中森明菜の話を書いたので、ついでに松田聖子の話も書いておきましょう。
松田聖子のデビューはネットで調べると1980年。私が高校生の時でした。この年は山口百恵が引退した年で、次にブレイクする女性アイドルがポスト百恵になる、という気分が醸成されていた年でした。
当時純真な高校生だった私は、その一番手が岩崎宏美の妹である岩崎良美であるとふんでいました。しかし、1980年が終わる頃、女性アイドルのトップにいたのは松田聖子でした。
アイドル歌手としてはデビュー年齢が高く(高校を卒業してからデビュー)、特別な美少女というわけでもなかった松田聖子をトップアイドルに押し上げたものは、本人のキャラクターやプロ根性もあるのでしょうが、まずは声でしょう。
私が(ということは当時ぼんやりとテレビを見ていた思春期の男子が)最初に松田聖子に触れたのは、資生堂のニキビ治療薬"ekubo"のCMソングでした。そこには高校生らしい美少女が映っていましたが、CMソングを歌っているのはその子ではなく、全く別人の新人歌手・松田聖子でした。ブッポウソウか!
そして、その声の印象が強かった。ちょっとそれまでのアイドルとは違う、「かーん」と響く声でした。上手くないし、音域も狭かったが、つぼにはまった時の迫力があることだけは直感で分かる、そういう声でした。
その後いろいろあって、彼女はその声一つとっても、2年目あたりで一度喉を痛めて声質が変わっていますし、結婚・出産後は更に変わってしまっています。でもその頃には松田聖子という存在自体がモンスター化して、声がどうとか曲がどうという存在ではなくなってしまいました。
彼女を題材にすれば、本が何冊も書けるような存在になってしまったので、そのキャリアを要約することすら難しいのですが、結婚しても出産してもアイドルの延長で仕事ができることや、女性歌手でもスキャンダルがほんとうに肥やしにできることなど、様々なことを証明して見せながら、今もまだ彼女が前に進んでいるということは、尊敬に値するのではないでしょうか。
私の嗜好からも、松本隆や財津和夫、大滝詠一、細野晴臣などの人名を絡めて書きたいのはやまやまなんですが、それはまたいつか…。まず第一に松田聖子は声の人であるということを訴えて、続きはまたの機会にしたいと思います。
2007/07/29
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