iTSで見つけてしまって、ダウンロードした相対性理論の新作、と言ってはいけないのか、渋谷慶一郎という人とのコラボレーション作品。3曲+バージョン違い4トラックの7曲入り。タイトル曲はM2の「アワーミュージック」ということになってます。
渋谷慶一郎がどういう人かとWikipediaで調べてみましたが、東京芸大卒の電子音楽家としか分からず。21世紀の坂本龍一みたいな人なんでしょうか?東大、東京芸大の非常勤講師というキャリアも書いてあるので本格派なんでしょう。
さて、相対性理論は「シフォン主義」から「ハイファイ新書」の流れの中で、ゴツゴツした手触りがソフィスティケートされて、聴きやすくなったという話を書きましたが、「アワーミュージック」ではそれがさらに洗練されています。
一応、M1の「スカイライダーズ」などには「シフォン主義」からお馴染みのギターの音色が出てきますが、それもすっかり角が取れて今までと違う印象です。
M1からM3を聴く範囲ではピチカート・ファイヴとかICEとかの90年代渋谷系の流れに乗っかってしまって、そういうのも嫌いじゃないけど、それだと面白くない。彼らにはもうちょっと訳の分からない存在でいて欲しいのです。
また、M4〜M6はおそらく渋谷慶一郎によるピアノ・トラックの上でやくしまるえつこがカヒミ・カリィみたいに歌っているもので、バンド・相対性理論としての音とは全く違っています。M7の、タイトル曲のリミックス・バージョンもそう。やくしまるえつこの声は(特にオッサン音楽家の)創作意欲をかきたてる声なんだろうけど、あまりに彼女が突出してしまうと、真ん中の女の子を売りたいだけの、テレビで見られる数多のユニットと同じ構造になってしまう。それではせっかく特徴ある相対性理論の、バンドとしての意味が薄れてしまうのでは?
今回は渋谷慶一郎とのコラボということで、相対性理論はこの方向で行きます、ということではないのかもしれないけれど、もうちょっとバンドとしての展開を見たいです(「やくしまるえつこの声が聴ければハッピー」という人はそれで良しとして、)。
彼らはこの先どうするんだろう?実はそんなに長くやるつもりはないのか?
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