今日は、首都圏エリアではありましたが、それなりに遠距離&長時間の移動があったので、改めて昨日の広瀬香美をエンドレスで聴いていました。広瀬香美が一番流行っている頃はリアルタイムであまりちゃんと聴いてなかったんですが、今になってじっくり聴くと良いですね、彼女。
まあとにかく、歌手として作家として、抽き出しの多いこと!
ビブラートひとつにしても自由自在なんですね。初期はほとんどノンビブラートで棒みたいに歌い、ときおり、8分音符にやたらシンクロした、のおおおおお、みたいな感じ(その辺が八神純子的だと思わされるんですが)だったのが、時代が下るにしたがって、具体的には"I Wish"あたりからはナチュラルなビブラートも使い始め、さらには渡辺真知子ばりの泣き節(一瞬裏声が交じる、やつですね)も使い始めます。それは声が出なくなってごまかしてるんじゃなくて、ポイントのところでは初期とおんなじ高音ノンビブラートも使っているんです。これだけ自由自在に歌を唄えればさぞかしレコーディングが楽しいでしょうね。
一方、曲作りの方はめちゃくちゃ論理的、なんだと思います。正確に評価できる知識は無いんですが、1曲当たり大きく4つくらいの部品を作っておいて、それをいかに上手に繋ぐか、ということをすごく計算した、プロフェッショナルな作り方をしていることが分かります。ときにはそのためにブリッジ部分をかなり強引に作ったりもしています。例としては「ゲレンデがとけるほど恋したい」の最後のサビの手前の「ま、さ、に、ぜっこ、おちょおー」の辺りなど。そしてそれは、作り込みが甘いんじゃなくて、「そういうゴツゴツしたところがあった方が曲として魅力的である」と分かってやっているのが聴いていて分かるんです。わあ恐ろしい…。
しかも、メロディの固まりを4つ作ったら、ひとつかふたつはちょっと過去の有名曲を下敷きにしたキャッチーで、あまり音楽に興味が無い人でも食いつけるようなところが必ず作ってあります。これも計算ずく。で、これだけ曲を作り込んでおいて、いざ歌を吹き込む段になると、タイミングをあまりきっちりにせずにところどころ音符を少し長めに歌って(モタるんじゃなくてタメてる)、結構下世話な感じの歌詞がちゃんと伝わるようにしています。
何処まで行ってもプロフェッショナルな上に、最終的なできあがりは現代的歌謡曲の王道。彼女が出てきたころはあまりFMのベストテン番組も聴いてなかったので、実際にはどうだったか知りませんが、故・宮川泰氏などは絶賛してたんじゃないでしょうか?そういう、宮川泰→ザ・ピーナッツの路線の現代版、という感じがものすごくします。
最後に、「月の下で逢いましょう」は割と最近の作品ですが、これハロプロ関連によく合いそう。GAMの次の曲はこれにしたら良いんじゃないでしょうか?特に藤本美貴の声に良く合うと思う。
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