まだ日本語問題が続きます。
現代J-POPまで話を続けてしまいたいので、あと2本くらい書くのかなあ…。
さて、現代J-POPの最初のテキストは、B'zの"BLOWIN'"です。
耳の古い私にとって、歌詞が聞き取れる一番新しい世代がB'zまでだからです(宇多田ヒカルは除く。詳細はいずれ…)。また、実年齢が若くても、手法的な冒険をしていない人も別(論外とも云う)です。つまり歌詞の扱いについて、オジサンはここまでは許せるぞ、という境界線です。
佐野元春のところでまとめた、日本語でロックを歌う時の歌詞の載せ方6種類
1.松本隆のように音符に載せやすい言葉を収集して作詞する
2.大滝詠一のように文章の音節を分解して曲に載せ、その違和感込みで楽しむ
3.キャロルのように適宜英単語を混ぜて調子を整え、違和感をなくすために日本語も外人風に歌う
4.桑田佳祐のようにテープの早回しみたいに歌う
5.ゴダイゴのように英語の方が載せやすければある程度は英語で歌ってしまう
6.佐野元春のように日本語の音節を無視して、1つの音符に複数の音節の言葉でも強引に載せてしまう
をB'zはとても上手にやってると思います。
BLOWIN'の中で探すと、
1.「汗まみれ」「麻痺状態」などの言葉の選び方
2.「きーっさ|てんでまいにっ|ちおなじ|よっと」の切り方
3.「シャドウボクシング」、「ハニー」の英語化
4.全編早口
5.サビの英語部分
6.「きみにしがみついた」を「(き)みに」「しがみ」「つい」「たー」と大きい音符に載せる
等でしょうか。ま、結論が先に決まって書いてるんでだいぶ恣意的ですが…。
B'zは商業ロックの権化ですから、いろいろ毀誉褒貶もあるようですが(外国曲に似ている例が非常に多い、等)、ロックサウンドへの日本語の載せ方としてはほとんど満点なんじゃないでしょうか?日本語だということを忘れてしまうほどカッコいい、と私は思います。歌詞が聞き取れるかというと部分的に厳しいのですが、歌詞カードで1度答え合わせをすれば(特に混ざっている英語の部分が確認できれば)「腑に落ちる」レベルはキープしていると思います。
実際、長年にわたって大衆に支持されているわけですし、伝わる言葉を持っているからこそ成功しているのだ、と私は思います。特にファンというわけではありませんが、売れているのは当然だと思います。
登録:
コメントの投稿 (Atom)
世界デビューしました
2024年も大晦日になってしまいました。とうとうレコード大賞もまったく見なくなったなあ。もうテレビはほとんど見なくなってしまい、退職金で買った大型画面テレビはもっぱらYouTubeをぼんやり見るだけの機材になってしまいました。まあ最近のYouTubeは画面きれいだけども。 さ...
-
例えば杉山清貴という人がいます。全盛期は80年代の中盤で、最近はほとんど見る機会もないのですが、この人なんかは喋る声の延長と思える声がきれいで、いかにもハイトーン・ボイスという印象です。いつ声変わりしたのか分からない、ボーイソプラノのまま大人になった声で、似ている人ではもっと昔に...
-
宇多田ヒカルが今後どのくらいの期間、音楽家として活動するのか分かりませんが、おそらく3rdアルバム"Deep River"までが「初期」と云われることになるのでしょう。 この期間は彼女が大人になる過程を発表し続けた時期だからです。 "First Lo...
-
前回の更新から2年近く経ってしまいました。その間に会社を定年退職したり引っ越ししたりで自分のことで精一杯でしたが、まあ晴れてほぼ自由の身(経済的にはどんどん不自由になるわけですが)ということで、これからは身バレしようが炎上しようが誰にも迷惑がかからないことになっています。 さて、...
0 件のコメント:
コメントを投稿