「帰って来たヨッパライ」も「あの素晴らしい愛をもう一度」も、「サディスティック・ミカ・バンド」も幼児〜児童期のことで、その頃の僕は西郷輝彦とか小柳ルミ子とか野口五郎とかを無邪気に見ていた子どもでしたから。
そんなわけで、加藤和彦については大人になってからある程度「お勉強」の一環として触れただけです。最近もなんかのコマーシャルに出演したり、木村カエラを引き込んでの「サディスティック・ミカ・バンド」再結成などの活動をしていますが、はっきり言ってテレビで見る限り「飄々とした、歌の下手なオジサン」としか見えません。
しかし、残して来た作品を見ると、「タイムマシンにお願い」、「ドゥー・ユー・リメンバー・ミー(岡崎友紀)」、「不思議なピーチパイ」をはじめとする初期の竹内まりやのシングル、飯島真理「愛・おぼえていますか」など、その時代、時代でハイカラな曲を作っており、自身のソロでも「だいじょうぶマイ・フレンド」など、印象的な作品があります(この辺はWikipediaを参考にしています)。
その一方で、以前にも書きましたが、ラジオに出て来て「今の日本にはロックはない。ロックとは形式でなく生き方だから」という発言をするなど、硬派な部分も持っています(と、同時に本人は自分がロックンローラーであると思っていると思われる)。
さて、そんな加藤和彦の直近の仕事が「和幸」のプロジェクトです。iTMSでもダウンロード可能。
THE ALFEEの坂崎幸之助と組んで、架空のグループ「和幸」のオールタイムベスト盤「和幸:ゴールデン・ヒッツ」である、という見立てで作られたアルバムです。グループ「和幸」のキャリアは加藤和彦の活動期と同じ、ということなんでしょう。相方の坂崎幸之助はアコースティックギターの名手であり、その年齢以上に日本のフォーク史に詳しい人なので、加藤和彦の苦手な部分をサポートするに最適な人選であったと思われます。
そんなわけで、このアルバムは60年〜70年代の音楽に造詣が深いほど面白いはずで、私も雰囲気は分かるんですが、笑うところまでなかなかいかない。タモリの「戦後歌謡史」に匹敵するパロディなのだと思うんですが、自分の若さが憎い!(と、手のこんだ自慢をして終わります)
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