「シフォン主義」、「ハイファイ新書」ときて、次はどんなダジャレタイトルになるのかと楽しみにしていたところ、途中で近田春夫とか渋谷慶一郎が絡んできて、今度はこのまま解体するのかしらと思ってたらちゃんと3作目のアルバムが出てきました。
「シンクロニシティーン」はダジャレなのかどうかも分からないくらい微妙なタイトルですが、「シフォン主義」以来のリスナーを切り捨てない、相対性理論らしいアルバムになっています。
ただし、「シフォン主義」→「ハイファイ新書」で見られた音のノーマライズというかソフィスティケートというか、普通の商品的な音に近づこうとするベクトルはそのままで、今回は「ハイファイ新書」のバックの音に音圧が増したやくしまるえつこの声が載っている、という出来上がりになっています。以前はカヒミ・カリィ並みに消え入りそうだった声のゲインが上がって、もともとやくしまるえつこは下手そうで下手でない、字義通りの「へたうま」でありましたが、曲によってはYUKIに似ているくらい声が前に出てきています。こうなってくると私なんかは、昔の(熱心なファンほどショックを受けて、今ではなかった事になっている)太田裕美・ニューウェイブ路線をちょっと思い出します。
それと同時にたぶん過去2作では聴かれなかった、「リードボーカリストの多重録音によるコーラス」が採用されました。先行配信された「ミス・パラレルワールド」で「ぱられるぱられる…」とハモっているところなどですね。
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相対性理論というバンドがどのくらい長くやる気があるのか全く見えてなかったんですが、こうして音楽教室のクラスをだんだん上がっていくように新しい要素を付け加えていけば10年くらいはできるような気がしてきました。ピアノ1本、ギター1本のオフコースが最後はTOTOかジェネシスそっくりになったように…。
逆に言えば相対性理論はバンドやりたいアマチュアにとって、絶好のテキストになるとも言えます。今ならまだ素人でも耳で拾える。ドラムは難しそうだけど、それ以外は頑張ればなんとかなりそうじゃないですか。
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