録画で見たんですが、2月22日のミュージックステーションはなかなか気合の入った出演陣で、久しぶりに早送りをほとんど使わず見せてもらいました。
その中で、知らないロックバンドが出てきたのですが、これがよかった!
King Gnuというバンドで`"Gnu"ってのは昔よくドキュメンタリー番組で出てきた牛みたいな生き物だったかしら、と思って辞書を引いたらやっぱりそうでした。渋い選択。
で、出てきた絵面がワルそう。
しかも演奏している曲がなにやらプログレ入ってる感じのロックで、最近あまり見なかったスタイルです。ストリングス系の音を使ってぎゅんぎゅん転調するし、ちゃんとリズムとってないけどたぶん2拍子、4拍子を切り替えながら、せっかちに次へ次へ進んでいくところも楽しい。
最近テレビに出てくるロックバンドって、前髪垂らした細っこい男の子がブツブツいってるのばっかりだったから、こういうワイルドな感じを待ってた!芝居っ気たっぷりにトラメガで歌うアンチャンの後ろにはマッドキーボーディストまでいるじゃないですか。こういうの大好きだ~。
そんなわけで「2曲続けて」で後攻めをやらされたセカイノオワリがGSに見える(やってる曲が悪かったんでしょうが)という、1980年頃「夜のヒットスタジオ」にRCサクセションが出てきたあと、みたいな場の乱れかた。
その影響はその後もしばらく続き、ケミストリーもJUJUもこの流れでは歌謡曲に聞こえてしまいました。
こりゃアルバム1枚くらい聴いてみないと、とiTunesで検索かけたところ、テレビでやっていた曲「Slumberland」が入っているアルバムがストリーミングで落とせました 。
早速、翌日の休日出勤のときにiPhoneで聴きながらでかけてみました。
まあとにかく、1曲めの短いインストからテレビでやってた2曲め、さらにそこから4曲めまで、次のインストナンバーが挟まるまでの最初のブロックがハッタリが効いてて圧倒的に良い。「Slamberland」の感想は上に書いたとおり、そのまま畳み掛ける感じで3分くらいの尺にアイデアが詰まったテンポの速い曲が続きます。
その様子は、1983年にアルフィーが勝負をかけたアルバム「ALFEE'S LAW」のA面と同じ気合を感じます。
さて、アルバム「Sympa」の後半は、今風の普通さに寄っちゃって少し眠いんで、この次は前半の勢いのまま最後まで走り切るアルバムを作って欲しいな。
2019/02/24
2019/02/03
Hikaru Utada Laughter in the Dark Tour 2018/宇多田ヒカル
先週の日曜日、前日になってBSスカパーで宇多田ヒカルのライブが放映されることがわかって、慌てて録画をとりながら視聴しました。あー驚いた。
昨年秋に行われた全国ツアーの最終日の実況とのこと。タイトル"Hikaru Utada Laughter in the Dark"はまたまた一筋縄ではいかない感じの矛盾した概念を表しています。ちょっとこのところこの路線の頻度高すぎませんか?と思って、元ネタを探ってみたらナボコフに同じタイトルがあるようです。「暗闇の中の笑い」、試される教養。
セットリストはやや地味というか渋い印象で、ズンドコお調子系の曲はかなり絞り込まれています。休養前のヒット曲は前半にメドレー形式でぽんぽんと放り込まれて客席を温めたあとは最新の2枚のアルバムのナンバーをじっくり聴かせる構成。相変わらず、歌以外のパフォーマンス(MCや肉体を使った表現部分)にはデビュー以来の素人臭さを感じさせつつ、ドレスから露出した肩や腕には定期的なトレーニングを欠かさないプロ意識をにじませていました。
また、前半終了後の着替えタイムには、芸人であり芥川賞作家である又吉直樹の脚本・出演によるコントビデオ(なぜか笑いの質がドリフあるいはゲバゲバ90分的)が上映されるというおまけ付きでした。
さて、新作アルバムでもそうなのですが、このライブを見ていて少し心配になったのは、ひとつはちょっと声が細くなったかな、というところ。歌声としては休養寸前の、ネット配信された横浜スタジアムのライブの頃がもっとも脂が乗っていた感じで、まだそこまで戻ってないかなと思いました。まだ三十代なので、衰えではなく出来上がってないだけだと思いますが。
もうひとつは作品のことで、復帰以来、「母親の鎮魂」というテーマが非常に大きいのはわかるのですが、自分が母親になったことがあまりストレートに作品に反映されないのがちょっと気にかかります。クマのぬいぐるみにも歌を捧げていた彼女の私小説作家的体質を思えば、そろそろ子供との関係を題材にした曲がもっと生まれてきても良いのではないかなあ、と余計な心配をしてしまいます。ことによっては童謡集作るくらいのことをしても不思議ではないんだけど(太田裕美はそうなって、昔からのファンは置き去りにされましたので、そうなってほしいわけではないんですが)。
宇多田ヒカルの家庭環境を思うと、子供を生むということについてもいろんな葛藤があったと思うし、現在はシングルマザーになっているわけですから、いろいろ苦労していると思います。なにかあったときに駆け込む実家にはおばあちゃんはいないわけですし。プロデューサー宇多田照實氏が全面協力しているんだとは思いますが、さてその実際はどうなのでしょう。
https://hikaruutadatour2018.jp
昨年秋に行われた全国ツアーの最終日の実況とのこと。タイトル"Hikaru Utada Laughter in the Dark"はまたまた一筋縄ではいかない感じの矛盾した概念を表しています。ちょっとこのところこの路線の頻度高すぎませんか?と思って、元ネタを探ってみたらナボコフに同じタイトルがあるようです。「暗闇の中の笑い」、試される教養。
セットリストはやや地味というか渋い印象で、ズンドコお調子系の曲はかなり絞り込まれています。休養前のヒット曲は前半にメドレー形式でぽんぽんと放り込まれて客席を温めたあとは最新の2枚のアルバムのナンバーをじっくり聴かせる構成。相変わらず、歌以外のパフォーマンス(MCや肉体を使った表現部分)にはデビュー以来の素人臭さを感じさせつつ、ドレスから露出した肩や腕には定期的なトレーニングを欠かさないプロ意識をにじませていました。
また、前半終了後の着替えタイムには、芸人であり芥川賞作家である又吉直樹の脚本・出演によるコントビデオ(なぜか笑いの質がドリフあるいはゲバゲバ90分的)が上映されるというおまけ付きでした。
さて、新作アルバムでもそうなのですが、このライブを見ていて少し心配になったのは、ひとつはちょっと声が細くなったかな、というところ。歌声としては休養寸前の、ネット配信された横浜スタジアムのライブの頃がもっとも脂が乗っていた感じで、まだそこまで戻ってないかなと思いました。まだ三十代なので、衰えではなく出来上がってないだけだと思いますが。
もうひとつは作品のことで、復帰以来、「母親の鎮魂」というテーマが非常に大きいのはわかるのですが、自分が母親になったことがあまりストレートに作品に反映されないのがちょっと気にかかります。クマのぬいぐるみにも歌を捧げていた彼女の私小説作家的体質を思えば、そろそろ子供との関係を題材にした曲がもっと生まれてきても良いのではないかなあ、と余計な心配をしてしまいます。ことによっては童謡集作るくらいのことをしても不思議ではないんだけど(太田裕美はそうなって、昔からのファンは置き去りにされましたので、そうなってほしいわけではないんですが)。
宇多田ヒカルの家庭環境を思うと、子供を生むということについてもいろんな葛藤があったと思うし、現在はシングルマザーになっているわけですから、いろいろ苦労していると思います。なにかあったときに駆け込む実家にはおばあちゃんはいないわけですし。プロデューサー宇多田照實氏が全面協力しているんだとは思いますが、さてその実際はどうなのでしょう。
https://hikaruutadatour2018.jp
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