こいつら、やっぱり面白いです。
"Sing that iTune!"というMacのガジェットで歌詞を読みましたが、話の飛躍のしかたが80年代江口寿史的(あるいは「ビックリハウス」的なのかもしれない。僕は読んでなかったけど)で「あるある!」という感じがします。「脳卒中」と「由比ケ浜」という2つの言葉の絶対値が同じであるとする言語感覚については、おそらく説明不能ですが、分かる人には分かる。
予算的に使える機材の制限等もあったと思うから、どこまでがわざとでどこまでが制約によるものかは知りませんが、例のか弱い声のボーカルの、音が取りきれてないところもそのまま直さずに収録されていて、それがまた生々しさを助長する効果になっています。ギターの音も私たちが仲間内で宅録していたころの、「エフェクター繋いでライン録り」の音に良く似ていて、今からでもコーラスの録音を手伝いに行ってやりたくなります。
今の「メジャーなアーティスト」のCDであれば、この素材をトラックごとにデジタルでいじって、ボーカルはピッチ&タイミングばっちり、ギターはエフェクターが何種類使ってあるのか分からないようにパッケージされますが、相対性理論は、というか特にこの「シフォン主義」は生の素材がそのまま見えていて面白いです。「LOVEずっきゅん」の途中で「らぶ〜らぶ〜らぶ〜らぶ〜」というコーラスっぽいフレーズがありますが、普通は多重録音で4つ重ねる(そのくらいは僕らでもやってた)かコンピュータで最初のフレーズのピッチを変えて貼付けるんだと思うけど、ボーカルがはあはあいいながら4回続けて歌ってるのはいつの時代だい(だからこれはわざとやってるんですね)?
この作品をCDショップの店員が1位にした、ということは彼らも今の主流の、仕上げだけはきれいきれいな音楽に辟易としている証拠じゃないでしょうか。
例えば、引き合いに出して申し訳ないけど、相対性理論と良く似た編成でいまや超メジャーな「いきものがかり」という毒にも薬にもならないバンドがありますね?あれはコンビニのサンドイッチのように作られたものですが、「いきものがかり」という全国で大量販売する280円のサンドイッチを作る時に切り落とした耳の部分のようなもの、あるいは最初から三角形の袋に入れることを考えず、個人経営の喫茶店店主が作ったようなものが相対性理論の作品だと思います。彼らはこれから三角形の袋に入ることを目指すのでしょうか?
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