今、街のCDショップのいちばん良い場所に大陳(って言わないか、CD業界は?)してあるのがSuperflyのアルバム"Box Emotion"です。
ここ何ヶ月かで突然よく名前を聞くようになり、あっと驚くタメゴロー的ジャケットがやけに気になる存在です。ちらりとテレビで歌っているのを聴くと、やたら中年に分かりやすい音楽のようなので、とりあえずiTunesで最近売れてたシングル曲を2曲落としてみました。
愛をこめて花束を→
やさしい気持ちで→
1960年代生まれの私でもリアルに捕捉できないフラワーチャイルドなキャラが、若い人にどのように受けとめられるのかよく分かりませんが、曲のタイトルもヒッピー・ムーブメント風になっていますね。
ヤホーならぬWikipediaで読める範囲では、ボーカルの女性も作曲の男性も60〜70年代の洋楽好きで、影響を受けたミュージシャンとして出てくる名前はジャニス・ジョプリン、ドゥービー・ブラザーズ、キャロル・キング等。若いのにシブいなあ…。
そんなバックボーンを持つ人たちなので、最初に書いた通り、我々40過ぎのオッサンもまったく無理せず着いて行ける曲ですし、現代J-POPのお約束で一部今風のやや強引に母音の処理をして乗せているところもありますが(この辺は「日本語の問題」ラベルの投稿でご確認ください)、歌詞が大筋で聴き取りやすいのも好ましい。
ボーカルはしっかり声が出る上に、手元のキーボードで取ってみた限り音域もかなり広いです。特に「やさしい気持ちで」ではF#3〜E5とほぼ2オクターブを使っていて、カラオケで上手く歌えたらちょっと自慢ができますね。
そんなわけで褒めようと思ったらいくらでも褒められるんですが、一方で「ジャニス・ジョプリン」なんていう名前とともに語られるばっかりに「それは違うだろう」というつっこみもあちこちで出ているようです。あの頃の音楽とミュージシャンはこんなに健康的じゃないし、へたに真似したらすぐに事務所を解雇されてしまいます。あくまでもそういう人たちがやってた「音楽」を良いと思っている、というスタンスで押し通すしかないわけで…。とにかくジャニス的なブルースを感じさせる曲調とはちょっと違います。
その点、いたってドメスティックな音楽観の持ち主である私などはSuperflyを聴いてこういう風に理解しました。
「ミスチル風サウンドで吉田美和(五輪真弓でもいいけど)風の女性が歌ってる」
「愛をこめて花束を」はフォーク・ロックのバンドの音にストリングスがかぶってきて、これはミスチルの「CROSS ROAD」です。偶然だと思いますが、2コーラスの終わりまでは、尺も曲調の変わり目の小節も、全部あっています。一緒に歌えるんじゃないかと試してみましたが、(特にAメロの)コードは少し違うみたいでちょっと無理でしたが、かなりいけます。
同様に「やさしい気持ちで」は「innocent world」です。あるいは「innocent world」+「アジアの純真」か。作っている人の年齢を考えるとこの方が素直な読み筋だと思うんだけどなあ…。
あるいは1970年頃のロックナンバーで、共通の祖先に当たる曲があるのかもしれませんね。私はそれを特定するほどの洋楽知識を持ち合わせていません。
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