2018/08/12

初恋/宇多田ヒカル と、ちょっとおまけの雑談

昨日、久しぶりに記事を書いてみましたが、いやもう文章はくどいわ、点は打ち過ぎだわ、論旨はテキトーだわで本当に困ったもんだ。

こりずに今日も書く。宇多田ヒカルの新しいアルバム「初恋」です。ええ、もちろん発売週に買ってますとも!

昔のようにしゃぶりつくすように書く体力はありませんので、いたってあっさりとまとめさせていただくつもりです。ていうか、NHKの「プロフェッショナル仕事の流儀」で素人の深読みの余地がないくらい正解が提示されています。興味があったらそっちを見れば良いわけで→と思ってNHKオンデマンドのリンクを貼ろうと思ったら、すでに配信終了になっていました。いつか再放送すると思いますが。

録画してなかったので、NHKオンデマンドで1回見ただけなんですが、制作現場や本人の姿勢なんかはわりと思っていた通りでした。マックブックを相手に一人でプリプロをやって、仮歌まで作ってからミュージシャンを呼んでオケを完成させて、最後に歌詞を仕上げて歌を入れる、という手順。おそらく作曲を自分でやるアーティストは、今はみんなこんな感じなんでしょうね(なんのソフト使ってるのかは知りたいです)。
「プロフェッショナル」では、制作現場の映像はもちろんですが、結構インタビュー部分が多く収録されていて、彼女のちょっと普通じゃない生い立ちなども淡々と語られていました。デビュー当時から公開されている情報に触れているだけでも「まあ、そんな感じなんだろうな」と思っていたことが改めて検証されたところが多かったです。挙動不審な父親とエキセントリックな母に挟まれた一人っ子、という環境がちょっと自分に似ているので、勝手にシンパシーを感じていました。それにしても「小学校三年生くらいで怒りとか悲しいという感情がなくなっていた」というのはさすがに驚いた。

さて、作品としては前作から2年も経たないうちに発売された復帰第二弾ということで、宇多田ヒカルにしては量産体制と言って良いペースで出てきたこのアルバム。前回よりも一段と落ち着いた印象です。前回はなんだかんだ男声ラップとか椎名林檎とか、結構バラエティに富んでいたのですが、今回はがっぷり四つの力勝負という感じです。電子楽器系の音はほとんど鳴らず、シンプルなバンドサウンドとストリングス、たまに分厚いコーラスという感じ。聞き手に緊張を強いるようなことはありませんが、すごい完成度です。そして歌詞がどんどん深くなっていて、二十も年上の私が聴いてても苦しくなります。

なんども書きますが、今、J-POPを聴いていて歌詞でなにかを考えさせられることはほとんどありません。怒るでも泣くでもなく、周りと衝突しないで気の持ち方だけでなんとか日々をやり過ごそう、としている歌ばかり。たまに硬派なことをいっているのかと思ってもよく聞くと「そういうパターンのやつ」をコピーしているだけだし。

世間にはこんなに不条理や不公平が溢れているのにねえ。

ここからはおまけですが、数ヶ月前にテレビ朝日「ミュージックステーション」に女の子のバンドが出てきて、その態度が悪い(タモリにタメ口!)と炎上しかけて、「お、なかなかロックな佇まいじゃん!」と期待してるんですけど、その後どうなったかな?一応、アルバム1枚聴いてみました。評価保留。

それにしても昔は態度悪いフォーク、ロック系のアーティストがいっぱいいて、そこからちゃんと大物になった人もいたんですけどね。芳村真理の前でチューインガム噛みながら歌った人とか、ギターぶん投げて壊しちゃた人とか。今でも泉谷しげるがたまに再現してくれますが、あれはもう「お約束」だもんなー。


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