2013/09/15

恋するフォーチューンクッキー/AKB48

AKB48のことは、そりゃまあ嫌でも目に入ってきます。
何年か前に一般的に売れてきた感じがしたときに、どんなもんじゃろかいなと思ってiTunesで「ポニーテールとシュシュ」という曲をダウンロードしてみましたが、やたら派手な音に訥々とした(?)歌が乗っかっていて、おニャン子時代のクォリティから進歩しているようには聴こえませんでした。私の年代的にもあまりに守備範囲外でもあるわけで、その後はテレビに出てきたときにぼーっと見ている、という立場でした。
そのうちテレビ以外の媒体でも見かけるようになって、会社の美人お局さん的な篠田麻里子という人と、ちっこいのにやたら化粧とか頑張ってる板野という人だけわかるようになりましたが、相変わらずテレビにごちゃごちゃと出てくる画の中では「触覚みたいな髪型をした、魚っぽい顔の女の子がたくさんいる集団」としか思っていませんでした。

一昨年くらいでしょうか、その魚群の中から「指原」という変わった名字の女の子がよくテレビに出てくるようになりました(ポニョか!)。ところがこの人、アイドルグループにいながら「カワイコちゃん」扱いされない変な存在で、しかもやっと顔を覚えた(あまり特徴がないので覚えづらい)頃には週刊誌に醜聞をバラされて福岡に放逐されるとか言っているわけです。
ところがこの指原嬢、地方に左遷(?)されてからもメディアの露出が減るでもなく、テレビタレントとしての存在感をどんどん増していき、とうとう年に一度のグループ内人気投票で1位になってしまいました。
私は若いころに読んだ小林信彦の小説「怪物がめざめる夜」をなんとなく思い出しました。


さて、そんな、もしかしたら怪物かもしれない存在を「センター」に、最近のAKB48がテレビで歌っているのが「恋するフォーチューンクッキー」です。

テレビの音楽特番で初めて見ましたが、「え、今どきこれでいいの?」と思うようなぼんやりした曲に聞こえました。特にテンポが今どきめずらしいほど遅く聞こえました。
ところが2回目に別の番組で見たら、やたら頭に残るんです。何が気になるのかわからなくてYouTubeとかで探して見てたり、ネットのコメントで「フィリー・ソウル」なんて単語にぶち当たると、ピーター・バラカンの「魂(ソウル)のゆくえ」を買ってきて読み、スタイリスティックスのお勉強などもしてみました。


そして、とうとうiTunes解禁の日にはダウンロードして聴くところまで来てしまいました(あちゃー)。

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さて、BOSEのパソコン用スピーカーで聴いてみると、ああやっぱりいいんですね。難しいことをなにも考えずにボケーッと聴いていられます。AKBの歌唱はまあ、感心するほどではありませんが、オケがカッコイイです。

フォーマットとしてはモータウンなどのソウル・ミュージックの翻案であり、それこそ私が小・中学生の頃に歌謡曲としてさんざんやられていたもののはずです。
「ゴールデンハーフのロコモーション」とか、「セクシー・バス・ストップ」とか、ひょっとするとキャンディーズの歌ってたプロポーズ大作戦のテーマソングなんかも思い出してしまいます。あー懐かし!

でも、実は当時のテレビ経由では、こんなに上手くソウル・ミュージック風のノリを実現したものは聴けなかったと思います。なにより当時の家庭用再生装置が、小径のモノラルスピーカーしか搭載されていないテレビでしたから、バックの演奏はラッパと弦の音ばっかりでベースやドラムの音なんてあまり聴こえませんでした。結局我々は「歌」しか聴いていなかったわけです。
一方、当時の演奏者はテレビ局が契約しているビッグバンドのプロフェッショナルでしたから、高いレベルでの解釈ができていたのかもしれませんけど、本当のところはどうだったのでしょう?

まあ、そんな懐かしのソウル・ミュージック風歌謡曲が、すっかり進歩した音響技術と、積み上げられた知識や演奏技術を使って今、よりによってAKB48の名の下でやり直されたのは、うれしいような悲しいような。しかも聴くとちゃんと楽しいというのも困ったものです。
私が好きなのは、2番が終わった後の間奏で転調して、「お、AKBも転調するんだ」と思っていると、最後のサビを歌い出す手前でガクンと元に戻るところです。大滝詠一もよくやりますよね。

↓何種類あるんだ…

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