「ひとり紅白歌合戦」の後半、Disc-2の話。
Disc-1が懐メロ主体であり、かつ作り込みの深いプログラムだったのに対して、後半はややリラックスムード。「ヒロシ&ハラ坊 from SAS」の「三年目の浮気」なども織り込み(桑田本人は休憩)、サザンと同世代または後輩に当たるアーティストのヒット曲をスピーディーに展開していました。
こうして、普段の自前のバンドにおける桑田佳祐とは違う顔を見ていると、いろんなことが分かってきて面白いですね。例えばMCで段取りを進めるときの口調が先代林家三平に似ている、とかハンドマイクで唄う時に動きのレパートリーが乏しい(ちゃんと踊りを勉強したことがないので)こととか。
善くも悪くも緊張感が漲っていないステージは長尺だけれど見ていて疲れるところがないのは好ましいところです。
私はこのDVDを見ながら、米米CLUBのライブビデオのことを思い出していました。
私が見たのは上の"THE 8TH OF ACE"という作品です。「君がいるだけで」がバカ売れした直後の武道館公演のライブビデオでしたが、これも長尺かつおふざけ要素たっぷりのプログラムです。オリジナルだけでなく、例えば「さらば恋人」のカバーとか郷ひろみのパロディなんかをやっていて、「ひとり紅白」に結構近い。米米CLUBはもともと山本リンダのネタなどもやっていたので、違和感はありません。
二者に共通なのは、「あくまでも余興」という前提で展開する冗談の気楽さです。桑田佳祐もちょっとそういうところがありますが、オリジナルの作品でも自分の内面をさらけ出すよりも、「これってこういういことだよね」という批評的作品作りで伸してきた人たちです。そして時折見せる本音を混ぜたときに、それでも商売になるのが桑田佳祐で、ちょっとつらくなっちゃうのが石井竜也。今の両者にちょっとランクの違いがあるとすればその辺じゃないかなあと私は思っています。
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