最近、TVでその情報を見ることが少ない椎名林檎です。
私はさらっと通り過ぎているので、あまり難しい考察は無いのですが、それでも彼女がただ者でないことはよっく分かります。
彼女のプロフィールを見ると、1978年生まれということですが、なんでこんなに昔の曲に詳しいかな、と不思議になります。
「真夜中は純潔」は東京スカパラダイスオーケストラとの競演です。
ぱっと聴くと昭和の匂いがぷんぷんする、歌謡曲のパロディにも見えますが、それは何時の時代のなんていう曲なのかと思うと出てこない、不思議な曲。というか結婚前の第一次(?)椎名林檎の曲はそういうのが多いです。
「自称・新宿系」といいますが、新宿系の祖先を探しても、その前は一気に藤圭子まで遡ってしまうので、その間はミッシングリンクになっています。
この曲はPVがすごくて、全編昭和時代のセル枚数の少ないアニメーションで作られています(ただし、ところどころですごく贅沢をしているようです)。
このアニメも、私は「スカイヤーズ5」とかをちょっと思い出しますが、中に出てくるメカの変形などは今の表現だし、楽器の演奏と人物の動きのシンクロ、途中の歌詞と口の動きのシンクロなど、「昔見たような、でもこんなものは無かった」という、アニメになっています。
歌詞の仮名遣いもそうで、ちょっとみるといわゆる歴史的仮名遣いかと思いきや(この曲ではかなり忠実にやっているようですが)、そうでなかったり。
音楽にまつわる過去の表現(歌唱法、歌詞、メロディ、サウンド、装丁、PV)が一度、椎名林檎の体内を通って違ったものになって表現されています。
そこから出てくる物は、懐かしいけれど虚構の過去。パラレルワールドの昭和歌謡といったもの(しかも本当の過去の作品よりエッジが効いた、楽しいものになってる)で、その虚構世界を作り上げるパワーは、突出しています。
2008/11/19
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