2024/06/05

放生会/椎名林檎

最近は時計代わりの早朝1時間くらいしかテレビを見ないのですが、そこで流れた芸能ニュースで見かけたのが本作品。

椎名林檎が新しいアルバムを出すよ、半分くらいはゲストとのコラボ曲が収録されていますよ、とのこと。企画ものって感じなんでしょうか?そういや昔、安室奈美恵が似たようなことをやってたなあ、確かここにも書いたよなあ、と思って検索してみたら2011年の今頃の季節にアップした"Checkmate!"というのが出てきました。そうそう、DOUBLEの人とか山下智久とかが参加しているアルバムです。そうか、東日本大震災のすぐ後くらいに出てたんですね。

まあ、どっちの人にも怒られると思いますが、この2作品ともテイストが似ています。場所前に有力力士相手にちょっと番数こなして稽古を頑張っている感じの大横綱感といいますか。ちなみに三役と幕内上位を行き来しながら頑張るベテランよろしく、13年の時を跨いでどちらにもAIが参加しています。

宇多田ヒカルが動けば椎名林檎も動く、東芝EMI同期の絆は続いていて「放生会」には、新曲ではないけれど宇多田ヒカルとの「浪漫と算盤」のバージョン違いも収録されています。

Apple Musicで全曲聴けてしまうので、ライナーノーツも見ていない。オフィシャル・ホームページにもさほど詳しい裏話的なことは書いていないので企画意図等はよくわかりません。余談ですが、iPhoneの音楽アプリで「クレジットを表示」を見ると、演奏しているメンバーとかもちゃんと載ってるんですね。昔は歌詞も含めてろくな情報が載っていませんでしたが、ようやく中身がデータベースフォームに追いついてきたってことでそれは良いことですね。

さて、私は椎名林檎はあまりちゃんと(アルバム単位で)聴いたことがないです。もちろん名前も曲も少しは知っているし、嫌いじゃないけど。特にここ10年くらいどんな作品を作っているのかはほぼノーチェックでした。今となっては初期と言っていい「本能」や「真夜中は純潔」のビデオなんかは見ていましたけどね。紅白歌合戦によく出てきてくれるので、年に一度くらいは歌声は聴いていましたが、新曲を歌うとは限らないので20年くらい前の印象で固まっています。宇多田ヒカルもそうですが、もともとシンガー・ソングライターなんで歌謡曲歌手のようなあっと驚くイメージチェンジやらジャンル変更などはないのかもしれませんけど。

で、「放生会」を何周かイヤホンで聴いてみた印象ですが、1990年代以降のJ-POPや渋谷系を通った上で、今の椎名林檎は「ハイパー歌謡曲」になっているのだなあ、と思いました。昭和歌謡から続くオーケストラ、ジャズバンド的な演奏に載せてミスチル以降顕著になった日本語リエゾン(?)的な歌詞の載せ方(母音の意識的削除とか)、渋谷系のようなオールディーズの引用、オマージュがすべて備えられ、そして現在のイヤホン視聴に耐えられる音色、音質の調整が施されています。

ついでにちゃんと聴いたことがなかった「勝訴ストリップ」も続けて聴いてみましたが、椎名林檎もデビュー時にはすでに歌い方が完成していたんだなあ、と変な感心も。

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