2013/09/08

潮騒のメモリー/天野春子(小泉今日子)

今年の夏はいつになく仕事が忙しく、夏休みもぐったりして終わってしまったので、当ブログも更新できず。たいして高度なことも書かないのに、なんでこれくらいのことができなくなってしまったのでしょうか?

9月になりましたので、心機一転して、気になる音楽について書いていきたいと思います。

こちら、iTunesでダウンロードしてきた天野春子こと小泉今日子の「潮騒のメモリー」。NHK朝ドラの重要な劇中歌です。
(iTunesへのリンク↓)
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ああ、それにしてもこのブログで小泉今日子の話を2回も書くことになろうとは!

私は会社勤務なので、朝ドラは見られないのですが、なぜか仕事で会う人々の間では「あまちゃん」大人気&「じぇじぇじぇ」おおはやり、となっていまして、今年の秋のイベントの出し物作りの必須項目ということがわかり、慌てて夜中に放映されたダイジェストを録画し倍速再生で視聴しました。よっしゃぁ、だいたい分かったぁ(ずももももぉぉ)。

だいたい分かった範囲で述べますと、この曲は薬師丸ひろ子演ずる元アイドル女優が、歌が壊滅的に下手くそだったために、若き日の小泉今日子演じるアイドル志望の女の子が影武者として歌った曲、という設定。発売は1985年頃らしい。
本当の85年頃のヒット曲をWikipediaで見てみると「ジュリアに傷心」「ミ・アモーレ」「恋の予感」、斉藤由貴(と菊池桃子も、か)の「卒業」などが流行っており、小泉今日子本人は「The Stardust Memory」を歌っています(薬師丸ひろ子は「あなたを・もっと・知りたくて」を歌ってます)。ふんふん、思い出してきた。ちなみに松田聖子は「天使のウインク」を歌っていたんですね。

この頃の私はまだ大学生で、今から考えられないくらい精神的に余裕があったから、ぼーっとしてるだけで流行りの音楽は頭のなかに入ってきていました。
じゃあ、そんな私が聞いて「潮騒のメモリー」が85年っぽいかというと、やっぱりぜんぜん違うよなーって感じ。

まず、曲の芸術性が高すぎ。
(ハ長調で書くと)レミドレミドシドレミドというメロディがテーマになっていて、それがどんどん発展していくような曲で、しかもバックのアレンジと同時進行しながら作っている感じがします。「潮騒のメモリー」は楽典に詳しい音楽家の仕事です。
85年当時のアイドル女優の映画主題歌であれば、いわゆる「ニューミュージックのアーティスト」に発注したと思われ、彼らが作る曲は(その後プロフェッショナルなアレンジャーの手が加わったとしても)こういう曲にはならなかったと思うんです(もし似るとしたら尾崎亜美くらいかなあ)。

さらに、もっと時代の違いが顕著なのは日本語の載せ方。
「てい・きぁ・つに」「しおっ・さ・い・の」「さよ・な・らーもぃ・わーず・に」など、大きい音符にぐちゃっと日本語を押し込んで、しかも発音がリエゾンぽくなるのはミスチル以降、90年代以降の載せ方です。80年代なら8分音符をずらーっと並べて「て・い・き・あ・ー・つ・に・の・ぉっ・てー」「し・お・さ・い・の」「(休)・さ・よ・な・ら・も・いー・わ・ぁず・に」じゃないかな?

宮藤官九郎が5分で書いた、といわれる歌詞も相当すごいこと言ってますが、ドラマの中の世界で登場人物が納得していれば別にいいわけです。「一応設定がそうなってる」だけで、いざ、現実世界で消費しようとすると、「潮騒のメモリー」は80年代アイドル歌謡の再現なんかでは全然ない、独立した現代の音楽作品です。
そしてやっぱりそれでいいんだなぁ、というのが最終的な感想。

時代考証を突き詰めるなら、80年代に詳しい人なんてまだいくらでも生きているし、「あの頃の感じで」と発注すればもっとそれらしい曲を作ることができたと思いますが、それでどうなる?やっぱり止めて正解か。

結果として、この曲だからこそ、小泉今日子も新鮮な気持ちで歌えたんじゃないでしょうか。


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