2010年もっとも成功したJ-POPのバンドのひとつ(便利なので翻訳調w)、いきものがかりのBESTが友人から回ってきたので聴かせていただきました。今日はその感想文です。
「いきものがかり」についてはまだこのブログを始めていなくて、「はてなダイアリー」に音楽の話からPalmの話までなんでも書いていた頃に、批判的に書いた覚えがあります。あーこれだ→決して悪口というわけではなく(2006年5月4日)
SAKURAは彼らのメジャーデビュー曲ということで、もちろんこちらのBESTにも入っていますが、私はこの曲を当時通っていたテニス教室のBGMとして毎週聴いてて辟易してたので、かなり好き放題書きました。だって、あまりにも80年代ニューミュージックだったんだもの。どうして21世紀に新しく出てきた人から、僕らが若い頃やってたフォークソングに毛の生えたような音楽を改めて聴かされなきゃいけないんだ、という中年としての怒りというか、遺憾の意を表明したわけです。こんなんだったら俺、自分でやるわ、みたいな。
去年、「ゲゲゲの女房」の主題歌として国民的愛聴曲となった「ありがとう」まで久しくそれと意識して聴くことはありませんでしたが、このBESTはその間の彼らの活動を網羅しているようなので、iTunesに取り込んで何往復か聴いてみました。
コアとなるメンバーはボーカルの女性と、エレキギターとアコースティックギターの男性二人。二人とも曲を書くが、シングルは基本的に一人が担当しているとのこと。エレキギターと生ギターのからむフォークロック的サウンド、女性ボーカルはクセがなく、歌詞も聞き取りやすいので嫌われる要素はとても少ない。NHKが使うのもよく分かります。日本人の音楽偏差値48~52くらいのところにかっきり合わせた作風は、老若男女どこからも支持を得られるようになっています。
逆に言うと、二十代にしてこの毒気の無さは、ここから先の化ける要素を見つけづらく、本当にこれでずっとやっていくのかい?という疑問がわきます。
たしかに我が同世代から上のミュージシャンは洋楽を意識しすぎてかなり恥ずかしいこともやってきたけれど、それで進歩してきたことも多いわけです。「いきものがかり」にはそういう洋楽崇拝的な部分がほとんど感じられません。「いきものばかり」に収録された29曲はほぼすべて過去のJ-POPの資産だけで再生産されています。もう洋楽から拝借して曲を作らなくても、生まれた時から聴いてきたJ-POPからの影響だけで十分曲作りができる時代になったのかもしれません。
思えば私なんか洋楽に関しては当時も今もほとんど無知なんで、曲作るときに当時のニューミュージックの優等生たちを参考にしていました。その当時はまだ元ネタの数も限られていましたが、そこから20年経ってJ-POPにもそれだけの歴史が出来、資産も十分貯まったんだ、ということなのかも。最近はやりの言い方をすれば「ガラパゴス化」ってことでしょうか。それは悪いことでは全然ないのですが、これから出てくる若い人が全部がそうなっちゃうと困るね。
2011/02/12
2011/02/05
Gift~あなたはマドンナ~/土岐麻子
2010年、私の心のベストアルバムだった「乱反射ガール」の土岐麻子の新曲です。
昨年、「乱反射ガール」を聴いてすぐの当ブログで「一番売れてた頃のEPOみたい」とか書きましたが、なんのことはない、この曲はそのEPOの書き下ろしとのこと。EPOがこういうコマーシャルな曲を作るのも久しぶりな気がします。ここ十何年か、オルタナティブな感じになってましたからね。
そして、この曲はもう完全に80年代のEPOのイメージそのものです。ほんとに書き下ろし?JOEPOとかに入ってなかった?てなもんで。
「シュペリエル」と辞書を引かなきゃいけないカタカナ語(フランス語で「上」のことだそうだ。用例:「おばちゃん、俺、天丼のシュペリエルね!」)がキーワード(この曲が使われてるCMの商品名にかかってる)になってるところとか、2コーラス終わったところでちょろっと違うメロディが入るところなんか、なつかしくて涙が出そう(出ないけど)。
一方、歌い手の土岐麻子は「乱反射ガール」でも同じなんですが、「シュペリエルな」が「しゅぺりえるんな」に聞こえるちょっとしたクセがあって、それがただキレイキレイのおしゃれなポップスからちょっとだけはみださせるフックになっています。EPOが自分で歌うバージョンがあれば、また違った味わいがあるでしょうね。そっちもぜひ発表して欲しいものです。
昨年、「乱反射ガール」を聴いてすぐの当ブログで「一番売れてた頃のEPOみたい」とか書きましたが、なんのことはない、この曲はそのEPOの書き下ろしとのこと。EPOがこういうコマーシャルな曲を作るのも久しぶりな気がします。ここ十何年か、オルタナティブな感じになってましたからね。
そして、この曲はもう完全に80年代のEPOのイメージそのものです。ほんとに書き下ろし?JOEPOとかに入ってなかった?てなもんで。
「シュペリエル」と辞書を引かなきゃいけないカタカナ語(フランス語で「上」のことだそうだ。用例:「おばちゃん、俺、天丼のシュペリエルね!」)がキーワード(この曲が使われてるCMの商品名にかかってる)になってるところとか、2コーラス終わったところでちょろっと違うメロディが入るところなんか、なつかしくて涙が出そう(出ないけど)。
一方、歌い手の土岐麻子は「乱反射ガール」でも同じなんですが、「シュペリエルな」が「しゅぺりえるんな」に聞こえるちょっとしたクセがあって、それがただキレイキレイのおしゃれなポップスからちょっとだけはみださせるフックになっています。EPOが自分で歌うバージョンがあれば、また違った味わいがあるでしょうね。そっちもぜひ発表して欲しいものです。
2011/01/30
Hands/Little Boots
こちらも久しぶりの更新です。2011年最初はめずらしく洋楽の話を書きます。
Little Bootsというイギリスの若い女性によるテクノポップ(でいいののかな?)。
売れてるのか売れてないのか?日本にどのくらいファンがいるのかも分かりません。とりあえず、本日現在で日本語版Wikipediaには項目がないことは確かです。英語版Wikipediaによると1984年5月生まれだそうなので、26歳かぁ。若いなあ…
こと洋楽に関してはすこぶるアンテナの低い私が、なぜ彼女のことをしったかというと、今、YAMAHAが売っている"TENORI-ON"という楽器のホームページに彼女がその使い手としてインタビューを受けていたからです。→YAMAHAのページ
TENORI-ONというのは、内蔵されている音を適当にいじりながら演奏する電子楽器で、見た目がユニークでそれなりにステージ映えもするよ、と先日も銀座の店舗でデモンストレーションをやっていました。
iPhoneのアプリにも似た様な画面デザインの安価なアプリがありますが、おそらくもっと自由度があって、ハードウェア的にもしっかりつくってあるのでしょう。7万円を超える価格がついています。
Little Bootsちゃんは、それを使って、このビデオのようなパフォーマンスをやっているのです。
こういう若くてかわいい女の子がこんなオタク臭い楽器を嬉々としていじっているところを見るとすっかりうれしくなってしまい、無条件で応援したくなりました。(おじちゃんはね、おじちゃんはね、みたいな感じもw)
さて、作品の方です。
表題の"Hands"はアルバムタイトルで、iTunesではなぜか曲数違いで同じタイトルのアルバムが2種類買えるようになっています。私は根気の無いタイプなので、曲数の少ない12曲入りの方をダウンロードしました。
アメリカ風の隙のないブロデュースとは違う、良い意味で粗い感じの仕上がりは、なんとなく製作過程が透けて見えるようです。
私はこういうのの方が好き。バリバリのダンスミュージックというよりももうちょっと泥臭く、80年代のガゼボとかをちょっと思い起こさせます。平沢進とか好きな人も全然オッケーだと思います。あ、あと懐かしの"dip in the pool"に似てるかも。
歌はむちゃくちゃ上手い感じでもなくて、レベル的にはJ-POP並みですが、私にはかえって聴きやすく、また新しいのが出たら買っちゃおうかな~と思っちゃいました。

Little Bootsというイギリスの若い女性によるテクノポップ(でいいののかな?)。
売れてるのか売れてないのか?日本にどのくらいファンがいるのかも分かりません。とりあえず、本日現在で日本語版Wikipediaには項目がないことは確かです。英語版Wikipediaによると1984年5月生まれだそうなので、26歳かぁ。若いなあ…
こと洋楽に関してはすこぶるアンテナの低い私が、なぜ彼女のことをしったかというと、今、YAMAHAが売っている"TENORI-ON"という楽器のホームページに彼女がその使い手としてインタビューを受けていたからです。→YAMAHAのページ
TENORI-ONというのは、内蔵されている音を適当にいじりながら演奏する電子楽器で、見た目がユニークでそれなりにステージ映えもするよ、と先日も銀座の店舗でデモンストレーションをやっていました。
iPhoneのアプリにも似た様な画面デザインの安価なアプリがありますが、おそらくもっと自由度があって、ハードウェア的にもしっかりつくってあるのでしょう。7万円を超える価格がついています。
Little Bootsちゃんは、それを使って、このビデオのようなパフォーマンスをやっているのです。
こういう若くてかわいい女の子がこんなオタク臭い楽器を嬉々としていじっているところを見るとすっかりうれしくなってしまい、無条件で応援したくなりました。(おじちゃんはね、おじちゃんはね、みたいな感じもw)
さて、作品の方です。
表題の"Hands"はアルバムタイトルで、iTunesではなぜか曲数違いで同じタイトルのアルバムが2種類買えるようになっています。私は根気の無いタイプなので、曲数の少ない12曲入りの方をダウンロードしました。
アメリカ風の隙のないブロデュースとは違う、良い意味で粗い感じの仕上がりは、なんとなく製作過程が透けて見えるようです。
私はこういうのの方が好き。バリバリのダンスミュージックというよりももうちょっと泥臭く、80年代のガゼボとかをちょっと思い起こさせます。平沢進とか好きな人も全然オッケーだと思います。あ、あと懐かしの"dip in the pool"に似てるかも。
歌はむちゃくちゃ上手い感じでもなくて、レベル的にはJ-POP並みですが、私にはかえって聴きやすく、また新しいのが出たら買っちゃおうかな~と思っちゃいました。
2010/12/31
2010年を振り返る
12月は何も書いてないぞー、と慌ててなにかでっち上げようとして広瀬香美の新曲などダウンロードしてみましたが、彼女については2007~2008年で一定書いていて、今回の新曲からは新しい刺激を受けなかったので、見送り。
そんなわけで、年末は2010年の総論です。
今年は一段と更新が滞りまして、23本しか記事を書いていません。
週に1回くらいは音楽のことを考えよう、と思って始めたんですけどねえ。
単純にいろいろそれどころじゃない、という個人的・社会的理由もあったんですけど、今年は音楽が聴こえてこない1年でした。
昨日のレコード大賞もちらと見ましたが、あれはいよいよ業界内のお祭りになってしまって、もう消費者の意識とは関係ないですよ、と全体でメッセージを発していました。来年は無くなるんじゃないでしょうか?
移動中の車のAMラジオとか、商業施設での流れ具合で「売れてるのかな」と思わせられたのは、いきものがかりの「ありがとう」とAKB48の2曲「ポニーテールとシュシュ」「ヘビーローテーション」、年末になって宇多田ヒカルの「Goodbye Happiness」がちょっと頑張ったかな、という感じ。嵐も多分耳には入ってるんでしょうが、印象に残って無いです。あ、あとマイケル・ジャクソンはよく流れてましたね。きっかけがあんな不幸なことでなければ良かったんですが。
前からなんども書いていますが、J-POPは完成度という点では高くなっていて、私が若い頃のように「音程が…」とか「この声で…」というレベルのアーティストは激減して、それなりにうまい人が揃ってきています。発想を具現化するテクニックは十分あるわけですから素人がチェック入れられるような隙がない。一方で歌詞の方は放ったらかしで、未熟な言葉の断片を並べて「世代のリアルな表現」だと言って発表される。
この構造はアニメーションなんかにも似てますね。CGを駆使して完璧に作られた背景で拙い感じの線画の主人公が活躍する。もうその違和感は「伝統芸」ということで不問に付す、と。水木しげる先生も罪なことをしたもので(?)
ということで今年の「哀愁りふれいん」上の表彰作品は下記の通り。
最優秀シングル 七尾旅人/検索少年
最優秀アルバム 土岐麻子/乱反射ガール
最優秀歌唱賞 土岐麻子/乱反射ガール
最優秀新人賞 該当者無し
最優秀ミュージックビデオ マイケル・ジャクソン/THIS IS IT
企画賞 やもり(森山良子と矢野顕子)/あなたと歌おう
来年はもうちょっと音楽に親しみたいです。
そんなわけで、年末は2010年の総論です。
今年は一段と更新が滞りまして、23本しか記事を書いていません。
週に1回くらいは音楽のことを考えよう、と思って始めたんですけどねえ。
単純にいろいろそれどころじゃない、という個人的・社会的理由もあったんですけど、今年は音楽が聴こえてこない1年でした。
昨日のレコード大賞もちらと見ましたが、あれはいよいよ業界内のお祭りになってしまって、もう消費者の意識とは関係ないですよ、と全体でメッセージを発していました。来年は無くなるんじゃないでしょうか?
移動中の車のAMラジオとか、商業施設での流れ具合で「売れてるのかな」と思わせられたのは、いきものがかりの「ありがとう」とAKB48の2曲「ポニーテールとシュシュ」「ヘビーローテーション」、年末になって宇多田ヒカルの「Goodbye Happiness」がちょっと頑張ったかな、という感じ。嵐も多分耳には入ってるんでしょうが、印象に残って無いです。あ、あとマイケル・ジャクソンはよく流れてましたね。きっかけがあんな不幸なことでなければ良かったんですが。
前からなんども書いていますが、J-POPは完成度という点では高くなっていて、私が若い頃のように「音程が…」とか「この声で…」というレベルのアーティストは激減して、それなりにうまい人が揃ってきています。発想を具現化するテクニックは十分あるわけですから素人がチェック入れられるような隙がない。一方で歌詞の方は放ったらかしで、未熟な言葉の断片を並べて「世代のリアルな表現」だと言って発表される。
この構造はアニメーションなんかにも似てますね。CGを駆使して完璧に作られた背景で拙い感じの線画の主人公が活躍する。もうその違和感は「伝統芸」ということで不問に付す、と。水木しげる先生も罪なことをしたもので(?)
ということで今年の「哀愁りふれいん」上の表彰作品は下記の通り。
最優秀シングル 七尾旅人/検索少年
最優秀アルバム 土岐麻子/乱反射ガール
最優秀歌唱賞 土岐麻子/乱反射ガール
最優秀新人賞 該当者無し
最優秀ミュージックビデオ マイケル・ジャクソン/THIS IS IT
企画賞 やもり(森山良子と矢野顕子)/あなたと歌おう
来年はもうちょっと音楽に親しみたいです。
2010/11/28
グッバイ/小田和正
宇多田ヒカルと並んで好物である小田和正の新作が出ました。なんやら獣医ものドラマのタイアップになっている「グッバイ」です。
いつかも書いたんですが、小田さんは意識としては郷ひろみと似ているのではないかと思います。郷ひろみが50代半ばになってもジャケットをぴらぴらさせながら舞い踊るのと、小田さんが60過ぎてハイトーンで熱唱するのは、「精進が年齢を超越する生き方の実践」をファンに見せたいからとしか考えられません。そしてそれは歳相応に老いて行く同年輩(の同業者やひょっとしてファン)への批判でもあります。
それにしても最近の小田さんのマンネリズムはもう確信犯を通り越してストイックさすら感じます。
裏にアクセントのあるアコースティックギターとタンバリンは「YES-YES-YES」や「BETWEEN THE WORD & THE HEART~言葉と心」などのやり直しでしょう。歌詞も相変わらず、夏は終わるし、夢はくじけそうになるし、風は強く吹いています。おまけにサビが「Goodbye Goodbye Goodbye~」って、「さよなら さよなら」が英語になっただけ、というオチまで!
小田さんの歌詞は「じつは何も言ってない」ということにかけては最近のJ-POPの嚆矢ではないかと私は思います。
具体性が非常に乏しい。
「この」「その」「そんな」「そのまま」などの指示語がなんの前触れもなく使われ、単なる字数稼ぎではないか?詩作の作業から逃げてるのではないか?と。
だから世の中に「小田和正全詞集」なんて出版物があることを知ったときは驚きました。
好意的に解釈すると、彼の場合は下世話な具体性に満ちた同年輩の「フォーク」に対するアンチという意識が強かったから、という考察も成り立つのですが、今の大多数のJ-POPの、「じつは何も言ってない歌詞」の氾濫を見るにつけ、小田和正(オフコース)の負の遺産ではないかと思ってしまいます。
いつかも書いたんですが、小田さんは意識としては郷ひろみと似ているのではないかと思います。郷ひろみが50代半ばになってもジャケットをぴらぴらさせながら舞い踊るのと、小田さんが60過ぎてハイトーンで熱唱するのは、「精進が年齢を超越する生き方の実践」をファンに見せたいからとしか考えられません。そしてそれは歳相応に老いて行く同年輩(の同業者やひょっとしてファン)への批判でもあります。
それにしても最近の小田さんのマンネリズムはもう確信犯を通り越してストイックさすら感じます。
裏にアクセントのあるアコースティックギターとタンバリンは「YES-YES-YES」や「BETWEEN THE WORD & THE HEART~言葉と心」などのやり直しでしょう。歌詞も相変わらず、夏は終わるし、夢はくじけそうになるし、風は強く吹いています。おまけにサビが「Goodbye Goodbye Goodbye~」って、「さよなら さよなら」が英語になっただけ、というオチまで!
小田さんの歌詞は「じつは何も言ってない」ということにかけては最近のJ-POPの嚆矢ではないかと私は思います。
具体性が非常に乏しい。
「この」「その」「そんな」「そのまま」などの指示語がなんの前触れもなく使われ、単なる字数稼ぎではないか?詩作の作業から逃げてるのではないか?と。
だから世の中に「小田和正全詞集」なんて出版物があることを知ったときは驚きました。
好意的に解釈すると、彼の場合は下世話な具体性に満ちた同年輩の「フォーク」に対するアンチという意識が強かったから、という考察も成り立つのですが、今の大多数のJ-POPの、「じつは何も言ってない歌詞」の氾濫を見るにつけ、小田和正(オフコース)の負の遺産ではないかと思ってしまいます。
2010/11/23
UTADA HIKARU SINGLE COLLECTION VOL.2 [Disc2]/宇多田ヒカル
正式な発売日は明日ですが、Amazonが休日バイトを集められなかったのか(まさかね)予定より1日早く"UTADA HIKARU SINGLE COLLECTION VOL.2"が今日のお昼前に届けられました。「休養前」だけに勤労感謝の日に届くようにしたんでしょうか?
さて、このいわゆるSC2、"DEEP RIVER"までがVOL.1でしたから、今回はその後のシングルを集めたベスト盤+別ディスクで新曲5曲のミニアルバムという作りになっています。さらに初回特典で"Goodbye Happiness"のビデオが付いています。
「衝撃のデビュー」から一気に駆け抜けた時期であるVOL.1と違い、こちらは結婚・海外進出・離婚その他諸々あった時期の作品が並んでいます。とはいえ、Disc1の方はすっかりおなじみの曲ですから後でじっくり味わうとして、とにかく気になる新曲5曲を聴いてみました。
1.嵐の女神
途中で「お母さん」と言っているので、これは自分の母親、美人で挙動不審なあの人に対する歌なんでしょう。ちょっと70年代頃の洋楽シンガー・ソングライターっぽい曲調は宇多田ヒカルには珍しい気がします。普段の宇多田ヒカルを期待すると拍子抜けするほどシンプル。
2.Show Me Love(Not A Dream)
こちらは曲はともかく歌詞がまったく宇多田ヒカルらしくないので聴いてて不安になる曲。「実際」「自力」「一歩」とキツイ音読みの熟語を並べるような乱暴な言葉の選び方をする人ではなかったように思うのですが。心情吐露的歌詞は"Fight The Blue"にも似ているようですが、あの曲のようにユーモラスな箇所も無く、きっちり受け止めるには辛い作品です。
3.Goodbye Happiness
その点、この曲は安心。宇多田ヒカルらしいアイデアがたくさん入っています。2コーラス終わった後のぶわーっと広がる展開も良いし。イントロの「あああ、あああ」のテーマが曲のほぼ全体でずーっと続いているところもおしゃれです。
4.Hymne a l'amour ~愛のアンセム~
サンプリングかと思うような2倍か4倍速のバックで歌う「愛の讃歌」。なんでこの曲?という疑問は晴れませんが、「フライ・ミー・トゥ・ザ・ムーン」もありましたからね。
5.Can't Wait 'Til Christmas
「クリスマスまで待てない」ってタイトルもそうですが、この普通さはなんでしょう?どこかでなにか変なことをやってくるに違いないと期待してましたが、そのまま終わってしまいました。もちろん普通のJ-POP的には「いい曲」です。
私の要求が歪んでいるのかもしれませんが、今回の新曲5曲、特に1,2,5あたりは今まで通りの宇多田ヒカルを期待すると肩透かしを食います。従来の彼女の特長はシンガー・ソングライターとしての作品に透けて見える本人の姿(感情とか成長とか)が透けて見えつつ、実はかなりそれをソフィスティケートした形で品よく作品化しているところにあると思うのですが、今回は妙に生のままぶつけてきています。
それが「休養前」なのをいい機会に「一度シンプルな歌を作りたかった」というような創作上の欲求だったら良いのですが、いつものような才気あふれるアイデアとユーモアを込めて作品を発酵させるだけの体力が相当弱っていたのではないか?そんな、いらぬ心配をさせられました。
なにはともあれ、彼女は今の日本の大衆音楽においてダントツの才能だと思いますので、本当にボロボロになる前に休養でもなんでもして、末長く活動をして欲しいと思っています。ゆっくり休んでください、お疲れ様でした。
さて、このいわゆるSC2、"DEEP RIVER"までがVOL.1でしたから、今回はその後のシングルを集めたベスト盤+別ディスクで新曲5曲のミニアルバムという作りになっています。さらに初回特典で"Goodbye Happiness"のビデオが付いています。
「衝撃のデビュー」から一気に駆け抜けた時期であるVOL.1と違い、こちらは結婚・海外進出・離婚その他諸々あった時期の作品が並んでいます。とはいえ、Disc1の方はすっかりおなじみの曲ですから後でじっくり味わうとして、とにかく気になる新曲5曲を聴いてみました。
1.嵐の女神
途中で「お母さん」と言っているので、これは自分の母親、美人で挙動不審なあの人に対する歌なんでしょう。ちょっと70年代頃の洋楽シンガー・ソングライターっぽい曲調は宇多田ヒカルには珍しい気がします。普段の宇多田ヒカルを期待すると拍子抜けするほどシンプル。
2.Show Me Love(Not A Dream)
こちらは曲はともかく歌詞がまったく宇多田ヒカルらしくないので聴いてて不安になる曲。「実際」「自力」「一歩」とキツイ音読みの熟語を並べるような乱暴な言葉の選び方をする人ではなかったように思うのですが。心情吐露的歌詞は"Fight The Blue"にも似ているようですが、あの曲のようにユーモラスな箇所も無く、きっちり受け止めるには辛い作品です。
3.Goodbye Happiness
その点、この曲は安心。宇多田ヒカルらしいアイデアがたくさん入っています。2コーラス終わった後のぶわーっと広がる展開も良いし。イントロの「あああ、あああ」のテーマが曲のほぼ全体でずーっと続いているところもおしゃれです。
4.Hymne a l'amour ~愛のアンセム~
サンプリングかと思うような2倍か4倍速のバックで歌う「愛の讃歌」。なんでこの曲?という疑問は晴れませんが、「フライ・ミー・トゥ・ザ・ムーン」もありましたからね。
5.Can't Wait 'Til Christmas
「クリスマスまで待てない」ってタイトルもそうですが、この普通さはなんでしょう?どこかでなにか変なことをやってくるに違いないと期待してましたが、そのまま終わってしまいました。もちろん普通のJ-POP的には「いい曲」です。
私の要求が歪んでいるのかもしれませんが、今回の新曲5曲、特に1,2,5あたりは今まで通りの宇多田ヒカルを期待すると肩透かしを食います。従来の彼女の特長はシンガー・ソングライターとしての作品に透けて見える本人の姿(感情とか成長とか)が透けて見えつつ、実はかなりそれをソフィスティケートした形で品よく作品化しているところにあると思うのですが、今回は妙に生のままぶつけてきています。
それが「休養前」なのをいい機会に「一度シンプルな歌を作りたかった」というような創作上の欲求だったら良いのですが、いつものような才気あふれるアイデアとユーモアを込めて作品を発酵させるだけの体力が相当弱っていたのではないか?そんな、いらぬ心配をさせられました。
なにはともあれ、彼女は今の日本の大衆音楽においてダントツの才能だと思いますので、本当にボロボロになる前に休養でもなんでもして、末長く活動をして欲しいと思っています。ゆっくり休んでください、お疲れ様でした。
2010/11/09
Goodbye Happiness/宇多田ヒカル
あー、結局10月は1回もこのブログ更新しませんでした。
年を取って感性が鈍くなっているのかもしれませんが、この秋は新しい音楽が全然耳に入ってきませんでしたから。ま、本業が忙しかったのもありますが。
そういう意味では11月になって宇多田ヒカルの休止前の最後の活動が活発化してきたのはありがたい。昨日からYouTubeで新曲のPVが公開されています。→http://www.youtube.com/watch?v=cfpX8lkaSdk 埋め込みコードは公開されておりませんので、参照しながら読んでいただければと思います。
もうすでに今朝の情報番組各種でも語られている通り、過去のPVのセルフパロディ満載の楽しいビデオになっています。AUTOMATICの椅子、Travelingの帽子と旗。固定カメラ1カット長回しは「光」ですね。他にも細かいネタがあるかもしれませんが、そういうのは得意な方にやっていただくとして、今日は楽曲の第一印象だけ「ざっと」書いておきます。歌詞の内容とビデオ(なんでも本人が監督したらしい)を合わせると前夫・紀里谷和明氏へのメッセージのような気もしますが、そのへんは本人しか分からないことなのでこれも深追いしません。
「本人が買って欲しい方」のベスト盤の、楽曲リストが公開されたとき、今回の新曲として"Goodbye Happiness"というのを見たときは「真っ暗」な気持ちになりましたが、楽曲としてはポップで分かりやすい曲で、まずはほっとしました。Amazonで予約した"SINGLE COLLECTION vol.2"が届くのが楽しみになりました。
それにしても問題はこのタイトルです。私はつっかえつっかえの受験英語程度の語学力しかありませんが、直訳すると「幸せよさようなら」ですよね。何かの引用かと思ってネットを検索してみましたが、ヒットせず(ていうかGoogle検索もほとんどこの曲関連でジャックされてる)。つまり決して前向きなタイトルじゃないわけです。
しかし曲調はこんな感じで、それはちょうど桑田佳祐が"TSUNAMI"を作った時のように、「みんなこういうの待ってるんだよね、分かってるよ」という感じで出してきた、そのギャップにちょっと驚きました。サビの入り方なんかはちょっと"COLORS"に似ています。
それにしてもなんというか歌作りの地肩の強いこと。結構上がり下がりのきついメロディですが、無理にでもいっしょに歌いたくなる楽しさがあるし、しかも全然力入れてない感じは申し訳ないけど最近の他の人がかく曲とは全然違います。今の彼女がやりたい音楽なのかどうかはわかりませんが、ただ「いわゆる宇多田ヒカル風売れセン」だけで作ってるとは思えない。きっと何か仕込んであるという感じがします。この曲で言えば、ひとつはその"Goobye Happiness"という「真っ暗」なタイトルであり、歌詞の端々に見え隠れするメッセージ色の強い単語です(そしてこの曲の根っこはやはり暗いものだと思う)。楽しげなPVは懸命なカムフラージュまたは彼女のテレでしょう。
宇多田ヒカルはこの10年ちょっとの間、質の良い大衆音楽をつくり続けてくれました。その間、彼女は超メジャーでありつつJ-POPの良心でもありました。純文学的、私小説的な彼女の作風は、コンスタントに新曲を吐き出し続けることは難しいと思われ、休業もやむなしではありますが、わざわざ宣言なんかしなくても竹内まりやみたいにぼつぼつとやってくれれば良かったのに…。そこだけが残念ですね。
彼女が戻ってくるまで、私はなにを聞いていたら良いかなあ…
年を取って感性が鈍くなっているのかもしれませんが、この秋は新しい音楽が全然耳に入ってきませんでしたから。ま、本業が忙しかったのもありますが。
そういう意味では11月になって宇多田ヒカルの休止前の最後の活動が活発化してきたのはありがたい。昨日からYouTubeで新曲のPVが公開されています。→http://www.youtube.com/watch?v=cfpX8lkaSdk 埋め込みコードは公開されておりませんので、参照しながら読んでいただければと思います。
もうすでに今朝の情報番組各種でも語られている通り、過去のPVのセルフパロディ満載の楽しいビデオになっています。AUTOMATICの椅子、Travelingの帽子と旗。固定カメラ1カット長回しは「光」ですね。他にも細かいネタがあるかもしれませんが、そういうのは得意な方にやっていただくとして、今日は楽曲の第一印象だけ「ざっと」書いておきます。歌詞の内容とビデオ(なんでも本人が監督したらしい)を合わせると前夫・紀里谷和明氏へのメッセージのような気もしますが、そのへんは本人しか分からないことなのでこれも深追いしません。
「本人が買って欲しい方」のベスト盤の、楽曲リストが公開されたとき、今回の新曲として"Goodbye Happiness"というのを見たときは「真っ暗」な気持ちになりましたが、楽曲としてはポップで分かりやすい曲で、まずはほっとしました。Amazonで予約した"SINGLE COLLECTION vol.2"が届くのが楽しみになりました。
それにしても問題はこのタイトルです。私はつっかえつっかえの受験英語程度の語学力しかありませんが、直訳すると「幸せよさようなら」ですよね。何かの引用かと思ってネットを検索してみましたが、ヒットせず(ていうかGoogle検索もほとんどこの曲関連でジャックされてる)。つまり決して前向きなタイトルじゃないわけです。
しかし曲調はこんな感じで、それはちょうど桑田佳祐が"TSUNAMI"を作った時のように、「みんなこういうの待ってるんだよね、分かってるよ」という感じで出してきた、そのギャップにちょっと驚きました。サビの入り方なんかはちょっと"COLORS"に似ています。
それにしてもなんというか歌作りの地肩の強いこと。結構上がり下がりのきついメロディですが、無理にでもいっしょに歌いたくなる楽しさがあるし、しかも全然力入れてない感じは申し訳ないけど最近の他の人がかく曲とは全然違います。今の彼女がやりたい音楽なのかどうかはわかりませんが、ただ「いわゆる宇多田ヒカル風売れセン」だけで作ってるとは思えない。きっと何か仕込んであるという感じがします。この曲で言えば、ひとつはその"Goobye Happiness"という「真っ暗」なタイトルであり、歌詞の端々に見え隠れするメッセージ色の強い単語です(そしてこの曲の根っこはやはり暗いものだと思う)。楽しげなPVは懸命なカムフラージュまたは彼女のテレでしょう。
宇多田ヒカルはこの10年ちょっとの間、質の良い大衆音楽をつくり続けてくれました。その間、彼女は超メジャーでありつつJ-POPの良心でもありました。純文学的、私小説的な彼女の作風は、コンスタントに新曲を吐き出し続けることは難しいと思われ、休業もやむなしではありますが、わざわざ宣言なんかしなくても竹内まりやみたいにぼつぼつとやってくれれば良かったのに…。そこだけが残念ですね。
彼女が戻ってくるまで、私はなにを聞いていたら良いかなあ…
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