前回に引き続き、決定盤!!「ニュー・ミュージックの時代」ベストの収録曲からお話を続けます。2曲目の"「いちご白書」をもう一度"は飛ばして、3曲目に移ります。
M3.真夜中のドア/松原みき
2008年末現在、巷では飯島愛の死が話題になっていますが、松原みきも44歳の若さで病死しています。イイ女だったのにもったない…と言ってみる。
彼女には「ニートな午後3時」という、化粧品会社のCMとタイアップした代表曲があります。「ニートな午後3時」といっても、仕事のない若者のやるせない午後を歌った歌ではなく、「かざらない、さっぱりした美人」という当時の化粧品会社のコンセプトです。
このCDでは、デビュー曲の「真夜中のドア」の方を収録しています。実際どちらが良い曲かと考えると、CMで使える部分に辿り着くまでにちょっともたつきを感じさせる「ニートな午後3時」よりも、コンパクトな中に変化を感じさせる「真夜中のドア」の方が出来が良く、選曲者の見識をそこはかとなく感じさせてくれます。
細かいことを言うと、フォーク・ロックにルーツを持つニューミュージック勢とは音楽の方向が少し違っており、どちらかというとジャズ畑の印象。まあ、当時は「歌謡曲」じゃなければなんでもニューミュージックだったんですけどね。
今になって松原みきを聴くと、いわゆるR&Bの歌姫路線の先祖であることが良く分かります。従来の日本的な歌謡曲とは一線を引いた洋楽風の歌唱を売りにする歌手は、それ以前に青江三奈がいました。私の父のような昭和一桁世代から、「進駐軍」とか「米軍キャンプ」なんていう単語とともに語られる本格派。さらにその後の、戦後生まれの世代では朱里エイコやしばたはつみなんていう人たちがいました。当時は「ジャズ」系と言われましたが、今ならR&Bとジャンル分けされるはずです。
「真夜中のドア」は発売が79年ということで、バックの演奏が当時流行していたフュージョン的なところが時代を感じさせます。しかし、松原みきの歌唱は、ほとんど良く似たサウンドで唄う杉山清貴よりもずっと洋楽風だと思います。例えば小柳ゆきや中島美嘉あたりの楽曲を唄わせたら、どんな風になっただろうと想像すると楽しくなってきます。つくづくもったいなかったなあ…。
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