要は我々素人が歌の「うまい・へた」に言及するとき、「楽器としての声が優れているかどうか」、「楽器である自分の声をいかに思い通りにコントロールするかという技術論」、さらに「楽曲を解釈できるかどうかという知識とセンス」という3つの要素がごちゃごちゃになっていると思います。その際、どうしても声がきれいということに善くも悪くも騙される場合が多い、と思うんです。
また、「楽器として優れている」の中にも「音色が美しい」と「音域とダイナミックレンジが広い」という二通りがあると思います。
前項の杉山清貴は「音色が美しい」楽器であり、その演奏能力にも「問題が無い」、という人です。こういう人はうまいと言いやすいですね。
今日はMISIAを聴いています。
この人は「音色が美しい」上に「音域が広い」楽器であり、その演奏能力も「優れている」人です。
あえて、有名曲のカヴァーである、"LOVIN' YOU"をダウンロードしてみました。
この三十数年前の名曲は、いろんな人がカヴァーしたりTVで唄ったりしますが、たいていは今井美樹ヴァージョンのように、最後の「ああああああー」をオクターブ落とした常識的な範囲で唄うのですが、さすがMISIAはオリジナルのミニー・リパートンと同じキーで、例の箇所も歌メロの1オクターブ上を使って鳥のような声を出しています。
彼女の音色と音域については全く不満がなく、あとは年齢を重ねつつ楽典の勉強を進めて高みをきわめていただくしかないかと思います。"Everything"が代表曲、じゃもったいない。もっと斬新な曲で天下を取ってみせて欲しいですね。
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