いつの頃からなのか分かりませんが、ゴダイゴの「西遊記」がiTunesでダウンロードできるようになっていました。
いや、これは懐かしい。
ちょっと前に書いた原田真二の「Feel Happy」と同じ年の発売で、当時私は中学生だったんだと思いますが、聴いた時は高校生だったかもしれない。「ガンダーラ」がヒットしたかなり後で名古屋市内のレコード屋でミュージックテープを買った記憶があります。
テレビでは英語交じりの日本語で歌っていましたが、「西遊記」は全編英語のアルバムで、「ガンダーラ」もすべて英語で唄われています。言ってることはいたって簡単で「ガンダーラはみんなが辿り着きたいと願っていた理想郷でした」といった、高校入試問題みたいな歌詞なんですが。(この辺の話は以前やりましたので、こちらを参照してください→ 哀愁りふれいん: ガンダーラ/ゴダイゴ )
まあ、それにしても演奏といい、音の質感といい、30年以上前(恐ろしいことに計算するとそうなる)だったことを思うと、その洋楽っぽさとテクニシャンぶりに改めて驚きます。シンセサイザーがようやく普及し始め、ミッキー吉野は確かローランドかOberheimのキーボードを使っていたと思いますが、それ以前に名うてのオルガン奏者で、このアルバムでも(もちろん私は手弾きだと信じてますが)かっこいい演奏が聴けます。キーボードが目立ち過ぎで、ギターソロはめったに聴けません。今になって聴いてみると、ある曲はビートルズだったりあるいはアース・ウインド&ファイアーだったり、ひょっとしてクイーンっぽかったりもして、外国人に聴かせたらどういう反応があるのか分かりません。しかし、そうしたオリジナリティの問題はさておき、当時この音が出せていたことを素直にリスペクトしたいとおもいます。
当時、手慣れた洋楽的サウンドでCMやドラマのサントラなどを手がけていたバンドとしては「トランザム」や「SHOGUN」(もっと前には「井上堯之バンド」)もいました。ゴダイゴも「ガンダーラ」以前は、CMソングをたくさん演奏している実力派バンド、という存在でした。その中でゴダイゴが一頭地を抜いて超メジャーになれたのはなぜかと考えると、ゴダイゴには音楽的なリーダーであるミッキー吉野に加えて、タケカワユキヒデという大衆に分かりやすいメロディが書けるメンバーがいたことが大きいのでしょうね。
ゴダイゴはテレビにも嫌がらずに出演し、立ち居振る舞いも優等生的だったので、NHKやベストテン番組にも溶け込みやすかった。はては日中国交回復後に中国公演を果たした日本の大衆音楽家の、最初の何組かのひとつになり、まさに「国民的ロックバンド」でした。
2012/05/27
2012/05/13
歌窈曲/一青窈
先週のBENIの話でちょっと引き合いに出した、一青窈が昭和歌謡を歌う企画物アルバムです。
行きがかり上、通して聴いてみました。
やっぱり予想通りでした(悪いほうで)。
選曲は悪くない。なかなかシブイと思いますが、一青窈に唄わせるにはどうか?
元歌を歌っているメンバーが美空ひばりをはじめ、ちあきなおみ、西田佐知子、園まり、とレコード大賞最優秀歌唱賞クラス(まあ、今となってはマッチもその一人ですが)の実力派揃いで、当然オリジナルがすごいことになっているわけです。(ちあきなおみと園まりについては、それぞれこのブログでも書いたことがあるので、そちらも参照して下さい。
哀愁りふれいん: しんぐるこれくしょん/ちあきなおみ
哀愁りふれいん: 逢いたくて逢いたくて/園まり )
昭和歌謡では、力関係が「作曲家>>>歌手」で、作曲家のセンセイの細かい指定を丁寧になぞるように歌っていたわけで、そのせいで悪くするともっちゃりしてしまうところもあって、そこを素人に毛の生えたようなニュー・ミュージック勢につけこまれた歴史もありました。
しかし、ちあきなおみクラスの超一流になると、そのへんをクリアした上で大したことない曲でも名曲にしてしまうような芸があったわけです。
一青窈の歌い方は独特で、何をうたっても彼女流になってしまうのは悪いことではありませんが、それにしてもなんかすごく浅いところでOKにしてしまっている気がして、楽曲への愛情があまり感じられない。まあなんというか、一青窈がカラオケボックスで遊んでいる所に呼んでもらったような感じです。
若い人に過去の名曲を紹介するという意味ではそれなりに意義があると思いますし、「天使の誘惑」なんかはキャラクターにも合っていると思いますので、ファンの人は買ったらよろしいかと思います。
私くらいまたは上の年代の人は、聴くときっといろいろ考えてしまうので、強くはお薦めしません。
行きがかり上、通して聴いてみました。
やっぱり予想通りでした(悪いほうで)。
選曲は悪くない。なかなかシブイと思いますが、一青窈に唄わせるにはどうか?
元歌を歌っているメンバーが美空ひばりをはじめ、ちあきなおみ、西田佐知子、園まり、とレコード大賞最優秀歌唱賞クラス(まあ、今となってはマッチもその一人ですが)の実力派揃いで、当然オリジナルがすごいことになっているわけです。(ちあきなおみと園まりについては、それぞれこのブログでも書いたことがあるので、そちらも参照して下さい。
哀愁りふれいん: しんぐるこれくしょん/ちあきなおみ
哀愁りふれいん: 逢いたくて逢いたくて/園まり )
昭和歌謡では、力関係が「作曲家>>>歌手」で、作曲家のセンセイの細かい指定を丁寧になぞるように歌っていたわけで、そのせいで悪くするともっちゃりしてしまうところもあって、そこを素人に毛の生えたようなニュー・ミュージック勢につけこまれた歴史もありました。
しかし、ちあきなおみクラスの超一流になると、そのへんをクリアした上で大したことない曲でも名曲にしてしまうような芸があったわけです。
一青窈の歌い方は独特で、何をうたっても彼女流になってしまうのは悪いことではありませんが、それにしてもなんかすごく浅いところでOKにしてしまっている気がして、楽曲への愛情があまり感じられない。まあなんというか、一青窈がカラオケボックスで遊んでいる所に呼んでもらったような感じです。
若い人に過去の名曲を紹介するという意味ではそれなりに意義があると思いますし、「天使の誘惑」なんかはキャラクターにも合っていると思いますので、ファンの人は買ったらよろしいかと思います。
私くらいまたは上の年代の人は、聴くときっといろいろ考えてしまうので、強くはお薦めしません。
2012/05/06
COVERS/BENI
名前の読めない歌手・安良城紅がいつの間にかBENIになって、NHKでファッションご意見番になっているのは意外な展開でしたが、「いい女だから、まいっか」という感じで見ておりました。
CDが売れない、というのは今や素人でも知っていることではありますが、このくらいの人が1枚アルバムを作るために、もはやヒット曲カバー集にするしかないという厳しさ。いちいち全部は買っていませんが、徳永英明やら稲垣潤一やらのベテラン勢から始まり、JUJUもやってました。買ってきた時は競合作品として「一青窈が歌う昭和歌謡」というのもあったのですが、テレビで歌っているのを聞く範囲では、一青窈の昭和歌謡の解釈にちょっと疑問があったので、前回のMARINOと一緒にこっちを買って来ました。
↓あ、iTunesでも買えますね。
私たちの若いころに比べると、美人で歌も上手い女の子はたくさん出てくるんですが、そういう人達に限って楽曲に恵まれないというか、差別化しきれないのか、こっちは見放したつもりは全然ないのに名前を聞かなくなってしまう人がいっぱいいます。伊藤由奈は、谷村奈南はどこ行った?
さて、BENIのカバー集はここ20年くらいを見渡してのベタベタなヒット曲を本人やその他作家が英語詞を付けたものを無難に歌うという中身になっており、圧倒的に上手くもなく、もちろん下手ではない、という出来。電車の中で聞き流すのにはよくできたものになっています(「いとしのエリー」だけは、ちょっと前にレイ・チャールズがカバーした歌詞とメロディを踏襲しているようです)。BENIは英語は堪能だそうですが、歌の滑舌という点ではこれで良いのでしょうか?私自身が英語耳は無いのでなんとも言えませんが、ちょっと疑問が残る、というそんな出来映え。
ま、それにしてもこれだけ洋楽が取り入れられて、日本のメロディなんて無くなってしまったのかと思っていると、実は日本語前提で作られたメロディ(最近はほとんど曲先だと思うし)に英語が乗るとちょっと変になるというのは面白いですね。日本語の音節辺り情報量の少なさが、実は味とかニュアンスとかを込めやすく、そのために作られたメロディラインは英語にすると歌詞が間延びしてしまうのでしょうか?
母国語に引きづられるメロディ、というのは研究するときっと面白いことになると思います(やりませんけど)。名古屋の友達にオリジナル曲を唄わせるとメロディが微妙に名古屋弁イントネーションに変えられる、という経験は私にもありますw
CDが売れない、というのは今や素人でも知っていることではありますが、このくらいの人が1枚アルバムを作るために、もはやヒット曲カバー集にするしかないという厳しさ。いちいち全部は買っていませんが、徳永英明やら稲垣潤一やらのベテラン勢から始まり、JUJUもやってました。買ってきた時は競合作品として「一青窈が歌う昭和歌謡」というのもあったのですが、テレビで歌っているのを聞く範囲では、一青窈の昭和歌謡の解釈にちょっと疑問があったので、前回のMARINOと一緒にこっちを買って来ました。
↓あ、iTunesでも買えますね。
私たちの若いころに比べると、美人で歌も上手い女の子はたくさん出てくるんですが、そういう人達に限って楽曲に恵まれないというか、差別化しきれないのか、こっちは見放したつもりは全然ないのに名前を聞かなくなってしまう人がいっぱいいます。伊藤由奈は、谷村奈南はどこ行った?
さて、BENIのカバー集はここ20年くらいを見渡してのベタベタなヒット曲を本人やその他作家が英語詞を付けたものを無難に歌うという中身になっており、圧倒的に上手くもなく、もちろん下手ではない、という出来。電車の中で聞き流すのにはよくできたものになっています(「いとしのエリー」だけは、ちょっと前にレイ・チャールズがカバーした歌詞とメロディを踏襲しているようです)。BENIは英語は堪能だそうですが、歌の滑舌という点ではこれで良いのでしょうか?私自身が英語耳は無いのでなんとも言えませんが、ちょっと疑問が残る、というそんな出来映え。
ま、それにしてもこれだけ洋楽が取り入れられて、日本のメロディなんて無くなってしまったのかと思っていると、実は日本語前提で作られたメロディ(最近はほとんど曲先だと思うし)に英語が乗るとちょっと変になるというのは面白いですね。日本語の音節辺り情報量の少なさが、実は味とかニュアンスとかを込めやすく、そのために作られたメロディラインは英語にすると歌詞が間延びしてしまうのでしょうか?
母国語に引きづられるメロディ、というのは研究するときっと面白いことになると思います(やりませんけど)。名古屋の友達にオリジナル曲を唄わせるとメロディが微妙に名古屋弁イントネーションに変えられる、という経験は私にもありますw
2012/05/04
Sakura Garden/吉田LEO
背中に付いてる音楽スイッチを久しぶりにONにして、音楽を入れたり出したりという作業を進めています。
先日は、ネットで知り合ったお友達からのお誘いで、経験のないライブハウスにも行ってきました。
赤坂の、20席くらいの店で行われた、題して「LEO NIGHT」。
ハードロックバンド「MARINO」のボーカル・吉田LEOとその仲間による2部構成のライブで、第1部はアコースティック・ギターの弾き語りとエレキギター1本、第2部はバンド形式でのハードロック。
申し訳ないが私は「MARINO」を知らなかったので、ネットで情報を探したのですが、Wikipediaにも項目がなく、結局事前には何も分からず。
音楽の好き嫌いはあまりないので、何が出てきても楽しめるだろうと開き直って行ってきました。
よく考えてみると、ミュージシャンがすぐ目の前で演奏している所なんて、ほとんど見たことが無かったので、とっても参考になりました。狭い店内ででっかい音を聴くのはいつ以来か?長く生きているので、ホールコンサートはさすがに行っていますが、あれはちょっと映画見てるみたいな感じなので別物、と考えると高校生の時に早熟な同級生がやってたバンド(今思い出しても結構上手かった)を練習スタジオで聴いて以来くらいでしょうか?
吉田LEOさん(直接お会いして話しもしてしまったし、歳上なので例外的に敬称つき)のプレイはシンプルかつオーソドックスなもので、そんなにトリッキーなことはしません(基本はボーカリストですし)。目と耳で追っかけていけば、何をやってるかはだいたい分かる。
ただ、自分でそれができるかというと骨の太さが全然違います。
小技の上手いのはアマチュアにもたくさんいますが、プロとして演奏するというのはそれとは違うんだなあ、と改めて確認できました。
ボーカルにしても、とにかく声がどーんと出る。
ギター1本、ノーマイクでも人を立ち止まらせる凄みがあります。
会場で販売されていたCDも買って来ました。
「Sakura Garden」はこの時のライブ第1部のタイトルにもなっていたアコースティックなソロ作品です。
CDではちょっと声質が違って聴こえて、ジェームス小野田または歌の上手い松尾一彦(?)みたいに聞こえますが、実際はもっと深くていい声でした。
ライブ終了後には酒を飲みながらちょっとお話する時間もあって、「プロがどういうつもりで演奏しているか」のさわりをちらりと聞かせていただいたことも貴重でした。
これはもう「MARINO」も聴いてみるしかないと思ってAmazonで検索したら、ファーストアルバム「TARGET]はプレミアムがついた中古品が5800円。しかも「1~2ヶ月で発送」と書いてあるので、ネットでの購入は断念。
ダメモトで渋谷に行ってみたら、普通に買えました(2940円)。タワーレコード、さすがです。
先日は、ネットで知り合ったお友達からのお誘いで、経験のないライブハウスにも行ってきました。
赤坂の、20席くらいの店で行われた、題して「LEO NIGHT」。
ハードロックバンド「MARINO」のボーカル・吉田LEOとその仲間による2部構成のライブで、第1部はアコースティック・ギターの弾き語りとエレキギター1本、第2部はバンド形式でのハードロック。
申し訳ないが私は「MARINO」を知らなかったので、ネットで情報を探したのですが、Wikipediaにも項目がなく、結局事前には何も分からず。
音楽の好き嫌いはあまりないので、何が出てきても楽しめるだろうと開き直って行ってきました。
よく考えてみると、ミュージシャンがすぐ目の前で演奏している所なんて、ほとんど見たことが無かったので、とっても参考になりました。狭い店内ででっかい音を聴くのはいつ以来か?長く生きているので、ホールコンサートはさすがに行っていますが、あれはちょっと映画見てるみたいな感じなので別物、と考えると高校生の時に早熟な同級生がやってたバンド(今思い出しても結構上手かった)を練習スタジオで聴いて以来くらいでしょうか?
吉田LEOさん(直接お会いして話しもしてしまったし、歳上なので例外的に敬称つき)のプレイはシンプルかつオーソドックスなもので、そんなにトリッキーなことはしません(基本はボーカリストですし)。目と耳で追っかけていけば、何をやってるかはだいたい分かる。
ただ、自分でそれができるかというと骨の太さが全然違います。
小技の上手いのはアマチュアにもたくさんいますが、プロとして演奏するというのはそれとは違うんだなあ、と改めて確認できました。
ボーカルにしても、とにかく声がどーんと出る。
ギター1本、ノーマイクでも人を立ち止まらせる凄みがあります。
会場で販売されていたCDも買って来ました。
「Sakura Garden」はこの時のライブ第1部のタイトルにもなっていたアコースティックなソロ作品です。
CDではちょっと声質が違って聴こえて、ジェームス小野田または歌の上手い松尾一彦(?)みたいに聞こえますが、実際はもっと深くていい声でした。
ライブ終了後には酒を飲みながらちょっとお話する時間もあって、「プロがどういうつもりで演奏しているか」のさわりをちらりと聞かせていただいたことも貴重でした。
これはもう「MARINO」も聴いてみるしかないと思ってAmazonで検索したら、ファーストアルバム「TARGET]はプレミアムがついた中古品が5800円。しかも「1~2ヶ月で発送」と書いてあるので、ネットでの購入は断念。
ダメモトで渋谷に行ってみたら、普通に買えました(2940円)。タワーレコード、さすがです。
「MARINO」の感想はまた、後日。
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