2024/12/31

世界デビューしました

 2024年も大晦日になってしまいました。とうとうレコード大賞もまったく見なくなったなあ。もうテレビはほとんど見なくなってしまい、退職金で買った大型画面テレビはもっぱらYouTubeをぼんやり見るだけの機材になってしまいました。まあ最近のYouTubeは画面きれいだけども。

 さて、営業職をやってきてよかったことのひとつとして、会社の中だけでなく、違う組織の人とつながりができることによっていろんな知識とか物の見方に触れられることがあります。まあ、営業職ってのは心が削られる場面も多いので特におすすめもしないし、そもそもどういう人なら適性があるのかわからない仕事ですけどね。

 さて、そんな社外人脈の中で干支二回りくらい若い人と喋っていたら、「自分の音源をアップロードすれば音楽配信ができる」という話題になりました。聴いた話を元に調べてみたところ、"Tune Core"というサービスにショバ代を払うと、Apple MusicやSpotifyをはじめとする大手音楽配信サービスにオリジナル曲を登録できることがわかりました。

 考えてみればYouTubeなんかはまったくお金を払わずに音声ファイルの何倍もでかい動画ファイルを一般人が好きなようにアップロードできるようにしているわけだから、ありそうな話ではあります。まあ、楽曲配信となれば著作権だの対価の授受方法などはきっちりしないといけないのは当然ですけど。

 私は1980年代の学生時代から、当時の友人と素人丸出しのままオリジナル楽曲を作っていました。今思うと時代がよかったんですね。

 ちょうど私が成人して少ししたころ頃、パソコンソフトとして「レコンポーザー」とか「シンガーソングライター」を代表にしたMIDIシーケンサーソフト、YAMAHAやカシオのミニ鍵盤シンセサイザーやら707やら808やらが発売される一方、裏表合わせて4トラックのカセットテープを一方通行で使い、4chマルチトラックレコーダーにした機材がティアック(ブランドはTASCAMか)あたりから比較的安価で発売されるようになりました。それらの機材がそれぞれ10万円まで出さなくとも買えるとあって、DTMの真似事が趣味の範囲でできるようになっていました。

 ギターは歌伴専門(コード知ってるだけ)、ドラマーの知り合いもおらず、いわゆる「当方ボーカル。ギター、ベース、ドラム、キーボードのメンバー募集中」のような境遇でもオリジナル作品が作れる。これはやるしかなかった。

 当時の主な機材とはYAMAHA V50、TASCAMの4chMTR(dbxノイズリダクション搭載)、Hi-Fiビデオデッキ(マスター用)、PCにインストールした"Tool de Music Lite"など。もう一人の作曲担当だった友人はMac使いでしたが、ソフトは何使ってたんだろう?とにかく、それぞれがPCやキーボードで作ったカラオケで2ch使い、それにギターとかを足してHiFiビデオにトラックダウン。もう一度4chのテープに戻してボーカルやらコーラスやらを追加するという、アナログとデジタルのハイブリッドでマスターを作りました。

 もう当時のメンバーとは連絡も途切れがちなので1995年に4名でコラボしたアルバムの中から自分一人で作った曲を選んで音楽配信をしてみました。ご用とお急ぎのない方はストリーミングで結構ですので聴いていただければ幸いです。今日現在では2曲を配信をしていますが、もう1曲くらい追加するかもしれません。まあ家賃がかかるのであまり広げられませんけど。

 最初にアップした曲は歌詞の内容とか2番の後で大サビが来る構成とかが「ル・クプルの『ひだまりの詩』そっくりじゃん!」と思う方がいるかもしれませんが、ふっふっふ、私の方が2年早く作ってますので決してパクリではありません。残念ながらそれくらい平凡な才能であるということですが。

ストリーミングへのリンク
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2024/06/05

放生会/椎名林檎

最近は時計代わりの早朝1時間くらいしかテレビを見ないのですが、そこで流れた芸能ニュースで見かけたのが本作品。

椎名林檎が新しいアルバムを出すよ、半分くらいはゲストとのコラボ曲が収録されていますよ、とのこと。企画ものって感じなんでしょうか?そういや昔、安室奈美恵が似たようなことをやってたなあ、確かここにも書いたよなあ、と思って検索してみたら2011年の今頃の季節にアップした"Checkmate!"というのが出てきました。そうそう、DOUBLEの人とか山下智久とかが参加しているアルバムです。そうか、東日本大震災のすぐ後くらいに出てたんですね。

まあ、どっちの人にも怒られると思いますが、この2作品ともテイストが似ています。場所前に有力力士相手にちょっと番数こなして稽古を頑張っている感じの大横綱感といいますか。ちなみに三役と幕内上位を行き来しながら頑張るベテランよろしく、13年の時を跨いでどちらにもAIが参加しています。

宇多田ヒカルが動けば椎名林檎も動く、東芝EMI同期の絆は続いていて「放生会」には、新曲ではないけれど宇多田ヒカルとの「浪漫と算盤」のバージョン違いも収録されています。

Apple Musicで全曲聴けてしまうので、ライナーノーツも見ていない。オフィシャル・ホームページにもさほど詳しい裏話的なことは書いていないので企画意図等はよくわかりません。余談ですが、iPhoneの音楽アプリで「クレジットを表示」を見ると、演奏しているメンバーとかもちゃんと載ってるんですね。昔は歌詞も含めてろくな情報が載っていませんでしたが、ようやく中身がデータベースフォームに追いついてきたってことでそれは良いことですね。

さて、私は椎名林檎はあまりちゃんと(アルバム単位で)聴いたことがないです。もちろん名前も曲も少しは知っているし、嫌いじゃないけど。特にここ10年くらいどんな作品を作っているのかはほぼノーチェックでした。今となっては初期と言っていい「本能」や「真夜中は純潔」のビデオなんかは見ていましたけどね。紅白歌合戦によく出てきてくれるので、年に一度くらいは歌声は聴いていましたが、新曲を歌うとは限らないので20年くらい前の印象で固まっています。宇多田ヒカルもそうですが、もともとシンガー・ソングライターなんで歌謡曲歌手のようなあっと驚くイメージチェンジやらジャンル変更などはないのかもしれませんけど。

で、「放生会」を何周かイヤホンで聴いてみた印象ですが、1990年代以降のJ-POPや渋谷系を通った上で、今の椎名林檎は「ハイパー歌謡曲」になっているのだなあ、と思いました。昭和歌謡から続くオーケストラ、ジャズバンド的な演奏に載せてミスチル以降顕著になった日本語リエゾン(?)的な歌詞の載せ方(母音の意識的削除とか)、渋谷系のようなオールディーズの引用、オマージュがすべて備えられ、そして現在のイヤホン視聴に耐えられる音色、音質の調整が施されています。

ついでにちゃんと聴いたことがなかった「勝訴ストリップ」も続けて聴いてみましたが、椎名林檎もデビュー時にはすでに歌い方が完成していたんだなあ、と変な感心も。

Amazonへのリンク

Apple Music

2024/04/21

SCIENCE FICTION/宇多田ヒカル

前回の更新から2年近く経ってしまいました。その間に会社を定年退職したり引っ越ししたりで自分のことで精一杯でしたが、まあ晴れてほぼ自由の身(経済的にはどんどん不自由になるわけですが)ということで、これからは身バレしようが炎上しようが誰にも迷惑がかからないことになっています。

さて、今回は宇多田ヒカルの25周年記念・初ベストアルバム"SCIENCE FICTION"です。昔出してたシングルコレクションは年代で区切られているから、公式オールタイムベスト盤はこれが初めてってことなんですね。

新曲が1曲なので、それ以外はすでにライブラリーに読み込み済みのはずなんですが、そういえば最近物理ディスクは購入していなかったのと、たぶん無理だけど今年のツアーの優先購入枠に申し込めるということなので、初回限定版をアマゾンで注文しました。昔のLP盤ほどではないけどやたらでかい包装で届いてちょっとびっくり。とりあえず飾ってみましたが、ほこりが付きそうなのでどうしようかな?

宇多田ヒカルについては毎回タイトルを深読みしてしまいますが、今回の"SCIENCE FICTION"というのもいろいろ考えさせられますね。つまり”SF”でしょ?

一説にはすでに死んだジャンルとも、死んだのではなく普遍化したとも言われる「空想科学小説」をなぜタイトルに?

もともと帰国子女どうのこうの関係なく、同世代の一般人(というか我々おっさん世代も含め)と比べても桁違いの読書家だった宇多田ヒカルが、SFについて一家言持っていないはずがなく、ただ新曲が"Electricity"というちょっと「ぽい」タイトルだから、みたいなオチでは絶対ないはずです。何が言いたいのかなあ?

さて、中身の話です。もちろん買って損するようなものを発売するはずがない(かつてコピーガード付きCDという醜悪なメディアがありましたが、彼女は一貫してコピーガイドCDは販売しなかったので信用している)。全26曲のうち、再録音が3曲、リミックスが10曲、新曲が1曲なんで半分は持ってないトラックが入っていて通常盤4400円だから元はとれる(?)ようになっています。もはや純粋なCD再生装置を持ってないので早速iMacに取り込むとApple Musicのドルビーアトモス、ハイレゾロスレスで聴けるようになりました。

リミックスというと20世紀の終わり10年くらいからやたら流行って、当時は昔のカラオケをダンスミュージックっぽくしてみました、みたいのが多かったような印象です。録音し直ししたものでもジュディ・オングの「魅せられて」みたいに昔のオーケストラの方がカッコよかったのに腰砕けなテクノ歌謡になっちゃった例があるので心配でしたが、そのような蛮行はなくてよかった。

リミックスや再録音の対象になっているのはデビューから長期休養前に発表されていた作品です。聴いてる素人からすると古くなっているとも思っていないけれどなんだかんだ最大25年の時を経ているわけだからサウンド的に統一感がなくなりそうな部分をアルバムトータルで調整したのかな?と思っています。再録音されたものも歌い方がすごく変わっているわけではなく、その意味ではデビュー当時からめちゃくちゃ完成されていたことがわかって、逆に怖いくらいです。ただ、再生装置やApple Musicの処理またはミックスの違いかはわからないけれど、多重録音されたコーラスひとつひとつがよりはっきり聞こえてきて、味わいが増した気がします。

そんなわけで選曲にしろ曲順にしろ、このアルバムをどう聴かせるか、ということがちゃんと考えられたアルバムになっていると思うので、今まで追っかけていた人もここでひとつアルバムで購入するのはアリだと思いました。

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世界デビューしました

 2024年も大晦日になってしまいました。とうとうレコード大賞もまったく見なくなったなあ。もうテレビはほとんど見なくなってしまい、退職金で買った大型画面テレビはもっぱらYouTubeをぼんやり見るだけの機材になってしまいました。まあ最近のYouTubeは画面きれいだけども。  さ...