歌がうまいとはどういうことかと考え続けております。
1.肉声という楽器の音色が美しいこと
2.同じくその楽器の音域が広いこと
3.同じくダイナミックレンジが広いこと
4.その楽器を自由自在にコントロールできること(音程、強弱など)
5.楽曲を理解し、きちんと表現できること
とりあえずこの5つくらいが問題なんじゃないか、と考えが固まってきました。
例えば、もう亡くなりましたが、村田英雄という歌手がいました。
彼の声は浪曲出身ということもあって、クラシック歌手のような美しさとは違いますが、邦楽用楽器として優れた音色であったと思います。ただ、ピッチの調整が難しく、力むと音程が上に外れる楽器でした。ライバルといわれた三波春夫の方が西洋音楽的知識が豊かで、音楽性が高いように思えます。
森進一という歌手がいます。彼の声は美しい音色とは違いますが、魅力ある音色の楽器です。また、歌手にとってきれいな声が絶対の条件ではないということを日本人にきちんと教えてくれた歴史的な存在です。またその声のコントロールも巧みでありますが、「伴奏とのハーモニー」という感覚がない(または重要だと思っていない)ので、バックの和音がどう動いても関係なく、エンディングで延々と一つの音を伸ばし続けるという、暴力的な演奏をします。
あべ静江というとてもきれいな声で唄う女性がいます(最近は唄っているところを見ませんが)。鈴を転がすようなきれいな声だけれども、一つの唄い方しかできないように見えます。
薬師丸ひろ子もちょっとそんな感じがあります。声がきれいと歌がうまいはすぐ近くにあるのですが、このふたりのことを考えると、どうも同じではないようです。
次回は私が本当にうまいと思う人の話を書きたいと思います。ああ、とても大変そうだなあ…。
2008/07/16
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