2007/07/16
私がオバさんになっても/森高千里
変わった声ですよね。話す声がこんな感じの女性は時々いますが、プロの歌い手で彼女以前にこういう発声で出てきた人を私は知りません。小学生が先生になんか言いつけるときの声です。なのに歌の中身が結構生っぽい大人の女性の心情なので、そのギャップにみんな騙された(本人は騙したつもりではないでしょうが)、のではないでしょうか?
先日、持田香織を変形アイドルと決めつけましたが、では森高千里はどうか?
何かで読んだところでは、アイドルとして売り出すには歳がいっていたので、詩を書かせてアーティストということで売り出した、というような裏話があるようです。
ただ、本人やスタッフの思惑はどうであれ、彼女の詩は中身がちゃんと詰まっており、その内圧から、過程はどうであれ結果としてアーティストとならざるを得なかったと思います。
どっちが上、とか高級だ、ということでなく、シンガー・ソングライターと他人が作った歌を唄う歌手とでは、体質の違いがあるんじゃないでしょうか?純粋な歌手として成功するには、森高千里が持っていた内圧とは逆に、内側が真空みたいな人がいいんだと思います。
それにしても、20代の美人女性が「私がオバさんになっても」というタイトルで歌詞を書く、自分に対する冷徹さ(というか諦観というか)はすごいなあ。自分が中年になるということに対して、男は意外と自覚が無いと思います。一足飛びに「引退後」とか「老後」をぼんやり夢想することはあるけれど、「中年になる」覚悟って、僕はしたこと無かったわ。なっちゃったけど…。
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