、まだ30歳そこそこ。なんでこんなに我々に懐かしさを感じさせつつ、古臭くない音が作れるのか?あまり使いたくない言葉ですが、「天才」としか思えません。
それこそ「YMO世代」の、テクノの来し方行く末をじーっと目を離さずに見つめ続け、その上特別才能がある人物が作ってるのなら納得ですが、30歳前後の若い人がほとんど一人で(しかも達者な歌詞まで)作ってるんでしょう?
すごすぎる!



2011/11/27

gift~あなたはマドンナ~(sings with EPO)/土岐麻子


化粧品キャンペーンソングだった土岐麻子のシングルについては、以前も項目を立てましたのでご用とお急ぎの無い方は参照してください。その時に「これはEPOバージョンも聴きたい」というようなことを書いたんですが、そんな私の希望・予測の「斜め上を行く」形でプロジェクトは進んでいたんですね。 

11月下旬になんの気なしにiTunesのトップ画面を眺めていたら、土岐麻子の新作として"sings the stories of 6 girls -EP"が表示されました。詳細を見てみると2曲目に「gift~あなたはマドンナ~(sings with EPO)」の文字が。 
sings the stories of 6 girls - EP - 土岐麻子

似ているところが多い二人があえて競演しているわけで、これは聴かないといけないでしょう?iTSの分類はEPとなっていますが、6曲入りのミニアルバムといって良い構成。6曲まとめてダウンロードして1200円。発売は2011年11月23日となっています。位置づけとしてはおそらくクリスマス・年末向け商品。 

通して聴いてもなかなかのものですが、とりあえず問題の「gift~あなたはマドンナ~」を聴いてみようではありませんか。 

オリジナルより少しテンポが遅く、楽器の構成もシンプルになっています。オリジナルが「CMトラックス」の頃のEPOで、今回はその後という感じ。 

最初は土岐麻子が通常通り歌い始めますが、コーラスの声などにじわじわとEPOの気配が漂い始め、Bメロでユニゾン、Cメロでハモリとなります。2コーラス目の前半はたぶんEPOで攻守が交代。CHEMISTRYのような役割分担ですね。 

元々歌い方が似ているので、どこからどこまでというのが分かりづらく、だまされているところもあると思いますが、EPOの方が母音の「e」や「o」の力が強く感じられるので、それを頼りに聞き分けます。 
それでも聞き取りは難しいのですが、似ているようで二人の違いってのはやっぱりあって、EPOが相変わらず学校の先生みたいなかっちりした透明感、空気感(ていうの?)を保っているのに対し、土岐麻子は若干軟派で下世話な雰囲気を持っています。この曲ではあまり感じませんが、土岐麻子のビブラートはどうかすると島倉千代子に聞こえることがあります。 

そんな微妙な芸風の違いのためなのか、Bメロのユニゾンはかっちり合ってなくて、前に聴いた「やもり」の二人のようなズレが発生しています。「やろうと思えばもっとキッチリ合わせられるんだけど、今回はこのくらいにしといたった」というポップスらしい姿勢であるかと思います。


2011/10/30

age/斉藤由貴

本来のタイトルにはフランス語風にaの上に"^"がついて、読みは「アージュ」です。 先日、何かの拍子に突然聴きたくなって、CDラックその他を捜索したんですが、引越しの時に捨ててしまったのか、どこかに二束三文で売っぱらってしまったのか、見つからずに(持っていたのは間違いないんだけど)iTunesでダウンロードしてきました。
   
ところが、なぜかこの「age」は「アルバムの一部」としか表示されず、同じアルバム名を持つ別々の曲群として販売されていました(アルバムとして一括購入できない)。 
なんで?とじーっとタイトル部分を見たら、なぜか7曲目がありません。そのため、このアルバム1枚分を落とそうと思うと、収録曲全部を1個ずつクリックせねばならず、しかも7曲目は無いままという、とても不満足な形での購入になります。

欠落している7曲目はアルバム中唯一、斉藤由貴自身が作詞した「あなたの存在」という曲。

本人が封印したとか、別の大人の事情があるのか知りませんが。
しかし、今でも大きいCDショップに行けば買える、紙ジャケ・HQCD版にはちゃんと収録されています。ということは、おそらくiTunes Storeとレコード会社側の情報伝達の齟齬かなんかだと思いますが、iTunesは結構こういうこと多いですね。っていうか、ダウンロード販売だからって手を抜かないで、サプライ側もショップもちゃんとやれよなー!

 斉藤由貴は、今でもほとんど印象が変わりませんが、田舎の学級委員長がまちがって芸能人になっちゃったような、若い時からおばさん臭い人でしたが、実はミスマガジン出身のグラビア系だし、スケバン刑事とか朝ドラとか芸能界のど真ん中をきょとんとした顔のままこなしてきた不思議な人。

歌手デビューしても、第一印象としては「あ、声出ない、下手」って感じだったんですが、実はこれが食わせ者で、同時期に歌い始めた菊池桃子が「下手そうで本当に下手」だったのと違って、変な表現力があるんですね。音程もずーっとフラット気味に聞こえるんですけど、作品が壊れるような外れ方はしない。似てる人をさがすと大竹しのぶとかすごい名前が出てきます。最近だと相対性理論のやくしまるえつこなんかもそうかな。 

さて、「age」は1989年と言いますから、バブルまっさかり&80年代アイドル歌謡の爛熟期で、それぞれが差別化のために凝った仕掛け作りに頑張りまくっていたころです。

宮沢りえが小室哲哉プロデュースで歌を出したり、工藤静香があの「あーらしをっおーこーして」とか歌ってたのがこの年(だったんだ。Wikipediaによる)です。

斉藤由貴はちょっとサブカル的方向に向かっていて、武部聡志や崎谷健次郎をスタッフに起用していました。斉藤由貴本人もたいした詩人なんですが、作詞は谷山浩子の印象が強いです。CMで流れた「土曜日のタマネギ」の評判がすこぶる良かったですね。
 
「age」はそれまで棒立ちで歌っているイメージだった斉藤由貴が意外なほど派手な振り付きで歌った「夢の中へ」と同時期に発売されました。「夢の中へ」は崎谷健次郎がプロデュースと編曲を担当していますが、「age」も全編・崎谷健次郎プロデュースで、エレクトロ・ポップなサウンドがほぼノンストップで最後まで続く意欲作です。今聴くとちょっと直球すぎるかもしれませんが、でもちゃんと楽しい。個人的にはM8.「雨色時計店」の、歌詞+曲+声のもつ雰囲気と、エレクトロニクスなバックとのミスマッチな感じがすごく好き。

 このアルバムに「夢の中へ」が収録されていないのは、同シングルとこのアルバムが同日発売だったので「棲み分け」のためらしいです。とはいえ、もう、発売から20年も経っていることですし、サウンド的にもつながっているのだから、iTunesStoreではぜひ今後、7曲目をきちんと入れて、10曲目を「LUCKY DRAGON(ServiceVersion)」から「夢の中へ」に差し替えた、「age(コンプリート版)」としてきちんとアルバムとして購入できるようにしてもらいたいと思います。
 

2011/10/09

Gold Skool/久保田利伸

久保田利伸の新作が出ていたので、半分懐かしい気持ちで買って来ました。

今やJ-POPの半分はイエロー・ブラックミュージックと言いたいような状況ですが、その最初のところに久保田利伸がいます。もっと前にRATS & STAR(シャネルズ)がいたよ、という人もいるかもしれませんが、あれはもっとオールディーズな感じで大滝詠一などの息もずいぶんかかっていたので、またちょっと別の話になると思うのです。

久保田利伸は80年代に「いわゆるブラック・コンテンポラリー」を日本でやり始めた人です。

当時はニューミュージックからの流れを汲むフォーク・ロックをベースにした大御所たちやバンドブームから生まれたロックバンドが幅をきかせており、ブラコンはそれほどメジャーな存在ではありませんでした。 久保田利伸が一般に注目されたのも田原俊彦の"It's BAD"という日本語ラップを大胆に取り入れた新曲の作曲者としてです。

「夜のヒットスタジオ」のマンスリーゲストとして"It's BAD"やオリジナルを披露したのが何時の事なのか覚えていませんが、あの一ヶ月で、おそらく彼の認知はものすごく広がったんだと思います。1989年に発売されたベストアルバム"the BADDEST"は我々当時の若者の必携CDとなり、ようやく普及し始め、やたら音飛びしてた車のCDプレーヤーで再生しながら眉毛を太く描いたおねいさまたちを送り迎えしたものです。

今さら演歌やベタベタの歌謡曲には行けず、かと言って根っからロックンローラーにもなりづらかった日本の若者を、昔から歌謡曲とも親和性が高かったブラックミュージックが受け皿になって、しかもその鉱脈はすごく太かった、ということです。

彼がメジャーになった後には、1990年にはドリームズ・カム・トゥルーがブレークしていますし、1993年にCHAGE and ASKAが「ブラコン作った」と"You are free"を出した頃には、J-POPにおけるブラックミュージックの影響は明白になりました。そして、1998年にMISIAがブレイクして以降の「R&Bの歌姫」乱立は今も続いています。

そういう意味で久保田利伸は日本のR&Bの元祖または本家であり、このジャンルの大御所として君臨してもいいはず。しかし、90年代の後半以降、アメリカに活動拠点を移してしまったためか、その功績や音楽性のわりに扱いが小さいように見えてしまうのは同年輩として不満なところです。

 さて、8月に出た最新アルバムである"Gold Skool"は"the BADDEST"や"LA・LA・LA LOVE SONG"以来目を離してしまったヌルいファンも優しく迎えてくれる 親しみやすいアルバムになっています。声はまったく衰えていませんし、あいかわらず歌詞が聞き取りやすい。あの頃好きだった久保田利伸が今もそこにいてくれますから、オジサンも安心して聴きましょう。

2011/08/21

どーも/小田和正

いつ聴いてもおんなじシリーズ第二弾(?)で小田さんも聴きました。
最新アルバム「どーも」です。

小田和正と山下達郎のどこが違うかっていうと、「根っからのミュージシャン度合い」でしょう。
小田さんはミュージシャン(芸人)としての自覚があまりない人です。

山下達郎は「Ray Of Hope」発売にあたって集中的にメディアのインタビューを受けています。その中では「現代のインターネットの影響下での音楽消費を考えると、ミュージシャンが楽曲販売によって収入を得るモデルは難しく、今後のミュージシャンは演奏会(ライブ)入場料を収入とする、原始的な方向に戻るのだろう(大意・確か上杉隆の番組でした)」と言っていました。
つまり現場でウケる力がある、ミュージシャンらしいミュージシャンの時代になるということでしょう。「ゆず」なんかは多分大丈夫。

さて、小田和正は山下達郎に比べると明らかに楽曲販売系アーティストであり、歌声以外のパフォーマンスについては若い頃から不問にされていました。
本来、小田さんは高学歴で運動神経も良く、なんでもできる人です。
音楽家として成功していなくても、例えばビフォーアフターで「空間構成の完璧主義者と呼ばれる匠」として登場していたかもしれないし、7時のニュースの中で自民党政調会長として民主党幹部と会談する映像が流れても全然違和感がない。
バブリーな言い回しをすれば「血中ミュージシャン濃度」がとても低いようにみえるのに成功している人(それだけ器がでかいんでしょうね)です。
もし小田和正が根っからの芸人で、そのプロ意識からくるサービス精神があれば、ハンドマイクを手にダンスしながら歌うぐらいしても良いと思いますが、彼はやりません。

ちょっと変わってきたのは、オフコース時代の完璧主義者、自分にも他人にも厳しくちょっと無愛想というキャラクター。歳を重ねてテレビにも少しは出るようになって「歌詞間違っちゃった」みたいな場面もみられるようになりました。
アルバムタイトルの「どーも」なんていうのも、最近のちょっとカジュアルな小田さん、のイメージからつけられているのでしょう。

聴いてみました。

うーん、ちょっと退屈。
少しずつフォークへ回帰しているのはここ何作か感じていましたが、ちょっと地味です。
音はシンプルになっていくのに演奏される楽器が匿名的になっているのは、オフコース時代の、顔なじみのメンバーで楽器を持ち替えながら作られていた音を知っている古いリスナーとしては、ちょっと寂しいですね。
一応、私みたいにいつまでもオフコースのイメージを追っかけてる連中向けに、「誰もどんなことも」なんていう「いかにも」な曲も混ぜてくれてはいるんですけど。
全体的に完成度はどんどん上がっていて、悪いところはなんにもないんですが、聴いていて興奮しないんです。

小田さんの万年青年な声と、おしゃれなメロディがあれば納得してくれるファンばっかりなのかなあ…。
(本当はもっと色々考えたんですが、めちゃくちゃ長文になったので、今日はここまで!)

2011/08/15

Ray OF Hope/山下達郎

山下達郎の6年ぶりの新作が発売になるよ、震災を受けてタイトルや曲目も変更したらしいよ、というニュースを聴いて、発売日に銀座山野楽器で買って来ました。山下達郎の「Ray Of Hope」。
オリジナルアルバムに限ると、私個人にとっては(前作の「SONORITE」をパスしてしまったので)、実に「Cozy」以来13年ぶり(!)の再会です。
もっとも日曜日のラジオはちらちら聴いているので、全く目をそらしていた訳ではないんですが。

さて、久しぶりな山下達郎は基本的にはやはりいつもと同じでした。
そして、いつもと同じなんだけど、今回は特に凄くいい!
理由のひとつは実質12曲(M1とM14はM3のリフレイン)ってことで長さと曲数が最適だってことです。

大滝詠一が「ナイアガラ・カレンダー」をして自ら「ポップスの定石集」と言っていましたが、それを真に受けてる私はポップスのアルバムは12曲くらいが最良と思ってます。山下達郎だって「人間が集中して聴けるのは昔のアナログ盤アルバム裏表くらい(大意)」、と言っていました。
とはいえそこはやっぱり今の世知辛い世の中、CDアルバムともなればパッケージに目一杯入るだけ曲を詰めて17曲入り70分!しかもその内の過半数はシングル曲、さらに8割はドラマとCMのタイアップ!とかにしておかないと商品にならないっていう話で。
でもそういうアルバムはスピーカーの前で正座して(しないけど)聴くにはツーマッチです。
私が前作「SONORITE」をパスしてしまったのも、前々作の「Cozy」が余りに盛り沢山で聴くのが大変だったのを思い出し、二の足を踏んだというのが大きな理由でした。

それが今作は、やっぱりタイアップはいっぱいのようですが、このご時世に敢えて出すことへの調整もあったのか、内容が凝縮され、一回聴いた後、また頭からリピートしたくなる腹八分目の快さが保たれています。
久しぶりに頭から尻尾までじっくりしゃぶりたくなるアルバム。
すでに何周目かなんですが、もう一度聴きましょう!

M1.希望という名の光(Prelude)
M3のコーラス部分のアカペラ版。終わった途端に「ふとふれーたゆびさーきにー」とか歌い出しちゃだめよ。
M2.NEVER GROW OLD
打ち込みベースにピアノの白玉コード弾きが重なって段々壮大になって行く、本編オープニングに相応しい曲。こういうのすぐ真似したくなります。「炎のランナー」とかをちょっと思い出す。
M3.希望という名の光
震災直後にラジオで流れ評判になったとされる曲。アルバムタイトルもここから。「蒼氓」方面の真面目なメッセージをテーマにした歌です。
M4.街物語(NEW REMIX)
マイナーな曲調だがギターがはねたリズムを刻む、いかにも山下達郎らしい曲。
M5.プロポーズ
メジャーとマイナーが入れ替わりながら淡々と進行するAOR的にオシャレな曲。
M6.僕らの夏の夢
力強い三拍子とサビからの盛り上がりが印象的。余計な想像だが、前の曲とこの曲は追っかけのコーラスとか入れて小田和正がやっても似合いそう。
M7.俺の空
「FOR YOU」なら「HEY REPORTER!」、「ARTISAN」なら「"Queen OF Hype" Blues」など、アルバムに定期的に加わるファンキー・ナンバーの系統か。今回はロック色が強くて、はっぴいえんどの「颱風」をすごい完成度にした感じ。こういう直截な怒りって、日本でももっといろんな人が歌っていいと思う。
M8.ずっと一緒さ
ビフォーアフター解決編なイントロから定番のベースラインでじっくり聴かせます。「ゲット・バック・イン・ラブ」とかの感じですが、内容はハッピーなことを歌ってます。
M9.HAPPY GETHERING DAY
M4と違って今度は明るい進行のシャッフル。楽しい、可愛い。途中で「キャンディ」や「恋の予感」を思い出しちゃうニューミュージックな自分が嫌。
M10.いのちの最後のひとしずく
タイトルと歌詞を見るとすごい歌謡曲、な感じですが、もちろんそんなことにはなりません。「Endless Game」よりずっとドライ。
M11.MY MORNING PRAYER
来たあー!夏だ、海だ、タツローだ!いや、歌詞はうんと真面目で海の歌でもないですが、こういう曲調のが入ってるとうれしいですね。
M12.愛してるって言えなくたって(REMIX VERSION)
ラストに向かう王道バラードです。前の曲で踊ってた人も座ってじっくり聴きましょう。
M13.バラ色の人生~ラヴィアンローズ
アンコール的位置づけのアカペラによる超有名曲のカバー。いいなあ、うまいなあ!
M14.希望という名の光(Postlude)
そしてまた荘厳なアカペラ。フェイドアウトするとまた1曲目から聴き直したくなる。

今回はあえて過去の曲をたくさん引き合いに出しました。
山下達郎はいつ聴いても同じであって同じでない。
まず前提として引き出しがものすごくたくさんあって、その中でいわゆる達郎サウンドとしてお馴染みなパターンがいくつかがあるんですが、じゃあそのパターンがいくつって言えるかというと、それが難しい。しかも完成度がどんどん上がってくるからケチがつけられません。
特に今回は、音としてはとてもシンプルなんだけど、そのアンサンブルがかっこよくて、真似ができそうで目指すと道果てしないという意地悪なことになっています。音楽の道は険しい、私はもう15年も休憩しています。

Mine or Yours/宇多田ヒカル

ベストアルバム"SCIENCE FICTION"を買った後しばらくぼーっとしていましたが、5月になった途端にYouTubeでライブ配信的なものを見かけました。配信は途中から見たのですが、過去のMVが次々流れていて、いつから新作発表になるのかわからず、見るのやめ...