またちょっと古い音楽の話です。
1979年に活動を開始したスペクトラムは、既にトランペット奏者として活躍していた新田一郎を中心にしたバンドです。新田一郎は多くのアーティストの作品でホーン・アレンジや演奏でクレジットされていますから、名前はよく知られていると思います。主観的には日本初のシカゴ風ブラス・ロックバンド、と書きたいところですが、つのだ☆ひろもラッパの入ったバンドをやっていたような気がするので、その辺はむにゃむにゃ…ということにしておきます。
恐ろしいことに、YouTubeで当時の「夜のヒットスタジオ」でのパフォーマンスを見ることが出来ました。ぜひご覧ください。
今見てもとても画期的でしょう。この格好、ブラスの演奏を30年近く前にやっていた人がいた、ということは凄いと思います。曲は有名な外国曲に似ているかもしれませんが、それをブラス・ロックでやって、あのコスチュームを着て、テレビの生放送でパフォーマンスしているところがえらいと思います。「お茶の間」にこれを届けて、自分たちの何かを証明せずにいられない、という熱い動機が感じられます。
さて、外国の事情は知りませんが、少なくとも日本ではホーン・セクションのいるバンドは長続きしないといわれ、その一番の理由は「人数が多くて食べられない」ことらしいです。スペクトラムも記録を見てみると2年ほどで解散しています。
実際に、日本でブラスの入ったバンドで成功するのは、ほぼ10年後にブレイクした米米クラブ、さらに遅れて東京スカパラダイスオーケストラまでほぼ皆無ですが、米米クラブのビッグ・ホーンズ・ビーだって、細かい営業をしながら食いつないでいたはずです。
こちらの「スペクトラム伝説」で2年間の彼らの歴史の概略を振り返ることが出来ます。一部の楽曲で、作詞に桑田佳祐の名が…。
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