おめでとうございます。
ついに宇多田ヒカルの新作が発表されました。
ありがとう、これでブログが更新できます!
"Goodbye Happiness"が収録されていたベスト盤を除外すると、オリジナルアルバムとしては2008年の"Heart Station"以来なんだとか。いや、自分で全部買ってますけど、確かにそのようです。
巷では複数バージョンや握手券やらに頼らないで売上1位はさすが、という話になっていますね。
最近は、山下達郎でさえCDの容量いっぱい15曲入りになっていますが、このアルバムは11曲入り、演奏時間49分。
古き良き時代を懐かしむような物言いになりますが、やっぱり昔のLPレコードくらいのフォーマットでまとめてもらった方が、聴きやすいです。昔のロックのアルバムなんて裏表で30分くらいだったじゃないですか。
これなら通勤の片道で通して聴けます。
さて、このアルバムを待たずとも、「花束を君に」と「真夏の通り雨」はダウンロード配信されていたので、そのタイミングで書くことも考えていたのですが、「花束を君に」の70年代風味というか、ちょっと思っていたのと違った(嫌いではないんですが)し、「真夏の通り雨」はやっぱり暗く感じてしまってブログのネタになりませんでした。
今回、アルバムとして通して聴いて、やっと体に入ってきました。
さあ、通して聴いてみると先行発売された2曲、さらに「桜流し」も含めてそれぞれの曲がきちんと配置されて、ようやく宇多田ヒカルの今回のテーマというものが見渡せるようになりました。発売前後に集中的に出演したテレビ番組では、やはり母である藤圭子の死と自身の出産の2つがあって生まれた作品(「桜流し」は時期が違うけど)であり、その影響を彼女自身が当然のこととして語っていました。個人的にはそういうことなんでしょう。
その他に、J-POPではなかなかテーマにならない同性愛のことを歌った「ともだち」なんて曲もありますが、この歌詞は別に同性愛にかぎらず思春期の思い詰めた恋の歌としても通じる普遍性がちゃんとキープされているのはさすがです。
さて、聴く側の感想としては、まずサウンドと部材(フレーズ)は"Heart Station"の延長と感じられる部分が多い。特に「道」「二時間だけのバカンス featuring 椎名林檎」などの比較的ポップなナンバーはそう思います。そういう意味では、他の大御所の皆さんと同様、「いつも同じ」の世界にそろそろ入りつつあるようにも聞こえますが、なにせ年齢がまだ若いし、本人もまだまだ貪欲であると思うので、マンネリ化の心配はまだしなくて良いと思います(急に難しいことやられても着いていけないと思うし)。
ネットで断片的に見かけた(多分中年の)ファンのコメントを読むと、「邦楽のアルバムなんてずっと買ってなかったけど、宇多田ヒカルは買う」という人がかなりいました。まあ、宇多田ヒカルだけに限ったことでは無いんでしょうが、そういう人が他のアーティストよりもおおぜいいることの意味はなんでしょう?また、私ごとで恐縮ですが、こうして宇多田ヒカルの作品についてはなにか書きたくなるオジサンもいるわけです。
それが何故なのか?理由は何なのか?
他のJ-POPアーティストの曲は言葉が聞き取れないのに、宇多田ヒカルの歌は聴いているだけで歌詞がわかるし、その内容について考えたくなります。
おそらくそれは発声、発音、言葉の載せ方などの技術の問題だけではなくて、伝える中身がちゃんと歌詞の中にあるのか?枝葉末節ではなく、曲自体を大きく捉えたときに、そこにメッセージがあるのか?のほうが大きいんじゃないでしょうか。
亡くなった加藤和彦が生前(そして今思えば、結果として晩年)、テリー伊藤のラジオに出たときに「今の日本にはロックサウンドの音楽はあるけど、ロックは無い」ときっぱり言っていたことが忘れられません。ジャンルとしてのロックのことは私はよく分かっていませんが、加藤和彦が言っていた「ロック」って、どんなジャンルの音楽でも無くしちゃいけないものなんだと思います。
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